大学受験塾チーム番町
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英検準1級、その先へ
東大・医学部に合格する勉強法 基本編:記憶の極意とスモールステップが合格の鍵!
受験脳の作り方(新潮文庫)
東大の脳科学の池谷裕二教授の本です。巻末に引用した論文が挙げられている、ちゃんとした本です。
「生きるのに不可欠な情報以外は忘れる」
「くり返しが大切」
「脳は出力を重要視する」
といったことが書かれています。
生きるのに不可欠な情報以外は忘れる
たとえば、道で出会った人の顔が、全て思い浮かんだら嫌ですよね?
また、人類の600万年の歴史のほとんどは、狩猟採集生活をしていて、飢えとの戦いでした。人間は、なるべく省エネ、つまり、記憶を保持しないようにできています。
忘れることは必要なことなのです。
なので、普通の人は、勉強した内容も、道で出会った人の顔と一緒に忘れてしまいます。
いわゆる「わからない」場合、その場の理解力の問題のように思われがちです。しかし、理解の前提となる知識を「忘れている」ことが多いと思います。あることを勉強したことすら忘れる人がほとんどです。(当塾では、模試の検討で「この教材のこのページに載ってるよね」と、いかに学習内容を忘れているかを認識してもらいます。)
勉強が生きるのに不可欠だと思えている人はいいでしょう。生きるのに不可欠なほど楽しい、というのが一番ですね。
そうでない人は、なぜ勉強が生きるのに不可欠か、から、考え直してみるといいのではないでしょうか。
好奇心を高める方法もあります。
くり返しが大切
何度もくり返し復習すると、脳は「こんなによく出会う、生きるのに不可欠な情報なのか」と判断し、忘れなくなるようです。
大学受験塾チーム番町では、基本的に、学校と並行して授業を進め、くり返しの回数を自然と多く取れるように配慮しております。
『受験脳の作り方』(新潮文庫)より
上の図は「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれるものです。学習した内容が時間とともに忘れられてしまうという現象を表したものです。初めは覚えていた情報でも、時間が経つと記憶が薄れてしまいます。しかし、定期的な復習を行うことで、忘れることを防ぐことができます。効果的な復習のタイミングは、情報を学んだ直後、1日後、1週間後など、忘却曲線に基づいて適切な間隔を設定することが重要です。
脳は出力を重要視する
勉強のときに、参考書の文章を読むよりも、「問題を解けるようにする」「暗記ペンで隠す」「単語カード化する」など、答えを見ない状態から「出力」できるようにすると、忘れなくなるようです。
「出力」のほうが、脳が「これほどよく使用する機会が多いのか」と判断するようです。
テストでも、答えを見ずに「出力」することが求められますね。
大学受験塾チーム番町では、授業中に生徒が「英語で書けるようにする」「数学や理科の問題を解けるようにする」と「出力」を重要視しております。
スモールステップ
「段差の小さい階段を登る」ということですね。
デカルトは『方法序説』で「困難は分割せよ」というようなことを言っています。
(ただし、現代文では、なんでも分割する近代的な考え方を批判する問題文もよく出ます。)池谷先生も、手順を分けて学習する「スモールステップ法」が良いとされます。
野球のイチロー選手も「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道」と言っていますね。
ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?(早川書房)
ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?(早川書房)
著者は、ノーベル経済学賞を受賞した心理学者、行動経済学者のダニエル・カーネマン教授です。巻末に、引用した論文がたくさん載っている、大学での研究に基づいたちゃんとした本です。
全体として、人間の脳が犯す判断のエラー、バイアスについて述べられています。
しかし、ここでは、本書で述べられるエラー、バイアスそのものというよりは、その原因となっている脳のシステムを、テストの点数を伸ばすことと関係づけて、書いてみたいと思います。
脳の中のシステムを「システム1」「システム2」と名付けます。これは、心理学では広く使われているそうです。
・「システム1」は自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であってもわずかである。自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
たとえば、「おぞましい写真を見せられて顔をしかめる」といった本能的なものや、「2+2の答えを言う」といった反射的にまで高められた知的作業です。本書で述べられるエラー、バイアスの原因は、「システム1」が先走ってしまうことです。
・「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければ困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。
たとえば「17×24を計算する」などです。「システム2」を使う作業は、集中力を使うので、他の作業に集中力を向けることが困難になります。
ここで大学受験と結びつけましょう。大学受験塾チーム番町では、大学受験の数学を
教科書
↓
チャート式、Focus Goldなど入試によく出る技法
↓
東大などで合否を分ける問題
と階層に分けて考えています。
教科書の組み合わせ、応用がチャート式。チャート式をマスターするためには、教科書が「システム1」に入ってなければいけない。
チャート式の組み合わせ、応用が東大、医学部で合否を分ける問題。東大、医学部で合否を分ける問題を解けるためには、チャート式が「システム1」に入ってなければいけない。ということでしょう。
大学受験のコツは、とにかく、基本的なことを「システム1」に入れる、集中力をほぼ使わずに反射的にできるようにする、ことだと考えます。そうすることにより、「システム2」を動員し、より難しいことに取り組むことができると考えます。
チェスのグランドマスターは、膨大な数の「駒のパターン」を記憶している、という研究があります。つまり、創造性にも、ある程度の「詰め込み」は必要だ、ということですね。
具体的な方法は?
