【2024】千葉大学医学部 数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldが合格の鍵
大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導
千葉大学医学部入試の数学で悩んでいる人へ
千葉大医学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
実は、千葉大医学部の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
この記事を読むと、千葉大医学部数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。
千葉大学医学部入試における数学の重要性
千葉大学医学部大学の数学の配点は、二次の数学だけなら300/1450、共通テストの数学も入れると400/1450です。二次の試験時間は120分です。
また、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
合格している人の何割かは、たまたま解ける問題が多く出て、運良く受かった人ですが、自分が確実に合格しようと思ったら、数学の点数のブレをなるべく少なくすることが、非常に大切だということがわかると思います。
2025年入試 千葉大医学部の配点
英語 | 数学 | 理科 | 国語 | 社会 | 情報 | 面接 | 合計 | |
共テ | 100 | 100 | 100 | 100 | 50 | 25 | 475 | |
二次 | 300 | 300 | 300 | 100 | 1000 | |||
合計 | 400 | 400 | 400 | 100 | 50 | 25 | 100 | 1475 |
千葉大医学部数学、入試本番の心構え
以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
千葉大医学部は、入学難易度のわりには、数学の問題が易しめです。したがって、前半は、ほぼ完答できなければいけないのですが、あまりプレッシャーに感じると、実力を発揮できないかもしれません。一方、後半の医学部向け問題の下の方の小問は、難しいことが多いです。大問間で完答のしやすさの波は激しいと言えます。
仮に、前半の簡単な問題や、後半の難しい問題を見て、解けなそうな時、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。簡単な問題の場合、落ち着けば、解けるかもしれません。難しい問題の場合、ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。
千葉大学医学部数学、近年の傾向
白紙の上に論述する、論述式の入試です。日頃から、教科書や参考書の答案をマネして、論理的で説得力のある答案、答案の作法、などを学ぶことが大切です。
最初の大問3つほどは、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで正解でき、後ろの大問2問ほどは、小問の完答、または部分点狙い、という傾向があります。そして、それで、他の受験生に十分に差をつけることができます。
総合大学の国立医学部の特殊性として、他の学部と同じ問題を解く、ということがあります。千葉大の場合、一部、医学部向けに、難しい問題が用意されていますが、その大問の下の方の小問は、難しい傾向があり、あまり差がついていない可能性が高いです。やはり、他学部との共通問題、つまり前半と、医学部向けの大問の前半の小問で、どれだけ取ったか、で勝負が決まります。
すでに何度か触れているように、大問のほとんどが小問に分かれており、きちんと勉強していれば、最初の小問から全く手が出ない、ということは、あまりないと思われます。
そして、下記で年度別、問題別に具体的に述べているように、上の小問が誘導になっていることも多い傾向があります。このような姿勢があるかないかだけで、かなり点数は変わってくると思われます。
頻出分野
数3の微分、積分(極限が絡むこともある)、確率は、毎年出題される傾向があります。その次に、ベクトル、整数、複素数平面数列あたりが、よく出題されている傾向があります。
千葉大学入試の数学が解けない人へ
上記のように、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで、医学部でも、ほぼ合格できる、難しいとは言えない出題です。(さすがに医学部は、もう少し補強したほうがいいですが。)
医学部でない場合、独学なら、まず、教科書と『黄チャート』(数研出版)あたりの本文の問題を完璧に解けるようにしましょう。学校で受けるベネッセ模試、河合記述模試では、合格点を取れるほどに問題を解けると思います。
そして、入試問題に慣れる必要があります。年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題は、頻出標準問題です。その前後の問題を解けるようにすれば、千葉大数学を得点源に変えることができるほどに解けるとうになるでしょう。もちろん、過去問もこなしましょう。
大切なのは、どの教材も、問題を見た瞬間にぱっと解答の方針が思い浮かぶまで、ひたすら復習することです。
2024年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か
大問5
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率、極限の問題です。
(1)
1≦x≦n、y=1,2の格子点から3点を選んでできた三角形の面積をXとしたとき、0以上の自然数kについて、Xがk/2となる確率を求める問題です。
基本的に、本問の三角形ができるときは、x座標の差がkになればいいです。ここまでは難しくないと思います。ただ、k=0のときと、k≧nのときの考察を忘れがちかな、と思います。今後、似たような問題で完答できるように、注意しましょう。
確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。
(2)
Xがn/4以下となる確率をqnとしたとき、nを∞に飛ばしたときの極限値を求める問題です。
