【2024】東北大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】東北大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

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東北大学入試の数学で悩んでいる人へ

 東北大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、東北大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、東北大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

東北大学医学部・理系入試における数学の重要性

 東北大学医学部医学科、二次試験前期の数学の配点は、600/1800です(面接除く)。見た目だけでも、配点の1/3を占めていますね。 
 さらに、数学は、大問が6つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、東北大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

東北大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 東北大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、最初から、全く方針が立たないこともあるでしょうし、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年東北大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、東北大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はA。
数2の微積分の問題です。

(1)
つまるところ、放物線と直線の交点、放物線の接線を求める問題です。すべきことは教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
放物線といくつかの直線で囲まれた面積を求める問題です。三角形の面積を使うと、計算がかなり楽になります。つまるところ、積分して面積を求めるだけなので、解けます。

(3)
(2)の面積が2/3になるときのaの値を求める問題です。そのような式を立てれば簡単に答が出るので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。

(1)
不等式の証明の問題です。
第一感は、教科書通り、(左辺)ー(右辺)をすることですよね。それと、問題文の条件をうまく使うと、証明できるので、正解できます。

(2)
「正の整数n」についての問題なので、整数問題と捉えることもできますし、数学的帰納法も選択肢に浮かぶでしょう。
整数問題で、最初のいくつかを具体的に試してみて、その後を帰納法で示す、という問題は、近年、旧帝国大学、一橋あたりで結構出題されていて、Focus Goldあたりにも少し載っているので、正解できます。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
確率漸化式の問題です。

(1)
まだ、最初の2回を具体的にやるだけと、簡単な2項間漸化式を立てるだけなので、解けます。

(2)
(1)の結論を使うと、意外に簡単に解ける形になるので、解けます。
ただし、Focus Goldあたりで漸化式に慣れておくことが大切だと思います。

(3)
これも(1)のの結論を使うと、意外に簡単に解ける形になるので、解けます。

(4)
話を進めると、問題文は、複素数の実部が0、虚軸上にあることと同値であることがわかります。ド・モアブルの定理を使います。このような問題は、Focus Goldあたりの複素数平面には載っているので、解けます。
難易度はCですが、解けそうなので、医学部志望者は完答を目指しても良かったでしょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
球面の問題です。

(1)
2点間の距離を求めるだけの教科書レベルの問題なので解けます。

(2)
2球が交わりを持つことは、教科書の2円の話と同じように考えれば示せます。
後半の、交わりの図形の円の中心と半径を求める問題は、三平方の定理とベクトルを駆使すれば、そう難しくないので、解けます。

(3)
本問は、xy平面と平面Hの両方に並行で、大きさ1のベクトルを求める問題です。教科書の空間ベクトルには、2ベクトルと垂直で大きさ◯のベクトルを求める問題が載っているので、同じように考えれば解けます。

(4)
本問は、言われればそれほど難しくありませんが、実戦的には大変だと思います。実戦的には(3)まで確保で、医学部でも合格点でしょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分の問題です。

(1)
微分の計算をするだけなので、枠組みは教科書~Focus Gold基礎レベルと言え、解けます。

(2)
方程式の解がα≧2以上にただ1つ存在することを示す問題です。増減表を書いて、x軸とx≧2でただ1回交わることを言えばいいだけなので、解けます。まあ、難しくないと思いますが、教科書の中間値の定理は、1つのヒントになるでしょう。全国的には類題は入試でよく出題されています。

(3)
グラフの概形を書く問題です。愚直に増減表を書いてグラフを書くだけなので、教科書、Focus Goldあたりの学習で書けます。

(4)
大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。
上に出てくる2x-3と本問の2m-3、2n-3が似ていることに注目しましょう。また、本問は、Focus Goldあたりに載っている有名問題である、たとえば、eπとπeの大小を示す問題と同じような問題であることに気づきましょう。そうすると、同じように考えれば解けます。
完答しましょう。

 

第6問

『大学への数学』誌の難易度はD。
空間ベクトル、数3の極限、微積分の問題です。

(1)
線分PRの長さをθで表す問題です。
点PQRは同一直線上にあるので、k倍とでも置くのは、Focus Goldあたりでよく使う技法なのでいいと思います。
あとは、Rが平面H上にあることを使えばいいので、解けます。
本問は確保したいです。

(2)
不等式の証明の問題です。
与えられた不等式と図形を結びつけて考えれば、そこまで難しくないとも言えますが、実戦的には難しいかもしれません。

(3)
円錐の側面と曲線で囲まれた面積を求める問題です。
(2)の理解の上で、不等式の中辺を見ると、微分の定義の分子の形をしているので、それを使うと、理論上は解けますが、理解も計算も、なかなか大変で、完答は厳しいでしょう。難易度Dといっていいかと思います。

 

