大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

整数問題攻略の7つのポイント

 

(1)積の形にする
(学校採用教材レベルの技法)

 

(2)文字をたくさん使ってもなんとかなる場合が多い。

 

(3)「自然数」「整数」など、とびとびの値しかとらない場合(離散的)、n=1,2,3…などと実際にやってみて、あたりをつける。

 

(4)何かで割った余りで場合分けする。
(教科書にも出てくる技法)
例の3k,3k+1,3k+2などです。
余りと関係なさそうな問題でも、この技法でうまくいく場合があります。

 

(5)「素数」という文言を見たら…

・その素数をpとする。
 (整数)×(整数)=pと変形できたら、積の組み合わせの可能性は
 (1,p),(p,1),(-1,-p),(-p,-1)
 のみである。

・(素数)≧2

・偶数の素数は2のみ、3の倍数の素数は3のみ、…。

・連続する2自然数が素数なのは2と3のみ。

 

(6)その他、教科書、チャート式やFocus Goldあたりに載っている技法を使いこなせるのはアタリマエ。

 

(7)整数問題が多く出る大学でも、平均的な合格者は完答はできていない場合も多い。
(6)が漠然としていますが、(1)~(6)あたりを駆使しても解けない整数問題は、平均的な合格者は解けていない、合否を分けていない問題である可能性が高いです。

 

大学入試数学の整数問題とデリダ

 デリダは「現前の形而上学批判」において、言語や記号の背後に実在や本質があるという考えを疑問視しました。整数問題も同様に、数学という学問の真理性や普遍性を前提としているように見えます。しかし、整数という概念自体が歴史的・文化的に構築されたものであり、その意味は決して一義的ではありません。整数問題は、数学という学問の自明性を問い直す契機となるのです。

 また、デリダの「脱構築」の戦略は、テクストに内在する矛盾や曖昧さを明らかにし、既存の概念を解体していくことを目指しました。整数問題も、一見すると明確な問題設定と解法を持っていますが、その前提には様々な暗黙の了解や価値観が潜んでいます。例えば、整数問題が「正解」を求めるという発想自体が、ある種の権力構造を反映しているとも言えるでしょう。

 さらに、デリダの「贈与論」の視点から見ると、大学入試という制度は、知識を選抜と交換の対象としてしまう危険性を孕んでいます。整数問題を解くことが、大学への入学という見返りと結びつけられることで、数学の学びが本来の目的を見失ってしまうのです。

 ただし、整数問題が持つ教育的な意義を全否定することはできません。デリダの「ホスピタリティ(歓待)」の思想が示唆するように、他者を無条件に受け入れることは不可能である一方で、他者に開かれようとする努力は不可欠です。整数問題に取り組むことは、数学という他者の論理に触れ、思考を深める機会にもなり得るのです。

 重要なのは、整数問題を絶対視するのではなく、常にその意味や役割を批判的に問い直していくことです。デリダの「スペクトル(亡霊)」の概念が示すように、整数問題には、既存の数学観を揺るがす亡霊が潜んでいるのかもしれません。その亡霊に耳を傾け、新たな数学教育の可能性を模索していくこと。それこそが、デリダの思想が「大学入試数学の整数問題」に投げかける問いなのではないでしょうか。

 

大学入試数学の整数問題とプラグマティズム

 まず、整数問題は、数学的思考力を鍛えるための有効な手段です。整数は、私たちの日常生活に深く関わる数の概念であり、整数問題を解くことで、論理的思考力や計算能力が向上します。これらの能力は、大学での学習や将来の仕事において、幅広く役立つことでしょう。

 また、整数問題は、問題解決のための戦略を学ぶ機会でもあります。整数問題では、問題の本質を見抜き、適切な解法を選択することが求められます。これは、現実の複雑な問題に直面した際にも応用できるスキルです。問題をいかに分析し、解決策を導き出すかという経験は、あらゆる分野で役立つはずです。

 プラグマティズムは、知識の社会的な性格を重視します。整数問題を解くためには、数学の教科書やインターネット上の情報だけでなく、教師や仲間との対話を通じて理解を深めることが大切です。自分の考えを説明し、他者の視点を取り入れることで、問題解決の幅が広がります。この協働的な学習のプロセスは、社会で求められるコミュニケーション能力やチームワーク力を養う良い機会となるでしょう。

