【2023】一橋大学数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Gold+合格る確率+整数で合格への道

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

東京大学文系・理系数学

京都大学文系・理系数学

 

【2023】一橋大学数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Gold+合格る確率+整数で合格への道

 

一橋大学入試の数学で悩んでいる人へ

 一橋大学数学が難しくて、大問を完答できない。また、どのくらいが合格レベルかが全くわからずに、悩んでいませんか?
 実は、一橋大学の数学は、年度にもよりますが、月刊『大学への数学』誌の難易度では、東大文系よりも難しい年もあります。また、毎年のように出る、整数、確率は、特殊な分野で、教科書とチャート式、Focus Goldあたりを深く理解しても、特別な対策をしないと、歯が立たないことが多いです。
 この記事を読むと、一橋大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、どのような教材をマスターすればいいのか、などを知ることができます。

 

一橋大学入試における数学の重要性

 一橋大学の数学の配点は、商学部が250/1000。経済学部前期が260/1000。法学部が180/1000。社会学部が130/1000です。特に経済系の学部では、数字だけ見ても、配点が高いことがわかります。
 また、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 一橋大学のシラバスを見ても、経済系に強い大学だからでしょうか、理工系並に数学の授業が充実していて、選択履修することができます。
 ちなみに、2023年4月に日銀総裁に就任した植田和男さんも、最初は東大理学部数学科で、その後、経済学部に学士入学しています。経済学における数学の重要性は、近年徐々に、大学入試に反映されつつあります。

2023年学部別合格最低点

一橋大学のサイトより引用

学部 合格最低点
571
経済 570
592
社会 574

 合格最低点は、共通テストも合わせて、1,000点満点にしたものです。
 たとえば、経済学部を受けて、共通テストで160点/210点満点を取ったとしましょう。一橋二次では、410点/790点満点、つまり、5割強取れば受かるということです。一橋は社会の論述が妙に書きにくい、などを考慮しても、数学の目標点は5割前後の年が多いと思います。ただし、以下のように、数学は、年度ごとに、難易度の差が激しいので、あくまでも1つの目安になります。それにしても、下記のように勉強すれば、数学で合格点を超えることはできます。

 

一橋数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 一橋の数学は、東大文系よりも難しいと言われることがあります。たしかに、月刊『大学への数学』誌の難易度ランクづけでも、そのような評価の年もあります。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

【2023】一橋大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

月刊『大学への数学』誌の難易度はB。
問題文からして、整数問題です。

C(コンビネーション)で整数問題になるということは、1つは!(階乗)表記にして整理すると、整数問題っぽくなるのではないか、と考えます。すると、(  )2と因数分解できる部分ができるので、平方数の条件で絞り込みます。
平方数の条件で絞り込む問題は、Focus Goldには載っています。

大学受験塾チーム番町では、Focus Goldだけだと上位大学の整数には少し弱いので、合否を分けるレベルの入試問題集を渡しています。このくらいの取り組みで、完答も可能です。

 

大問2

月刊『大学への数学』誌の難易度はB。
微分の問題です。

Focus Goldなどにも載っている、2曲線が違う接点の共通接線を持つ問題です。Focus Gold通りにやると、途中、複2次式と二次方程式の解の配置の問題の融合問題となります。このあたり、『理系数学良問のプラチカ』『文系数学良問のプラチカ』には、ほぼ同じ流れの問題が載っています。Focus Gold→『プラチカ』は一橋対策の王道です。完答できます。

 

大問3

月刊『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトル不等式で表される球上に頂点がある四面体の体積の最大値を求める問題です。

どんな球かは、Focus Goldの平面ベクトルをマスターしていれば、わかると思います。円や球は中心に着目するのが大切、というのは、ちょっと入試問題集をこなせば出てくると思います。実は、類題が本年度、ある一橋大模試で出題されていました。完答できます。

 

大問4

月刊『大学への数学』誌の難易度はC。
群数列の問題です。

たとえば、青チャート本文や、Focus Goldの章末には、似たような見た目、考え方をする問題が載っているので、完答も可能です。しかし、2023年で最も難しい問題で、時間的な制約から、完答は厳しかった人が多かったでしょう。

大問5

月刊『大学への数学』誌の難易度はA。
確率の問題です。

2人が交互にゲームをする問題で、何回戦かを偶奇で場合分けして Σ(シグマ) で足す問題は『合格る確率』(文英堂)に載っています。一橋受験生は、『合格る確率』は相性が良いと思います。本問は3人でゲームをしますから、3K、3K+1、3k+2と場合分けしてΣ(シグマ) で足せばいいです。完答できます。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、一橋大学レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

一橋大学数学の傾向と対策と勉強法

 一橋大学の数学は、大問5問、試験時間120分。微分積分、確率、整数、ベクトルがよく出題される傾向にあります。このうち、確率、整数は、特別な対策が必要なことも多いです。

 確率は、同じ「確率」の分野でも、共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるものとは、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、2023年のようにΣを使う、などです。合否を分ける基本的な技法は『合格る確率』(文英堂)で対策すればいいと思います。あとは、京大の過去問が傾向似ていることが多いので対策に使えます。

 整数は、完答できていない受験生が多い年も多い傾向にあるので、なんとも言えませんが、取れるだけ部分点を取らなければなりません。市販でちょうどいい整数問題集が無いので、大学受験塾チーム番町では対策として、ちょうど完答できなければならないレベルの技法を網羅した、対策整数問題集を渡しています。

 微分積分は取り組みやすいことが多い傾向です。ただ、やはり、文字aなどを含み、場合分けをする、といったことを求められることが多いです。Focus Goldの技法を完璧にし、『文系数学良問のプラチカ』をで対策をしたいです。

 かなり出題傾向にクセがあるので、過去問集である『一橋大の数学20カ年』(教学社)を、『月刊大学への数学』の東京出版の難易度を意識して(B完答、C部分点)使い、対策したいです。

 東進さん(2回)、河合塾さん(1回)が実施している一橋模試もぜひ受けましょう。数学に関しては、レベルが高めの駿台全国模試、京大模試あたりを受けても、難易度、傾向がわりと近くていいかと思います。

 2023年の難易度はBBBCAでした。教科書を理解し、Focus Goldをマスターし、と、適切な整数問題集をこなす、といった勉強法で、3完半~4完は狙えました。十分、他の受験生に差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

一橋数学 オススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。

 次に、Focus Goldの一橋大学に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、一橋レベルの成績になっているはずです。

 一橋入試対策としては『合格る確率』整数対策『文系数学良問のプラチカ』『一橋大の数学20カ年』を、上記のように、合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率、整数、ベクトルなどの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや『一橋大の数学20カ年』の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番で似たような問題が出るかもしれません。

 

2022年一橋大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問2

月刊『大学への数学』誌の難易度はB。
三角関数と微分の融合問題です。

この三角形の面積を求めるには、教科書のベクトル(図形と方程式)のところに載っている公式が見通しが良さそうです。それで整理すると、sinθについての3次関数になり、Focus Goldあたりにはまず載っているので、普通に解けます。-1≦sinθ≦1を考慮するのはアタリマエですね。完答しましょう。

 

大問3

月刊『大学への数学』誌の難易度はB。
「図形と方程式」で領域を図示する問題です。

(1)
絶対値つきの不等式を証明する問題です。
教科書通りに絶対値を外せば、普通に証明できると思います。

(2)
絶対値つきの不等式が表す領域を図示する問題です。
当然、(1)を誘導と考えるところから逆算して考えます。すると、図示する領域は非常にシンプルなので、簡単に完答できます。

 

大問5

月刊『大学への数学』誌の難易度はC。
確率漸化式の問題です。

(1)(2)ともに「確率漸化式を2段階で使う」という、ちっと見慣れない問題です。したがって、言われれば簡単なのですが、実戦的には難しかったかと思います。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、一橋大学レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

 

2019年一橋大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『大学への数学』5月号の難易度はC。
数列に平方数でない項が存在することを示す問題です。
整数問題でしょう。
整数、数列のように、とびとびの値しか取らない場合(離散的といいます)、実際にn=1,2,3…とやってみるのが有効なことがあります。

整数問題攻略の7つのポイント

a3で整数問題っぽく=q2と置いてもいいでしょうし、もっとやると周期性が見つかるでしょう。
完答すべきです。
整数は、チャートにせよ、Focus Goldにせよ、弱いので、大学受験塾チーム番町では、入試に出たら解けなけばならないレベルの類型をほぼ網羅した問題集を渡しています。

大問2

『大学への数学』5月号の難易度はB。

点Qは単位円の第一象限の点なのでQ(cosθ,sinθ)(0≦θ≦π/2)と置くのはいいでしょう。
その後ゴリゴリ計算すると、三角関数の合成をできる形になるので、それを図形的に読み取れば完答できます。

 

大問3

『大学への数学』5月号の難易度はB。

(1)
三次関数と接線の問題です。
ゴリゴリやるだけです。
(2)
三次関数と接線が囲む面積の問題です。
ゴリゴリやるだけですが、公式も存在します。
完答すべきです。

 

大問4

『大学への数学』5月号の難易度はB。
円が内接したり外接したりしている状況で三角形の面積の最大値を求める問題です。

おそらく最後は1文字についての関数になるだろう、と考えると、式の本数よりも1つ多く文字を使っても大丈夫、ということになります。
そのように考えると完答を狙えるでしょう。
図形問題として検討する価値の高い問題だと思います。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、図形は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問5

『大学への数学』5月号の難易度はA。
確率の問題です。

丁寧に調べていくだけです。
場合の数、確率は、常に、余事象を取ることを選択肢に入れておきましょう。
完答すべきです。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、一橋大学レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

一橋大学数学の傾向と対策と勉強法

 2019年は難易度がCBBBAでした。教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習といった対策、勉強法で、時間さえ許せば満点も狙えるような出題です。他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2018年一橋大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
帰納法や不等式の評価など、いろいろアプローチはありそうなので、なんとか解きたいです。
(2)
(1)は誘導なので、あとは4桁に絞り込み、気づいたところから数字を確定させていけば、完答も狙えるでしょう。

 整数は、チャートにせよ、Focus Goldにせよ、弱いので、大学受験塾チーム番町では、入試に出たら解けなけばならないレベルの類型をほぼ網羅した問題集を渡しています。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
放物線の接線と円が囲む面積の取りうる範囲の問題。

点と直線の距離に帰着させるのが気づきにくいという意味でCなのでしょうが、このような設定で点と直線の距離を使う問題は『Focus Gold』の図形と方程式のところに載っています。
そうすると完答できるでしょう。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
確率の問題。

丁寧に数え上げるだけです。
確率の問題で丁寧に数え上げる、という選択肢は、常に頭に入れておきましょう。
完答すべきです。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、一橋大学レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

大問4

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
空間座標上の四面体の体積の最大値の問題。

問題文の条件から素直に式を立てた後、相加相乗平均を使うか、2次方程式の解と係数の関係(いかにもという形をしている)から、その2次方程式が正の2解を持つ条件(教科書やFocus goldに載っている)に帰着させることができれば、完答できるでしょう。
C問題ですが、そう理不尽ではないので、受験生はマスターする価値が高い問題と言えます。

 

大問5

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
積分の面積の問題。

(1)
2曲線の共有点がどの範囲にある、といった問題は『Focus Gold』あたりにはまずありますし、初見でもできるでしょう。
(2)
2曲線が囲む2つの面積が等しい時の有名な話で、チャートやFocus Goldあたりに載っている技法を使えます。
完答すべきです。

 

一橋大学数学の対策、勉強法

 2018年の東大文系は『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度がCBBBで合格者平均点が80点満点中50点前後(東京大学新聞調べ)でした。東大文系の平均的な合格者は、B問題も完答しきれていないのですね。
 そうすると、難易度がCCBCBだった2018年一橋はB問題を2完し、C問題で部分点を集めれば、十分他の受験生に差をつけることができたでしょう。
 そのためには、教科書を理解して、『Focus Gold』(啓林館)あたりをマスターして、入試標準問題演習といった対策、勉強法で大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

Twitter

 

経済系の受験生が数学力を向上させる重要性

 一橋大学の前身は、1875年設立の商法講習所、そして何度か改称されていますが、東京商科大学です。現在は、法学部、社会学部もありますが、歴史的に経済系に強い大学です。近年、経済系の学問における数学の重要性が、ますます高まっています。

・基礎的な理解
数学は、経済理論や経済モデルを理解するために不可欠なです。数学の基礎がしっかりしていれば、複雑な経済概念をより簡単に理解することができます。

・分析力
経済現象を理解し、現実の問題を解決するために不可欠な、批判的・分析的な思考力を養います。

・定量的手法
経済学は、計量経済学、統計学、最適化など、データを分析し解釈するための定量的な手法に依存しています。数学に精通することで、これらの手法を効果的に学習や研究に応用することができます。

・経済モデリング
数理モデルは、経済関係を表現し、さまざまなシナリオを分析するために使用されます。数学に精通することで、これらのモデルを作成、解釈、批判することができ、経済現象に対する理解を深めることができます。

・厳密さと正確さ
数学は、経済分析における厳密性と正確性を担保します。数学が得意な学生は、経済理論や政策決定の意味をより正確に判断することができます。

・学際的なつながり
経済学は、金融、ビジネス、公共政策などの分野と相互に関連しており、これらの分野でも定量的なスキルが必要とされます。数学のスキルを向上させることは、これらの関連分野で役立ちます。

・研究・学問
経済学の研究や学術的なキャリアを目指す学生にとって、質の高い研究を行い、この分野に貢献するためには、ハイレベルな数学のスキルが不可欠です。

・就職に有利
金融、コンサルティング、公共政策など、さまざまな分野の雇用主は、経済学部出身で数学の能力が高い人を高く評価します。このスキルは、就職やキャリアアップのチャンスにつながる可能性があります。

・コミュニケーション
しっかりとした数学の基礎があれば、複雑な経済学の考え方を、文章や口頭でより効果的に伝えることができます。

・継続的な学習
これは、キャリアを通じて新しい経済理論、技術、ツールを継続的に学び、適応していくために不可欠なものです。

 まとめると、経済学部の学生が数学のスキルを向上させることは、学業での成功、キャリア展望、経済学分野への貢献のために不可欠です。数学の基礎がしっかりしていれば、複雑な経済概念を理解し、定量的な方法を適用し、自分の考えを効果的に伝えることができます。

【2023】筑波大学医学群数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldが合格の鍵

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

千葉大学医学部数学

 

【2023】筑波大学医学群数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldが合格の鍵

 

筑波大学医学群入試の数学で悩んでいる人へ

 筑波大医学群数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、筑波大医学群の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、筑波大医学群数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

筑波大学医学群入試における数学の重要性

 筑波大学医学群大学の数学の配点は、二次の数学だけなら、適性試験の500点を抜くと、300/900です。
 また、数学は、大問が4つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 合格している人の何割かは、たまたま解ける問題が多く出て、運良く受かった人ですが、自分が確実に合格しようと思ったら、数学の点数のブレをなるべく少なくすることが、非常に大切だということがわかると思います。

 

筑波大医学群数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 筑波大医学群は、入学難易度のわりには、数学の問題が易しめです。なぜなら、全て、他学部と同じ問題を解くからです。したがって、かなりの高得点勝負になりますが、あまりプレッシャーに感じると、実力を発揮できないかもしれません。一方、たまに、完答は難しい問題も出題されます。
 仮に、多くの簡単な問題や、たまに出る難しい問題を見て、解けなそうな時、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。簡単な問題の場合、落ち着けば、解けるかもしれません。難しい問題の場合、ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

筑波大学医学群数学、近年の傾向

 最初の大問3つは、文系との共通問題です。3問から2問選択します。教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで正解できることが多いです。後半の大問3つは、理系共通問題です。3問から2問選択します。ここも、標準レベルのことが多く、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで正解できることが多いです。
 総合大学の国立医学部の特殊性として、他の学部と同じ問題を解く、ということがあります。筑波大医学群の場合、まさにそうです。したがって、題が易しめなので、かなりの高得点勝負になります。

 

2023年筑波大学医学群数学:難易度、どのくらい解けるか

 

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

大問1~3から、2題の選択です。

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数2の微分、3次関数の問題です。

(1)
三次関数の接線の、接点以外との交点を求める有名問題です。有名だし簡単なので、解けます。連立した時に、接点のx座標を重解に持つことを理解していると、より見通しがいいです。また、記述式なので検算程度にしか使えませんが、変曲点のx座標は、接点のx座標と交点x座標を1:2に内分する、という事実があります。

(2)
(1)の2点と三次関数上の点Pが作る三角形の面積を求める問題です。類題は、Focus Goldあたりの図形と方程式に載っています。点と直線の距離を使って三角形の高さを求めます。したがって解けます。

(3)
(2)の三角形の面積の最大値を求める問題です。(2)が二次関数の形なので、教科書レベルと言え、解けます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
二次関数、数2の積分あたりの問題です。

(1)
二次関数に絶対値がついていて、文字も多いので、きつそうな気がしますが、交点を求めるので、連立すると、意外となんとかなり、解けます。

(2)
数2レベルの積分をして面積を求めるだけなので解けます。

(3)
不等式の証明なので、セオリー通り、差を取るのはいいでしょう。すると、いかにも、相加相乗平均の形になるので解けます。理系なら微分も選択肢に入るかもしれませんが、文系との共通問題であることに注意。本問は相加相乗平均の不等式の等号が成り立たないのですが、示す不等式に等号がないので、ちょうどいい、という流れになります。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
Gは三角形ABCの重心であることと、与式を使えば、すぐに解けます。

(2)
(a+b+c)2=a2+b2+c2+2ab+2bc+2ca の展開公式が頭に浮かぶか、また、ベクトルでFocus Goldあたりには載っている、1項だけ移行して、大きさを取って2乗する、という技法で解けます。

(3)
本問も、Focus Goldあたりや共通テスト対策をしていれば、本問で原点としてふさわしい点Oを中心に(終点)ー(始点)の有名な変形をするだろう、ということはいいと思います。最後の図形的考察も、Focus Goldあたりをこなしていれば出てくるので、解けます。

 

大問4

大問4~6から、2題の選択です。

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の積分の問題です。

(1)
定積分の値を求める問題です。積分区間が-πからπまでなので、偶関数、奇関数を調べるのではないかと考えます。結果、奇関数なので、答は0です。このあたり、Focus Goldには、やや複雑な問題も載っているので、解けます。

(2)
不等式の証明ですから、セオリー通り、左辺から右辺を引いてみます。そうすると、比較的簡単に証明できると思います。

(3)
回転体の体積に関する不等式の証明の問題です。愚直に回転体の体積を出してみると、(2)の形が出てくるので、使うのではないかと考えます。あとは、丁寧に定積分の計算をすると、問題文の式が出てくるので証明できます。ただ、本文は、等号条件の検討が必要で、そこが少し難しい、忘れやすい、かもしれません。

 

