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【2023】慶應義塾大学薬学部数学 難易度と傾向と対策:黄チャート+入試問題演習が鍵

 

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【2023】慶應義塾大学薬学部数学 傾向と対策と勉強法と難易度は:黄チャート+入試問題演習が鍵

 

慶應薬学部入試の数学で悩んでいる人へ

 慶應薬学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慶應薬学部の数学は、教科書の理解、基本問題と黄チャートあたりの技法で、ほぼ満点を取れます。(ただ、2022年から難化傾向のように思います。)
 この記事を読むと、慶應薬学部数学の難易度(2022年以前は月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば問題を解けるようになるのか、を知ることができます。

 

慶應薬学部入試における数学の重要性

 慶應薬学部の数学の配点は、100点/350点です。大問が3問あります。
 教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば、ほぼ満点を取れる、簡単な出題が続いています。したがって、高得点勝負になるので、「数学は捨てる」といった戦略は成り立ちません。他科目で取り返すのは、まず無理です。合格のためには、数学のかなりの高得点が必要になります。

 慶應薬学部入試における数学の重要性は理解できたかと思います。

 

慶應薬学部数学、入試本番の心構え

 日本全国、どの大学入試でも、おおむね、数学の入試というものは、大問ごとに難易度の波が大きく、並の合格者くらいではほぼ解けない出題も見られるのが普通です。
 一方で、慶應薬学部入試の数学は、全体として、教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば解けるような難易度の問題が並びます。

 したがって、入試本番では、「ほぼ全部解かなきゃ」というプレッシャーがあると思います。そのような時に、解けなそうな問題を見て、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解ける問題ばかりがでているのが日本大学医学部の数学です。一度落ち着いて、先に他の問題に取り組む、などすると、さっき、できなかった問題もできるようになっているかもしれません。

 

2023年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。
 大学受験塾チーム番町でFocus Goldを採用しているので、Focus Goldベースで書いていますが、慶應薬学部が第一志望の場合、網羅系は黄チャートで十分です。

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
前半の因数分解は、見た目が少しだけ複雑ですが、教科書レベルの技法で解けます。
後半の整数問題は、当然、前半の因数分解の結果を使うものです。そうすると簡単に解けると思います。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

このAP+BPが最小になる話は、チャート式やFocus Goldなどの図形と方程式のところにはまず載っているので解けます。本文は、最後に、三角形の内接円の半径という、ひとひねりが加わっています。ただ、三角形の内接円の半径も、教科書の三角比のところに載っている話で解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

微分の問題です。
前半は、普通に式を立てていけば解けます。
後半は、不等式が常に成立する条件ですが、全部左辺に移項した式を関数と見て、それが0以上に慣ればいいという流れは、チャート式やFocus Goldなどには載っているので解けますし、仮に初見でも思いつきたいです。

(4)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

前半は、球面と、簡単な平面の交わりの円の方程式の問題です、教科書に載っているので解けます。
後半は、丁寧に図を書けば、基本レベルのメネラウスの定理、または、チャート式やFocus Goldあたりに載っているベクトルの技法で解けます。

(5)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

確率漸化式の問題です。
現在は、教科書にも確率漸化式が載っていますが、そのレベルなどで解けます。もちろん、チャート式やFocus Goldあたりにも載っているので、少し数をこなして慣れたほうがいいでしょう。

(6)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

(ⅰ)は、指数関数のこの形で相加相乗平均を使うものは、チャート式やFocus Goldあたりに載っているので、解けます。
(ⅱ)の指数方程式で分母を払って2次方程式に帰着させる形は、チャート式やFocus Goldあたりに載っているので、解けます。
(ⅲ)は、二次関数の2次方程式の解の配置との融合問題です。2次方程式の解の配置はチャート式やFocus Goldあたりに載っていますし、三角関数あたりとの融合問題もまず載っているので、同じように考えれば解けます。

(7)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

n進法の問題です。
難しくないのですが、問題文に文字が多いので、難しく思えてしまった人が多いかもしれません。
(ⅰ)は解き方は色々ありそうですが、愚直に割り算を実行すると、余りが-3になります。割る数がn+1なので、これは、余りがn-2ということです。たとえば、合同式などで使う考えですが、-3≡1 (mod 4)と同じ考え方です。
(ⅱ)も色々解き方がありそうです。たとえば、k乗があるので、n=(n+1-1)として、二項展開する。または、整式の割り算と同じように、商をQ(n)とでも置く。いずれも、チャート式やFocus Goldあたりに類題が載っているので解けますが、慶應薬にしては、難しめかなと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
図形と方程式の軌跡、領域あたりの問題です。

(1)
(2cosθ,2sinθ)というのは、三角関数の定義、単位円の2倍なので、分かる人はすぐに答えが出ます。

(2)
本問で(x+y,xy)なら有名問題で、チャート式やFocus Goldあたりに載っています。本問はx-yであるところにひねりがあります。まあ、+(-y)とでも見て解けば、同じように解けます。

(3)
本問もチャート式やFocus Goldあたりに類題が載っているので、同じように考えれば解けます。最後の面積は教科書レベルの積分です。交点のx座標がやや複雑なので、1/6公式を使うといいでしょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
2022年に続き「データの分析」からの出題です。

ネ~ヒは平均値を求めるだけの、中学生レベルの問題なので解けます
フ、ヘも四分位数を求める中学生レベルの問題なので解けます。
ホ、マは相関係数を計算しますが、これも教科書レベルなので解けます。
ミ、ムの何かを何倍かして定数を足すと、標準偏差や相関係数がどう変化するかは、数研出版の教科書には、章末の発展のようなページに載っていて、2022年は、やたら共通テスト型模試で出題されていました(実際の本試験での出題は少ない。)2022年以降高校入学の教科書では、この話は、本文に格上げになっています。ただし、標準偏差や相関係数の意味がわかっている、冷静に求める式を考える、などをすれば、現場で初見でも解ける問題です。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 慶應薬学部の数学の入試は試験時間は80分。配点は100点/350点です。
 
 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。

 次に、Focus Gold(独学で慶應薬学部のみを考える場合、黄チャートあたりでも良い)の慶應薬学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、慶應薬学部レベルの成績になっているはずです。
 慶應薬学部入試対策としては上記のように、教科書、Focus Goldをマスターし、過去問で入試問題に慣れ、『年度別入試問題集』(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで、さらに入試問題に慣れると、満点近くを取れるでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、慶應薬学部のみを考える場合、黄チャート本文の問題の網羅性を上げる、くらいで合格点に近づくと思います。

 例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。2023年大問3は、2022年に続き、「データの分析」の分野から出題されました。多くの薬学部生にとって、理工系でよく使われる数学よりも、「データの分析」のほうが重要だ、というメッセージでしょう。今後も、「データの分析」は要注意です。公式を当てはめるだけでなく、教科書の説明を理解しましょう。

 

他の対策サイトへの疑問

 

青チャートで対策?