 さらに、プラグマティズムは、知識の実用性を重視します。整数問題で培った数学的思考力は、単に試験で点数を取るためだけのものではありません。それは、現実の問題解決に応用できる実践的な能力なのです。例えば、経済学や経営学、情報科学など、多くの分野で数理的な思考が求められます。整数問題を通じて鍛えた思考力は、これらの分野で活躍するための土台となります。

 また、プラグマティズムは、知識の絶対性を否定し、常に改訂の可能性を認めます。数学の世界でも、新しい理論や解法が次々と生み出されています。整数問題に取り組む中で、既存の知識を疑い、新しい発見を求める姿勢が養われます。これは、急激に変化する世界で求められる、生涯学び続ける態度につながるでしょう。

 最後に、プラグマティズムは行為の重要性を説きます。整数問題で得た知識や思考力は、実際に問題を解決する行動に移されてこそ意味があります。受験生は、整数問題への取り組みを通じて、粘り強く考え抜く習慣や、失敗を恐れずにチャレンジする勇気を身につけることができるはずです。

 以上のように、プラグマティズムの観点から見ると、大学入試数学の整数問題は、単なる受験のための訓練ではなく、現実世界で役立つ実践的な能力を養う機会となっています。それは、論理的思考力や問題解決能力を鍛え、社会で求められるスキルを身につける第一歩なのです。受験生は、整数問題に真摯に向き合うことで、自らの可能性を広げ、より良い未来を切り拓いていくことができるでしょう。

 

大学入試数学の整数問題とフランクフルト学派

 大学入試数学の整数問題は、一見すると中立的で普遍的な知の領域に属するように思われます。しかし、フランクフルト学派の視点から見れば、それは現代社会の病理を反映した、イデオロギー的な装置であると言えるでしょう。

 まず、整数問題は、数学という学問の中でも特に抽象度が高く、現実世界との関連性が薄い分野に属しています。これは、アドルノが批判した「道具的理性」(ある目的を達成するために、効率的に考える力)の典型例と言えます。整数問題を解くための技術は、現実の問題解決には直接役立たない、自己目的化した知性の産物なのです。

 また、整数問題は、受験生に対して、定められた型通りの思考を強いる側面があります。問題の型に沿って、機械的に解法を適用することが求められ、創造性や批判的思考は抑圧されます。これは、画一化された大衆文化を生み出す「文化産業」と同様の構造を持っていると言えるでしょう。

 さらに、整数問題が入試の重要な位置を占めていることは、「数学ができること=知的であること」というイデオロギーを反映しています。この種の問題を速く正確に解けることが、社会的成功の指標とされる傾向があるのです。しかし、これは知性の本質を見誤った、抑圧的なメッセージに他なりません。

 エーリッヒ・フロムの観点からすれば、整数問題に没頭する受験生は、自己疎外の状態に置かれていると言えます。彼らは、自らの興味や関心とは無関係に、受験という外的な目的のために学習を強いられるのです。この種の勉強は、フロムが重視した「生産的活動」とは対極にあります。

 ただし、ハーバーマス的に見れば、整数問題は「コミュニケーション的行為」の一種とみなすこともできるかもしれません。受験生同士が解法を議論したり、教師が生徒に問題の意味を説明したりする過程では、相互理解が生まれる可能性があるからです。しかし、その場合でも、議論の前提となる問題自体の妥当性は、批判的に吟味される必要があるでしょう。

 以上のように、大学入試の整数問題は、フランクフルト学派の思想からすれば、現代社会の病理を凝縮した存在と言えます。それは、道具的理性の暴走、文化の画一化、イデオロギーの再生産、人間疎外といった問題を孕んでいるのです。もちろん、数学教育そのものを全否定することはできませんが、少なくとも、整数問題を無批判に受け入れるのではなく、その意味と限界を批判的に考察することが求められます。そうすることで初めて、数学と人間の解放的な関係を取り戻す道が開かれるのではないでしょうか。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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