大問5

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分、極限あたりの問題です。

(1)
教科書にも載っている、微積分学の基本定理の式の、上端と下端にxと定数(数2レベル)ではなく、関数が入る(数3レベル)問題なので、解けます。

(2)
g(t)を最小にするtの値がただひとつ存在し、そのtをhで表す問題です。g'(t)は(1)で求めています。t>0も考慮し、増減表を書くと、解けます。式はやや複雑ですが、やっていることは教科書レベルと言えます。

(3)
極限値を求める問題です。eを含み、微分の定義を使う極限の問題は、わりとあります。本文もそれで解けます。

 

大問6

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
教科書にも載っている軌跡の問題なので解けます

(2)
軌跡の問題です。与式を見ると移項して因数分解できることがわかります。すると、数2の図形と方程式あたりを勉強していると、図形が2つあるということがわかります。一方は(1)の図形です。もう一方も、(1)と同様の、教科書レベルの軌跡の問題なので、解けます。

(3)
w=1/zと変換する軌跡の問題ですが、これも教科書に載っているので、同じようにやれば解けます。本問の特殊性は、図形が2つあることですが、特に難しくないでしょう。

 

筑波大医学群数学の勉強法と傾向と対策

 筑波大医学群の数学は、大問4問。前半2問は数学1A2Bからの出題で、3問から2問選択します。文系との共通問題で、二次関数、微積分などが出題されます。後半2問は数学3からの出題で、大問4、5は微積分、極限がよく出題される傾向にあります。大問6は近年、複素数平面で固定です。他の理系学部と共通問題です。

 くり返しますが、全問、他学部との共通問題なので、難易度は標準的です。教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法をマスターし、少し入試問題に慣れれば正解できる場合が多く、そして、それで、他の受験生に十分に差をつけることができます。

 2023年の難易度はBBBBBでした。上記のように、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、満点も可能で、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

筑波大医学群数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。

 次に、Focus Goldの筑波大医学群に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、筑波大医学群レベルの成績になっているはずです。

 筑波大医学群対策としては『理系数学良問のプラチカ1A2B』(河合出版、文系プラチカより難易度は下です)、『年度別入試問題集』(数研出版)の理系1A2B、3の*問題(頻出標準問題)『、世界一わかりやすい阪大理系数学』(KADOKAWA、解説が詳しい)あたりをこなすと、Focus Goldでマスターした技法を、筑波大医学群入試で使いこなすことができるようになり、年度によっては満点近く取れるようになると思います。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、数3の微積分、二次関数などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 

 

2022年筑波大学医学群数学:難易度、どのくらい解けるか

 

大問1

大問1~3から、2題の選択です。

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
2次関数、図形と方程式、微分あたりの問題です。

(1)
円と放物線の共通接線の方程式を求める問題です。円の半径はすぐわかり、接点は与えられているので、教科書の円の接線の公式を使えば解けます。

(2)
問題文を読んで、まだ使っていない、放物線の軸の条件や、放物線から見た接線の傾きの条件を使うと解けます。

(3)
三角形の面積の最小値を求める問題です。愚直に求めに行くと、分数式になりますが、文系との共通問題であることも考え、相加相乗平均の関係を使えるように変形できるのではないかと考えます。似たような問題はFocus Goldあたりには載っています。それで解けます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率漸化式の問題です。

(1)
ごくごく簡単な確率の問題なので解けます。

(2)
本問も、数研出版の教科書に載っているレベルの確率漸化式の問題と言え、解けます。

(3)
教科書の常用対数のところに載っているような不等式との融合問題です。漸化式を解くのも不等式を解くのも教科書レベルと言え、解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
ベクトルで平行四辺形を考える問題です。

(1)
普通に、問われているベクトルを問題文で使われている文字、ベクトルで表せば解けます。

(2)
平行四辺形になるように第4の頂点を求める問題は教科書に載っています。「1組の対辺が平行で長さが等しい」を、「ベクトルが等しい」と考えるのですね。本問もそれで示せます。

(3)
ベクトルが平行になるようにtの値を定める問題です。一方のADベクトルはbベクトルです。愚直にもう一方のA3B3ベクトルをaベクトルとbベクトルで表しに行きます。教科書に載っている平行条件、実数倍と書けることから、aベクトルの係数は0ですから、それでtの値が定まり、解けます。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
微分、積分あたりの問題です。

(1)
問題文の2曲線がちょうど2つの共有点を持つように、aの値を定める問題です。
見た感じ、定数aを分離する、教科書にも載っている解法が思い浮かびます。この時、連立してaを分離した式のaでない方が偶関数になっていることに気づけば、少し早く解けます。

また、cos2x=tと置き換えて、2次方程式の解の配置の問題に帰着させる解法もあります。こちらはFocus Goldあたりには載っているので、やはり解けます。

(2)
問題文の2曲線が囲む面積を求める問題です。普通に、上下関係を考え、共有点を求め、積分すれば解けます。定積分も教科書レベルと言えます。

 

大問5

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
微分の問題です。

(1)
愚直に法線の方程式、点Qの座標を求め、QRの長さ(両点ともx軸上)を求めれば解けます。

(2)
大問5の問題文とは関係のない、まずFocus Goldあたりの微分のところには載っている不等式の証明の問題なので、解けます。この時点で、おそらく(3)で使うのだと考えましょう。

(3)
(1)のQRの長さの最大値を求める問題です。絶対値を外し、微分して、増減表を書きます。この時、どちらの極大値で最大値を取るのかがよくわからないのですが、ここで(2)の不等式を使うと考えます。それで解けます。

 

大問6

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
複素数平面には、いくつか、よく使う技法があります。
そのうちの1つにその複素数をa+biと置く、というものがあります。
本文もそう置いて、分母を実数化するという自然な計算をすれば、簡単に示せます。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

Twitter

【2023】千葉大学医学部 英語 難易度と傾向と対策:基本の読解、文法、熟語で満点近く

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の英語の勉強法

千葉大医学部数学

 

【2023】千葉大学医学部 英語 難易度と傾向と対策:基本の読解、文法、熟語で満点近く

 

千葉大医学部の英語で悩んでいる人へ

 千葉大医学部英語の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、千葉大医学部英語は、基本的な文法、熟語をマスターし、前後の文脈から判断する姿勢を大切にすれば、満点近く取れます。
 この記事を読むと、千葉大医学部英語の難易度、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

千葉大医学部英語の傾向と対策と勉強法

 試験時間は80分。配点は、二次で面接を除けば300点/900点です。学習指導要領上は、コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲから出題されることになっていますが、あまり関係ないかと思います。
 英語は、他学部と全くの共通問題を解きます。難しいと思える問題は無いので、以下の勉強で、かなりの高得点を狙えます。

 

・英文和訳問題

 SVOC+修飾を正確に把握する学習をしましょう。

 英語長文に強くなる勉強法・参考書
 の中で「理論」となっているものを使い、SVOC+修飾を正確に理解し、音声も併用し、意味をわ      かりながらスラスラ音読するといいでしょう。具体的には、最終的な入試実戦レベルでは、『読解のための英文法が面白いほどわかる本 難関大編』(KADOKAWA)、『英文熟考 上下』(旺文社)あたりを使うといいでしょう。
 近年、千葉大医学部の英文は、新聞、雑誌、ニュース系の文体のことが多いです。そのような原文を読むのもいいのかもしれませんが、今どきの長文参考書や他大の過去問の英文をたくさん読むと、おおむね、似たような文体の英文が出ているので、入試本番向けの実戦的な英語長文対策になるでしょう。

 

・内容把握問題

 長文の参考書で勉強しましょう。文脈判断などから、内容把握問題を解くコツが解説されているものもあります。具体的には、最終的な入試実戦レベルでは、『The rules 英語長文問題集3、4』(旺文社)あたりを使うといいでしょう。もちろん、過去問を解くことにより、正解にたどり着く頭の働かせ方を養成できます。
 また、もともと英語には、「パラグラフの最初か最後がトピックセンテンス」という格言があります。内容把握問題で役に立つことがあります。

 英語長文に強くなる勉強法・参考書

 

・語彙問題

 あらかじめ、単語帳、熟語帳で覚えておけ、というよりは、かなり難しい語彙を前後の文脈から推測させることを求めていることが多いと思います。結局は読解力が大切です。

 英語長文に強くなる勉強法・参考書

 

・数語の英語による空所補充

 近年、長文が大問2つとこの形式が大問1つ、という出題傾向となっています。ただ、難易度としては優しく、基本的な熟語と文法をしっかり勉強していれば、満点近くを狙えます。具体的には、熟語は、『ランク順 入試英熟語1100』(学研)、文法は『スクランブル英文法・語法 Basic』(旺文社)といった基本的なもので足りています。
 近年、学校採用が増えている『英文法・語法 Vintage』(いいずな書店)は、解説が詳しく、いい本ですが、千葉大英語には、完全にオーバーワークです。Vintage で苦労しているくらいなら、スクランブルBasicに切り替えることをおすすめします。解説書は英文法の白チャート(数研出版)あたりで大丈夫です。

医学部受験の英単語、熟語の勉強法・参考書

医学部受験の英文法の勉強法・参考書

 

・和文英訳問題

 千葉大医学部英語では2017年までは、和文英訳問題が出題されることがありました。近年は、短めの英語での空所補充の形式になっていますが、高校の課程としては、近年、むしろ、英作文を強化しており、いつ、英作文が復活するかわかりません。一応、英作文の参考書で勉強し、対策を怠らないようにしましょう。

 英作文の勉強法・参考書

 

・自由英作文

 英作文が復活した場合、自由英作文の可能性もあります。大学受験用の自由英作文の参考書も色々とあります。また、英検準1級あたりのライティングの教材を使うのもいいでしょう。

 英作文の勉強法・参考書

 

 

2023年千葉大学医学部英語:難易度、どうすれば正解できたか

 

大問1

問1
和文英訳問題です。
This way は副詞的に「この方法で」とします。thatは主格の関係代名詞。asは「時」。nod offは注がついていて「うとうとする」。,whichは関係代名詞の非制限用法なので、訳し下しましょう。
難しくないので、満点近く取りたいです。

問2
下線部(2)を行った理由を答える問題です。
前後が読めていないと答えられないので、まあ、少しだけ歯ごたえがあると言えます。読めていれば、問題を解く手がかりに気づくかの実験なので、すでに気づいている人は排除することがわかります。

問3
Jonathan Schoolerが(3)のように考えた根拠を答える問題です。直後に”residing in the ‘sweet zone’ might have also simply refreshed the study participants, making it easier for them to solve the problem later.”とあり、ほぼこれを和訳すればいいので、易しいと思います。

問4
この記事に出てくる、ball、glass、keyの共通点を答える問題です。本記事の核心なので、全体を読めていないときついかもしれませんが、一方で、それぞれの直後に「as he fell asleep, the orbs would fall to the floor and wake him.」「If it fell, they were then asked to report what they had been thinking prior to letting go.」「, which clanged to wake him as he dropped it, supposedly inspiring his artistic imagery.」とあるので、部分的に、このあたりをまとめても、満点近く取れると思います。

問5
本文では直接述べられていないが、37という数字が何を意味するか、という問題です。本文中に「Of the 63 subjects who dropped the glass as they drowsed, 26 did so after they had already passed through N1 sleep.」とあります。63-26=37です。つまり、全63人からすでにN1を過ぎた26人を引いた人数、つまり、N1段階にあった人数ということになります。難しくはないと思います。

問6
下線(a)~(e)と同じ意味の語を選ぶ問題です。

(a)
前段落で、エジソンは睡眠に否定的だったと述べられ、しかし、本段落文頭がYetなので、逆方向のことが述べられていると考えます。後ろのspurは注がついていますし、「創造性を刺激するのに睡眠に頼った」と文脈判断するのは簡単だと思います。Bです。他大でも、このような問題は多く出ますが、「単語を覚えておけ」ということではなく、文脈判断が重要なことが多いです。

(b)
直後に that occurs just as we begin to drift into sleep と関係代名詞節があり、これが説明になっているので難しくないでしょう。これも文脈判断です。semi-という接頭辞もヒントになるでしょう。Bが正解です。

(c)
if we can harness that liminal haze (中略)we might recall our bright ideas more easily. という文脈から、Dのutilizeという意味ではないかと判断でき、難しくないと思います。これも文脈判断でいけますが、医学部受験生なら覚えていた人もいたかもしれません。

(d)
It’s less clear that Edison’s technique of dropping objects to ward off deeper sleep works. という文が少しだけ難しいのは、that節は第一文型で、熟語動詞が works ということです。これと、ここまでの文脈がわかっていれば、文脈判断からCの prevent だと判断するのは難しくないと思います。

(e)
at will という感じから「自分の意志でといった意味かなあ」と推測することもできるでしょう。実際、文脈からも、We could even teach people how to reach this creative state at will から、Cの whenever you want と判断するのは難しくないでしょう。

 

大問2

問1
本文に合うように、本文から抜き出して、空所を補充する問題です。

(1)
設問に central とあり、第1段落に「b. The centrality of observation and mathematics.」とあるので observation and mathematics が正解です。簡単だと思います。

(2)
第2段落最初に、The Scientific Revolution has not been a revolution of knowledge. It has been above all a revolution of ignorance. とあるので、revolution of ignorance が正解です。簡単だと思います。

(3)
第3段落に The great gods, or the one almighty God, or the wise people of the past possessed all-encompassing wisdom, which they revealed to us in scriptures and oral traditions.  とあります。scriptures は「聖典」と注がついており、設問の religious writing と一致します。 oral traditions が正解です。簡単だと思います。

(4)
第10段落に Such theories are accepted as true – yet everyone agrees that were new evidence to emerge that contradicts the theory, it would have to be revised or discarded. とあります。設問の new や be revised という表現も見られますね。 evidence が正解です。簡単だと思います。

 

問2

(1)
下線部の deficient にもっとも近い意味の表現を選ぶ問題です。That did not mean, however, that Christianity was deficient. Rather, it meant that understanding how spiders weave their webs was unimportant. とあります。やはり Rather を手がかりとした文脈判断が大切です。Bの inadequate and incomplete が正解です。難しくないと思います。

(2)
第8段落の内容一致問題です。「admits collective ignorance」「they still don’t have any good explanation」「they don’t know」といった表現がくり返しでてきます。Cが正解です。難しくないと思います。

(3)
第9段落が経済学についてどう述べているかについての問題です。第8段落から続く文脈の段落ですし、段落の最後に the final word on economics is yet to be said. とあります。Dが正解です。難しくないと思います。

(4)
下線部の consistently ににもっとも近い意味の表現を選ぶ問題です。ふつうに「一貫性して」といった意味で覚えている人も多いかと思います。文脈からもそれで良さそうなので、Bが正解です。

 

問3

問題文の内容把握正誤問題です。

(1)
第1段落のcに It uses these theories in order to acquire new powers, and in particular to develop new technologies. とあります。本設問文は use the observation となっているので答はFです。難しくないと思います。

(2)
第6段落に Christianity did not forbid people to study spiders. とあります。これは、文脈からクモだけでなく、他の研究も禁じていなかったということでしょう。答はTです。難しくないと思います。

(3)
第10段落後半に Such theories are accepted as true – yet everyone agrees that were new evidence to emerge that contradicts the theory, it would have to be revised or discarded. Good examples of these are the plate tectonics theory and the theory of evolution. とあるので、答はFです。難しくないと思います。

(4)
設問文は「人々は、今、すべてを知っているわけではないと受け入れたので、科学技術に頼りすぎている」という意味です。特にそのようなことは読み取れず、答はNGです。特に難しくないと思いますが、読み取れないということを正確に把握するのは、やや難しいのかもしれません。

 

大問3

問1
並べ替え問題です。

(1)
I thought(I did, but maybe I got it)wrong. 「適切に答えたと思ったが、もしかすると間違っていたかもしれない」となります。I が2つあるあたりや、get it wrong といった表現が難しめだったかもしれません。

(2)
it’s(not what you know, but who you know). 「あなたが何を知っているかではなく、誰を知っているかだ」となります。難しくないと思います。

(3)
I just(had a few problems finding the right)building.「正しいビルを見つけるのに少し問題があった」となります。難しくないと思います。

(4)
I’d (have finished it if I hadn’t spent so long) chatting online with my friends.「もし、友達とのオンラインチャットにそんなに長い時間を費やさなければ、それを終えていただろうに」となります。chatting  と spent をみて、spend 時間 ~ing の表現ではないかと考えます。残った単語から仮定法の文を作るのは、難しくないでしょう。

(5)
It’s (hard to believe that this is only your second) time playing it.「これがたった2度目のプレーとは信じがたい」となります。only your second time の語順が意外と難しいのかもしれません。

 

問2
与えられた語を使い、上下の文を同様の意味にする穴埋め問題です。

(1)
along を使い、「サムと私はとても良い友達だ」とするので、 get along with とします。基本熟語で簡単だと思います。

(2)
out を使い、「消防士がそれを消化できたまで」とするので、put it out あたりが正解です。色々な表現が考えられると思います。簡単だと思います。

(3)
must を使い、「Aliは意思伝達が難しいとわかると思う」とするので、must have found とします。must have 過去分詞は「~だったに違いない」という過去の推量で、簡単だと思います。

(4)
fun を使い、「見た目で人を笑うのは残酷だ」とするので、making fun of とします。基本熟語なので簡単だと思います。

(5)
まあ、what を使って、whatever the time を言いかえる問題なので、有名な、譲歩の副詞節のwhatever は no matter what に言い換えられることを思い出し、no matter what time とします。簡単だと思います。

(6)
accident を使い、「うっかり車を傷つけてしまった」とするので、have scratched it by accident とします。may have 過去分詞は、(3)と同じで過去の推量です。by accident は「うっかり、偶然に」といった基本熟語なので簡単だと思います。

(7)
despite を使い、「天気は悪かったが」とするので、Despite the weather being とします。despite は前置詞なので、まあ文頭でしょう。being は 前置詞 Despite の目的語になる用法の動名詞です。the weather は動名詞の意味上の主語です。動名詞の意味上の主語が、普段見る頻度がやや低いので、少し難しかったかもしれませんが、文法をしっかり理解していればできたと思います。

(8)
for を使い、「もし、あなたの時間確認がなかったら」とするので、仮定法の有名な文法を使い、it had not been for とします。簡単だと思います。

(9)
time を使い、「急がないとバスに遅れる」とするので、be in time とします。in time「間に合って」は基本熟語なので簡単だと思います。

(10)
sooner を使い、「家に帰ってすぐに寝た」とするので、No sooner had I とします。有名な文法なので、簡単だと思います。

 

問3
与えられた語を使い、指定語数で会話中の空所を補充する問題です。

(1)
well を使い、「思ったほどテストができなかった」という内容なので、as well as とします。not as ~ as … は「…ほど~ない」というのは基本で、簡単だと思います。

(2)
anywhere を使い、「東京スカイツリーが人気があって、どこよりも観光客を集めている」という内容なので、than anywhere else とします。文法で比較級をしっかり勉強していれば、簡単だと思います。