 当塾のサイトでも、青チャートより上位のFocus Goldの名前を挙げています。しかし、これは、慶應薬学部より入りにくい上位国立大学を併願すること、塾長が問題を絞ること、塾長が個別指導で例題を解説し、生徒が数値が違う程度の類題を解くこと、を前提としています。
 慶應薬学部を第一志望にする場合、青チャートには、本文の問題でも、不要な問題が多く載っており、オーバーワークです。問題数が多いと、挫折する可能性も高めます。慶應薬学部を第一志望にする場合は、網羅系は黄チャートで十分と考えます。

 

『良問のプラチカ』で対策?数3?

 まず、慶應薬学部は数3の出題がないので、『理系数学良問のプラチカ数3』(河合出版)を推薦すること自体、不適切です。また、『理系数学良問のプラチカ数3』は、平均的な東大合格者も解けないような問題も多く載っています。そもそも数3の出題がないので、これ以上論じても意味がないのですが、レベル、傾向も慶應薬学部とは全く相性が悪いです。
 1A2Bの『良問のプラチカ』は、『理系』より『文系』のほうがレベルが高いです。易しめの『理系プラチカ』で考えても、難易度は慶應薬学部の入試よりも高いです。また『プラチカ』は、論述式、国立大入試、向けで、慶應薬学部のような、小問集合、マーク式とは傾向が異なり、相性が良くないと考えます。先述のように、入試問題演習は、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりがいいと思います。

 

2022年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
数3の複素数平面をつかえば、教科書レベルのなので、すぐ解けます。
数2の複素数の範囲でやろうとすると、Focus Goldあたりに(実部)+(虚部)i=0に整理して、実部も虚部も0を使う問題は載っており、それと整数問題の融合問題となります。

(2)
方程式の解がx=3なので方程式に代入するのは中学レベルです。
その後は、実数解を持たないので判別式の話にするのは教科書レベルで解けます。

(3)
確率の問題です。
図でも書いて落ち着いてやれば難しくはありませんが、慶應薬にしては、やや複雑かなと思います。

(4)
f(x)は二次関数で、極値(つまり頂点のx座標)をx=-2で取るので、文字の使い方を二次関数風にします。あとはゴリゴリ計算するだけで解けます。x2の係数の正負がわからないので、そこが少し難しいかなと思います。

(5)
絶対値がついたりして、やや複雑そうに見える対数方程式の問題です。
前半はx=6なので、底を変換して整理したあとで、代入すれば、aの値は簡単に求まります。後半は、例の定数aを分離して、グラフの交点の数で実数解の個数を考える有名問題なので解けます。

(6)
やや珍しい出題ですが、x、yの変域が与えられていて、与式を変形してさらに変域を絞り込むような問題は、Focus Goldあたりの二次関数には何問か載っているので、同じように考えれば解けます。後半は、sinとcosの和が与えられている場合、まあ、2乗してみるもので、その式を足し引きなどすると、解決の糸口が見え、解けます。

(7)
三角柱の切断面の最小値を求める問題です。言われれば難しくないですが、実戦的には、解くのは難しいと思います。ただ、受験勉強の図形問題対策として、勉強する価値は高い問題かと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
C(コンビネーション)記号をめぐる問題と数列の融合問題です。

(1)
前半は教科書にも載っている有名な等式なので、正解しましょう。後半は、素直に変形すれば解けます。

(2)
愚直に問題文の式に代入して計算していくだけで求まります。

(3)
Snは具体的に書いてみると、教科書の二項定理のところの等式の証明の問題に載っているような式になるので、解けます。anは、Snがあるので、Sn-Sn-1をやればいいのは教科書に載っているので解けます。

(4)
このような小問集は、上の問題が誘導ではないかと考えます。本文は(1)の結論を使って変形し、実際に書き並べてみると、二項定理が使える形になるので解けます。後半bnを求めるのは、(3)と同様の方針なので解けます。

ただ、全体的に、例年の慶應薬の簡潔さからすると、少し見た目が難しく、ゴチャゴチャしているなあという印象です。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
「データの分析」の分野の問題です。

(1)
前半は、平均が与えられていて、データが1つ抜けているだけなので、平均を求める式で解けます。後半は、標準偏差は分散にルートをつけたものなので、簡単に解けます。

(2)
相関係数を求める問題です。ただ、各標準偏差と共分散が与えられているので、すぐに求まります。

(3)
具体的に相関係数と平均値を求めるだけです。相関係数については、やはり各標準偏差と共分散が与えられていて、すぐに求まるので、大変ではないです。

(4)
全部の値が1増えるので、平均値が1増えるのは、すぐわかると思います。
標準偏差が「平均値からの差を2乗してルートを取ったもの」と理解していると、変わらないことを理解できると思います。
(ヘ)の平均値は、愚直に計算しても大変ではないと思います。仮平均を使えると、もっと簡単ですね。
(ホ)の標準偏差は、上記のように「ばらつきの程度」を表すと理解していれば、ばらつきが少なくなっているので「小さくなる」ことは1秒でわかると思います。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。ただ、2022年は、大問1(6)は、まあチャート式、Focus Goldあたりに類題は載っているものの、ややひねりがありました。(7)は難しいと思います。ただ、入試というものは、満点を取らなければいけないのではありません。大問2も、結局は、ほぼ教科書レベルですが、見た目が難しそうなので、とまどった人も多かったかもしれません。大問3のデータは、公式の暗記に終始するのではなく、「標準偏差」「相関係数」が何を意味するか、なども理解しておきましょう。
 教科書、チャート式レベルを固め、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験の数学の勉強法・参考書

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2021年 慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
複素平面チックに解くと、極形式に直しますが、数Ⅱチックでも、2乗すれば2iという簡単な形になるので解けます。

(2)
2次方程式の実数解の差が云々という話は、教科書の解と係数の関係の問題に載っています。後半の平均変化率というのは、中学生レベルの話です。したがって解けます。

(3)
前半は教科書レベルの軌跡の問題です。
後半は、絶対つき1次関数のグラフも教科書レベルで、面積が問われている図形は単なる扇形なので、解けます。

(4)
sin2、cos2、sinとcosの積がある式はどうやるかは、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。半角と倍角を使います。
後半、sin+cosの和がわかっている時、sinとcosの積を求めるのは、教科書に載っています。その後、sin、cosを求めるのも行けるでしょう。したがって解けます。

(5)
3進法を10進法に直すのと、数列の和の融合問題です。いずれも教科書レベルといえ、解けます。

(6)
前半は教科書レベルの因数分解です。
後半は、因数分解を誘導にした、整数問題です。チャート式やFocus Goldで似たような問題に取り組んでいれば、解けます。

(7)
四面体の体積を求める問題ですが、図形を正確に把握すれば、正解するのは簡単でしょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
正n角形の3頂点を結んでできる三角形の中で、面積が最小になる、2番目に小さくなる、確率を求める問題です。落ち着いて取り組めば解けます。問題が2通りに解釈でき、大学当局も、両方を正解にしました。

(2)
立方体の3点を結んで出きる三角形の面積の平均値を求める問題です。落ち着いて取り組めば解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。
3次関数に文字定数aが入っている問題です。

(1)
問題文に「任意の実数aに対し」とあるので、aについての恒等式に持ち込むのは、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。後半の接線は教科書レベルで解けます。