(1)よりXとは基本的にはk/2のことなので、k/2がn/4以下、つまり、kがn/2以下と考えます。すると、nの偶奇で場合分けが必要となる無限級数の和の問題となります。これは、Focus Goldあたりの数3の極限には載っているので、処理できます。結論は、偶数項までの和と奇数項までの和が一致するので、極限値を持ちますが、この議論をしないと、ほとんど点数は来ないでしょう。
また、奇数項までの和の考察、たとえば2m-1項目までの和は、偶数項までの和から第2m項を引けばいい(あるいは逆)、というのもFocus Goldや『合格る確率』あたりには載っています。したがって解けます。
完答しましょう。
2023年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か
毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。
大問5
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
ベクトルの問題です。
(1)
もしかしたら(1)が一番難しいかもしれませんが、不存在の証明なので、背理法が有力です。
(2)
Hは直線OA上の点なので、ここで1文字使い、内積0を使えば文字が定まる、という流れは、Focus Goldあたりに何問も載っているので解けます。
(3)
やはり平行条件から、ここで1文字使い、内積0を使えば文字が定まる、と(2)とほぼ同じような流れなので解けます。
(4)
本問で問われている三角形の外心は、辺の垂直二等分線の交点なので、(3)において、t=1/2とおけば、1分程で解けます。
大問5は完答できます。
大問6
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
確率の問題です。
(1)
ごく簡単な「数え上げ」型の確率の問題なので解けます。大学受験数学の確率においては、愚直に数え上げることが大切になることが多いです。
(2)
基本的な確率漸化式の問題なので解けます。
(3)
標準レベルの確率漸化式の問題なので解けます。全確率をたすと1になるので、そこから文字を消去していく、本問のような問題は、Focus Goldあたりにも載っています。
大問6は難易度Cですが、完答できそうです。
大問7
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
三角関数と絶対値つき積分の融合問題です。
(1)
与式の最大値を求める問題です。
まあ、絶対値の中は、三角関数の合成をしてください、という形です。ただし、有名角では合成できません。有名角で合成できない問題も、一番の基本形は数研出版の教科書あたりには載っていますし、もっと難しい考察をする問題も、Focus Goldあたりには載っているので解けます。
(2)
定積分の計算をする問題です。
置換するなどの工夫をすると、見通しよく計算できるので解けます。
(3)
定積分の最大値を求める問題です。
これも置換して、グラフの概形を考えると、面積を最大にする区間で最大を取りますから、答は直観的にわかります。あとは、愚直に計算すると、最大値が求まる形になるので、解けます。
計算はやや面倒ですが、難しくはないので、大問7も完答したいです。
大問8
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。
(1)
方程式 z3 = i を解くという、教科書に載っているような問題なので、解けます。ただ、後ろの問題のヒントとして用意してあるのだと思います。
(2)
(1)より少し状況が複雑なだけで、素直に問題文にしたがって、式を立てていけばいいので、解けます。
(3)
本問も、n乗と抽象度が増しますが、途中までは、上2問と同じ方針でやればいいです。本問は、正の整数nについての問題で、途中、nの分母に6がつきます。したがって、6で割った余りで場合分けして考える、というのは自然な方針なので、解けると思います。
大問8は完答しましょう。
大問9
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
数3の微分の問題です。
(1)
関数の最大値を求める問題です。
愚直に微分して増減表を書けばいいので、枠組みは教科書レベルと言え、解けます。
(2)
関数が最大値を持つことを示す問題です。
やはり、増減表を書けばいいので、枠組みは教科書レベルと言え、示せます。
(3)
関数の最大値がf(s)であることを示す問題です。
まず、tについての関数と問題文に書いてあるのに、αの関数と捉え直すのが難しいと思います。それさえできれば、出てきた式が、平均値の定理を使えそうだというのは、思いつきやすいかもしれません。一方、大学入試でそこまで出題頻度の高くない形なので、やや難しいかもしれません。
他の大問が解きやすいので、時間との関係もあるので、(3)はほぼ手つかずでも合格点を十分超えたと思います。
千葉大医学部数学の勉強法と傾向と対策
千葉大学医学部の数学は、大問5問、試験時間120分。数3の微分積分、確率は毎年出題される傾向があります。確率はFocus Goldあたりが弱く、特別な対策が必要なことも多いです。
確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。千葉大医学部は、両方出ます。「上位国立大学で必要な技法」は『合格る確率』(文英堂)でマスターすればいいと思います。
数3の微分積分は取り組みやすいことが多い傾向があります。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。
近年、千葉大医学部の数学は、最初の大問3つほどは、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスターで正解でき、後ろの大問2問ほどは、小問の完答、または部分点狙い、という傾向があります。そして、そのような対策で、他の受験生に十分に差をつけることができます。
2023年の総括
2023年は、難易度がBCCBCでした。ただし、大問6,7のCは、特に発想といったものが必要ではなく、定型的に近く、完答も可能です。本当にきついのは、最後の大問9の(3)くらいだったと言えます。もちろん、医学部でも、もう少し失点しても、十分合格点を超えたでしょう。
受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。
千葉大医学部数学のオススメ参考書
一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