(3)
mind を使い、「両方欲しいから、どちらかに決められない」という内容なので、make up my mind  とします。基本熟語なので簡単だと思います。

(4)
check を使い、「先生が、提出する前に、もっと注意深く確認するように言った」という内容なので、me to check it とします。tell O to do は公立中学レベルの文法なので、簡単だと思います。

(5)
small を使い、「自分の車は大きいので、小さい車用の駐車場に駐車するのは難しい」という内容なので、Parking in a small とします。後ろに spaces と複数形があるので、可算名詞で冠詞が必要だということがわかります。特に、文法も熟語も必要ではないので、冠詞 a さえ入れられれば簡単だったかと思います。

 

2023年千葉大学医学部英語 傾向と対策と勉強法

 2023年は、大問2題が長文で、大問1題が英語による空所補充という、近年続く傾向通りの出題でした。
 長文問題は、上記のように、SVOC+修飾を正確に把握→多読をして、早く正確に読めるようにしましょう。和訳問題は特にSVOC+修飾の理解で点差が開きます。その上で、入試対策としては、前後の文脈判断を大切にする姿勢が大切です。
 空所補充も、上記のように、基本的な文法と熟語を固めれば、満点近く取れます。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

Twitter

【2024】千葉大学医学部 数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldが合格の鍵

 

【2024】千葉大学医学部 数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldが合格の鍵

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

千葉大医学部英語

筑波大学医学群数学

 

千葉大学医学部入試の数学で悩んでいる人へ

 千葉大医学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、千葉大医学部の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、千葉大医学部数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

千葉大学医学部入試における数学の重要性

 千葉大学医学部大学の数学の配点は、二次の数学だけなら300/1450、共通テストの数学も入れると400/1450です。二次の試験時間は120分です。
 また、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 合格している人の何割かは、たまたま解ける問題が多く出て、運良く受かった人ですが、自分が確実に合格しようと思ったら、数学の点数のブレをなるべく少なくすることが、非常に大切だということがわかると思います。

 

2025年入試 千葉大医学部の配点

  英語 数学 理科 国語 社会 情報 面接 合計
共テ 100 100 100 100 50 25   475
二次 300 300 300       100 1000
合計 400 400 400 100 50 25 100 1475

 

千葉大医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。

 千葉大医学部は、入学難易度のわりには、数学の問題が易しめです。したがって、前半は、ほぼ完答できなければいけないのですが、あまりプレッシャーに感じると、実力を発揮できないかもしれません。一方、後半の医学部向け問題の下の方の小問は、難しいことが多いです。大問間で完答のしやすさの波は激しいと言えます。
 仮に、前半の簡単な問題や、後半の難しい問題を見て、解けなそうな時、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。簡単な問題の場合、落ち着けば、解けるかもしれません。難しい問題の場合、ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

千葉大学医学部数学、近年の傾向

 白紙の上に論述する、論述式の入試です。日頃から、教科書や参考書の答案をマネして、論理的で説得力のある答案、答案の作法、などを学ぶことが大切です。

 最初の大問3つほどは、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで正解でき、後ろの大問2問ほどは、小問の完答、または部分点狙い、という傾向があります。そして、それで、他の受験生に十分に差をつけることができます。

 総合大学の国立医学部の特殊性として、他の学部と同じ問題を解く、ということがあります。千葉大の場合、一部、医学部向けに、難しい問題が用意されていますが、その大問の下の方の小問は、難しい傾向があり、あまり差がついていない可能性が高いです。やはり、他学部との共通問題、つまり前半と、医学部向けの大問の前半の小問で、どれだけ取ったか、で勝負が決まります。

 すでに何度か触れているように、大問のほとんどが小問に分かれており、きちんと勉強していれば、最初の小問から全く手が出ない、ということは、あまりないと思われます。
 そして、下記で年度別、問題別に具体的に述べているように、上の小問が誘導になっていることも多い傾向があります。このような姿勢があるかないかだけで、かなり点数は変わってくると思われます。

頻出分野

 数3の微分、積分(極限が絡むこともある)、確率は、毎年出題される傾向があります。その次に、ベクトル、整数、複素数平面数列あたりが、よく出題されている傾向があります。

 

千葉大学入試の数学が解けない人へ

 上記のように、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで、医学部でも、ほぼ合格できる、難しいとは言えない出題です。(さすがに医学部は、もう少し補強したほうがいいですが。)
 医学部でない場合、独学なら、まず、教科書と『黄チャート』(数研出版)あたりの本文の問題を完璧に解けるようにしましょう。学校で受けるベネッセ模試、河合記述模試では、合格点を取れるほどに問題を解けると思います。
 そして、入試問題に慣れる必要があります。年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題は、頻出標準問題です。その前後の問題を解けるようにすれば、千葉大数学を得点源に変えることができるほどに解けるとうになるでしょう。もちろん、過去問もこなしましょう。
 大切なのは、どの教材も、問題を見た瞬間にぱっと解答の方針が思い浮かぶまで、ひたすら復習することです。

 

2024年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問5

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率、極限の問題です。

(1)
 1≦x≦n、y=1,2の格子点から3点を選んでできた三角形の面積をXとしたとき、0以上の自然数kについて、Xがk/2となる確率を求める問題です。
 基本的に、本問の三角形ができるときは、x座標の差がkになればいいです。ここまでは難しくないと思います。ただ、k=0のときと、k≧nのときの考察を忘れがちかな、と思います。今後、似たような問題で完答できるように、注意しましょう。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

(2)
 Xがn/4以下となる確率をqnとしたとき、nを∞に飛ばしたときの極限値を求める問題です。
 (1)よりXとは基本的にはk/2のことなので、k/2がn/4以下、つまり、kがn/2以下と考えます。すると、nの偶奇で場合分けが必要となる無限級数の和の問題となります。これは、Focus Goldあたりの数3の極限には載っているので、処理できます。結論は、偶数項までの和と奇数項までの和が一致するので、極限値を持ちますが、この議論をしないと、ほとんど点数は来ないでしょう。
 また、奇数項までの和の考察、たとえば2m-1項目までの和は、偶数項までの和から第2m項を引けばいい(あるいは逆)、というのもFocus Goldや『合格る確率』あたりには載っています。したがって解けます。
 完答しましょう。

 

 

2023年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問5

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
ベクトルの問題です。

(1)
 もしかしたら(1)が一番難しいかもしれませんが、不存在の証明なので、背理法が有力です。

(2)
 Hは直線OA上の点なので、ここで1文字使い、内積0を使えば文字が定まる、という流れは、Focus Goldあたりに何問も載っているので解けます。

(3)
 やはり平行条件から、ここで1文字使い、内積0を使えば文字が定まる、と(2)とほぼ同じような流れなので解けます。

(4)
 本問で問われている三角形の外心は、辺の垂直二等分線の交点なので、(3)において、t=1/2とおけば、1分程で解けます。
 大問5は完答できます。

 

大問6

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
確率の問題です。

(1)
 ごく簡単な「数え上げ」型の確率の問題なので解けます。大学受験数学の確率においては、愚直に数え上げることが大切になることが多いです。

(2)
 基本的な確率漸化式の問題なので解けます。

(3)
 標準レベルの確率漸化式の問題なので解けます。全確率をたすと1になるので、そこから文字を消去していく、本問のような問題は、Focus Goldあたりにも載っています。
 大問6は難易度Cですが、完答できそうです。

 

大問7

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
三角関数と絶対値つき積分の融合問題です。

(1)
 与式の最大値を求める問題です。
 まあ、絶対値の中は、三角関数の合成をしてください、という形です。ただし、有名角では合成できません。有名角で合成できない問題も、一番の基本形は数研出版の教科書あたりには載っていますし、もっと難しい考察をする問題も、Focus Goldあたりには載っているので解けます。

(2)
 定積分の計算をする問題です。
 置換するなどの工夫をすると、見通しよく計算できるので解けます。

(3)
 定積分の最大値を求める問題です。
 これも置換して、グラフの概形を考えると、面積を最大にする区間で最大を取りますから、答は直観的にわかります。あとは、愚直に計算すると、最大値が求まる形になるので、解けます。
 計算はやや面倒ですが、難しくはないので、大問7も完答したいです。

 

大問8

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
 方程式 z3 = i を解くという、教科書に載っているような問題なので、解けます。ただ、後ろの問題のヒントとして用意してあるのだと思います。

(2)
 (1)より少し状況が複雑なだけで、素直に問題文にしたがって、式を立てていけばいいので、解けます。

(3)
 本問も、n乗と抽象度が増しますが、途中までは、上2問と同じ方針でやればいいです。本問は、正の整数nについての問題で、途中、nの分母に6がつきます。したがって、6で割った余りで場合分けして考える、というのは自然な方針なので、解けると思います。
 大問8は完答しましょう。

 

大問9

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
数3の微分の問題です。

(1)
 関数の最大値を求める問題です。
 愚直に微分して増減表を書けばいいので、枠組みは教科書レベルと言え、解けます。

(2)
 関数が最大値を持つことを示す問題です。
 やはり、増減表を書けばいいので、枠組みは教科書レベルと言え、示せます。

(3)
 関数の最大値がf(s)であることを示す問題です。
 まず、tについての関数と問題文に書いてあるのに、αの関数と捉え直すのが難しいと思います。それさえできれば、出てきた式が、平均値の定理を使えそうだというのは、思いつきやすいかもしれません。一方、大学入試でそこまで出題頻度の高くない形なので、やや難しいかもしれません。
 他の大問が解きやすいので、時間との関係もあるので、(3)はほぼ手つかずでも合格点を十分超えたと思います。

 

千葉大医学部数学の勉強法と傾向と対策

 千葉大学医学部の数学は、大問5問、試験時間120分。数3の微分積分、確率は毎年出題される傾向があります。確率はFocus Goldあたりが弱く、特別な対策が必要なことも多いです。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。千葉大医学部は、両方出ます。「上位国立大学で必要な技法」は『合格る確率』(文英堂)でマスターすればいいと思います。

 数3の微分積分は取り組みやすいことが多い傾向があります。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。

 近年、千葉大医学部の数学は、最初の大問3つほどは、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで正解でき、後ろの大問2問ほどは、小問の完答、または部分点狙い、という傾向があります。そして、そのような対策で、他の受験生に十分に差をつけることができます。

2023年の総括

 2023年は、難易度がBCCBCでした。ただし、大問6,7のCは、特に発想といったものが必要ではなく、定型的に近く、完答も可能です。本当にきついのは、最後の大問9の(3)くらいだったと言えます。もちろん、医学部でも、もう少し失点しても、十分合格点を超えたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

千葉大医学部数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。

 次に、Focus Goldの千葉大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、千葉大学医学部レベルの成績になっているはずです。

 千葉大学医学部対策としては『合格る確率』、整数対策、『文系数学良問のプラチカ』(河合出版)、あたりを合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。
 整数は、市販でちょうどよい物がないので、大学受験塾チーム番町では、典型技法を網羅して、ちょうど上位国立大学で合否を分けるレベルの整数問題集を渡しております。
 残りの文系数学の範囲は『文系数学良問のプラチカ』がいいでしょう。実は『理系数学良問のプラチカ』の文系数学の範囲のものより、レベルが高いです。知らない人がいるので注意しましょう。千葉大医学部で合否を分けるレベルを一部超えていますが、難しめの問題が出た時に、どのように処理していけばいいのか、などを学ぶことができると思います。
 年度別『入試問題集』(数研出版)は、その年に実際に入試で出題された問題を多く収録しています。*問題は頻出標準問題です。その前後の問題を解けるようにしましょう。千葉大医学部の数学も、そのくらいで十分、合否を分けています。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

東大・医学部受験の数学の勉強法 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

 

2022年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問5

 『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
 n個のサイコロを投げ、積を考える確率の問題です。類題は、いろんな大学で多く出ており、Focus Goldあたりにも載っています。ちなみに、サイコロをn個投げるのとn回投げるのは同じなので、反復試行で考えることもできます。

(1)
 積が2でも3でも割り切れない確率です。1,5だけが出ればいいだけなので、初見でも解けるでしょうし、Focus Goldあたりにも載っています。

(2)
 積が2で割り切れるが、3でも4でも割り切れない確率です。1つだけ2が出て、あとは1,5だけが出ればいいだけなので、解けますし、Focus Goldあたりにも載っています。

(3)
 積が4で割り切れるが3で割り切れない確率です。積が~の倍数という問題は、つまり、少なくとも1つ~の倍数が出る、ということなので、余事象を取るのが普通で、4の倍数を考える問題もFocus Goldあたりには載っています。また、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。本問も(1)(2)の結論を使えます。
 完答しましょう。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

大問6

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はA。
ベクトルの問題です。

(1)
 垂直なので、教科書通り、内積0で求まります。

(2)
 ベクトルの大きさの最小値なので、「ベクトルの大きさは2乗せよ」の格言通りにやると、解けます。
 教科書~Focus Gold基礎レベルと言えます。完答しましょう。

 

大問7

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。

(1)
 整数問題です。
 整数問題や数列など、整数、自然数のみ、つまり、とびとびの値しか取らない(離散的といいます)問題は、「具体的に数値を当てはめてみる」のが有効なことが多いです。本問もyに1,2,3と代入していくと解決します。

(2)
 (1)(2)で与えられた条件を使えば、簡単に証明できます。

(3)
 大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。
(2)の結論から、与式(*)の整数解は無数にありそうな気がします。あとは、重複を排除するために、単調増加性を示す、ということに気づくことができるかどうかです。気づければ、示すことは簡単です。
できれば完答したいですが、定型的とは言えないので、やや難しいかもしれません。

 

大問8

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
 不等式の証明で、問題で与えられている式に向かって、何かを掛けたり、積分したりして変形していく類型は、Focus Goldあたりには載っており、そのような問題に慣れていれば解けます。

(2)
 このような極限は、まあ、はさみうちなので、解けます。

(3)
 本問のようなA(m、n)といった表記を含む積分の問題はFocus Goldあたりには載っており、また、いかにも部分積分してくれ、という形をしています。すると(1)と同様の不等式の証明の考え方と、まあ、この極限もはさみうちだろう、という思考があれば、完答も可能だと思います。

 

大問9

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
数3の微分の問題です。

(1)
 単調増加を示すので、教科書通りf'(x)>0を示せばよく、それほど難しくないので正解できます。

(2)
 本問も単調増加についての問題なので、とりあえず微分し、その一部をg(x)とでも置きます。その後の考察が、難しいでしょう。

 

千葉大医学部数学の勉強法、対策

 2022年は難易度がBABCCでした。教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をする、といった対策で、大問7(3)、大問9(2)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

東大・医学部受験の数学の勉強法

 

 

2021年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問5

 『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
 確率の問題です。
 白玉5個、黒玉5個が入っている袋からn回取り出して戻さず、白玉なら1点、黒玉なら、さらにサイコロを振り、3の倍数なら1点、という問題です。

(1)
 n=2のとき2点である問題です。場合分けして丁寧に計算するだけで解けます。

(2)
 n=4のとき2点以上である問題です。
 確率は、常に、余事象を取ることを選択肢に入れておきましょう。まあ、「2点以上」という問題文から余事象を考えるのは教科書レベルなので、解けます。

(3)
 n=10のとき8点以上である問題です。白玉を全て取り出すので5点は確定、と考えると、難しくないので解けます。
 完答しましょう。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

大問6

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
分数関数上やその他に点が設定されている問題です。

(1)
 軌跡の問題です。
 この程度のx、y座標を媒介変数tで表し、tを消去する軌跡の問題で、場合分けをして除外点も考える問題はFocus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
 普通にやると、数2の教科書レベルの3次方程式の実数解の個数に帰着されるので解けます。
 完答しましょう。

 

大問7

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
 等式の証明で、似たような形は青チャートには載っています。
 w5-1=(w-1)(w4+w3+w2+w+1)の因数分解は、複素数平面では頻出で、Focus Goldあたりには載っています。これを駆使してゴリゴリ計算すれば、証明できます。

(2)
 このような小問群は、上の問題は誘導かもしれない、ということを常に頭に入れておきましょう。
 本問は、z=cosθ+isinθと置いて、(1)の式に代入すれば、示せます。背景としては、複素数の絶対値が1という問題は頻出で、その時、z×zバー=1、つまり、zバー=1/zをよく使います。Focus Goldあたりには載っています。(1)の等式にも1/zの形が多く登場します。このような発想かと思います。

(3)
 本問も(2)が誘導で、等式にθ=π/10を代入すれば解けます。

 

大問8

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
 曲線と曲線が接するという、頻出の有名問題で、当然、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
 面積の極限値を求める問題です。
 最後、limx→0の(log(1+x))/xの極限の話は、載っている本には載っていますが、知らない人もいるかも知れません。ただ、分母分子、いずれも、x=1の傾きが1なので、収束のスピードが同じであることから、直感的にわかることではあります。

(3)
 本問も面積の極限値を求める問題です。ゴリゴリ計算するだけなので、解けます。

 

大問9

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
関数列の問題です。

(1)
 前半は、まあ、教科書、Focus Goldレベルの数学的帰納法の流れで証明できます。後半の次数を求める問題も難しくないと思います。

(2)
 本問も、枠組み自体は、教科書、Focus Goldレベルの数学的帰納法で証明できると言え、示せます。加法定理を使うあたりも、自然な流れと言えると思います。

(3)
 大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、というのが大切な考え方です。
 (2)の結論を使いますが、xと本問定義域のtanθが1対1対応などというのは、言われれば全く難しくないですが、実戦的に入試中に考えられるか、というと、難しいようにも思います。このあたりの誘導に乗れれば、あとは、やや抽象的で複雑ながら、三角方程式なので、完答も可能ですが、他に解きやすい問題が多く、本問は手つかずでも、十分に合格点を超えたでしょう。

 

千葉大医学部数学の勉強法と傾向と対策

 近年、千葉大医学部の数学は、最初の大問3つほどは、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスター、といった対策で正解でき、後ろの大問2問ほどは、小問の完答、または部分点狙い、という傾向があります。2021年は、難易度がBBBBCでした。最初の大問4つが完答可能で、最後の大問も(2)までは解きやすいと言えますが、微妙に難しめな箇所もあり、それも考えると、まあ、例年と同程度と言えるかもしれません。その難易度Bでも微妙に難しめのところでポツポツ失点しても、医学部でも十分に合格点を超えたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

東大・医学部受験の数学の勉強法

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

 

2020年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問6

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
1~5のカードから1枚取り出して、和が初めて3の倍数になる確率を求める問題です。

(1)
 2回目、3回目で初めて3の倍数になる確率です。ていねいに数え上げて計算すれば簡単に解けます。

(2)
 n回目で初めて3の倍数になる確率です。これもどのようなときにこうなるかをていねいに考えれば、解けます。

(3)
 問題文に「条件付き確率」とありますが、いわゆる教科書にある「条件付き確率」の公式を使うわけではありません。教科書を根本から理解することが求められます。それさえ理解していれば、簡単に解けます。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