(2)
接線の傾きが二次関数になるので、その最小を考えるのは教科書レベルで解けます。

(3)
x座標いくつで極値をとる、といった問題は教科書レベルです。その後も愚直に三角形の3点の座標を求め、面積公式を使うだけで解けます。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 慶應薬学部は、例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。したがって、教科書、チャート式レベルを固め、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2019年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度は、大問1全体でBです。
今年は雑ですね(笑)。

(1)
見た目、x+yiの形をしている数が実数であるためのaの値を求める問題です。

2乗のルートは整理すると絶対値つきになることは、数Ⅰの教科書や、チャート式、Focus Goldなどには載っています。
分母を実数化して、(iの係数)=0とすれば完答できます。

(2)
指数不等式の問題です。
指数関数は正なので、丁寧に両辺を何乗かすれば完答できます。

(3)
数列の問題です。
問題文に沿って丁寧に解いていくと、最後は部分分数分解の形になります。
これは数Bの教科書には載っています。
完答しましょう。

(4)
整数問題の不定方程式の問題です。
(ⅰ)は誘導で、大きなヒントです。
(ⅰ)でyは自然数なのでy≧1からk≦84と絞り込めます。
また、19-yが整数であることより、kが14の倍数であることもわかります。
以降、教科書やチャート式、Focus Goldなどに載っている技法を使えば完答できます。
整数問題に慣れていないと難しいと思いますが、整数問題としては標準的でいい問題だと思います。
チャート式、Focus Goldなど、教科書より少し上の段階の整数問題をパッとできるようにしていると、そのように解けばよいかが見えたでしょう。

(5)
ベクトルの問題です。
(ⅰ)
ベクトルのなす角、の式に、問題で与えられている条件を丁寧に代入すると、正解できます。
(ⅱ)
この種のベクトルが表す領域の問題は、基本形は教科書に、本問のレベルもチャート式、Focus Goldなどに載っています。
完答しましょう。

(6)
三角関数の問題です。
このsin2θ、cos2θ、sinθcosθを含む形は、教科書の章末問題やチャート式、Focus Goldなどに載っています。
半角と倍角で2θにして、合成しましょう。
本問は、0≦θ≦π/2なのもクセモノで、2θの変域に注意しましょう。
この手の話もチャート式、Focus Goldなどに載っています。
完答しましょう。

(7)
球面上に頂点がある正四角錐の体積の最大値の問題です。
まず、どこを未知数に置くかが問題でしょう。
やや難しいかもしれませんが、図解問題としては取り組んでおきたい問題です。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はBです。
アルファベットを並べる場合の数の問題です。
(1)
教科書レベルの問題です。
(2)(3)
いわゆる「辞書的配列」の問題です。
基本形は、チャート式、Focus Goldなどに載っています。
本文は、同じ文字が含まれるところに特殊性がありますが、同じように考えれば、完答できるでしょう。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はBです。
絶対値と文字を含む関数と、定数関数の交点の個数を求める問題です。
基本形は、チャート式、Focus Goldなどに載っています。
この程度複雑なものも、入試標準問題集などには載っているでしょう。
絶対値内の正負で場合分けするのはもちろんです。
部分的に放物線の部分の頂点の位置での場合分けの目のつけどころなども、入試レベルの問題で慣れておいたほうがいいでしょう。

完答しましょう。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 なにか発想力を求められるような問題は全くありません。
 教科書、チャート式などに載っている技法を、問題文にしたがって淡々と使いこなせれば、時間さえ許せば、満点近くが狙えます。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式、Focus Goldなどで入試によく出る技法を固め、河合全統記述模試などで合格点に近づいたら、年度別の入試問題集(数研出版)の*問題(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。
 慶應義塾大学薬学部の過去問も、標準レベルの問題がほとんどで、いい演習になります。

 

大学受験の数学の勉強法・参考書

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2018年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

(1)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
空間ベクトルで2ベクトルの両方に垂直で長さが与えられているベクトルを求める問題。

数研出版の教科書には、数値が違うくらいの同じ問題が載っています。
正解しましょう。

(2)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
前半は整数問題。
後半は二項定理。
普通に式を立てて解くだけです。
正解しましょう。

(3)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
数列の問題。

教科書レベルです。
正解しましょう。

(4)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
対数と3次関数の融合問題。
『Focus Gold』(啓林館)などには類題が載っていますし、初見でも解けるでしょう。
正解しましょう。

(5)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
aを含む項を分離して放物線と直線の交点で考えるか、2次方程式の解の配置に帰着させるか。

いずれにしろ、入試標準問題集ではよくある話です。
正解すべきです。

(6)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
正四面体にある三角形の問題。
ゴリゴリやれば出るでしょう。
内接円の半径の話は教科書にもあります。
完答すべきです。

(7)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
定積分を含むf(x)を決定する問題。
原型は教科書にもありますし、本問の文字を2つ使う問題も、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っていて、それなりの進学校なら定期テストで出題されがちなのではないでしょうか。
完答すべきです。

(8)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
18°や36°のsin、cosを求めるために倍角、三倍角の公式を使う問題は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
三角比のところで、正五角形を使って求める問題が載っている本も多いでしょう。
ただ、国立二次などの論述式でよく使う技法というよりは、私大の単問で使う技法なので、ちょっと手薄になっているかもしれません。
完答したいです。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
「条件付き確率」を理解していれば、あっさり完答できるでしょう。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
微分、三角形の面積の問題。

(1)
いかにも相加相乗平均の形になります。
(2)
普通に式を立てて解くだけです。
(3)
普通に座標から三角形の面積を求める有名な公式を使って、増減表を書いて最大値を求めるだけです。
完答すべきです。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 以上のように、教科書を理解して、『Focus Gold』(啓林館)あたりをマスターして、入試標準問題演習をすれば、時間さえ許せば満点も狙えると思います。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2023】慶應義塾大学医学部数学 難易度と傾向と参考書:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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東大・医学部受験の数学の勉強法

東京慈恵会医科大学医学部数学

日本医科大学医学部数学

順天堂大学医学部数学

慶應義塾大学医学部英語

 

【2023】慶應義塾大学医学部数学 難易度と傾向と参考書:教科書+Focus Goldで合格へ

 

慶應医学部入試の数学で悩んでいる人へ

 慶應医学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慶應医学部の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、慶應医学部数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

慶應医学部入試における数学の重要性

 慶應医学部の数学の配点は、150/500です。
 大問が4問あります。オール短答型です。短答型の場合、周りが解けている問題が、最初から何も書けない、というリスクは低めかと思います。ただ、最初のほうの小問は、易しめのことが多いので、そこで止まって、その後も芋づる式に正解できないと、他の受験生に差をつけられてしまいます。そのような大問が複数出ると、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 数学でそのような大失点を抑えることの重要性は理解できたかと思います。

 