東北大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 東北大学医学部・理系の数学は、大問6問、試験時間150分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がABCCBDでした。難易度C、D問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2024年は、医学部の場合、大問1,2,5は完答。3は完答に近い部分点。4は(3)まで。6は(1)を確保し(2)で部分点、といった方針で、十分に合格点を超えたかと思います。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

東北大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの東北大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、東北大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年東北大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はA。
確率の問題です。

(1)
問題を把握して、普通に計算するだけなので解けます。

(2)
Aが勝つ場合を愚直に数え上げて、排反なので足せばいいので、解けます。
完答しましょう。
本問は簡単だと思いますが、確率はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後、や『合格る確率』(文英堂)をこなし、東北大医学部レベルで合否を分けているレベルの入試問題に取り組むといいでしょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。

(1)
3倍角を含む、三角方程式の問題です。
和積公式か3倍角の公式を使えば解ける形になるので、解けます。「正の実数のうち最小のもの」という、ほんの少しだけひねりが入っていますが、ほぼ同じ問題は、教科書準拠問題集あたりにも載っている可能性は高いと思います。

(2)
数3の極限の問題です。
まあ、このような極限は、はさみうちでいきます。
そして本問を進めると、ガウス記号が出てきます。ガウス記号を含む、はさみうちでいく極限の問題は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列の問題です。

(1)
漸化式を解く問題です。
この形の「両辺に何かをかけると2項間の関係が現れる」問題は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
数列の和を求めるのがメインの問題と言えます。
途中、部分分数分解になりますが、教科書レベルなので、解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。

(1)
整式の割り算の問題です。
愚直に割り算をして、余りが0を示すのはいいと思います。
その時に、問題文の式を見て、Focus Goldあたりには載っている「次数下げ」の技法と同じ話を使おうと思うはずです。それで余り0を示せるので解けます。

(2)
方程式の虚数解で虚部が正のものを極形式で表す問題です。
問題文にも1の5乗根についてのヒントが書いてあります。また、(1)の整式に(x-1)をかけるとx5-1になるのは、Focus Goldあたりの複素数平面には載っており、この形は入試でも頻出です。
1の5乗根を求めるのは教科書レベルです。「虚部が正」の考察も、複素数の虚部の話はFocus Goldあたりには載っているので、その方針で解けます。

(3)
式の値を求める問題です。2023年の出題なので、2023乗が出てきます。
複素数平面の話を使うという特殊性はあると言え、複素数平面では普通の技法ですし、あとは、数1のFocus Goldあたりに載っているので解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はA。
ベクトルの問題です。

(1)
内積の定義と垂直なので内積0という教科書レベルと言える話なので、解けます。

(2)
本問のように、四面体の頂点から底面に垂線を下ろす問題は、Focus Goldあたりには載っているので解けます。

(3)
平行であることを示すのは、普通、実数倍と書けることを示します。これは教科書レベルです。
点Kも(2)同様、四面体の頂点から底面に下ろした垂線の足なので、位置ベクトルが求まります。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第6問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の微積分の問題です。

(1)
多少、簡単な条件はありますが、接線を求めるだけなので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
図形Sの概形を書くのは、微分して、増減表を書いて、グラフを書けばいいので、まあ、教科書レベルとも言え、行けると思います。
その後、面積を求めるのが、分析がやや難しく、計算が面倒なので、理論的には完答も可能なのですが、難易度Cなのだろうと思います。
(2)の図形Sの概形を書き、その後、どれだけ情報を答案に書いて、部分点を積み上げるか、が大切だったかと思います。

 

東北大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がABBBACでした。難易度C問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2023年は、医学部の場合、時間との戦いはありますが、理論上は、大問1~5は完答。6は(2)の途中まで行けるような出題でした。ただ、それよりもポツポツ失点しても、十分合格点でしょう。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年東北大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
整数問題と場合の数の融合問題です。

(1)
l+m+n=99を満たす正の奇数の組(l,m,n)の個数を求める問題です。
奇数だから、l=2p-1 などと置くもので、そうすると、教科書やFocus Goldあたりに載っている、重複組合せの話に帰着できるので、解けます。そう思いつかない場合、よくわからない問題は、具体的にやってみることが大切です。そうすると、Σ計算をするアプローチでも解けそうです。

(2)
(1)のとき、l,m,nの中に同じ奇数を2つ以上含む個数を求める問題です。
本問は、(1)で重複組合せのアプローチを取ったとしても、具体的にやってみると、それで、数えられそうだ、ということになります。したがって解けます。

(3)
l+m+nの値より、それを満たす個数のほうが多くなるような、最小のl+m+nの値を求める問題です。
本問も、l+m+nの値を小さい方から具体的にやっていくと、3つ目で答えが出ます。それで、答案として論理的に説得力があります。整数や数列のように、とびとびの値しか取らない(離散的といいます)問題の場合、具体的にやっていくとうまくいく場合があります。まあ、本大問は、全体として、いろいろな解き方が考えられそうです。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はD。
数2の微分(4次関数)の問題です。