大問7

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
曲線の両方に接する接線が3本引けるようなaの範囲を求める問題です。

 たとえば、3次関数に接線が3本引ける条件というのは、チャート式やFocus Gold(啓林館)などでは数Ⅱで出てきます。やっていることは、それとほぼ同じですが、曲線が2本あることが、この問題の特殊性です。根本から理解をしていれば完答できます。

 

大問8

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
複素数平面上で、三角形が縮小しながら回転していく問題です。

(1)
 題意を把握して、回転、縮小をすれば、枠組みは教科書レベルと言え、簡単に求まります。

(2)
 状況を把握すると、等比数列の和を使えることがわかります。計算は少しだけ複雑なものの、枠組みは教科書レベルと言え、簡単に解けます。

(3)
 同様に等比数列の和の話になります。やや計算が複雑ですが、ていねいにやれば解けます。
 (3)まで完答できます。

 

大問10

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
有理数a、bに対し、(a+bi)2の実部と虚部が整数ならば、a、bが整数であることを求める問題です。

 教科書や、チャート式やFocus Goldをちゃんと勉強していれば、「対偶を取ったほうが証明しやすそう」というのはわかると思います。そして、a,bが有理数であることは大前提なので、互いに素な(整数)/(整数)と置くのも、教科書レベルです。
ここからは、どれだけ部分点を取れるかで、完答はしなくても十分合格点を取れるでしょう。

 

大問11

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はD。
積分漸化式のような問題です。

(1)
 「正の整数nに対して」とあるので、数学的帰納法を使うことは考えたいです。そして、帰納法は仮定を使います。そのあたりから逆算して考えれば、ここまでは解けそうかと思います。

(2)
 やはり帰納法で行きます。不等式の証明なので、教科書通り、n=k+1のときの(左辺)ー(右辺)を考えます。それ+αの部分点程度かなと思います。

(3)
 本問はかなり難しいですし、全体として時間切れという問題もあるでしょう。

 

千葉大医学部数学の勉強法、対策

 2020年は難易度がBBBCDでした。教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をする、といった対策で、大問10後半、大問11(2)(3)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

東大・医学部受験の数学の勉強法

 

 

2019年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問7

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数列の問題です。

(1)
 数列なので、自然数nについての証明であり、数学的帰納法を思い浮かべるのはいいでしょう。そして、数学的帰納法の枠組み自体は教科書レベルと言えるので、示せます。数学的帰納法のコツの1つは「仮定」を使うことです。

(2)
 大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、というのが大切な考え方です。そうすると、完答も十分に可能かと思います。

 

大問8

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
三角比の問題です。

(1)
 三角形の角の二等分線の長さを二等分線で分割された2つの三角形の面積の和から求める問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
三角形の面積と内接円の半径の関係は教科書にも載っています。したがって解けます。

(2)
 本問も(1)を誘導と考えます。未知数は2つですから、面積の式と余弦定理の式を連立すればいいので、解けます。
完答しましょう。

 

大問11

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
よく見る数3の積分と漸化式の融合問題です。

(1)
 tannθが出てくる積分の問題です。

ほぼ同じ設定の問題がFocus Gold(啓林館)あたりには載っているので解けます。

(2)
 本問も(1)の結論を使います。この7乗を地道にゴリゴリ求めにいくような流れもFocus Gold(啓林館)あたりには載っているので解けます。
完答しましょう。

 

大問12

 『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
 確率の問題です。
 動く幅が同じならランダムウォークと呼ばれる有名な問題ですが、本問は動く幅が1回ごとに1/2倍になります。この状況を把握すれば、(2)まではかなり簡単な問題です。

(1)
 余事象をとって、対称性を考え、2で割る問題は確率ではある話で、『合格る確率』(文英堂)あたりにも載っているので解けます。

(2)
 状況を把握して(1)の結論を使うとすぐに解けます。

(3)
 文字が多くてよくわからない確率の問題は、具体的な数字でやってみてから抽象化するといいでしょう。
 そうすると完答も狙えるかもしれませんが、他の問題との兼ね合いも考え、(2)までできれば十分でしょう。

 確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

大問13

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
格子点の問題です。

(1)
 チャート式やFocus Gold(啓林館)などの数列のところに載っている格子点の問題を知っていれば見通しがいいと思いますが、それらより簡単なので、初見でも解きたいです。

(2)
 少し難しいと思います。
 試験時間や他の問題との兼ね合いも考え、(1)ができれば十分でしょう。

 

千葉大学医学部数学の勉強法、対策

 2019年は難易度がCBBCCでした。教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をする、といった対策で、大問12(3)、大問13(2)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

千葉工業大学数学

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

Twitter

【2023】 日本大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書の理解とFocus Goldでほぼ満点

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

【~2020】日本大学医学部数学

 

【2023】 日本大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書の理解とFocus Goldでほぼ満点

 

日本大学医学部入試の数学で悩んでいる人へ

 日本大学医学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、日本大学医学部の数学は、教科書の理解、基本問題と黄チャートあたりの技法で、ほぼ満点を取れます。
 この記事を読むと、日本大学医学部数学の難易度、どのように勉強すれば問題を解けるようになるのか、を知ることができます。

 

日本大学医学部入試における数学の重要性

 日本大学医学部の数学の配点は、
・N方式1期一次は100/400
・N方式1期二次は60/180
・N方式2期一次は100/400
・N方式2期二次は60/180
です。大問は一次が6問、二次が3問あります。
 教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば、ほぼ満点を取れる、簡単な出題が続いています。したがって、高得点勝負になるので、「数学は捨てる」といった戦略は成り立ちません。他科目で取り返すのは、まず無理です。合格のためには、数学のかなりの高得点が必要になります。

 日本大学医学部入試における数学の重要性は理解できたかと思います。

 

日本大学医学部数学、入試本番の心構え

 日本全国、どの大学入試でも、おおむね、数学の入試というものは、大問ごとに難易度の波が大きく、並の合格者くらいではほぼ解けない出題も見られるのが普通です。
 一方で、日本大学医学部入試の数学は、全体として、教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば解けるような難易度の問題が並びます。

 したがって、入試本番では、「ほぼ全部とかなきゃ」というプレッシャーがあると思います。そのような時に、解けなそうな問題を見て、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解ける問題ばかりがでているのが日本大学医学部の数学です。一度落ち着いて、先に他の問題に取り組む、などすると、さっき、できなかった問題もできるようになっているかもしれません。

 

医学部受験生の数学力向上の重要性

慶應義塾大学医学部数学

の一番下の方を御覧ください。

 

 

2023年日本大学医学部N方式1期一次数学:難易度、どうすれば解けたか

 

 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

(1)
論理と集合の簡単な問題です。ド・モルガンの法則を使います。教科書レベルの組み合わせなので、解けます。

(2)
絶対値つきの2次方程式です。Focus Goldあたりには載っているので、解けます。普通、絶対値の中の正負で場合分けしますが、x2にも絶対値をつけると、因数分解ができて、速く解ける、というテクニックもあります。

(3)
前半は、教科書レベルの一次不定方程式です。後半にひとひねりありますが、Focus Goldあたりに類題があるので解けます。

(4)
円の接線を求める問題です。教科書に載っているので解けます。

(5)
Focus Goldあたりの対数に載っている問題なので解けます。

 

大問2

複素数平面の問題です。

(1)
まあ、複素数平面で絶対値が与えられていたら、2乗するのは、よくあります。そうすると、2次方程式の解と係数の関係を使うことが見えるので解けます。

(2)
znが実数になるnの最小値、といった問題は、類題がFocus Goldあたりに載っているので解けます。

 

大問3

確率の問題です。

(1)
まあ、ごく簡単な状況で「取り出された球が2個とも赤球である確率」という、教科書レベルとも言える問題なので、解けます。

(2)
ごく簡単な状況の条件付き確率の問題なので解けます。本文は簡単すぎますが、条件付き確率は、教科書やFocus Gold、チャート式あたりが、もう1つ入試っぽくないので、入試問題で慣れたほうがいいです。

 

大問4

ベクトルの問題です

(1)
点Pは平面ADH上にあるので、a、d、hベクトルで表して、係数を足して1、というFocus Goldに載っている話を使えば解けます。

(2)
特に類題は有名ではありませんが、ベクトルを使って、EJ:JFを求めれば、あとは図形的に小学生でもわかります。

(3)
(1)同様、点Pも点Qも、ある平面上にあるので、係数を足して1、というFocus Goldに載っている話を使えば解けます。

 

大問5

(1)
ごく簡単な数列の極限の問題なので、解けます。

(2)
数列の収束条件も、無限級数の収束条件も、教科書に載っているので、解けます。

(3)
ごく簡単な、無限等比級数の問題なので、教科書通りにやれば解けます。

 

大問6

(1)
前半は、整理すると、4次関数の最大値を求める教科書レベルの問題なので、解けます。後半は、2回微分すると、2次関数になり、その最大値を求めるという教科書レベルの問題なので解けます。

(2)
4次関数とx軸が囲む面積と、その部分をx軸周りに回転させた回転体の体積を求める問題です。教科書レベルの問題と言え、解けます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 

 一次試験は、試験時間は60分。配点は100/400です。

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Gold(独学で日大医学部のみを考える場合、黄チャートあたりでも良い)の日本大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、日本大学医学部レベルの成績になっているはずです。
 日本大学医学部入試対策としては上記のように、教科書、Focus Goldをマスターし、過去問で入試問題に慣れ、『年度別入試問題集』(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで、さらに入試問題に慣れると、満点近くを取れるでしょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、日大医学部のみを考える場合、黄チャート本文の問題の網羅性を上げる、くらいで合格点に近づくと思います。

 ある予備校によると、1次突破ボーダーは80%程度か、とあります。しかし、上記のように、教科書を理解し、Focus Goldあたりをマスターすれば、満点を狙える出題なので、決して高いボーダーラインとはいえず、地道な学習で十分に突破可能でしょう。
 予備校の医学部クラスや医学部受験予備校に通いながら合格点を取れない人は、根本的に勉強のしかたを考え直しましょう。

 

 

2023年日本大学医学部N方式1期二次数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

(1)
因数定理を使って、3次方程式を解くだけで、教科書レベルの問題と言え、解けます。

(2)
nの式が(1)と同じ形をしているので(1)を誘導と考えます。つまり、(1)の式を因数分解した形が、nが4の倍数でないとき、4の倍数であることを示します。このとき、nを4で割った余りで場合分けすればうまくいくのは、整数問題の基本で、教科書やFocus Goldに載っているので解けます。

 

大問2

(1)
放物線と双曲線の交点を求める問題なので、方程式を連立すれば解けます。

(2)
交点における接線が直交する問題です。傾きをかけると-1を使えば解けます。

(3)
2接線とx軸が囲む面積の最小値を求める問題です。愚直にやると、数3レベルの微分を使う最小値の問題になるので、解けます。

 

大問3

双曲線の問題です。

(1)
双曲線上のx≧2の部分にOP⊥OQとなる点を取れるためのQのx座標の条件を求める問題です。類題はあまり見ませんが、図でも書けばわかります。双曲線なので、漸近線が大切です。漸近線と直交する直線を考え、その直線と双曲線の交点よりx座標が大きければ、題意の点Qを取れることがわかります。

(2)
xが(1)の範囲の時、(1/OP2)+(1/OQ2)が一定になることを示し、その値を求める問題です。Focus Goldあたりの二次曲線には、似たような問題が、まず載っているので、本文も愚直に計算すれば、r、θを含まない定数になるのだろう、と見通しは立つと思います。極座標を使っているのが目新しいかと思いますが、いずれにせよ、愚直にやれば解けます。

(3)
xが(1)の範囲の時、PQの最小値を求める問題です。愚直に長さを求めに行きますが、受験数学というものは、上の小問の結果を使うのではないか、というのは、常に頭に入れておかなければなりません。本文も、(2)の結果を使います。少しだけ複雑ですが、難しくはないでしょう。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 二次試験は、試験時間は60分。配点は60/180です。
 ある予備校によると、正規合格ラインは60点満点中、45~50点か、とあります。しかし、上記のように、教科書を理解し、Focus Goldあたりをマスターすれば、満点を狙える出題なので、決して高いボーダーラインとはいえず、地道な学習で十分に突破可能でしょう。

 

 

2023年日本大学医学部N方式2期一次数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

(1)
文字定数が入った2次方程式の重解条件と重解を求める問題です。教科書レベルと言え、解けます。重解は、解の公式の根号の中が0なので、-b/2a だけで出ることは知っておきましょう。

(2)
直線が円に切り取られる長さを求める問題です。Focus Goldあたりには、数値が違うだけの問題が載っているので、解けます。

(3)
620が何桁の数かを求める問題です。教科書に数値が違うだけの同じ問題が載っており、解けます。

(4)
文字定数a、bを含む2次方程式の1虚数解が与えられている時、a、bの値を求める問題です。共役な複素数も解であることと、解と係数の関係を使えば、すぐに解けます。

(5)
図形と方程式のところに載っている、領域と最大最小の問題で、両方とも円で考える問題です。Focus Goldあたりには同じ考え方で解ける問題が載っているので、同じようにやれば解けます。

 

大問2

2人が5回じゃんけんをして、あいこについての問題です。Focus Goldあたりには載っていますし、その場で考えても解けるでしょう。

(1)
あいこがちょうど3回になる確率です。教科書レベルの反復試行の問題なので、解けます。

(2)
あいこがちょうど3回連続する確率です。確率は、愚直に数え上げることも常に選択肢に入れます。1~3回、から、3~5回の3通りあることを数え、4回以上あいこが続かないように、他の回も考慮すれば、解けます。

 

大問3

三角関数の問題です。

(1)
f(x)の最大値、最小値を求める問題です。
例の、有名角で合成できない、合成の話になります。日大医学部は、なぜか、この有名角で合成できない話が頻出なので、過去問を研究して、対策をしましょう。Focus Goldあたりも載っているので、解けます。

(2)
f(x)を最小にするxの値をxmとするとき、sin2xmの値を求める問題です。(1)が正解できていれば、教科書レベルと言え、解けます。

 

大問4

ありがちな、図形と無限級数の融合問題です。教科書やFocus Goldあたりも載っています。

(1)
三角形の3辺の中点を結んでできた三角形の面積が次の項である場合ですから、教科書レベルの等比数列の問題と言え、解けます。

(2)
図を書いて、相似比を計算すれば、教科書レベルの等比数列の和の問題と言え、解けます。

(3)
本文の無限級数は収束するので、その値と問題文の値をイコールで結んで、方程式を解くだけなので、解けます。

 

大問5

四面体とベクトルの問題です。

(1)
三角形の重心の位置ベクトルを求める、非常に簡単な問題なので解けます。

(2)
(1)の重心GについてOGと三角形ABCの交点をPとした時、OP/OGを求める問題です。Pは平面ABC上にあるので、OA、OB、OCベクトルで現した場合、係数を足すと1になるという、例の話を使います。ほぼ同じ問題はFocus Goldあたりも載っているので、解けます。

(3)
分割した四面体の体積比を求める問題です。点Pが三角形ABCに対し、どの位置にあるかのベクトルによる考察は、似たような問題がFocus Goldあたりにも載っているので、できます。それにより、分割した三角形の面積比がわかるので、それが体積比になるので、解けます。

 

大問6

数3の微積分の問題です。

(1)
分数関数の極大値と極小値を求める問題です。微分して増減表を書くだけなので、解けます。

(2)
(1)の関数のグラフとx軸の囲む面積を求める問題です。定積分の計算も教科書レベルの組み合わせで、難しいとは言えず、解けます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

ある予備校によると、一次突破ラインは80%ほどか、とあります。しかし、上記のように、教科書を理解し、Focus Goldあたりをマスターすれば、満点を狙える出題なので、決して高いボーダーラインとはいえず、地道な学習で十分に突破可能でしょう。

 

 

2023年日本大学医学部N方式2期二次数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

(1)~(4)までありますが、いずれも教科書レベルの技法で解ける数3の定積分なので、解けます。

 

大問2

(1)
直線 y=x と曲線 y=x4の囲む面積を求めるので、定積分すれば解けます。

(2)
実際に定積分して面積Snを求めるだけなので正解できます。

(3)
階差数列の形になるので、階差数列を根本から理解していれば、スムーズに解けます。

 

大問3

楕円の問題です。

(1)
楕円と直線が共有点を持つ条件という教科書レベルの問題なので解けます。

(2)
この手の「中点」が登場する問題で、解と係数の関係を使う問題は、Focus Goldあたりにも載っているので、前半は解けます。後半は、問題文に従って式を立てれば解けます。

(3)
愚直に三角形の面積を表しに行くと、kについての二次関数になるので解けます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 ある予備校によると、正規合格ラインは60点満点中50点ほどか、とあります。しかし、上記のように、教科書を理解し、Focus Goldあたりをマスターすれば、満点を狙える出題なので、決して高いボーダーラインとはいえず、地道な学習で十分に突破可能でしょう。

 

 

2022年日本大学医学部N方式1期数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

(1)
いわゆる2次方程式の解の配置の問題で、Focus Goldあたりには似たような問題が載っているので、正解できます。

(2)
三角形の角の二等分線の長さを、面積に着目して求める問題は、Focus Goldあたりには載っているので、正解できます。

(3)
本文のような対数の文章題は、数研出版の教科書には載っているので、正解できます。

(4)
この程度の整式の割り算と余りに関する問題、しかも、本文同様、ωを使う問題もFocus Goldには載っているので、正解できます。

(5)
本文は、数Bの教科書の「確率分布」の「確率変数の変換」のところに載っており、知っていれば公式1発問題なので数秒で解けますが、習わなかった人が多いかと思います。その場合、厳しいかもしれません。

 

大問2

確率の問題です。(1)(2)ともに、普通にFocus Goldあたりを勉強していれば解けます。

 

大問3

三角形の3辺の長さが与えられている問題です。

(1)
本文のcosθを余弦定理で求めるのは、教科書レベルなので解けます。
cos2θは倍角を使うのも教科書レベルなので解けます。

(2)
慣れないとcos4θでびっくりするかもしれませんが、倍角をくり返し使うだけなので正解できます。

 

大問4

(1)
教科書の平面ベクトルに載っている問題ですし、メネラウスの定理でもいけるので、解けます。

(2)
外心は辺の垂直2等分線の交点ですから、ベクトルで内積0を使うのは、Focus Goldあたりには何問も載っており、解けます。

(3)
P、F、Qが同一直線上にあるので、AP、AFベクトルに変換して、例の「係数を足して1」を使う問題は、Focus Goldには載っているので解けます。
後半の三角形の面積の最小値は、前半を誘導と考え、相加相乗平均を使うと出ますが、少し気づきにくいかもしれません。

 

大問5

ありがちな図形と無限等比級数の融合問題です。Focus Goldあたりには、もっと難しい問題が載っているので、そのあたりを勉強していれば、本文も解けます。(3)は三角形の内接円の半径の話なので、教科書の三角比のところに出てくる、面積と内接円の半径の関係式を使えば解けます。