慶應医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 慶應医学部の数学も大問ごと、または、大問内でも後半になると難度が増すなど、問題の難易度に波があります。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2023年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
三角比の問題です。このような図形で、余弦定理を2回使う問題は、Focus Goldあたりには載っており、解けます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。まず、問題で2解をα、βと置いてくれているのも大ヒントです。教科書通り、2点間の距離を求めに行けば、解と係数の関係を使えばいいと気づくはずです。最後のPQの垂直二等分線の傾きも、図形的に考えれば簡単に解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。
普通に、接線を求め、囲む面積を求めるだけで、理論的には教科書レベルなので解けます。定積分が、入試ではよく出るような形ですが、少しだけ複雑なので、入試問題集やFocus Goldあたりで慣れておきましょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です。

(1)
まだごく簡単で、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
nが入り抽象的になりますが、反復試行を教科書の説明から理解していれば難しくないですし、実際、本文のような、事象が3つの反復試行の問題は、Focus Goldあたりに載っているので、解けます。

(3)
本問もnが入りますが、問題の状況を理解できれば、教科書レベルの反復試行の問題なので、解けます。

(4)
本問もnが入りますが、問題の状況を理解できれば、教科書レベルの反復試行の問題なので、解けます。

(5)
確率の問題では、常に、余事象を取ることは、頭に入れておきます。また、本問のように、a4>b4とa4<b4が対称であることを利用する問題は『合格る確率』(文英堂)あたりには載っており、解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の極限、微積分の問題です。

(1)
愚直に接線の方程式を求め、接点以外の曲線との交点の座標を代入すると漸化式が立つので、解けます。

(2)
数列の一般項と無限級数の和を求める問題です。(1)で公比が求まっているので、簡単に解けます。

(3)
三角形A1A2A3の重心の軌跡を求める問題です。この程度の1文字消去して、x、yだけの式にする問題は、Focus Goldあたりに載っているので、解けます。

(4)
三角形A1A2A3が鋭角三角形になるためのa1の条件を求める問題です。鋭角三角形になるための条件は、教科書だと、三角比の余弦定理あたりに書いてあると思います。愚直にその通りにやれば解けます。

(5)
図形の面積比を求める問題です。
積分も駆使して愚直に求めに行けば解けます。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
極座標、図形、数3の微分あたりの問題です。2022年に引き続き、円と円が接する問題ですが、転がらない分、2023年のほうが、題意は把握しやすかったかもしれません(笑)。

(1)
(あ)(い)は基本的な図形的考察と三角比で解けます。
図形問題は慣れが必要なので、検討する価値が高い問題かと思います。

(2)
三角形の面積の最大値を求める問題です。やや計算が複雑ですが、方針としては、数3の微分に忠実にするだけですので、解けます。

(3)
もう1つ接する円が出てきて、その半径を求める問題です。
平面図形や図形と方程式に出てくる、2円の位置関係を使います。
また、(1)でもそうでしたが、t=tan(θ/2)としたときに、sinθ、cosθ、tanθをtで表す問題は、チャート式やFocus Goldあたりの三角関数や数3の積分に載っています。それを使いこなすとかなり速いです。

(4)
大きい円に内接している3円の周の長さの和の最大値を求める問題です。
本問も、もはや、やや計算が複雑ながら、方針としては、数3の微分に忠実にするだけですので、解けます。
計算はやや大変かもしれませんが、完答も十分可能な大問です。

 

慶應医学部数学の傾向と対策と勉強法 

 試験時間は100分。配点は150点/500点です。大問2は確率が出ることが多いです。ただ、突発的にデータがでたりもするので注意しましょう。数3の微積分はまず出るでしょう。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。慶應医学部は、大問2で確率が出ることが多いです。かつては確率漸化式が続きましたが、近年は漸化式を使わない確率が出ています。余裕があれば『合格る確率』(文英堂)で、上位国立大学で出題される技法もマスターしましょう。他大との併願にも役立つでしょう。

 数3の微分積分は、ある程度までは、取り組みやすいことが多いです。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。Focus Gold数3の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。ただし、積分は、Focus Gold数3には、全国的によく出る技法が、かなりの網羅度で載っていますが、慶應医学部の場合、面積、体積が多く、優先順位をつけたほうがいいと思います。

 2023年は、慶應医学部にしては簡単な出題でした。ある予備校では、1次突破ラインは70~75%程度か、としています。1次合格が260人に対し、入学許可総数168人なので、もう少し取りたいですが、上記の通り、大問1~3は完答が容易、またはやや計算が面倒程度。大問4も、なにか思考力、発想といったものは不要で、計算さえ頑張れば、完答も可能です。Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、80%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

慶應医学部数学オススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの慶應医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、慶應医学部レベルの成績になっているはずです。
 慶應医学部入試対策としては『文系数学良問のプラチカ』、過去問を、上記のように、合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、数3の微積分、特に積分は面積、体積、確率、などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 

 

2022年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
絶対値が2重についている方程式です。
Focus Goldの章末問題あたりにも載っていますし、初見でも、いつも通り場合分けして絶対値を外しに行けば解けます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はA。
因数分解です。がんばれば正解できるでしょう。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
対数の問題です。
前半は、「定義域」を真数条件から考えさせる問題です。慶應医学部は、このような形で、教科書の説明に書いてあるようなことの理解を問うてくることがあるので、注意しましょう。
後半は、結局、対数不等式になります。類題はFocus Goldあたりには載っているので解けます。

(4)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
合成関数と数列の融合問題です。素直に問題文に従えばいいのですが、その過程で、Focus Goldあたりには載っている問題の技法を使うので、よく勉強しておくといいでしょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
確率の問題です。
過去、ずっと確率漸化式が出題されていて、2021年はデータが出題されましたが、2022年は、漸化式を使わない確率となりました。

(1)
玉の個数が具体的な数字であれば、かなり簡単な問題ですが、n、k、iと文字が3つも使われており、かなり抽象性が高い問題です。ただし、抽象性が高い問題も、具体的な問題と同じようにすれば解ける、という姿勢が大切です。特に、C(組み合わせ、コンビネーションの記号)と文字を含む式の変形に慣れておくといいでしょう。

(2)
袋A、Bから玉を取り出して、逆の袋に入れる、というよくある問題です。2022年、2020年に慈恵でも出題されています。丁寧に推移図を書けば簡単なので、解けると思いますが、よく出そうなので、慣れておくといいでしょう。

(3)
(2)に比べて、球の出し入れの回数が増えただけの問題です。推移図と計算が少し面倒くさくなりますが、難しいわけではないので、解けます。

(4)
題意を理解すれば(難しくない)計算も簡単で、あっさり解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
円の中を円が転がる問題です。中学受験で慣れていると、状況を把握しやすかったかもしれません。

(1)
原点以外の点回りの角α回転の問題なので、複素数平面を使うと、教科書レベルなので解けます。

(2)
円の中を円が転がるメカニズムをイメージできていると、中心角、円周角などで、簡単に解けたと思いますが、経験がないと意外と大変かもしれません。

(3)
(1)(2)の誘導に乗れば解けます。
最後、このような軌跡の問題でsin2θ+cos2θ=1に代入するのはよくあるので、心に留めておきましょう。

(4)
(2)、(3)とは逆に、大きい円のほうが移動します。状況さえ把握すれば、(2)(3)と同様にやればいいのですが、状況を把握するのが難しいかもしれません。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
全体として、数3の微積分の問題です。