(1)
本問4次関数の最小値が負になるような、aの取りうる値を求める問題です。
本問4次関数は積の形で与えられ、後半は実数の2乗なので0以上です。したがって、積の前半だけ考えればいいことになります。前半は2次関数なので、平方完成をして、最小値が負になる条件は教科書レベルと言え、解けます。

(2)
2つの極小値のうち、x座標の大きいほうが極小値が大きいことを示す問題です。
まあ、微分して増減表を書きにいきます。この時、本問は理系の出題で、関数は積の形をしているので、数3の積の微分を使ったほうが、少し見通しがいいです。このあと、極値をとるx座標の大小についての考察や、不等式の証明の計算あたりが、やや難しいのかなと思います。一方で、このあたりの極値をめぐる計算で、解と係数の関係を使う問題は、Focus Goldの数2の微分には載っています。したがって、そのあたりが念頭にあると、見通しよく解けたかもしれません。

(3)
本問関数がx<βにおいて単調減少し、かつx=βにおいて最小値をとるaの値の範囲を求める問題です。
理論上は、増減表の様子が異なりそうなaの値によって場合分けすれば、そう難しくはなく、(2)よりは取り組みやすいかと思います。このあたりの場合分けも、Focus Goldあたりの数2で出てくるものと、枠組み自体は同じで、やや複雑かなあ、という程度です。
したがって、理論的には、完答も可能かと思われます。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の極限の問題です。

(1)
不等式の証明の問題です。
同様の流れの問題は、数3の教科書の積分のところに載っていますが、意外にも本問は積分は使いません。教科書の「不等式の証明」通り、そのまま引いて0以上を示してもいいですし、同値変形したあとで、両辺0以上より、2乗-2乗を示したほうが楽に示せます。

(2)
極限の問題です。
まず、与式と(1)の中辺は形が似ていることに注目します。大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。そして、まあ、このような極限は、はさみうちです。右辺については、Σ計算ができます。やや、難しいのが左辺で、ひとひねり入ります。このひとひねりが、言われれば全く難しくないですが、思いつく人は少なそうなので、難易度Cなのだと思います。このくらいの部分点狙いかと思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
図形と方程式、三角関数、極限あたりの融合問題です。

(1)
本問の2円に接している直線の傾きmを用いて、2円の中心を通る直線の傾きtを表す問題です。
まあ、このような問題は、傾きとtanの関係の話で行くもので、そうすると解けます。Focus Goldあたりだと、図形やグラフと絡めた問題が弱いですが、入試では散見されるので、押さえておきましょう。

(2)
tを用いてb/a(a,bは2円の半径)を表す問題です。
まあ、いろいろ解き方はありそうですが、たとえば、この2円が接する形に補助線を引くのは、教科書の平面図形(高校入試にも出る)のところには載っています。それでsinθをaとbで表せます。sinとcos、cosとtanの相互関係は教科書に載っていますから、t(=tanθ)をsinθで表せるので、解けます。

(3)
極限値を求める問題です。
本問も、形からして、全体として、上の小問の結論を使う、ということになりそうです。
すると、極限値を求める過程自体は、意外に、何のひねりもなく、あっさり求まるので、解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルと漸化式の融合問題です。

(1)
漸化式を立てる問題です。
問題文に「垂線」とあるので、素直に内積0を使います。この程度の操作は、Focus Goldあたりで慣れているでしょうから、解けます。

(2)
極限値を求める問題です。
(1)の答が、数Bの教科書に載っている、特性方程式で変形する2項間漸化式の形で、その極限も、数3の教科書に載っているので、解けます。

(3)
直線ABが2直線l,l’の両方と直交することを示す問題です。
簡単に内積0を示すことができ、この程度の操作はFocus Goldあたりで慣れているでしょうから、解けます。
完答しましょう。

 

第6問

『大学への数学』誌の難易度はC。
直円柱と半径がrの半球の共通部分の体積を求める問題です。分野としては数3の積分(体積)です。

Focus Goldあたりで数3の積分の体積の問題に慣れていれば、断面図で考えるのも、rの値で場合分けするのも、過程で必要な値を求めるのも、同じように考えれば、特に難しくないと思われます。
したがって、難易度Cですが、理論的には、完答も十分に狙えると思います。

 

東北大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2022年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBDCBBCでした。難易度C問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2022年は、医学部の場合、時間との戦いはありますが、理論上は、大問3以外は十分完答が狙えたと思います。大問3も(2)で部分点を狙えるような出題でした。ただ、それよりもポツポツ失点しても、十分合格点でしょう。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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