 

大問6

(1)
教科書レベルの微分なので、解けます。

(2)
61はグラフを連立して交点を求めるだけなので、解けます。62、63もf(x)の最小値を求めるだけなので解けます。64~67の面積は、xlog(x+1)の積分ができるかどうかですが、教科書の部分積分のlogxの積分のところでも、似たような流れの出題があり解けるでしょう。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 日本大学医学部数学は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くも狙えるような出題のことが多かったですが、2022年から入試の形式が変わりました。ただし、相変わらず、このN方式1期一次については、上記のように、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くを狙えます。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。
 ある予備校によると、一次突破ラインは70%あたりだそうです。Focus Goldあたりを中心とした普通の勉強で、大幅に上回りますね。

 

 

2022年日本大学医学部N方式1期数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

(1)
導関数を求める問題が4問ありますが、いずれも教科書レベルなので、正解できます。出題意図がよくわからないレベルです。

(2)
等式の証明問題です。
2次方程式の解なので2次方程式に代入するのは高校入試レベルで、あとは、自然に代入して計算すれば証明できます。

 

大問2

(1)
簡単な無理関数の逆関数を求める問題です。教科書レベルなので解けます。

(2)
元の無理関数と逆関数の交点を求める問題です。これも教科書レベルなので解けます。2乗すると同値性が崩れることに注意しましょう。

(3)
元の無理関数と逆関数とy軸で囲まれる面積を求める問題です。これも、単に(上)ー(下)を定積分するだけで、教科書レベルと言え、解けます。

 

大問3

(1)
三角形の面積をθの関数として表し、最大値の時のcosθを求める問題です。面積は、それほど難しくないcosθについての分数関数になり、簡単に微分でき、最大値が求まるので、解けます。具体的な角θはわからないので、αとでも置くのは、わりとある話です。

(2)
点と直線の距離の最大値とその時のcosθを求める問題です。これは、例の有名角で合成できない三角関数の合成の話に帰着され、Focus Goldには載っていますし、日大医学部では、過去にも何度も出ています。式も難しくないので、解けます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 日本大学医学部数学は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くも狙えるような出題のことが多かったですが、2022年から入試の形式が変わりました。ただし、相変わらず、このN方式1期二次については、上記のように、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くを狙えます。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。
 ある予備校によると、正規合格ラインは60点満点中45~50点あたりだそうです。Focus Goldあたりを中心とした普通の勉強で、十分に上回りますね。

 

 

2022年日本大学医学部N方式2期一次数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

(1)
sinθとcosθの和が与えられて、sinθを求める問題は、Focus Gold本文には載っていませんが、章末問題には載っていますし、教科書準拠問題集などには載っていることが多いのではないでしょうか。いずれにせよ、類題は教科書レベルなので、なんとかして解きたいです。

(2)
2次不等式の解がすべての実数解になるようなmの値の範囲を求める問題です。Focus Goldあたりには、数値が違うくらいのそのままの問題が載っており、解けます。

(3)
複素数と対称式の融合問題です。分解すると、いずれも教科書~Focus Goldあたりに載っているので解けます。

(4)
サイコロをn回投げた時の最小値がいくつになる確率、はFocus Goldあたりに載っていて、それとごく簡単な条件付き確率の融合問題なので解けます。

(5)
円の方程式を求める問題で、中心が直線~上にある、も、軸に接する、もFocus Goldあたりに載っているので、解けます。

 

大問2

指数関数の問題です。

(1)
指数関数のxに値を代入するだけなので、解けます。この、指数にlogがくる形は、Focus Goldあたりに載っています。

(2)
指数方程式と「2次方程式の解の配置」の融合問題です。「2次方程式の解の配置」はFocus Goldあたりに載っているので、解けます。

 

大問3

ベクトルの問題です。

(1)
三角形の頂点から対辺に引いた垂線の足を求める問題です。このあたり、文字を使い、内積0で求める問題は、Focus Goldあたりに載っているので、解けます。

(2)
垂心を求める問題です。Focus Goldあたりにも垂心を求める問題は載っていますし、(1)の垂線上にあり、もう1回内積0を使うような問題も、Focus Goldあたりには何問も載っているので、解けます。

 

大問4

数列の問題です。

(1)
教科書レベルの等差数列を求める問題なので、解けます。

(2)
教科書レベルの、階差数列から元の数列を求める問題から、元の数列の第22項を求めるだけなので、解けます。

(3)
階差数列が部分分数分解する形で、教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。

 

大問5

関数y=(logx)2についての問題です。

(1)
関数の最小値と極小値を求める教科書レベルの問題なので、解けます。

(2)
原点から引いた接線の接点の座標という教科書レベルの問題なので、解けます。

(3)
面積を求める簡単な問題なので、解けます。

 

大問6

円に二等辺三角形が内接している問題です。

(1)
前半は、三角形の内角の和がπであることを使う、中学生レベルの問題です。後半は、問題文にもsinが含まれるので、三角比を使うであろうことはすぐわかり、解けます。

(2)
前半は二等辺三角形の面積を求める問題ですが、2辺とその挟角がほぼわかっているので、すぐに正解できます。後半は、面積を使った極限の問題です。この形は、例のsinθ/θの極限を駆使する問題で、Focus Goldあたりには載っており、解けます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 日本大学医学部数学は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くも狙えるような出題のことが多かったですが、2022年から入試の形式が変わりました。ただし、相変わらず、このN方式2期一次については、上記のように、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くを狙えます。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。
 ある予備校の講評では、一次突破ラインは80%前後か、とあります。Focus Goldあたりを中心とした学習で、十分に上回りますね。

 

 

2022年日本大学医学部N方式2期二次数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

整数問題です。

(1)
教科書レベルの一次不定方程式なので、解けます。

(2)
本問がそのまま、何かに載っているということは少ないでしょうが、似たような流れはFocus Goldあたりには載っており、絞り込んだ上で、あとは具体的に1つ1つ適しているか調べていく、という流れもFocus Goldあたりには載っているので、解けます。

 

大問2

関数y=exに関する問題です。

(1)
接線、接点を求める教科書レベルの問題なので、解けます。

(2)
法線を求め、三角形の面積を求めるだけで、やはり教科書レベルと言え、解けます。

(3)
囲まれた部分の面積を求める、やはり教科書レベルの問題なので、解けます。

 

大問3

放物線と直線lが異なる2点ABで交わり、ABの中点をMとする問題です。

(1)
中点Mの座標を求める問題です。この状況で解と係数の関係を使う問題は、Focus Goldあたりの「図形と方程式」に載っているので、解けます。

(2)
直線lと直交する直線mと放物線の交点のうち、x座標が負である点Cを求める問題です。このあたりから、Focus Goldあたりに類題がそのまま載っているわけではありませんが、状況は簡単なので、図を書けば解けると思います。ベクトルを使うと、より見通しがいいでしょう。

(3)
直線lのy切片bを求める問題です。点Cは放物線上にあり、点Mは直線l上にあることから、求まります。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 日本大学医学部数学は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くも狙えるような出題のことが多かったですが、2022年から入試の形式が変わりました。ただし、相変わらず、このN方式2期二次については、上記のように、大問3(2)(3)は類題がそのまま載っているわけではありませんが、状況はわかりやすく、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くを狙えます。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。
 ある予備校の講評では、正規合格ラインは60点満点中45~50点か、とあります。Focus Goldあたりを中心とした学習で、十分に上回りますね。

 

 

2021年日本大学医学部数学:難易度、どうすれば解けたか

 

大問1

(1)
教科書レベルの2次関数に帰着させる対数関数の最小値の問題なので正解できます。

(2)
教科書レベルの確率、期待値の問題なので、正解できます。

(3)
命題の真偽を判断する問題です。いずれも偽ですが、Focus Goldあたりには、このような反例を見つける問題は載っており、正解できます。

(4)
内接四角形の対角線と面積をもとめるというFocus Goldあたりには、数値が違うくらいの問題がそのまま載っている問題なので、正解できます。余弦定理を2回使います。

 

大問2

(1)
分数型漸化式です。Focus Goldあたりには、数値が違うくらいの問題がそのまま載っている問題なので、正解できます。逆数を取ります。

(2)
sin2x、sinxcosx、cos2xを含む三角関数の最大最小はこうやる、というのはFocus Goldあたりには、数値が違うくらいの問題がそのまま載っている問題なので、正解できます。半角と倍角を使い2xにして、合成します。

(3)
ベクトルを使います。CがAB上にある、OHとABが直交する、どうするかの問題は、Focus Goldあたりには、何問も載っているので、正解できます。

(4)
無理関数と直線の共有点の個数と座標を求める問題です。教科書レベルなので正解できます。2乗すると同値性が崩れることに注意しましょう。ただ、日本大学医学部の前半の小問では、近年、数3の範囲は出ていなかったので、今後注意しましょう。

 

大問3

(1)
数3基本レベルの三角関数の最大最小の問題なので、正解できます。

(2)
原点と極値の座標を3頂点とする三角形の面積を求める問題です。教科書に載っている公式を使えばいいので解けます。日本大学医学部は三角形の面積を求める問題が多いですね。

(3)
sin2α+cos2α=1と連立すれば解け、そのような問題はFocus Goldあたりには載っていますが、盲点になりがちかもしれません。後半の面積は定積分するだけです。本問のように、交点の角が具体的にわからなくても、αなどと置けば面積が求まる問題は、Focus Goldあたりには載っています。

 

大問4

(1)
数2教科書レベルの3次関数の極大値を求める問題なので正解できます。

(2)
数2教科書レベルの面積を求める問題なので正解できます。

(3)
前半は4次方程式を解くだけですが、少し工夫が必要です。まあ、因数定理でもゴリゴリ行けるので、正解できます。後半は、接線を求め、x軸との交点を求めるだけです。

 

大問5

図形と無限等比級数の融合問題です。類題は、Focus Goldあたりには、無限等比級数の分野のみならず、類題が何問か載っています。

(1)
余弦定理を使うだけなので、正解できます。
ただし、ものの本には、このような円の中心角と三角形の話は正弦定理を使え、と書いてあるものもあり、本問もそちらのほうが(2)も統一的に解けます。

(2)
(1)で上記のように正弦定理を使うと、簡単に漸化式を立てることができ、あとは簡単な収束する無限等比級数の計算なので、正解できます。

(3)
ちょっと難しいかもしれませんが、円の共通部分の面積は、求まるように分割し、足し引きするような解き方は、旧センター試験などでも出題されていました。あとは、簡単な収束する無限等比級数の計算なので、正解できます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 日本大学医学部数学は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くも狙えるような出題のことが多いです。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。
 ある予備校によると、目標は75%だそうです。Focus Goldあたりを中心とした普通の勉強で、大幅に上回りますね。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

Twitter

【2024】北海道大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】北海道大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

東北大学数学(医学部・理系)

名古屋大学数学(文系・医学部・理系)

 

北海道大学入試の数学で悩んでいる人へ

 北海道大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、北海道大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、北海道大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

北海道大学医学部・理系入試における数学の重要性

 北海道大学医学部(面接除く)、理系二次試験前期の数学の配点は、150/450です。見た目だけでも、配点の1/3を占めていますね。 
 また、2024年のように、難易度がBBBBBの場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、ほぼ全問解けるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。一方、2023年のように、BBCCCだと、後ろの3問は、並の医学部合格者では完答はできないでしょうから、やや、差はつきにくい可能性もあります。
 さらに、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、北海道大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

北海道大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 北海道大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、最初から、全く方針が立たないこともあるでしょうし、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年北海道大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、北海道大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
三角関数と軌跡の融合問題です。

(1)
点Pと点Qが一致するtの値をすべて求める問題です。
x座標とy座標が一致すれば点が一致すると言えますから、そうすると、教科書レベルの三角方程式に帰着されるので、解けます。
角に制限がなく、一般角で答えることに気をつけたいです。この話も教科書レベルです。

(2)
点Pの軌跡を図示する問題です。
tを消去し、xとyの関係式を導き、軌跡を求める問題は、数2だと、Focus Goldあたりには載っていますし、数3だと教科書レベルです。そして、本問の三角関数は、かなり簡単にtを消去できそうな形なので、解けます。軌跡は、数3の放物線になります。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
反復試行、条件付き確率あたりの確率の標準問題です。

(1)
愚直にすべての場合を書き上げると、すべて、反復試行の話になります。排反なので、単に足せばいいので、解けます。

(2)
条件付き確率の問題です。
本問も、愚直にすべての場合を書き上げると、すべて、反復試行の話になります。排反なので、単に足せばいいので、解けます。
完答しましょう。

ただし、確率は、教科書、Focus Goldが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後や過去問あたりで補強したほうがいいでしょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
積分と数列の融合問題です。

(1)
教科書レベルの特性方程式で解く2項間漸化式です。教科書に載っているので、解けます。

(2)
数2の教科書に載っている「定積分は定数と置け」の問題と数列の融合問題です。類題は、Focus Goldの本文には載っていませんが、「数列」の節末問題には載っています。また、大学入試数学において、頻出なので、入試問題集には載っていることが多いと思います。したがって、普通に受験勉強をしていれば解けます。途中、(1)の漸化式が出てきます。だいたい、(1)のような小問は、誘導、ヒント、親切心と考えましょう。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトルの問題です。

(1)
三角形の辺ABの長さを求める問題です。
格言「ベクトルの大きさは2乗せよ」で解決します。類題はFocus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
三角形の内心をベクトル表示する問題です。
ほぼ同じ問題がFocus Goldあたりには載っているので、解けます。

(3)
三角形と内接円の接点をベクトル表示する問題です。
垂直なので、内積0を使えばいいので解けます。また、円外の点から円に引いた接線の長さは等しいことを使っても解けます(高校入試で使うような技法)。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
愚直に教科書通り、接線の方程式を求めるだけなので、解けます。

(2)
グラフが下に凸であることを示す問題です。
教科書に書いてあるとおり、第二次導関数が正であることを示せばいいだけなので、正解できます。

(3)
囲む面積を求める問題です。
愚直に積分すればいいだけなので、解けます。途中、置換積分をすると見通しがいいです。
完答しましょう。

 

北海道大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 北海道大学医学部・理系の数学は、大問5問、試験時間120分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBBBと、医学部合格レベルの人であれば、満点も狙える出題でした。ただし、2023、2022などは、それなりに難易度C問題も出ていて難しかったと言えます。ただ、それでも、難易度C問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 数3の微積分は、おそらく毎年出題されます。ベクトル、確率もよく出ている印象です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

北海道大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの北海道大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、北海道大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率、ベクトルなどの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年北海道大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
「すべての自然数nに対して」と問題文にあるので、数学的帰納法を選択肢に入れるのは、普通に教科書やFocus Goldを勉強していれば大丈夫だと思います。あとは、やや複雑ですが、答案の枠組みは教科書通りなので、正解できます。

(2)
極限との融合問題です。
点Oが円内にあるか、円外にあるかで式が変わってくるのがポイントですが、それ以外は簡単なので解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
線分APの長さを求める問題です。
2点間の距離と3平方の定理を使えばいいだけなので、解けます。

(2)
点Pの座標を求める問題です。
(1)でAPの長さを求めていますし、内積0が2回使えます。したがって、P(x,y,z)と置いても、式が3本立ちます。これは、教科書に載っている問題と全く同じ状況なので、解けます。

(3)
球面Sと直線OCの交点の座標を求める問題です。
交点は直線OC上にあるのでk倍のOCベクトル、などと置くのはベクトルでは大切な技法です。しかも、ほぼ本問の設定の問題がFocus Goldあたりには載っているので、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の微分の問題です。

(1)
数3ではよく見る関数と、定数kの交点の個数で、方程式の実数解の個数を求める、教科書やFocus Goldレベルの問題なので解けます。

(2)
このような問題は(1)を誘導だと考えましょう。すると、左辺はf(x)f(y)という形をしています。あとは、普通にやれば解けます。

(3)
本問も左辺は(2)と同じ形をしています。そして、素直に問題文にしたがって進めると、(1)のf(x)のグラフを使える形になるので、解けます。
特に、数3は、このような誘導形式の問題が多いです。医学部志望なら完答を目指したいところですが、定型的ではないので、難易度Cなのかな、と思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
確率の問題です。

(1)
本問の状況を把握するところから、まず、難しいです。ただ、把握してしまうと、Focus Goldなどに載っている「サイコロの目が、等しいを含め、だんだん大きくなる場合の数」の話に帰着されます。これは、重複組合せの問題です。
状況をうまく把握できなくても、愚直に絶対値を外しにいけば、何とか解けると思います。
本問はなんとか確保したいです。
このような問題のコツは、まずは、具体的な数で、いろいろ試してみることですね。

(2)
(1)で状況を把握できている場合、把握できていることをきちんと説明し、上記の「サイコロの目が、等しいを含め、だんだん大きくなる」が解答となります。
状況を把握できていないと、しんどいかな、と思います。
ただ、合格には満点が必要なわけではないので、他の大問でがんばれば良かったと思います。

(3)
ここまで到達していれば、状況を把握できているはずです。
(1)同様の重複組合せの問題なので、解け、完答できます。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
図形と方程式、その他の融合問題です。

(1)
方程式の解がある範囲に存在することを示すので、考え方としては、教科書レベルの中間値の定理でいけばいいので、解けます。

(2)
直線に関して点と対象な点を求める問題です。数2の教科書の「図形と方程式」に載っているので解けます。さすがに、教科書よりは、設定が複雑で、もう少しいろいろしなければいけませんが、問題文を読んで素直に式を立てるレベルなので大丈夫でしょう。

(3)
前半は、3点A,P,Dが同一直線上にあるようなθが少なくとも1つ存在することを示す問題です。
素直に教科書やFocus Goldと同じように、ベクトルの共線条件を使うと、(1)の式が出てくるので、示せます。(1)を見た時点で、後で使うのだろう、と思えるようにしましょう。
後半は「ただ1つ」と問題文が変わります。(1)の中間値の定理から考えて、この区間で単調増加なら、示せることになります。ただ、この単調増加性を示すのが、それほど定型的ではないので、難しいと思います。
(3)前半までで、十分合格点でしょう。
ただ、本問のように、やや強引に相加相乗平均を使えば(本問は他にもアプローチがありそうですが)いける問題は、特に上位私大医学部あたりで、たまに見ます。検討の価値はあるかもしれません。

 

北海道大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCCCと、後半の完答は厳しかったと思います。医学部志望の人は、大問1,2を完答。大問3を半分ほど。大問4(1)。大問5(3)前半まで、ほどで、十分、合格点を超えたでしょう。
 非医学部の人は、もう少し、ポツポツ失点しても大丈夫だったでしょう。

 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年北海道大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はC。
絶対値つき二次関数の問題です。

(1)
a、bがどのくらいかが問題文に書いてあるので、愚直に場合分けをして絶対値を外しても解けます。
また、もうちょっと、直観的な考察でも行けそうです。
本問は確保したいです。