次に、Focus Goldの千葉大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、千葉大学医学部レベルの成績になっているはずです。
千葉大学医学部対策としては『合格る確率』、整数対策、『文系数学良問のプラチカ』(河合出版)、あたりを合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。
整数は、市販でちょうどよい物がないので、大学受験塾チーム番町では、典型技法を網羅して、ちょうど上位国立大学で合否を分けるレベルの整数問題集を渡しております。
残りの文系数学の範囲は『文系数学良問のプラチカ』がいいでしょう。実は『理系数学良問のプラチカ』の文系数学の範囲のものより、レベルが高いです。知らない人がいるので注意しましょう。千葉大医学部で合否を分けるレベルを一部超えていますが、難しめの問題が出た時に、どのように処理していけばいいのか、などを学ぶことができると思います。
年度別『入試問題集』(数研出版)は、その年に実際に入試で出題された問題を多く収録しています。*問題は頻出標準問題です。その前後の問題を解けるようにしましょう。千葉大医学部の数学も、そのくらいで十分、合否を分けています。
直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。
大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導
2022年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か
大問5
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
n個のサイコロを投げ、積を考える確率の問題です。類題は、いろんな大学で多く出ており、Focus Goldあたりにも載っています。ちなみに、サイコロをn個投げるのとn回投げるのは同じなので、反復試行で考えることもできます。
(1)
積が2でも3でも割り切れない確率です。1,5だけが出ればいいだけなので、初見でも解けるでしょうし、Focus Goldあたりにも載っています。
(2)
積が2で割り切れるが、3でも4でも割り切れない確率です。1つだけ2が出て、あとは1,5だけが出ればいいだけなので、解けますし、Focus Goldあたりにも載っています。
(3)
積が4で割り切れるが3で割り切れない確率です。積が~の倍数という問題は、つまり、少なくとも1つ~の倍数が出る、ということなので、余事象を取るのが普通で、4の倍数を考える問題もFocus Goldあたりには載っています。また、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。本問も(1)(2)の結論を使えます。
完答しましょう。
確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。
大問6
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はA。
ベクトルの問題です。
(1)
垂直なので、教科書通り、内積0で求まります。
(2)
ベクトルの大きさの最小値なので、「ベクトルの大きさは2乗せよ」の格言通りにやると、解けます。
教科書~Focus Gold基礎レベルと言えます。完答しましょう。
大問7
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
(1)
整数問題です。
整数問題や数列など、整数、自然数のみ、つまり、とびとびの値しか取らない(離散的といいます)問題は、「具体的に数値を当てはめてみる」のが有効なことが多いです。本問もyに1,2,3と代入していくと解決します。
(2)
(1)(2)で与えられた条件を使えば、簡単に証明できます。
(3)
大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。
(2)の結論から、与式(*)の整数解は無数にありそうな気がします。あとは、重複を排除するために、単調増加性を示す、ということに気づくことができるかどうかです。気づければ、示すことは簡単です。
できれば完答したいですが、定型的とは言えないので、やや難しいかもしれません。
大問8
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
(1)
不等式の証明で、問題で与えられている式に向かって、何かを掛けたり、積分したりして変形していく類型は、Focus Goldあたりには載っており、そのような問題に慣れていれば解けます。
(2)
このような極限は、まあ、はさみうちなので、解けます。
(3)
本問のようなA(m、n)といった表記を含む積分の問題はFocus Goldあたりには載っており、また、いかにも部分積分してくれ、という形をしています。すると(1)と同様の不等式の証明の考え方と、まあ、この極限もはさみうちだろう、という思考があれば、完答も可能だと思います。
大問9
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
数3の微分の問題です。
(1)
単調増加を示すので、教科書通りf'(x)>0を示せばよく、それほど難しくないので正解できます。
(2)
本問も単調増加についての問題なので、とりあえず微分し、その一部をg(x)とでも置きます。その後の考察が、難しいでしょう。
千葉大医学部数学の勉強法、対策
2022年は難易度がBABCCでした。教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をする、といった対策で、大問7(3)、大問9(2)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。
受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。
2021年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か
大問5
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です。
白玉5個、黒玉5個が入っている袋からn回取り出して戻さず、白玉なら1点、黒玉なら、さらにサイコロを振り、3の倍数なら1点、という問題です。