(あ)
下に凸になる条件なので、2回微分すれば求まります。教科書レベルです。
(い)(う)
変曲点のx座標なので、2回微分したもの=0の方程式を解けば求まります。教科書レベルです。
(え)
関数y=g(x)が極小となるxがただ1つとなる条件を求める問題です。g'(x)の符号が負から正にただ1回変化すればいいのですが、似たような考察をする問題はFocus Goldあたりには載っているので、理論上は解けます。また、4次関数のグラフの種類を一通り書くのは教科書レベルであり、極小となるxがただ1つとなる時のグラフの概形はイメージしやすいでしょう。ただ、計算がきついかもしれません。
(お)
関数y=g(x)を最小にするxの値を求める問題です。結局4次関数であることを考えれば、わかりやすい部分もありますが、計算が意外と大変かもしれません。
(か)
曲線の長さの問題です。
教科書通りにxで積分すると、左端が微分可能ではないので、論理ミスになります。そこに気づくのが難しいかな、と思います。

 

慶應医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2022年は、ある予備校では、1次突破ラインは55%程度か、としています。1次合格が279人に対し、入学許可総数178人なので、もう少し取りたいですが、上記の通り、大問1,2は完答が容易、大問3、4も半ばまでは部分点は取りやすいので、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2021年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)
の難易度はB。
ベクトルの問題です。
本問の、ベクトルの式を少し移項して、大きさを取って、両辺を2乗する技法は、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っていて解けます。
また、むりやりベクトルの内分形を作って、その式を読み取る問題も、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っていて解けます。
三角形の面積は教科書レベルで、最後まで完答できます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
曲線をx軸回りに回転させた回転体の体積の極限の問題です。式はやや複雑な部分もありますが、考え方は教科書レベルの組み合わせで完答できます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
集合の要素の個数、二次方程式の解の配置、整数、あたりの融合問題です。
ただし、1つ1つの技法は、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っており、それらを使いこなせれば、完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
平均値、分散、共分散、相関係数あたりの問題です。
昨年までは、ここで確率漸化式が出題されていましたが、医師には、データ、統計の素養が必要だということでしょうか。

(1)
平均値と分散を求める教科書レベルの問題で、解けます。

(2)
教科書レベルの共分散と簡単な整数問題の融合で、解けます。

(3)
少しは式は難しいですが、愚直に教科書レベルの相関係数を求めに行けば解けます。

(4)
教科書の相関係数を根本から理解していれば、1分かからずに解けます。
最後まで完答しましょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はC。
座標平面上の2つの塔を見上げる角度が等しくなるという設定の問題です。

(1)
見上げる角度が等しい点Pの軌跡を求める問題です。式を立てて整理すると、軌跡の話になります。本問は円になります。

(2)
点Pはy軸上にただ1つという条件から、塔の1つの位置を求める問題です。
点Pはy軸上にただ1つという条件から重解条件を使うなどすれば解けます。

(3)
点Pはx軸上にただ1つという条件から、塔の1つの位置を求める問題です。
やはり重解条件を使うなどすると、楕円、双曲線になります。
理論上は完答も可能かと思いますが、実戦的には、式がなかなか複雑など、大変かもしれません。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はC。
与式の曲線はカテナリーと言われるもので、また、大学で習う双曲線関数、y=coshx(ハイパボリックコサイン)と同じです。これが円と共通接線を持つという問題です。
問題文にしたがって、愚直に式を立てていくと、ある程度まではいけそうですが、後半は実戦的にはきつそうです。半分くらいでいいのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強と傾向と対策

 大問1,2は完答。大問3,4は前半を取る、くらいで、他の受験生に十分に差をつけることができるでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。
受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2020年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
平面αの法線ベクトルを1つ探すのは簡単なので、αの方程式を求めるのも簡単です。したがってxy平面との交線を求めるのも簡単なので、前半は解けます。αとxy平面のなす角もベクトルのなす角で解けます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3基本レベルの最大値、面積、回転体の体積を求める問題なので、解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。
α=a+biと置くと、あとは、ほぼ、教科書レベルの式変形、図形敵考察なので、解けます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です。
(1)~(3)
基本的な確率の問題なので、解けます。
(4)、(5)
考え方は難しくないのですが、Σを使うので、あらかじめ準備しておかないと厳しいでしょう。確率全般に言えることですが、Focus Goldなどの網羅系総合参考書は、確率がやや弱いので、『合格る確率』(文英堂)あたりをこなすことをおすすめしています。このあたりまで準備しておくと、解けます。完答しましょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
素直に代入して与式の形になるように変形していくと、解けます。

(2)
このような小問は、上の問題が誘導なのではないかと考えましょう。
(い)は素直にやるだけで、(う)(え)は(1)と(い)を使うと解けます。
(お)は、与式の漸化式にもっていく方針で、(1)を使いつつ変形をするとできますが、やや難しいかもしれません。
(お)の漸化式は、教科書レベルの2項間漸化式なので、(お)ができれば(か)ができます。
(き)は、1+g(x)=f(x)に気づくかどうかでしょう。似たような公式は、数1の教科書の三角比に載っていますが…。
(く)の極限は、見た感じはさみうちで、形はやや複雑ですが、Focus Goldなどのはさみうちを使う問題と同じような方針でやれば、解けます。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
素直に面積を求めてbについて解くだけなので、解けます。

(2)
曲線上の点と原点との距離を関数として、増減表を書けばいいだけなので、式はやや複雑ですが、理論的には解けます。定義域の中で極値を取るか取らないかで場合分けする問題は、Focus Goldあたりでは、数2の微分で出てきます。

(3)
(お)は(2)の結果を使い、根号内の増減表を書けばいいだけなので、解けます。
(か)のcosθを求める問題は、三角比を使うだけなので解けます。

(4)
大問3(く)と同様に、見た感じはさみうちでしょう。しかも、極限値が問題文で与えられている証明問題です。素直に曲線の長さを求め、極限値ではさむことを目指して、問題文で与えられた式を使って変形すれば解けます。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 上記のように、確率は『合格る確率』(文英堂)、その他はFocus Goldをマスターし、少し入試問題に慣れれば、大問3(お)以下以外は、解けそうです。他の受験生に十分、差をつけることができるでしょう。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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慶應義塾大学医学部入試数学の特徴

 慶應義塾大学医学部入試数学の特徴は、以下のようになります。

問題文の長さと複雑さ

 慶應医学部数学の問題文は一般的な数学の問題文よりも長く、情報量が多いです。また、文章が複雑な表現や専門用語を含む場合もあります。そのため、問題文を正確に読み解き、必要な情報を取り出す能力が求められます。

応用問題の頻出

 慶應医学部数学の問題では、基礎的な知識だけでなく応用力も問われます。応用問題の割合が多く、実際の医学や科学に関連した問題が出題されることがあります。そのため、数学の知識を実際の問題に応用する能力が必要です。