(2)
(1)で愚直に場合分けをして絶対値を外している場合、ほぼ、すでに解答が出ています。
いずれにせよ、ここで愚直に場合分けをして絶対値を外すことになります。
本問も確保したいです。

(3)
a、bが動く時の、最小値mの最大値を求める問題です。
ここが、あまり定型的ではないので、難易度Cなのだと思います。
できるだけ部分点を確保する、という方針で、医学部でも合格点でしょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
ベクトルと漸化式の融合問題です。

(1)
理論上は、ベクトルなので、Oを起点として(終点)ー(始点)で変形して、問題文からx座標についての漸化式の話らしいので、x成分について式を立てると、正解できます。
本問は、問題文に、n+2、n+1、nとあるので、漸化式の技法を駆使して、なんとか確保したいですが、意外に難しいかもしれません。

(2)
(1)ができれば、Focus Goldに載っている漸化式の技法で解けます。

(3)
(1)同様に、y成分について式を立てると、(2)同様に、Focus Goldに載っている漸化式の、また違った技法で解けるので、理論上は解けるのですが、計算も複雑で、実戦的には、完答はかなりきついかと思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
領域、数3の微積分の融合問題です。

(1)
領域を図示する問題です。
2つ目の不等式の左辺と中辺については、対数を使いますが、理系なら慣れているでしょう。あとは、増減表を書いてグラフを書くのは、Focus Goldレベルと言えるので、解けます。

(2)
(1)とはまた違った領域の面積の最小値を求める問題です。
(1)と似ているので、(1)を使えますが、それにしても場合分け、積分計算などが大変で、完答は厳しいでしょう。早めに切り上げて、他の大問で、がんばったほうがいいと思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
円順列の確率の問題です。

(1)
時計回りにHOKKAIDOと並ぶ確率です。
円順列は難しい問題ほど、1つを固定したほうが見通しがいいです。これは、教科書にも書いてある考え方ですし、Focus Goldあたりにもそういう問題は載っています。本問は、頭のHを固定でいいでしょう。あとは、教科書~Focus Goldレベルと言え、解けます。OとKが2つあることに注意しましょう。

(2)
隣り合う子音が存在する確率を求める問題です。これは余事象を取って「どの子音も隣り合わない」を考えます。すると、Focus Goldあたりに載っている「母音の間と両脇に入れればどの子音も隣り合わない」という技法を使えるので、解けます。

(3)
隣り合う子音が存在するとき、それがKKだけである条件つき確率の問題です。
KKを1かたまりと見るのは、教科書レベルというか、高校入試レベルでしょう。あとは、(2)同様、Focus Goldあたりに載っている「間と両脇に入れればどれも隣り合わない」を使えばいいので解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はA。
複素数平面の問題です。

(1)
複素数Zが表す図形を図示する問題です。教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
問題文の方程式の共通解を求める問題です。(1)の図形の交点を求めるだけなので、教科書レベルと言え、解けます。

(3)
複素数のn乗が負の実数になるための整数nの必要十分条件を求める問題です。実軸の負の部分にあればいいわけで、ド・モアブルの定理を使います。似たような問題はFocus Goldあたりに載っているので、解けます。
完答しましょう。

 

北海道大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2022年は月刊『大学への数学』誌の難易度がCCCBAでした。前半が難しいと、精神的ダメージを受け、解けるはずの後半もうまく行かなかった、という人も、それなりにいたかもしれません。人間は、そのようにできているようなので、大学入試の数学については、柔軟な姿勢でありたいです。
 非医学部の人は、もう少し、ポツポツ失点しても大丈夫だったでしょう。

 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

Twitter

 

【2024】東北大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】東北大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

北海道大学数学(医学部・理系)

名古屋大学数学(文系・医学部・理系)

 

東北大学入試の数学で悩んでいる人へ

 東北大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、東北大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、東北大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

東北大学医学部・理系入試における数学の重要性

 東北大学医学部医学科、二次試験前期の数学の配点は、600/1800です(面接除く)。見た目だけでも、配点の1/3を占めていますね。 
 さらに、数学は、大問が6つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、東北大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

東北大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 東北大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、最初から、全く方針が立たないこともあるでしょうし、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年東北大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、東北大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はA。
数2の微積分の問題です。

(1)
つまるところ、放物線と直線の交点、放物線の接線を求める問題です。すべきことは教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
放物線といくつかの直線で囲まれた面積を求める問題です。三角形の面積を使うと、計算がかなり楽になります。つまるところ、積分して面積を求めるだけなので、解けます。

(3)
(2)の面積が2/3になるときのaの値を求める問題です。そのような式を立てれば簡単に答が出るので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。

(1)
不等式の証明の問題です。
第一感は、教科書通り、(左辺)ー(右辺)をすることですよね。それと、問題文の条件をうまく使うと、証明できるので、正解できます。

(2)
「正の整数n」についての問題なので、整数問題と捉えることもできますし、数学的帰納法も選択肢に浮かぶでしょう。
整数問題で、最初のいくつかを具体的に試してみて、その後を帰納法で示す、という問題は、近年、旧帝国大学、一橋あたりで結構出題されていて、Focus Goldあたりにも少し載っているので、正解できます。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
確率漸化式の問題です。

(1)
まだ、最初の2回を具体的にやるだけと、簡単な2項間漸化式を立てるだけなので、解けます。

(2)
(1)の結論を使うと、意外に簡単に解ける形になるので、解けます。
ただし、Focus Goldあたりで漸化式に慣れておくことが大切だと思います。

(3)
これも(1)のの結論を使うと、意外に簡単に解ける形になるので、解けます。

(4)
話を進めると、問題文は、複素数の実部が0、虚軸上にあることと同値であることがわかります。ド・モアブルの定理を使います。このような問題は、Focus Goldあたりの複素数平面には載っているので、解けます。
難易度はCですが、解けそうなので、医学部志望者は完答を目指しても良かったでしょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
球面の問題です。

(1)
2点間の距離を求めるだけの教科書レベルの問題なので解けます。

(2)
2球が交わりを持つことは、教科書の2円の話と同じように考えれば示せます。
後半の、交わりの図形の円の中心と半径を求める問題は、三平方の定理とベクトルを駆使すれば、そう難しくないので、解けます。

(3)
本問は、xy平面と平面Hの両方に並行で、大きさ1のベクトルを求める問題です。教科書の空間ベクトルには、2ベクトルと垂直で大きさ◯のベクトルを求める問題が載っているので、同じように考えれば解けます。

(4)
本問は、言われればそれほど難しくありませんが、実戦的には大変だと思います。実戦的には(3)まで確保で、医学部でも合格点でしょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分の問題です。

(1)
微分の計算をするだけなので、枠組みは教科書~Focus Gold基礎レベルと言え、解けます。

(2)
方程式の解がα≧2以上にただ1つ存在することを示す問題です。増減表を書いて、x軸とx≧2でただ1回交わることを言えばいいだけなので、解けます。まあ、難しくないと思いますが、教科書の中間値の定理は、1つのヒントになるでしょう。全国的には類題は入試でよく出題されています。

(3)
グラフの概形を書く問題です。愚直に増減表を書いてグラフを書くだけなので、教科書、Focus Goldあたりの学習で書けます。

(4)
大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。
上に出てくる2x-3と本問の2m-3、2n-3が似ていることに注目しましょう。また、本問は、Focus Goldあたりに載っている有名問題である、たとえば、eπとπeの大小を示す問題と同じような問題であることに気づきましょう。そうすると、同じように考えれば解けます。
完答しましょう。

 

第6問

『大学への数学』誌の難易度はD。
空間ベクトル、数3の極限、微積分の問題です。

(1)
線分PRの長さをθで表す問題です。
点PQRは同一直線上にあるので、k倍とでも置くのは、Focus Goldあたりでよく使う技法なのでいいと思います。
あとは、Rが平面H上にあることを使えばいいので、解けます。
本問は確保したいです。

(2)
不等式の証明の問題です。
与えられた不等式と図形を結びつけて考えれば、そこまで難しくないとも言えますが、実戦的には難しいかもしれません。

(3)
円錐の側面と曲線で囲まれた面積を求める問題です。
(2)の理解の上で、不等式の中辺を見ると、微分の定義の分子の形をしているので、それを使うと、理論上は解けますが、理解も計算も、なかなか大変で、完答は厳しいでしょう。難易度Dといっていいかと思います。

 

東北大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 東北大学医学部・理系の数学は、大問6問、試験時間150分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がABCCBDでした。難易度C、D問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2024年は、医学部の場合、大問1,2,5は完答。3は完答に近い部分点。4は(3)まで。6は(1)を確保し(2)で部分点、といった方針で、十分に合格点を超えたかと思います。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

東北大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの東北大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、東北大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年東北大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はA。
確率の問題です。

(1)
問題を把握して、普通に計算するだけなので解けます。

(2)
Aが勝つ場合を愚直に数え上げて、排反なので足せばいいので、解けます。
完答しましょう。
本問は簡単だと思いますが、確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、東北大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。

(1)
3倍角を含む、三角方程式の問題です。
和積公式か3倍角の公式を使えば解ける形になるので、解けます。「正の実数のうち最小のもの」という、ほんの少しだけひねりが入っていますが、ほぼ同じ問題は、教科書準拠問題集あたりにも載っている可能性は高いと思います。

(2)
数3の極限の問題です。
まあ、このような極限は、はさみうちでいきます。
そして本問を進めると、ガウス記号が出てきます。ガウス記号を含む、はさみうちでいく極限の問題は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列の問題です。

(1)
漸化式を解く問題です。
この形の「両辺に何かをかけると2項間の関係が現れる」問題は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
数列の和を求めるのがメインの問題と言えます。
途中、部分分数分解になりますが、教科書レベルなので、解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。

(1)
整式の割り算の問題です。
愚直に割り算をして、余りが0を示すのはいいと思います。
その時に、問題文の式を見て、Focus Goldあたりには載っている「次数下げ」の技法と同じ話を使おうと思うはずです。それで余り0を示せるので解けます。

(2)
方程式の虚数解で虚部が正のものを極形式で表す問題です。
問題文にも1の5乗根についてのヒントが書いてあります。また、(1)の整式に(x-1)をかけるとx5-1になるのは、Focus Goldあたりの複素数平面には載っており、この形は入試でも頻出です。
1の5乗根を求めるのは教科書レベルです。「虚部が正」の考察も、複素数の虚部の話はFocus Goldあたりには載っているので、その方針で解けます。

(3)
式の値を求める問題です。2023年の出題なので、2023乗が出てきます。
複素数平面の話を使うという特殊性はあると言え、複素数平面では普通の技法ですし、あとは、数1のFocus Goldあたりに載っているので解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はA。
ベクトルの問題です。

(1)
内積の定義と垂直なので内積0という教科書レベルと言える話なので、解けます。

(2)
本問のように、四面体の頂点から底面に垂線を下ろす問題は、Focus Goldあたりには載っているので解けます。

(3)
平行であることを示すのは、普通、実数倍と書けることを示します。これは教科書レベルです。
点Kも(2)同様、四面体の頂点から底面に下ろした垂線の足なので、位置ベクトルが求まります。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第6問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の微積分の問題です。

(1)
多少、簡単な条件はありますが、接線を求めるだけなので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
図形Sの概形を書くのは、微分して、増減表を書いて、グラフを書けばいいので、まあ、教科書レベルとも言え、行けると思います。
その後、面積を求めるのが、分析がやや難しく、計算が面倒なので、理論的には完答も可能なのですが、難易度Cなのだろうと思います。
(2)の図形Sの概形を書き、その後、どれだけ情報を答案に書いて、部分点を積み上げるか、が大切だったかと思います。

 

東北大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がABBBACでした。難易度C問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2023年は、医学部の場合、時間との戦いはありますが、理論上は、大問1~5は完答。6は(2)の途中まで行けるような出題でした。ただ、それよりもポツポツ失点しても、十分合格点でしょう。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年東北大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
整数問題と場合の数の融合問題です。

(1)
l+m+n=99を満たす正の奇数の組(l,m,n)の個数を求める問題です。
奇数だから、l=2p-1 などと置くもので、そうすると、教科書やFocus Goldあたりに載っている、重複組合せの話に帰着できるので、解けます。そう思いつかない場合、よくわからない問題は、具体的にやってみることが大切です。そうすると、Σ計算をするアプローチでも解けそうです。

(2)
(1)のとき、l,m,nの中に同じ奇数を2つ以上含む個数を求める問題です。
本問は、(1)で重複組合せのアプローチを取ったとしても、具体的にやってみると、それで、数えられそうだ、ということになります。したがって解けます。

(3)
l+m+nの値より、それを満たす個数のほうが多くなるような、最小のl+m+nの値を求める問題です。
本問も、l+m+nの値を小さい方から具体的にやっていくと、3つ目で答えが出ます。それで、答案として論理的に説得力があります。整数や数列のように、とびとびの値しか取らない(離散的といいます)問題の場合、具体的にやっていくとうまくいく場合があります。まあ、本大問は、全体として、いろいろな解き方が考えられそうです。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はD。
数2の微分(4次関数)の問題です。

(1)
本問4次関数の最小値が負になるような、aの取りうる値を求める問題です。
本問4次関数は積の形で与えられ、後半は実数の2乗なので0以上です。したがって、積の前半だけ考えればいいことになります。前半は2次関数なので、平方完成をして、最小値が負になる条件は教科書レベルと言え、解けます。

(2)
2つの極小値のうち、x座標の大きいほうが極小値が大きいことを示す問題です。
まあ、微分して増減表を書きにいきます。この時、本問は理系の出題で、関数は積の形をしているので、数3の積の微分を使ったほうが、少し見通しがいいです。このあと、極値をとるx座標の大小についての考察や、不等式の証明の計算あたりが、やや難しいのかなと思います。一方で、このあたりの極値をめぐる計算で、解と係数の関係を使う問題は、Focus Goldの数2の微分には載っています。したがって、そのあたりが念頭にあると、見通しよく解けたかもしれません。

(3)
本問関数がx<βにおいて単調減少し、かつx=βにおいて最小値をとるaの値の範囲を求める問題です。
理論上は、増減表の様子が異なりそうなaの値によって場合分けすれば、そう難しくはなく、(2)よりは取り組みやすいかと思います。このあたりの場合分けも、Focus Goldあたりの数2で出てくるものと、枠組み自体は同じで、やや複雑かなあ、という程度です。
したがって、理論的には、完答も可能かと思われます。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の極限の問題です。

(1)
不等式の証明の問題です。
同様の流れの問題は、数3の教科書の積分のところに載っていますが、意外にも本問は積分は使いません。教科書の「不等式の証明」通り、そのまま引いて0以上を示してもいいですし、同値変形したあとで、両辺0以上より、2乗-2乗を示したほうが楽に示せます。

(2)
極限の問題です。
まず、与式と(1)の中辺は形が似ていることに注目します。大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。そして、まあ、このような極限は、はさみうちです。右辺については、Σ計算ができます。やや、難しいのが左辺で、ひとひねり入ります。このひとひねりが、言われれば全く難しくないですが、思いつく人は少なそうなので、難易度Cなのだと思います。このくらいの部分点狙いかと思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
図形と方程式、三角関数、極限あたりの融合問題です。

(1)
本問の2円に接している直線の傾きmを用いて、2円の中心を通る直線の傾きtを表す問題です。
まあ、このような問題は、傾きとtanの関係の話で行くもので、そうすると解けます。Focus Goldあたりだと、図形やグラフと絡めた問題が弱いですが、入試では散見されるので、押さえておきましょう。

(2)
tを用いてb/a(a,bは2円の半径)を表す問題です。
まあ、いろいろ解き方はありそうですが、たとえば、この2円が接する形に補助線を引くのは、教科書の平面図形(高校入試にも出る)のところには載っています。それでsinθをaとbで表せます。sinとcos、cosとtanの相互関係は教科書に載っていますから、t(=tanθ)をsinθで表せるので、解けます。

(3)
極限値を求める問題です。
本問も、形からして、全体として、上の小問の結論を使う、ということになりそうです。
すると、極限値を求める過程自体は、意外に、何のひねりもなく、あっさり求まるので、解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルと漸化式の融合問題です。

(1)
漸化式を立てる問題です。
問題文に「垂線」とあるので、素直に内積0を使います。この程度の操作は、Focus Goldあたりで慣れているでしょうから、解けます。

(2)
極限値を求める問題です。
(1)の答が、数Bの教科書に載っている、特性方程式で変形する2項間漸化式の形で、その極限も、数3の教科書に載っているので、解けます。

(3)
直線ABが2直線l,l’の両方と直交することを示す問題です。
簡単に内積0を示すことができ、この程度の操作はFocus Goldあたりで慣れているでしょうから、解けます。
完答しましょう。

 

第6問

『大学への数学』誌の難易度はC。
直円柱と半径がrの半球の共通部分の体積を求める問題です。分野としては数3の積分(体積)です。

Focus Goldあたりで数3の積分の体積の問題に慣れていれば、断面図で考えるのも、rの値で場合分けするのも、過程で必要な値を求めるのも、同じように考えれば、特に難しくないと思われます。
したがって、難易度Cですが、理論的には、完答も十分に狙えると思います。

 

東北大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2022年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBDCBBCでした。難易度C問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2022年は、医学部の場合、時間との戦いはありますが、理論上は、大問3以外は十分完答が狙えたと思います。大問3も(2)で部分点を狙えるような出題でした。ただ、それよりもポツポツ失点しても、十分合格点でしょう。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

Twitter

【2024】名古屋大学数学(文系・理系・医学部) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】名古屋大学数学(文系・理系・医学部) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

北海道大学数学(医学部・理系)

東北大学数学(医学部・理系)

九州大学数学(医学部・理系)

 

名古屋大学入試の数学で悩んでいる人へ

 名古屋大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、名古屋大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、名古屋大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

名古屋大学文系入試における数学の重要性

 名古屋大学文系二次試験前期の数学の配点は、法学部、経済学部、教育学部は全体の1/3です。(文学部は配点が低くなっています。)見た目だけでも、大切そうですね。 
 また、2024年のように、難易度がABCの場合、黄チャートあたりを網羅した上で入試標準問題演習をしている人は、かなりの高得点を取れるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、名大文系数学は、大問が3つしかありません。他の受験生が解けている問題が、黄チャートあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、名古屋大学文系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

名古屋大学医学部・理系入試における数学の重要性

 名古屋大学文系二次試験前期の数学の配点は、医学部は600/1800、理学部は600/1500、工学部は500/1300と全体の1/3以上となっています。見た目だけでも、大切そうですね。 
 また、2024年のように、難易度がBCBCの場合、Focus Gold、黄チャートあたりを網羅した上で入試標準問題演習をしている人は、かなりの高得点を取れるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、名大理系数学は、大問が4つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Gold、黄チャートあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、名古屋大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