(1)
n=2のとき2点である問題です。場合分けして丁寧に計算するだけで解けます。
(2)
n=4のとき2点以上である問題です。
確率は、常に、余事象を取ることを選択肢に入れておきましょう。まあ、「2点以上」という問題文から余事象を考えるのは教科書レベルなので、解けます。
(3)
n=10のとき8点以上である問題です。白玉を全て取り出すので5点は確定、と考えると、難しくないので解けます。
完答しましょう。
確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。
大問6
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
分数関数上やその他に点が設定されている問題です。
(1)
軌跡の問題です。
この程度のx、y座標を媒介変数tで表し、tを消去する軌跡の問題で、場合分けをして除外点も考える問題はFocus Goldあたりには載っているので、解けます。
(2)
普通にやると、数2の教科書レベルの3次方程式の実数解の個数に帰着されるので解けます。
完答しましょう。
大問7
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。
(1)
等式の証明で、似たような形は青チャートには載っています。
w5-1=(w-1)(w4+w3+w2+w+1)の因数分解は、複素数平面では頻出で、Focus Goldあたりには載っています。これを駆使してゴリゴリ計算すれば、証明できます。
(2)
このような小問群は、上の問題は誘導かもしれない、ということを常に頭に入れておきましょう。
本問は、z=cosθ+isinθと置いて、(1)の式に代入すれば、示せます。背景としては、複素数の絶対値が1という問題は頻出で、その時、z×zバー=1、つまり、zバー=1/zをよく使います。Focus Goldあたりには載っています。(1)の等式にも1/zの形が多く登場します。このような発想かと思います。
(3)
本問も(2)が誘導で、等式にθ=π/10を代入すれば解けます。
大問8
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。
(1)
曲線と曲線が接するという、頻出の有名問題で、当然、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。
(2)
面積の極限値を求める問題です。
最後、limx→0の(log(1+x))/xの極限の話は、載っている本には載っていますが、知らない人もいるかも知れません。ただ、分母分子、いずれも、x=1の傾きが1なので、収束のスピードが同じであることから、直感的にわかることではあります。
(3)
本問も面積の極限値を求める問題です。ゴリゴリ計算するだけなので、解けます。
大問9
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
関数列の問題です。
(1)
前半は、まあ、教科書、Focus Goldレベルの数学的帰納法の流れで証明できます。後半の次数を求める問題も難しくないと思います。
(2)
本問も、枠組み自体は、教科書、Focus Goldレベルの数学的帰納法で証明できると言え、示せます。加法定理を使うあたりも、自然な流れと言えると思います。
(3)
大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、というのが大切な考え方です。
(2)の結論を使いますが、xと本問定義域のtanθが1対1対応などというのは、言われれば全く難しくないですが、実戦的に入試中に考えられるか、というと、難しいようにも思います。このあたりの誘導に乗れれば、あとは、やや抽象的で複雑ながら、三角方程式なので、完答も可能ですが、他に解きやすい問題が多く、本問は手つかずでも、十分に合格点を超えたでしょう。
千葉大医学部数学の勉強法と傾向と対策
近年、千葉大医学部の数学は、最初の大問3つほどは、教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)などの技法のマスター、といった対策で正解でき、後ろの大問2問ほどは、小問の完答、または部分点狙い、という傾向があります。2021年は、難易度がBBBBCでした。最初の大問4つが完答可能で、最後の大問も(2)までは解きやすいと言えますが、微妙に難しめな箇所もあり、それも考えると、まあ、例年と同程度と言えるかもしれません。その難易度Bでも微妙に難しめのところでポツポツ失点しても、医学部でも十分に合格点を超えたでしょう。
受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。
大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導
2020年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か
大問6
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
1~5のカードから1枚取り出して、和が初めて3の倍数になる確率を求める問題です。
(1)
2回目、3回目で初めて3の倍数になる確率です。ていねいに数え上げて計算すれば簡単に解けます。
(2)
n回目で初めて3の倍数になる確率です。これもどのようなときにこうなるかをていねいに考えれば、解けます。
(3)
問題文に「条件付き確率」とありますが、いわゆる教科書にある「条件付き確率」の公式を使うわけではありません。教科書を根本から理解することが求められます。それさえ理解していれば、簡単に解けます。
確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。
大問7
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
曲線の両方に接する接線が3本引けるようなaの範囲を求める問題です。
たとえば、3次関数に接線が3本引ける条件というのは、チャート式やFocus Gold(啓林館)などでは数Ⅱで出てきます。やっていることは、それとほぼ同じですが、曲線が2本あることが、この問題の特殊性です。根本から理解をしていれば完答できます。
大問8