計算力と論理的思考力の要求

 慶應医学部数学では、正確な計算力と論理的思考力が求められます。計算問題や論理的な解法を考える問題が出題され、素早く正確な計算や論理的な思考を行う能力が必要です。

文章問題の特徴と対策

 慶應医学部の数学問題には文章問題が多く出題されます。これらの問題では数学的思考力や論理的な解釈が求められます。文章の中から必要な情報を見つけ出し、数学的な解法に繋げることが重要です。
 対策としては、問題文をじっくりと読み解く力を養うことが重要です。問題文の中に隠された情報や条件を見落とさずに把握しましょう。また、数式や式変形を駆使して問題を解くために、数学的な表現や関係性に敏感になることも重要です。過去問演習や応用問題への挑戦を通じて、文章問題に慣れることを目指しましょう。

図形問題の特徴と対策

 慶應医学部の数学問題には図形問題もよく出題されます。これらの問題では直感的な判断や図形を活用した解法が求められます。図形の性質や関係性を把握し、適切な図を描くことが重要です。
対策としては、図形の性質や基本的な定理をしっかりと理解することが重要です。図形の特徴や関連する定理を把握し、問題に適した図を描くことで問題解決に役立てましょう。また、図形を活用して数学的な関係性や証明を導き出す能力を養うことも重要です。繰り返しの問題演習や図形を用いた問題の解法に取り組むことで、図形問題への対応力を高めることができます。

 慶應医学部数学の特徴に対応するためには、問題文の読解力や数学的な思考力を養い、図形問題への対応力を高めることが重要です。問題演習や過去問の解析を通じて、特徴的な問題に慣れることで自信をつけましょう。また、教科書や参考書を活用して必要な知識や解法を学び、継続的な学習と演習を行うことが成功への鍵となります。

 

慶應医学部数学の時間配分の例と対策

 慶應義塾大学医学部入試では、数学の時間配分が重要です。ここでは、時間配分の例とそれに対する対策について詳しく解説します。

時間配分の例

 慶應医学部の数学の試験時間は限られています。一次試験の数学科目においては100分の時間が与えられます。この時間内に複数の問題に取り組むためには、効率的な解法やスキルが求められます。

対策としての解法パターンや定石の習得

 時間内に正確に解答するためには、解法パターンや定石を習得することが重要です。解法パターンとは、特定の問題に対して一般的に有効な解法やアプローチのことです。定石とは、よく出題されるパターンやテクニックを活用することで効率的に解答する方法です。
 対策としては、Focus Goldなどを通じて、解法パターンや定石を積極的に学習しましょう。過去問や模擬試験など、実際の試験形式に近い問題に取り組むことで、より実践的に解法や定石を使いこなせるようになります。

時間内に正確に解答するための対策

 時間内に正確に解答するためには、以下の対策を行うことが有効です。

・問題の把握と計画の立て方
 問題文を速読し、問題の要求や条件を把握することが重要です。問題ごとに適切な解法やアプローチを選択するためには、計画的に問題に取り組むことが必要です。時間配分を考慮して、問題ごとに所要時間を見積もりながら解答を進めましょう。

・計算力の向上と正確性の確保
 計算ミスを防ぐために、正確な計算を心掛けましょう。計算のスピードと正確性は両立させることが重要です。計算ミスを減らすためには、丁寧な計算や解答の確認を行うことが大切です。

・問題演習の継続とスピードアップ
 問題演習を通じてスピードアップするためには、反復練習が必要です。時間内に解答できるスピードを身につけるために、定期的な問題演習を行いましょう。繰り返しの演習を通じて問題の構造や解法に慣れ、スピードアップを図りましょう。

・捨て問の見極め
 合格のためには、満点を取らなければいけないわけではありません。むしろ、かなりの失点が許されます。上記のランクづけでBは完答、C、DはBレベルまで部分点、という方針で、合格点を十分に超えます。

 時間配分の例とそれに対する対策として、解法パターンや定石の習得、問題の把握と計画の立て方、計算力の向上と正確性の確保、問題演習の継続とスピードアップ、捨て問の見極めが重要です。これらの対策を意識しながら効率的な解答を目指しましょう。

 

【2023】東京慈恵会医科大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

慶應義塾大学医学部数学

【~2019】東京慈恵会医科大学医学部数学

日本医科大学医学部数学

順天堂大学医学部数学

東京慈恵会医科大学医学部英語

 

【2023】東京慈恵会医科大学 数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

東京慈恵会医科大学入試の数学で悩んでいる人へ

 慈恵数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慈恵の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、慈恵数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

東京慈恵会医科大学入試における数学の重要性

 東京慈恵会医科大学医学部の数学の配点は、100/400です。
 大問が4問あります。短答型もあります。論述式も、小問に細かく分割されている場合もありますし、大問が分割されていない場合もあります。短答型の場合、周りが解けている問題が、最初から何も書けない、その後の問題が芋づる式に解けない、というリスクは低めかと思います。ただ、易しめのことが多いので、正解できないと、他の受験生に差をつけられてしまいます。一方、論述式の場合、小問に分かれていても、教科書やFocus Goldに抜けがあると、小問の最初の方で止まってしまいます。それ以降の問題も芋づる式に解けないので、他の受験生に大きく差をつけられてしまうリスクは変わりません。小問に分かれていないと、なおさら、白紙答案のリスクは高まります。そのような大問が複数出ると、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 数学でそのような大失点を抑えることの重要性は理解できたかと思います。

 

東京慈恵会医科大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 東京慈恵会医科大学医学部の数学も大問ごと、または、大問内でも後半になると難度が増すなど、問題の難易度に波があります。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2023年東京慈恵会医科大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です。近年、ここは確率が出ます。

(ア)
愚直に書き出せば正解できます。確率は、常に、愚直に数え上げるという選択肢を頭に入れておきましょう。

(イ)
整数問題との融合のような問題です。分母を払って、(整数)✕(整数)の形にするのは、Focus Goldあたりには載っているので解けます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
愚直に微分して、積分して、積分定数Cを定めれば解けます。いわゆる「微積分学の基本定理」を使います。似たような処理はFocus Goldあたりには載っているので解けます。

(2)
2接線が直交するので、傾きを掛けて-1に向けて、式を立てていけば解けます。

(3)
愚直に積分してSnを求めて、Σ計算をして、極限を取れば解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
線分の長さが無理数になることの証明です。
教科書や、チャート式、Focus Goldあたりの背理法のところに、「ルート2が無理数であることの証明」と言った問題が、まず載っています。したがって、本文も背理法で、途中までは同様の方針で行くことはいいと思います。
その後は本問の独自性です。整数問題で学んだことを書けるだけ書いて、部分点狙いで、合格点に達するでしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
空間ベクトルの問題です。

(1)
2つの空間ベクトルの交点の問題は、チャート式、Focus Goldあたりには載っているので、理論上は解けます。ただ、最後まで答を出すには、計算で詰まってしまう可能性があると思います。

(2)
問題は、内積の最大値を求めるだけなのですが、方針が難しく、並の合格者程度では、完答できた人は少なかったでしょう。難易度Cたるゆえんだと思います。

 