名古屋大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 名古屋大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、最初から、全く方針が立たないこともあるでしょうし、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年名古屋大学文系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 名古屋大学文系は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより、はっきり入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、大きく合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はA。
3次方程式の問題です。

(1)
3次方程式の実数解を求める問題で教科書レベルとも言えるので、解けます。ただし、因数定理でxに5を代入するのが、やや難しいかもしれません。このような時は、まずは、定数項の約数から代入していく、という話が、Focus Goldのコラムあたりには書いてあります。

(2)
対称式p3+q3の変形は、教科書レベルと言えるので解けます。

(3)
このような問題は、上の小問の結論を使うのではないか、と考えましょう。
まず、本問の与式を変形すると(2)の形になります。その後、(1)の3次方程式が現れます。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
二次関数、図形と方程式あたりの問題です。

(1)
2次関数の最大値を求める問題です。平方完成するだけで、教科書レベルとも言えるので、解けます。

(2)
ひとひねりはありますが、つまるところ、放物線と直線が交点を持つ条件の問題です。教科書レベルと言えるので、解けます。

(3)
前半は、愚直に2点間の距離を求めて計算するだけなので、教科書レベルと言えるので解けます。
後半は、不等式ですが、普通にやれば解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
確率の問題です。

(1)
裏がn回出た時の座標を求める問題です。
初見でも行けるでしょうし、教科書の反復試行のところに、まずこの話をする問題が載っているので、解けます。

(2)
(1)はヒントだと考えましょう。すると、裏が出るのが2回と決定します。
前半は、簡単な反復試行の話なので、解けます。
後半は、本問のメカニズムを理解すると、見通しよく解けますし、そうでなくても、愚直にゴリゴリやっても解けそうです。

(3)
本問も(1)より、裏が出るのが2回と決定します。
あとは、(2)同様、メカニズムを理解すると、見通しよく解けますし、そうでなくても、愚直にゴリゴリやっても解けそうです。
数学が得意な人なら完答できそうですが、本問のメカニズムを理解するのがやや難しいので、難易度Cなのかな、と思います。

 

名古屋大学文系数学の勉強法と傾向と対策

 名古屋大学文系の数学は、大問3問、試験時間90分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がABCでした。難易度C問題を完答できる人は、東大理系や名大医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、名大文系なら、大きく合格点を超えます。2024年は大問1,2を完答。3で部分点、という方針で、十分合格点を超えたでしょう。ただ、大問1,2が易しめだったので、なるべく大問3で部分点を多く取りたかったと思います。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。
 ただ、名大の確率は、状況がやや複雑な独特なものが多いので、名大の過去問を多く集めて取り組むといいと思います。他大の過去問でも名大に対応できるような問題は出題されています。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

名古屋大学文系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、黄チャートあたりの重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、名古屋大学文系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な東大理系や名大医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2024年名古屋大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、名古屋大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分と整数の融合問題です。

(1)
関数の極値を求める問題です。微分して増減表を書くだけなので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
曲線外から曲線にちょうど2本接線を引けるtの値を求める問題です。
同様の問題が、整関数では数2のFocus Goldあたりに載っていますし、数3のFocus Goldあたりにも載っているので、解けます。

(3)
整数問題です。
(2)の結論を使えば、ごく基本的な整数問題なので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
文字入りの3次方程式を解くだけの問題です。教科書にも載っている「最低次の文字について整理」の格言で因数分解すればいいので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
方程式の解のうち、実部が最大のものを求める問題です。
p(z)とq(z)は形が似ているので、(1)はヒントではないかと考えます。すると(1)の結論を使えるので、解けます。
このように、数学の小問集では、「上の小問の結論を使う」ことから逆算して考えるとうまくいくことが多いです。

(3)
2方程式の共通解と、その時のcの値を求める問題です。
定型的ではありませんが、普通に、解が一致する、といった考察で解けます。
難易度C問題ですが、完答も狙えると思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
内積を求める問題です。教科書レベルなので解けます。

(2)
原点から平面Hに下ろした垂線の足を求める問題です。
Focus Goldあたりには、四面体の頂点から底面に下ろした垂線の足を求める問題が載っていて、2文字使っても、内積0を2回使えるので、解けます。

(3)
問題自体は定型的ではありませんが、(2)同様、2文字使い(しかも定める必要がない)、同一直線上にあるので、係数を足して1、などといったFocus Goldあたりに載っている技法を使えばいいので、示せます。

(4)
領域Kで原点からの距離が最小になる点を求める問題です。
図形的に理解すると、(2)のQから垂線を下ろした点で最小であることがわかります。あとは内積0が使えるので、解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
確率と積分の融合問題です。

(1)
問題文を理解すれば、余事象を取るのは教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
自然数に関する証明なので、数学的帰納法で行くのはいいと思います。
部分積分を実行すると、番号が1つ増えるような問題は、Focus Goldあたりには何問か載っています。そのような問題が頭にあれば、かなり見通しがいいかと思います。
あとは(1)をヒントに確率の話をすれば示せます。
ただ、計算も含め、簡単ではないかなあ、とは思います。難易度Cのゆえんなのだと思います。

(3)
本問も形を見て(2)の結論を使うのだろう、と考えるのが大切です。
そして、f(k+1)は、本大問の確率の問題のメカニズムを理解すると、1/2なので、それも使うと解けます。
(2)を証明できなくても、本問を解くことは可能ですが、上記のように、本大問の確率のメカニズムを理解できたかどうかが、なかなか大変だったかと思います。

 

名古屋大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 名古屋大学医学部・理系の数学は、大問4問、試験時間150分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBCBCでした。難易度C問題を完答できる人は、東大理系や名大医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、医学部でも合格点を超えます。2024年は、大問1,3を完答。大問2も完答近く、大問4(2)の途中あたりで、医学部でも十分合格点を超えたでしょう。非医学部なら、さらに、それなりの失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでも良さそう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

名古屋大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Gold(非医学部なら黄チャートでも良さそう)あたりの重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、名古屋大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な東大理系や名大医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャート、Focus Goldや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年名古屋大学文系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。

(1)
因数分解の問題です。教科書にも書いてある「最低次の文字について整理する」で因数分解できるので解けます。

(2)
y=f(x)とy=g(x)のグラフの共有点が2つになるaの値を求める問題です。
(1)の結論を使えるので、初見でも簡単ですが、Focus Goldあたりに、3次方程式の実数解がちょうど2種類になるような問題が載っています。したがって解けます。

(3)
(2)の条件でy=f(x)とy=g(x)のグラフを描く問題です。
(2)の問題の通り、1つの共有点では接している、ということです。それさえ気をつければ、後はグラフを描くだけの教科書レベルの問題とも言えるので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間図形(ベクトルではない)の問題です。
(3)までは、中学入試、高校入試のような問題です。

(1)
線分AXの長さをpで表す問題です。
三角形の相似を使う、先述のように、中学入試、高校入試のような問題なので解けます。

(2)
三角形APXの面積をpで表す問題です。
本問も三角形の相似から辺の比を求めて使う、中学入試、高校入試のような問題なので解けます。

(3)
四面体の体積の和をpで表す問題です。
本問も(1)(2)のような方針で行ける中学入試、高校入試のような問題なので解けます。

(4)
点Pを辺AD上で動かす時、(3)の体積の最小値を求める問題です。
文系で(3)の形の最小値を求めるのは、相加相乗平均ということは、いいと思います。似たような問題はFocus Goldあたりには載っているので、解けます。
完答しましょう。ただ、中学入試、高校入試のような空間図形の問題は、大学入試の勉強では疎かになっている場合が多いでしょうから、盲点だった人もいたかもしれません。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
確率の問題です。

(1)
本問のメカニズムを理解すれば、簡単な分数のかけ算とたし算をするだけなので、解けます。

(2)
本問もメカニズムを理解するのはそれほど難しいとは思われず、愚直にすべての場合を書き出しても多くはないので、解けると思います。
難易度Cですが、十分完答もできると思います。

 

名古屋大学文系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCでした。ただし、大問3も十分完答を狙えると思います。一方で、2023年のセットで満点を取れるような人は、あまり名大文系は受けないかなあとも思います。中京圏は名大志向の人も多いので、なんとも言えませんが。いずれにせよ、理論上、満点も狙えるものの、それなりに失点しても、十分合格点を取れるでしょう。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。
 ただ、名大の確率は、状況がやや複雑な独特なものが多いので、名大の過去問を多く集めて取り組むといいと思います。他大の過去問でも名大に対応できるような問題は出題されています。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

Twitter

【2024】大阪大学数学(文系・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

【2024】大阪大学数学(文系・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

京都大学数学(文系・理系)

神戸大学数学(医学部・理系)

 

大阪大学入試の数学で悩んでいる人へ

 大阪大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、大阪大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、大阪大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

大阪大学文系入試における数学の重要性

 大阪大学文系二次試験前期の数学の配点は、法学部、経済学部は全体の1/3です。(文学部などは配点が低くなっています。)見た目だけでも、大切そうですね。 
 また、2024年は、難易度がCCDとかなり難しく特殊な年でしたが、2023年のようにBBBといった場合、黄チャートあたりを網羅した上で入試標準問題演習をしている人は、かなりの高得点を取れるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、阪大文系数学は、大問が3つしかありません。他の受験生が解けている問題が、黄チャートあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、大阪大学文系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

大阪大学医学部・理系入試における数学の重要性

 大阪大学文系二次試験前期の数学の配点は、医学部は500/1500、理学部、工学部は250/700、と全体の1/3以上となっています。見た目だけでも、大切そうですね。 
 また、2024年のように、難易度がBCCBCの場合、Focus Gold、黄チャートあたりを網羅した上で入試標準問題演習をしている人は、かなりの高得点を取れるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、阪大理系数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Gold、黄チャートあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、大阪大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

大阪大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 大阪大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、最初から、全く方針が立たないこともあるでしょうし、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年大阪大学文系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 大阪大学文系は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより、はっきり入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、大きく合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はC。
絶対値つき二次関数と積分(面積)の問題です。

(1)
絶対値つき二次関数と直線の交点の座標を求める問題です。
まあ、絶対値つき方程式と同じ話ですから、丁寧に場合分けをして絶対値を外して方程式を解くのは、Focus Goldあたりに載っているので、解けます。

(2)
囲む面積が等しくなるようなaの値を求める問題です。
本問は、愚直に問題文の面積を求めに行くのではなく、両方に、同じ領域を加えてあげると、両方とも簡単に1/6公式で面積が求まる形になります。ただ、このような話は、載っている本には載っていますが、Focus Goldあたりには載っておらず、初見では気づきにくいので、難易度Cなのかな、と思います。しっかり受験勉強をやっていれば、十分完答も狙えますが、阪大文系でそこまで数学を突き詰めている人がどれだけいるかな、ということかと思います。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
ちょっと話題になった「座標空間内の直線lとz軸はねじれの位置にある。lとz軸の両方に直交する直線がただ1つ存在することを示せ」という問題です。
まず、教科書をよく読んでいない人は「ねじれの位置」という言葉で、冷静さを失った可能性があると思います。
次に、本問は見た感じ、定型的ではないので、さらに冷静さを失った可能性があると思います。
ただ、少し冷静に考えてみましょう。「空間の2直線に直交」という問題は、教科書の空間ベクトルのところに載っています。z軸上の点は(0,0,p)とでも置けます。ベクトルで行くとすると、直線lは、1点と方向ベクトルで表す話が教科書に載っています。(文字を多く使うのでやりにくいかもしれませんが。)これで、内積0を2回使い、1通りに定まることを示せば、示せたことになります。
このように、冷静になれたか。完答できなくても、どれだけ部分点を取れたか、が勝負だったかと思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はD。
整数問題です。

(1)
15番目の素数を答えるだけの問題なので、正解できます。がんばりましょう。

(2)
自然数についての不等式の問題なので、数学的帰納法でいくというのはいいと思います。最低、このくらいの部分点は確保しましょう。
このあとが数学的帰納法の定型ではないので、難易度がDなのだと思います。一方、本問の仮定はpk>3k、証明すべき不等式はpk+1>3k+3です。実は、3kの次の3k+1から順々に3k+2、3k+3と調べていくと、わりと簡単にpk+1>3k+3を言えてしまいます。整数問題において、実際にやってみることの大切さが、ここでも現れましたね。
ただ、完答できた人は多くないのではないかと思います。

 

大阪大学文系数学の勉強法と傾向と対策

 大阪大学文系の数学は、大問3問、試験時間90分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がCCDでした。難易度C問題を完答できる人は、東大理系や阪大医学部合格者でも少ないので、C、D問題のBレベルの部分点、という方針で、阪大文系なら、大きく合格点を超えます。2024年は特殊でしたが、教科書と黄チャートの内容で全力を尽くし、部分点を集めれば、十分に合格点を超えたと思います。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 微積分、確率、ベクトルがよく出題されます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大阪大学文系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、黄チャートあたりの重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、大阪大学文系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な東大理系や大阪医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2024年大阪大学理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 大阪大学理系は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより、はっきり入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、大きく合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の極限、微分の問題です。

(1)
方程式がただ1つの実数解を持つことを示す問題です。
増減表を書きに行って、中間値の定理から、わりと簡単に示せます。やや複雑ですが、やっていることの枠組みは教科書レベルと言えるので、解けます。全国的に、類題はよく出題されています。

(2)
極限値を求める問題です。
まあ、このような極限は、はさみうち、ということでいいでしょう。また、(2)だけ見ても全くわからないので、大学受験数学において、このような小問集は、上の結論を使う、という考え方が大切です。anは(1)の方程式の実数解なので、素直に代入して変形すると、比較的簡単にはさみうちできると思います。その過程でも(1)の答案を使います。Focus Goldあたりにも、どのように、はさみうちに持っていくかを鍛えられる問題は、何問か載っているので、そのような取り組みをしていれば、解けると思います。ただ、はさみうちへの持って行き方は、実際の入試っぽい問題がいいかな、と思います。年度別『入試問題集』(数研出版)あたりから探すといいかと思います。

(3)
本問も極限値を求める問題です。
anは(1)の方程式の実数解なので、(2)以上に素直に代入すると、本問のnanが得られます。あとはnanについて解く方向で行けば解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
「逆像法」という技法を知っていると、かなり見通しよく解けますが、そうでないと問題文の式を変形するくらいで止まってしまう可能性も高いと思います。受験生の出来は、かなり悪かったのではないかと想像します。他の大問でがんばれば、合格点を超えると思います。

(2)
(1)ができると簡単なのですが、おそらく(1)をできた人が少ないので、あまり差はつかない問題だったかと思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
文系第2問と共通で、ちょっと話題になった「座標空間内の直線lとz軸はねじれの位置にある。lとz軸の両方に直交する直線がただ1つ存在することを示せ」という問題です。
冷静になって、教科書、黄チャート(Focus Gold)レベルのことをどれだけできて、部分点を取れたか、の勝負だったかと思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の積分(体積)の問題です。

(1)
半円とx軸並行の直線で囲まれた領域をy軸周りに回転させた回転体の体積を求める問題です。原理的には教科書レベルなので、解けます。

(2)
「円の領域をy軸周りに回転させた回転体の体積」の2倍が(1)の体積になるときのaの値を求める問題です。
実は、「円の領域をy軸周りに回転させた回転体の体積」は「パップス=ギュルダンの定理」で簡単に求まります。ただし、記述式の答案なので、しっかり回転体の体積を求める積分の式を書くべきでしょう。しかもy軸周りではなくx軸周りですが、数研出版の教科書には載っている教科書レベルの問題と言えます。したがって解けます。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
文字ばかりで抽象的なので、ちょっと、具体的な数字でやってみるといいと思います。すると、Focus Goldあたりの集合に載っている、円が3つあるベン図の要素の個数の話に帰着されることがわかるので、解けます。最後の因数分解は少し難しいですが、最終形が問題文にあるので、大丈夫でしょう。

(2)
約数うんぬんの問題なので、素因数分解された形、素因数の数で場合分けすると思いつけば、かなり見通しがいいと思います。Focus Goldあたりには、そのような問題が載っています。あとは、素因数分解されているので、「素数」の性質を存分に使うことになります。たとえば、「偶数の素数は2のみ」などです。整数問題にかなり精通していると、完答も可能かと思いますが、なかなか難しい問題かとも思います。

整数はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、何らかの補強をしたほうがいいです。大学受験塾チーム番町では、整数問題集を渡しております。

「素数」という文言を見たら何を考えるか、などは、以下のページに記載しております。
 ↓ ↓ ↓
整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

大阪大学理系数学の勉強法と傾向と対策

 大阪大学理系の数学は、大問5問、試験時間150分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBCCBCでした。難易度C問題を完答できる人は、東大理系や阪大医学部合格者でも少ないので、B問題完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、阪大非医学部なら、大きく合格点を超えます。医学部もそれで合格点です。2024年は大問1,4を完答。その他を教科書や黄チャート(医学部はFocus Gold)あたりの理解と技法で、部分点を集めれば合格点だったと思われます。
 以上は、非医学部なら黄チャートあたり、医学部ならFocus Goldあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば(医学部はもっと補強したほうがいい)、十分達成できます。

 微積分は1題以上は出題されると思います。その他、確率、ベクトル、整数あたりがよく出題されています。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大阪大学理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、黄チャートあたり(医学部はFocus Goldあたり)の重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、大阪大学理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な東大理系や大阪医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年大阪大学文系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
三角方程式が実数解を持つa,bの存在範囲をab平面上に図示する問題です。
COS2θを倍角で変形するのは教科書レベルです。sinθ=t とでも置くと、その後、Focus Goldあたりの二次方程式の解の配置の後ろの方に載っている、「二次方程式が-1≦t≦1の範囲に少なくとも1つ実数解を持つ」という話に帰着されるので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
対数関数と微分の融合問題です。

(1)
t=log2xとおいて、与式を整理する問題です。Focus Goldあたりでは、やっている変形でしょうから、解けます。

(2)
文字定数aを含む、3次関数の最大値を求める問題です。Focus Goldあたりには載っているので解けます。コツは、連続関数の場合、最大値は、極大値か定義域の両端でしか取らないので、定義域と極値の位置関係に注目することです。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトルの問題です。

(1)
内積を求める問題です。
教科書通り、「ベクトルの大きさは2乗せよ」の格言で、ゴリゴリやれば出ます。

(2)
OPベクトルの大きさの最大値と最小値を求める問題です。ただ、見た感じ、よくわかりません。
そこで、このような小問集は、上の問題の結論を使うのではないか、という考え方が、大学受験数学では大切です。
(1)の答の内積の値は0です。
つまり、問題で最初に与えられている2つのベクトルは、直交する単位ベクトルだ、ということがわかります。したがって、そのように変換して考えると、xy平面上の座標の話として考えることができ、簡単に解けます。
円や球は中心が大切、という問題もFocus Goldあたりには載っています。
完答したいところですが、(2)のように考えるのは、あまり定型的ではないので、ここがどうかな、というところかと思います。

 