記憶に有効なツール
・覚えていないものへの✓マーク
・オレンジペン+赤シート
・暗記マーカー+シート
・答えを隠せるもの
・単語カード(雑紙で作っても良い)
・単語カードのリング4つ
✓マークのつけかた
・以下の「期間」はだいたいでよい
・新しく覚えることに✓を3個つける。
・その日のうちに答えを見ずにできるようにする。
・翌日に再チェック。できれば✓を1つ減らし、できていなければ✓を増やす。
・以前からのものは、できれば✓を1つ減らし、できなければ1つ増やす。
・以前からのものは、たとえば受験勉強で範囲が広いなら、おおよそ、✓3つ以上は毎日、✓2つは1週間ごと、✓1つは1ヶ月ごと、✓なしはたまにくり返す。学校の定期テストなら、もっと期間を短くしてもいいだろう。
単語カードの使い方
・1~4番のリングに分ける。
・新しく覚えることは、その日のうちできるようにして1番に入れる。
・翌日に再チェック。正解なら2番に入れ、不正解なら1番のまま。
・その後は正解ならリングの番号を増やし、不正解なら1番に入れる。
・以前からのものは、たとえば受験勉強で範囲が広いなら、おおよそ、1番は毎日、2番は1週間ごと、3番は1ヶ月ごと、4番はたまに、くり返す。学校の定期テストなら、もっと期間を短くしてもいいだろう。
(1)短答問題型
・問題集、またはコピーにオレンジペンで答えを書き込み、赤シートで答を隠す。
・先述の要領で✓をつけていく。
・赤シートで隠せる参考書もある。学校のプリントなどはコピーして修正テープで消しても良い。
(2)単語、短答ではない問題型
・覚えていない単語(文章、単語集)、問題などに先述の要領で✓をつけていく。
・数学、理科の応用問題などは、方針が思い浮かべば良しとする。
(3)単語カード型
・単語カードという名に反して、英単語や古文単語は文章中で覚えたほうが良い。むしろ、数学や理科の公式、用語などを、理解した上で、カードで覚えるといいと思う。
・その他のことも集中的に覚えたいものはカード化すると便利かもしれない。
・受験勉強など、すべきことがばらついているときは、問題名をカード化するといいだろう。
「シングルタスク」「マルチタスク」を勉強に応用するには?
マルチタスクとは?
「マルチタスク」とは、複数の作業を同時にもしくは短期間に並行して切り替えながら実行することです。
人間の脳は、基本的に、複数の作業を同時にすることはできません。たとえば、自動車を運転しながら、スマホを操作する、などです。いや、やっている人もいるだろう、と思うかもしれませんが、両方に高度に集中してはいないはずです。
例外的に「マルチタスク」をすることができるのは、片方の作業が、無意識にできるときです。たとえば、歯を磨きながら、テレビのニュースを理解する、などでしょう。
マルチタスクをすると頭が悪くなる?論文はあるの?
頻繁に作業を切り替えると、研究論文によると、集中力の低下など、脳に悪影響が出るそうです。作業の効率も悪くなるでしょう。
たとえば大学受験の数学では?
大学受験の数学の勉強について考えましょう。だいたい、次のような段階で考えるといいと思います。
検定教科書
(基本の理解と基本問題)
↓
チャート式、Focus Gold(啓林館)のような学校採用教材
(入試で合否を分けるレベルの技法のマスター)
(教科書レベルの組み合わせ、応用)
↓
入試で合否を分けるレベルの問題
(教科書、チャート式レベルの組み合わせ、応用)
一番の基本は、検定教科書に載っている説明の理解と基本問題です。
次の段階は、チャート式、Focus Gold(啓林館)のような学校採用教材に載っているような、入試で合否を分けるレベルの技法のマスターです。この段階は、教科書レベルの組み合わせ、応用です。
最後の段階は、入試で合否を分けるレベルの問題です。この段階は、上記の教科書や学校採用教材の組み合わせ、応用です。
たとえば、教科書レベルに抜けが多い人が、チャート式、Focus Goldあたりに取り組もうとすると、教科書レベルに集中しながら、チャート式レベルを理解しようとする「マルチタスク」になっていることになります。
したがって、チャート式レベルに取り組むためには、教科書レベルが「無意識」にこなせるレベルになっていることが望ましいことがわかります。
チャート式、Focus Goldあたりに抜けが多い人が、入試で合否を分けるレベルの問題に取り組もうとする(難関大志望者にとても多いです。いや、入試で合否を分けている以上のレベルに取り組んでいる人もとても多いです)と、1つのチャート式レベルに集中しながら、他のチャート式レベルを理解しようとする「マルチタスク」になっていることになります。
したがって、入試で合否を分けるレベルの問題に取り組むためには、チャート式、Focus Goldレベルが「無意識」にこなせるレベルになっていることが望ましいことがわかります。
マルチタスクまとめ
以上のことは、数学だけでなく、他の科目にも当てはまります。
自分があるレベルのことをマスターしようとするとき、そのレベルまでのことは「無意識」にできるまで習熟していることが必要になります。
古くは、デカルトが「困難は分割せよ」といった趣旨のことをいいました。
上でもで述べたように、勉強は、徐々に難易度を上げていく「スモールステップ」が望ましい、とされています。また、夢をかなえる科学的な指導のページで紹介した『成功する練習の法則』(日本経済新聞出版社)では、「無意識にできるようになるまで徹底する」「無意識にできるようになれば、創造性が解き放たれる」「実戦練習ではなく反復練習でこそ上達する」といったルールが紹介されています。
いずれも、マルチタスクという観点からも説明ができるでしょう。
この記事を書いた人
大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。
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