慈恵医学部数学の傾向と対策と勉強法

 試験時間は90分。配点は100点/400点です。近年、大問1は確率が出ます。数3の微積分はまず出るでしょう。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。東京慈恵会医科大学は、近年は、大問1で確率が出るので、あまり難しいものはでないかなと思いますが、油断はできません。余裕があれば『合格る確率』(文英堂)で、上位国立大学で出題される技法もマスターしましょう。他大との併願にも役立つでしょう。

 数3の微分積分は、ある程度までは、取り組みやすいことが多いです。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。Focus Gold数3の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。ただし、積分は、Focus Gold数3には、全国的によく出る技法が、かなりの網羅度で載っていますが、東京慈恵会医科大学の場合、面積、体積が多く、優先順位をつけたほうがいいと思います。

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの東京慈恵会医科大学に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、東京慈恵会医科大学レベルの成績になっているはずです。
 東京慈恵会医科大学入試対策としては『文系数学良問のプラチカ』、過去問を、上記のように、合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、数3の微積分、特に積分は面積、体積、確率、などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 2023年は、ある予備校では、1次突破ラインは55%程度か、としています。2次合格+繰り上げを考えると、もう少し取りたいですが、上記の通り、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、大問1,2は完投でき、大問3,4は半分程度は取れそうなので、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、Focus Goldあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2022年東京慈恵会医科大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
袋A、Bに白玉、赤玉が入っていて、入れ替えるような問題です。このような問題は、慈恵でも2020年にも出ています。また、同じ2022年の慶應医も赤玉、白玉を入れ替えるような問題です。
本問は、丁寧に推移図でも書けば、分数のかけ算とたし算で、完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
f(x)が微分可能かを調べる問題です。微分可能の話は、受験での頻度はやや低いので、疎かになりがちかもしれませんが、出題されるので注意しましょう。教科書通りに調べるだけなので、正解できます。

(2)
f(x)の最大値がルート2になるように定数aの値を定める問題です。普通に、場合分けして絶対値を外し、増減表でも書けばいいので、正解できます。

(3)
x軸回りの回転体の体積を求める問題です。教科書通りにやるだけなので、正解できます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
整数問題です。

(1)
前半は、kが3または4であることを証明する問題です。似たような証明は、他大でも出ています。kが5以上だと矛盾が生じることを言えばいいです。kが1,2でないことは、問題文から簡単に言えます。後半は簡単でしょう。

(2)
本問は( )の中に2項あり、a2乗されているので、2項定理を使うことを考えます。2項でなくても、n乗されている状況を見たら、無理やり2項定理に持ち込む技法は、わりとよくある話で、Focus Goldあたりにも載っています。2項あるのだから、なおさらです。
難易度はCですが、完答も狙えると思います。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
複素数平面でzの絶対値が1という状況は頻出で、それにどう対応するかは何通りかありますが、本問は、z=cosθ+isinθと置いて進めると、見通しが良さそうです。このあたり、軌跡のような問題で、sin、cosを扱うときに、sin2θ+cos2θ=1に代入するのは、よくある話です。

(2)
直感的には、答はx軸平行の直線です。
このように、円、楕円、放物線と直線の交点が出てくる問題で、解と係数の関係を使うのは、Focus Goldあたりにも載っています。ただ、その後の計算を遂行できるかといえば、なかなか難しく、部分点狙いで十分合格点でしょう。

 

慈恵医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2022年は、ある予備校では、1次突破ラインは55~60%程度か、としています。1次合格が約500人に対し、2次合格+繰り上げが250人ほどなので、もう少し取りたいですが、上記の通り、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2021年東京慈恵会医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
確率の問題です。泥臭く数えあげていくタイプの問題です。
途中、入れ替えを数える時に反復試行を使います。
ただし、それほど難しくはないので、完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数学Ⅲの微積分、接線、回転体の体積、面積、極限の問題です。

(1)
教科書に比べ、関数が少しだけ難しいですが、接線も回転体の体積も、技法は教科書レベルです。

(2)
このような、よくわからない極限は、だいたい、「はさみうち」でいきます。
後半、不等式の評価がやや難しいかもしれませんが、すこし工夫が必要な問題もFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
できれば完答したいですが、途中まででも合格点でしょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

(1)
cos、sinの連立方程式に、aが入って少し抽象的になっただけの問題なので、完答に近いところまで行きたいです。

(2)
難しいと思います。
(1)を完答、またはそれに近い部分点で十分に合格点でしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
似たような問題はチャート式、Focus Gold(啓林館)などに載っている、図形と極限の融合問題です。これらの本に何題かは載っているので、それらを解けるようにすれば、本問も完答できます。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2021年は、大問2後半、大問3後半以外は、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)あたりに似たような話が載っているので、完答することができます。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2020年東京慈恵会医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
確率の問題です。

(ア)
赤玉、白玉を袋から取り出し、入れるだけの、教科書レベルの組み合わせの出題なので、正解できます。

(イ)
2回の操作の後、袋Aが白玉だけになるに至る推移が複数通りあり、その確率を全て足します。このように、複数の推移を考える問題はFocus Goldあたりには載っているので、正解できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

(1)
(右辺)ー(左辺)≧0を示す、数3の教科書レベルの不等式の証明なので、正解できます。

(2)
このような積を含むものは、対数を取る、という問題はFocus Goldあたりには載っています。そして、その後、Σから区分求積法に持ち込む流れもFocus Goldあたりには載っています。さらに、このような極限は、まあ、はさみうちだろう、というのもFocus Goldあたりには載っていて、いいでしょう。実戦的には、大変な部分もありますが、以上のような考え方で、完答できないこともないでしょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
まあ、整数問題なので、文字は惜しまず使い、あとはbの偶奇の場合分けくらいで示せるので、整数問題に慣れていれば、示せるでしょう。

(2)
このような問題は、上の小問が誘導ではないかと疑います。本問もそうです。
問題文は有限小数ですが、整数問題に帰着するため、10n倍するのはいいでしょう。
あとは、「存在することを示せ」という問題なので、1つ存在することを示せばいいわけです。(1)の結論を使い、与式を満たすものを見つければいいので、完答できないこともないでしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
座標空間内の曲線y=x2をy軸周りに回転してできる局面上の3点ABCと原点Oが正四面体を作る問題です。

(1)
正四面体の1辺の長さを求める問題です。
対称性から、一般性を失わないようにABCの座標を設定できるので、あとは、2点間の距離などで出るので、正解できます。

(2)
本問も、平面ベクトルで出てくる、例の「直線上にあるので係数を足すと1」に持ち込むと見通しがいいです。その後、一見、相加相乗平均を使うようには見えませんが、使うと見通しがいい状況になり、それに気づけば、完答も可能でしょう。本問の状況で、相加相乗平均を使う、というのは、1つ、頭に入れておくといいでしょう。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2020年は、Focus Goldあたりに載っていない話を使う流れが大問の後半に多く、したがって、難易度はBCCCとなっています。C問題は、並の合格者は完答できませんから、大問1完答、大問2(2)途中まで、大問3(2)途中まで、大問4(2)途中まで、といった具合で、他の受験生に十分、差をつけることができるでしょう。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、Focus Goldあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2019年東京慈恵会医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『大学への数学』4月号の難易度はB。
点Pが座標平面状を動いていく確率の問題です。
見た目が似たような問題はFocus Gold(啓林館)あたりにも載っていますが、初見でも問題ないでしょう。
(イ)は丁寧に数え上げましょう。
確率の問題は、常に「数え上げ」を選択肢に入れておきましょう。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
(2)
『大学への数学』4月号の難易度はA。
幾何でいくか、ベクトルでいくか。
いずれにせよ完答すべきです。