大阪大学文系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBでした。黄チャートあたりを超える、なにか「発想」のようなものが必要な問題は無いので、完答も狙えます。あとは、大問3(2)が定型的ではなかったので、どうかな、というところかと思います。いずれにせよ、その程度で、合格点を大きく超えるでしょう。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年大阪大学理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列、数3の極限、積分の融合問題です。

(1)
不等式の証明の問題です。
実は、与式の中辺は、Focus Goldに載っている問題とほぼ同じ形をしています。ただ、初見でも、単なる等比数列の和なので、計算できます。
あとは、不等式の証明なので、教科書通り、愚直に、(右辺)ー(左辺)≧0を示しにいけば証明できます。

(2)
極限を求める問題です。
まあ、こういう極限は、はさみうちでしょう。しかし、パッと見た感じ、全くわかりません。ただ、anが(1)の中辺の一部にかなり似ています。また、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、と考えることが、大学受験数学では大切です。
そうすると、(1)の各辺を定積分すればいいのではないか、ということになります。この話自体は教科書レベルですが、ここで、こう思えるかは、なかなか難しいかと思います。
あとは、積分計算をすればいいので、解けます。
できれば完答したいです。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトルの問題です。
文系第3問と共通問題です。
完答したいです。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
微分、接線の問題です。
つまるところ、整関数では数2のFocus Goldあたりに、また、数3のFocus Goldあたりにも載っている、「曲線外の点から、接線を◯本引ける△の値を求めよ」という問題と同じです。
したがって、大きな枠組みはFocus Gold通りにやればいいので、解けます。
場合分けが複雑なので、難易度Cなのかな、と思いますが、なにか、発想といったものが必要なわけではなく、普通にやっていけば生じる場合分けなので、理論上は、十分、完答を狙えます。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
空間ベクトルの問題です。

(1)
ベクトルに関する等式の証明の問題です。
内積0が使えるのはFocus Goldあたりではよくやる操作なのでいいと思います。
あとは、3点A、P、Qが同一直線上にあるので、最終形から、内積の定義において、なす角が0かπということを使えばいいので、示せます。ただ、同一直線上の3点で、この話はあまり使わないので、どうかな、というところですが、最終形から逆算して考えると、思いつくのではないかと思います。

(2)
大学受験数学で、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考えが大切です。(1)の式をxy平面の話にするために計算してみる、というのはいいでしょう。すると、2次曲線らしき式が現れます。理論上は、教科書通りに場合分けするだけなのですが、楕円、双曲線あたりの計算がやや大変なので、難易度Cなのかな、と思います。理論上は完答も狙えると思います。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
確率漸化式の問題です。

(1)
最初の2回だけが問われているので、愚直に具体的にやってみればいいので、解けます。
ただし、(2)の確率漸化式でも使う考え方を触れますと、本問は7の倍数でなければ、いずれの場合も次は確率1/6で7の倍数になります。このように「7の倍数でなければ、いずれの場合も」と「まとめる」考え方を理解できない人が、意外に多いようです。数研の教科書の確率漸化式には、このような問題が載っています。大学受験塾チーム番町で採用している『合格る確率』(文英堂)には、このような「まとめる」考え方に1問割いています。

(2)
(1)をヒントにすると、いちばん簡単な特性方程式で解く2項間漸化式になるので、教科書レベルと言え、解けます。
完答しましょう。

 

大阪大学理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCCBでした。ただし、大問1,2もちょっと最後のほうが定型的ではないので、難易度Bでも完答しにくいかもしれません。一方、大問3,4は途中まではかなりスムーズに行けそうなので、難易度Cでも、かなりの部分点を狙えます。大問5は完答したいです。このくらいで、非医学部なら大きく合格点を超えたでしょう。
 以上は、黄チャート(医学部ならFocus Gold)あたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャート、Focus Goldあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

Twitter

【2024】九州大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】九州大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

広島大学 数学(医学部・理系)

熊本大学医学部 数学

 

九州大学入試の数学で悩んでいる人へ

 九州大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、九州大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、九州大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

九州大学医学部・理系入試における数学の重要性

 九州大学医学部、理系二次試験前期の数学の配点は、250/700です。見た目だけでも、配点の1/3以上を占めていますね。 
 また、2024年のように、難易度がBBCBCで、かつ、C問題もかなりの部分点が狙いやすい場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、かなりの高得点を取れます。また、見た目C問題が多い年でも、小問が多く、Bレベルでかなりの部分点は狙えることが多いです。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、九州大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

九州大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 九州大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、九大は小問が多いので、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年九州大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、九州大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトルの問題です。

(1)
3点P,Q,Rが同一直線上にないことを示す問題です。
証明問題では、常に、教科書で習ったように、対偶を取ることを選択肢として入れるべきです。また、本問は問題文が、見るからに対偶を取ると楽そうなものとなっています。したがって示せます。

(2)
aが動く時の、三角形PQRの面積の最大値を求める問題です。
教科書のベクトルのところに、ベクトルを使った三角形の面積の求め方が載っています。それで計算すると、結局3次関数の最大値という、教科書レベルの話に帰着されるので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
与式は複素数平面では有名な形で、Focus Goldあたりには、そのような問題が載っています。そうでなくても、等比数列の和の形なので、仮に知らなくてもいけそうです。後は自然に議論を進めればいいので、解けます。

(2)
定型的ではありませんが、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問を使うのではないか、という考え方が大切です。そうすると、自然に議論を進めればいけるので、示せます。
完答したいですが、B問題のわりには、定型的でない部分も多いので、非医学部の場合、多少の失点は許されるかもしれません。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
不等式の証明の問題です。
素直に分母を払って、教科書通り、(左辺)ー(右辺)≧0を示しにいくのは、それほど難しくないと言えるので、証明できます。

(2)
等式を満たす自然数の組(a,b)を求める問題です。
ちょっと具体的に考えてみるだけでも、ちょっと大きな自然数くらいでも、もうダメだろう、ということはわかると思います。
ただ、答案で論理的に説明するにはどうするか。
やはり、このような小問集は、上の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。すると(2,1)という組はすぐに求まります。あとは(1)で論じていないa≧bの場合を論じれば、網羅したことになります。こちらから解が出てこないということを示すのは、難しくないので、解けます。

(3)
等式を満たす自然数の組(a,b,c)を求める問題です。
ひと目、a=b=cの時に等式を満たすことはわかります。その後の議論は、なかなか難しいので、このくらいを書いて、あとはどの程度部分点を取れるか、という問題かと思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
3個以上の格子点を通れる直線の本数を求める問題です。どこかに似たような問題が載っているわけではないです。

(1)
格子点が3×3の場合です。
愚直に数えても出るので解けますが、その過程で、(2)以下に備え、規則性を考えておくことが大切だったでしょう。x軸並行、y軸並行、傾き±1というように。

(2)
格子点が4×4の場合です。
(1)で考えた規則性をもとに、愚直に数えると、簡単に出るので解けます。

(3)
格子点が5×5の場合です。
(1)(2)と異なり、傾き±2の直線も格子点を3個以上、通れるようになります。
ただ、丁寧に数え上げればいいだけなので、解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の積分の問題です。

(1)
類題は、Focus Goldあたりには載っていて、大学受験数学でもよく出ます。ただ、関数が、標準問題よりも少し複雑なので、難易度Cなのでと思います。
まあ、Focus Goldと同じように、部分積分を実行するのではないか、というのはいいでしょう。関数が3個の積なので切れ目を考える必要がありますが、ここだろう、というのもいいと思います。実はそれで解けてしまいます。

(2)
極限値が0であることを示す問題です。
まあ、このような極限は、はさみうちで行く、というのはいいと思います。また、(1)の結論を使うというのもいいと思います。すると、比較的簡単に示せてしまいます。
難易度Cですが、理論的にはそれほど難しい問題ではなく、医学部あたりの人は、完答を狙っても良かったでしょう。

 

九州大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 九州大学医学部・理系の数学は、大問5問、試験時間150分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCBCで、かつ、C問題もかなりの部分点を取れそうでした。医学部合格レベルの人であれば、かなりの高得点狙える出題でした。ただし、2023、2022などは、難易度C問題あたりが中心となっています。ただ、それでも、完答は難しくても、小問が多いので、かなりの部分点は狙える場合は多いです。難易度C問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2024年は医学部の場合、大問1,2,4を完答、大問3,5を半分くらい、で、十分に合格点を超えたでしょう。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で、十分達成できます。

 数3の微積分からは、おそらく毎年(場合によっては複数問)出題されます。ベクトルもよく出ている傾向があります。
 また、2024年は、九州大学独特の、長文問題が姿を消しました。2025年もこの傾向は続くでしょうか?

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

九州大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの九州大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、九州大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年九州大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
高次方程式の問題ですが、係数が対称の「相反方程式」と言われる問題です。
Focus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
複素数についての等式が与えられ、三角形の形状を決定する問題です。
一番基本的なものは、教科書にも載っています。しかし、本問は、与えられた式が難しい。そして(1)の結論を使うのでしょうが、問題を見ただけでは、どう使うのかは見えません。
ここで、結局、教科書にせよ、Focus Goldあたりにせよ、最終形は、たとえば(βーα)/(γーα)を考えているだろう、と結論から逆算して考えることになります。このような方針で与式を変形しすると、(1)の相反方程式を使える形になり、(1)の解がいかにも極形式で表しやすいので、解けます。
理論上は完答も狙えますが、上記のように考えられたかが、勝負の分かれ目だったかと思います。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数列と極限の問題です。

(1)
絶対値を見たら、素直に外しにいけばいい場合が多いです。
すると本問は0に収束することが、かなり簡単に示せるので、解けます。

(2)
(1)と同様に考えると、教科書レベルの特性方程式で解く2項間漸化式が現れますが、教科書レベルなので、正の無限大に発散することが、かなり簡単に示せるので、解けます。

(3)
本問も(1)とほぼ同様で、0に収束することが、かなり簡単に示せるので、解けます。

(4)
背理法を使うと、0に収束することが、かなり簡単に示せますが、問題の形式が証明問題ではないので、背理法を思いつくかなあ、というところかと思います。また、教科書の数列の極限のところに載っている、xy平面上の直線でジグザグに考える方法も有効ですが、あまり入試で使うことはなく、思いつくかなあ、というところかと思います。
理論上は完答も狙えますが、(3)までで合格点かな、と思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はD。
ベクトルの問題です。

(1)
本問は証明問題です。教科書あたりをきちんと勉強していれば、本問は、対偶を取るか、背理法か、のほうがうまくいくのではないか、と思うはずです。実際に、そうすれば、比較的簡単に示せます。
特に、医学部あたりの場合、本問は確保したいかもしれません。

(2)
内積0から、垂直なベクトルをk、l倍のなんとかベクトル、などと設定してあげて、もう片方の与式の内積1のほうに代入すると、k、lが定まるので、解けます。
特に、医学部あたりの場合、本問も確保したいかもしれません。

(3)
まあ、難しいと思います。他の大問でがんばれば、十分合格点を超えます。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
関数方程式の問題です。

(1)
関数方程式の問題はFocus Gold数3あたりには載っています。そのあたりの問題を勉強していれば、x=y=0を代入してみるというのは基本なので、示せます。

(2)
Focus Goldの関数方程式の問題も、微分の定義を使っています。本問も微分の定義に持ち込めばいいので、示せます。

(3)
下線部3に親切に「実部と虚部を調べる」と書いてあります。したがって、展開して整理すると、行き詰まりそうですが、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問を使うのではないか、という考え方が大切です。(2)を使うには、微分すればよさそうだ、ということがわかります。これで、かなり簡単に示せます。

(4)
本問も、やや複雑ですが、微分の定義に持ち込めばいいので、理論上は完答も狙えます。
特に、医学部あたりの人は、がんばりたかったところかと思います。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の微分、積分(面積)の問題です。

(1)
媒介変数表示された曲線Cの接線のうち、y軸並行のものがいくつあるかを求める問題です。
y軸並行ということは、傾きを考えられない(±無限大に発散する)、ということですね。九大理工系あたりの場合、このあたりから理解していない人もそれなりの割合でいるように思います。しっかり学習しましょう。
ちなみに、Focus Goldの数3の微分のグラフを書く問題には、横の副文の解説で、この傾きを考えられない接線について、考察しているものもあります。そのような経験があれば、より見通しがいいでしょう。
そうでなくても、dy/dxの逆のdx/dyが0になればいい、というのは、媒介変数表示の微分あたりを勉強していれば、十分、思いつくことも可能だと思います。そのような方針で解けます。

(2)
媒介変数表示された曲線Cと直線y=xの囲む面積を求める問題です。
まず、媒介変数表示された関数の増減表、グラフの書き方は、Focus Goldあたりには載っています。
媒介変数表示された曲線とx軸の囲む面積の問題は、教科書にも載っています。やや複雑ですが、原理的には教科書と同じことをやればいいので、難易度Cですが、十分に完答も狙えるかと思います。

 

九州大学医学部・理系数学の勉強法、対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がCCDCCでした。ただ、D問題の最後の方は、はっきり難しそうですが、その他は、C問題とは言え、どこかに基本形が載っているような問題を、少し複雑にした、といった出題も多く、特に、医学部合格レベルの人は、完答、あるいは、かなりの部分点を取れる出題だったかと思います。
 非医学部の人は、0完(完答できた大問が0問)でも、きっちり部分点を集めれば、十分に合格点を超えたかと思います。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年九州大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
2つのベクトルの両方に垂直で、大きさを与えられたベクトルを求める問題です。内積0を2回使え、大きさで式が1本立ち、合計、式が3本立つので、空間ベクトルのx,y,z成分が定まります。これは、数研出版の教科書には載っている、教科書レベルの問題と言えるので解けます。

(2)
平面αに関して点Pと対称の点P’の座標を求める問題です。
Focus Goldあたりには似たような問題が載っているので解けます。また、仮に初見でも、内積0が使えますし、PP’の中点が平面上にあることなのは、教科書の「図形と方程式」に載っている「直線に関して対称な点」の問題が参考になるでしょう。

(3)
折れ線の最小値を求める問題です。
似たような問題は高校入試でも出ますし、Focus Goldあたりにも、平面バージョンが「図形と方程式」に載っています。同様に考えれば解けます。
ただ、点Pと点Qが果たして、平面に関して同じ側にあるのか、という疑問があります。これは、出題が親切で、点Pと点Qのx,y座標が同じであることから、かなり考察が楽です。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整式の割り算と極限の融合問題です。

(1)
与式を満たす実数A,B,Cと整式Q(x)が存在することを示す問題です。
整式の割り算について、教科書を超える、Focus Goldあたりに載っている難しめの問題をしっかり勉強していれば、本問程度の操作はできると思うので、解けます。

(2)
(1)のA,B,Cをn,α,βで表す問題です。
式が足りないようですが、整式の割り算の問題で、両辺を微分する技法は、わりと有名で、載っている本には載っています。したがって、しっかり勉強していれば解けます。

(3)
極限値を求める問題です。
難しいと思います。他の大問でがんばれば、十分合格点を超えます。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
本問の与式のもと、2数が互いに素であることを示す問題です。
与式からnが奇数であることは簡単に言えます。
互いに素であることの証明は、Focus Goldあたりには載っています。1つは、最大公約数が1であることを示すことです。そして、「最大公約数」とあったら、最大公約数で割った形の式を書くのが有力で、Focus Goldあたりにも何問か載っています。したがって、なんとか示せるのではないかと思います。

(2)
与式のもと、n2-1が168の倍数であることを示す問題です。
大学受験数学において、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考えが大切です。もう1つは、整数問題では、なにかの倍数であることがわかるなどしたら、ガンガン文字を使って置き換えるとうまくいくことが多いです。(1)の結論と与式を使い、新たに文字で置き換えると、理論上はわりとわかりやすく示せますが、Focus Goldあたりでは弱く、整数問題にかなり慣れていることが必要でしょう。このあたりから難しめと言えるでしょう。

(3)
与式を満たす自然数の組(m,n)を1つ挙げる問題です。
当然、(2)の結果、つまりn2-1=168sなどと置き、代入します。
すると、仮に(2)の証明がうまく行かなくても(3)は解ける可能性はあります。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
定積分の定義などについての九大らしい長文問題です。

(1)
「足し算の微分が微分の足し算になる」(いわゆる線形性の一部)ことを微分の定義から証明する問題です。
実は、数研出版の教科書では、数2の微分で、本問のように一般論ではありませんが、具体的な関数で、本問と同様の解説をしています。したがって証明できます。

(2)
問題文の定積分の定義と平均値の定理から、本文の命題を証明する問題です。
定積分の右辺と、平均値の定理の分子が同じ形をしているので、比較的簡単に証明できるのではないかと思います。

(3)
見た目難しそうですが、実は左辺と右辺は定数関数なので、意外と簡単に示せます。特に、区分求積あたりをしっかり勉強していると、ビビらずに済んだでしょう。

(4)
問題文にΣがあります。そして、数3の積分の教科書にも、このような不等式を辺々足していく話があります。基本形はそのような話なので、理論上は示せます。
理論上は完答も可能ですが、見た目の難しそうさに惑わされないことが大切だったと思います。実戦的にはきつそうなので、難易度Cなのだと思います。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の微積分で媒介変数表示された図形についての問題です。

(1)
dx/dtとdydxが負であることを示す問題です。教科書レベルとも言えるので示せます。

(2)
曲線と直線で囲まれた面積を求める問題です。
媒介変数表示された図形の増減表、グラフの書き方は、Focus Goldあたりには載っています。また、媒介変数表示された図形とx軸の囲む面積の基本形は、教科書に載っています。したがって解けます。

(3)
前半は曲線Cがx軸対称であることを示す問題です。
媒介変数表示がそもそも何かは、教科書できちんと説明されています。つまるところ、座標(x,y)です。したがって、tに-tを代入して、x座標がそのまま、y座標が-1倍になれば、x軸対称と言えるので示せます。
後半は、曲線C上の点を原点中心にπ/3回転させた点は曲線C上にあることを示す問題です。「原点中心にπ/3回転」は、複素数平面を使うのが、一番簡単そうです。それで示せます。

(4)
曲線Cの概形を図示する問題です。
本問も、上の小問の結論を使う、と考えましょう。すると、0≦t≦π/6の部分は(2)で考察していますし(もう少し考察が必要かもしれませんが)、x軸対称であることを示していますし、原点中心にπ/3回転させた点も曲線C上にあることを示しているので、概形を書けることになります。
理論上は完答も可能な問題だったと言えます。

 

九州大学医学部・理系数学の勉強法、対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBCCCCでした。ただ、C問題も完答、あるいは、かなりの部分点を狙える問題も多いです。医学部合格レベルの人は、大問1を完答。大問5をできれば完答。大問4も完答近く。大問2は(2)まで。大問3を半分ほど、といった程度で、十分に合格点を超えたでしょう。
 非医学部の人は、特にC問題は、難しめの問題でかなり失点しても、十分に合格点を超えたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

Twitter