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
複素数平面上で、三角形が縮小しながら回転していく問題です。
(1)
題意を把握して、回転、縮小をすれば、枠組みは教科書レベルと言え、簡単に求まります。
(2)
状況を把握すると、等比数列の和を使えることがわかります。計算は少しだけ複雑なものの、枠組みは教科書レベルと言え、簡単に解けます。
(3)
同様に等比数列の和の話になります。やや計算が複雑ですが、ていねいにやれば解けます。
(3)まで完答できます。
大問10
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
有理数a、bに対し、(a+bi)2の実部と虚部が整数ならば、a、bが整数であることを求める問題です。
教科書や、チャート式やFocus Goldをちゃんと勉強していれば、「対偶を取ったほうが証明しやすそう」というのはわかると思います。そして、a,bが有理数であることは大前提なので、互いに素な(整数)/(整数)と置くのも、教科書レベルです。
ここからは、どれだけ部分点を取れるかで、完答はしなくても十分合格点を取れるでしょう。
大問11
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はD。
積分漸化式のような問題です。
(1)
「正の整数nに対して」とあるので、数学的帰納法を使うことは考えたいです。そして、帰納法は仮定を使います。そのあたりから逆算して考えれば、ここまでは解けそうかと思います。
(2)
やはり帰納法で行きます。不等式の証明なので、教科書通り、n=k+1のときの(左辺)ー(右辺)を考えます。それ+αの部分点程度かなと思います。
(3)
本問はかなり難しいですし、全体として時間切れという問題もあるでしょう。
千葉大医学部数学の勉強法、対策
2020年は難易度がBBBCDでした。教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をする、といった対策で、大問10後半、大問11(2)(3)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。
受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。
2019年千葉大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か
大問7
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数列の問題です。
(1)
数列なので、自然数nについての証明であり、数学的帰納法を思い浮かべるのはいいでしょう。そして、数学的帰納法の枠組み自体は教科書レベルと言えるので、示せます。数学的帰納法のコツの1つは「仮定」を使うことです。
(2)
大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、というのが大切な考え方です。そうすると、完答も十分に可能かと思います。
大問8
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
三角比の問題です。
(1)
三角形の角の二等分線の長さを二等分線で分割された2つの三角形の面積の和から求める問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
三角形の面積と内接円の半径の関係は教科書にも載っています。したがって解けます。
(2)
本問も(1)を誘導と考えます。未知数は2つですから、面積の式と余弦定理の式を連立すればいいので、解けます。
完答しましょう。
大問11
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
よく見る数3の積分と漸化式の融合問題です。
(1)
tannθが出てくる積分の問題です。
ほぼ同じ設定の問題がFocus Gold(啓林館)あたりには載っているので解けます。
(2)
本問も(1)の結論を使います。この7乗を地道にゴリゴリ求めにいくような流れもFocus Gold(啓林館)あたりには載っているので解けます。
完答しましょう。
大問12
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
確率の問題です。
動く幅が同じならランダムウォークと呼ばれる有名な問題ですが、本問は動く幅が1回ごとに1/2倍になります。この状況を把握すれば、(2)まではかなり簡単な問題です。
(1)
余事象をとって、対称性を考え、2で割る問題は確率ではある話で、『合格る確率』(文英堂)あたりにも載っているので解けます。
(2)
状況を把握して(1)の結論を使うとすぐに解けます。
(3)
文字が多くてよくわからない確率の問題は、具体的な数字でやってみてから抽象化するといいでしょう。
そうすると完答も狙えるかもしれませんが、他の問題との兼ね合いも考え、(2)までできれば十分でしょう。
確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、千葉大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。
大問13
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
格子点の問題です。
(1)
チャート式やFocus Gold(啓林館)などの数列のところに載っている格子点の問題を知っていれば見通しがいいと思いますが、それらより簡単なので、初見でも解きたいです。
(2)
少し難しいと思います。
試験時間や他の問題との兼ね合いも考え、(1)ができれば十分でしょう。
千葉大学医学部数学の勉強法、対策
2019年は難易度がCBBCCでした。教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をする、といった対策で、大問12(3)、大問13(2)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。
受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。
この記事を書いた人
大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。