 

大問2

『大学への数学』4月号の難易度はB。
数Ⅲの微積分、接線、面積、面積の極限の問題です。
(1)
問題文にしたがって、2回微分して、増減表を書き、漸近線を調べましょう。
(2)
共通接線の話はチャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
それで解けます。
(3)
(1)で凹凸を調べているので、上下関係はわかります。
あとは丁寧に積分計算をして、極限を求めましょう。
完答すべきです。

 

大問3

『大学への数学』4月号の難易度はB。
一文字を固定するなどの解き方もありますが、教科書や学校採用教材の観点からは、図形と方程式に出てくる、領域と最大最小の問題と捉えるのがいいでしょう。
ただ、xとyが自然数なので、領域ではなく格子点を考えることになります。
完答すべきです。

 

大問4

『大学への数学』4月号の難易度はC。
複素数平面の問題です。
(1)
3点O,
P,Qは同一直線上にあるので、ベクトルのような感覚で求めれば解けます。
(2)
複素数平面の軌跡の問題で、最終手段としてx+yiと置いて、数Ⅱの軌跡のように解く問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
軌跡の問題で実部や虚部の数値に注目する問題もFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
それらを駆使すれば完答も狙えるでしょう。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、時間さえ許せば満点も狙えるような出題です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2018年東京慈恵会医科大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
カードを並べて○の倍数になる確率、といった問題は、確率の入試問題集ではよくある話です。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
素直に絶対値の中の正負で場合分けして絶対値を外すと、xまたはyが定数になるので、あとは1変数の二次関数の最大最小の問題に帰着されます。
ただ、絶対値つきの方程式、不等式の表す図形について、xに-x、yに-yを代入して対称性を考える技法は知っておいたほうがいいでしょう。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
微積分の問題。
(1)
与式を見て置換したくなり、この手の部分積分は同じ形が出てくるかも、と思っていれば解けるでしょう。
同様の置換は、たとえば、日本医科大学で2016年、2018年に出題されています。

(2)
この手の不等式の証明も『Focus Gold』(啓林館)あたりには数問載っています。
(3)
数学の入試問題の流れとして、(1)ではfn‘(x)を求めさせているのだから、ここではその結果を使って積分して考えろ(いわゆる微積分学の基本定理)ということなのでしょうが、ちょっと発想が難しいと思います。
(2)までできれば万々歳でしょう。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
二次式で割った余りをanx+bnとする問題は『Focus Gold』(啓林館)の数列のところに載っています。(1)
素直にやるだけです。
(2)
余りの問題で商をQ(x)(この問題ではQn(x))とおくのはセオリーです。
bnの漸化式が対数をとって解ける形だと変形に気づくかどうかでしょうか。
漸化式を対数をとって解く類型は、『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。

最後、はさみうちに持っていくのも入試標準問題集ではよくある話です。
(2)の途中あたりまで解きたいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ベクトルの問題。
θ以外は具体的な数値なので、取り組みやすいのではないでしょうか。
(1)

ゴリゴリやるだけです。
(2)
ゴリゴリやるだけです。
完答したいです。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌も「2題はCレベルで完答しにくい」と述べています。上記のようにB問題完答、C問題部分点を取れれば、合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、受験標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2024】日本医科大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

慶應義塾大学医学部数学

東京慈恵会医科大学医学部数学

順天堂大学医学部数学

 

【2024】日本医科大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

日本医科大学入試における数学の重要性

 日本医科大学医学部の数学の配点は、300/1000です。
 また、大問が4問ありますが、小問に細かく分割されていて、短答型の問題も多く、前半の問題は、易しめのことが多いです。国立医学部の答案用紙が真っ白で、オール論述の形式と異なります。したがって、周りが解けている問題が、最初から何も書けない、というリスクは低めかと思います。一方、教科書やFocus Goldに抜けがあると、小問の最初の方で止まってしまいます。それ以降の問題も芋づる式に解けないので、他の受験生に大きく差をつけられてしまうリスクは変わりません。そのような大問が複数出ると、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 数学でそのような大失点を抑えることの重要性は理解できたかと思います。

 

日本医科大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 日本医科大学の数学も大問ごと、または、大問内でも後半になると難度が増すなど、問題の難易度に波があります。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
ベクトルと微分の融合問題です。

(1)
鋭角ではcosが単調減少であることを使うだけなので、解けます。

(2)
三角形の垂心をベクトルで表す問題です。基本形はFocus Goldあたりには載っています。垂心なので、内積0を使えるので、1文字使っても定まります。それで解けます。ただ、最終形が複雑なので、それで難易度Cなのかな、と思います。

(3)
三角形の面積を求める問題です。全体の面積と(2)で求めただろう比を使えばいいので、解けます。

(4)
xが(1)の範囲を動くときの、(3)の三角形の面積の増減を求める問題です。微分するだけなので、理論上は解けます。ただ、やはり、計算が少し複雑、ということなのでしょうか。

 

日本医科大学数学の傾向と対策と勉強法

 日本医科大学の数学は大問4問、試験時間は90分です。ただ、大問は4問ですが、小問に細かく分かれ、短答型も多いです。数3の微分積分、確率がよく出題される傾向にあります。このうち、確率は、特別な対策が必要なことも多いです。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。日本医科大学は、両方出る可能性があると思います。「上位国立大学で出題されるもの」の技法は、『合格る確率』(文英堂)でマスターすればいいと思います。

 数3の微分積分は、ある程度までは、取り組みやすいことが多いです。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。ただし、積分は、Focus Gold数3には、全国的によく出る技法が、かなりの網羅度で載っていますが、日本医科大学の場合、面積、体積が多く、優先順位をつけたほうがいいと思います。

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの日本医科大学に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、日本医科大学レベルの成績になっているはずです。
 日本医科大学入試対策としては『合格る確率』、『文系数学良問のプラチカ』、過去問を、上記のように、合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、数3の微積分、特に積分は面積、体積、確率、などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2023年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率と二次関数の融合問題です。

(1)
直角三角形になる確率です。
普通、内積0で行くかと思いますが、愚直に三平方の定理でもいけます。解と係数の関係で文字を軽視に行くのもいいと思います。類題が多いわけではないと思いますが、題意を把握すれば、教科書レベルの組み合わせなので、解けます。

(2)
直角二等辺三角形になる確率です。
このような問題は、上の小問は誘導だと考えます。(1)に加えて、二等辺三角形になる条件を考慮するだけですから、これも、部分的には教科書レベルと言え、解けます。

(3)
正三角形になる確率です。
正三角形になるための条件の式を立てるのも、いろいろアプローチがありそうですが、(1)(2)なども参考にして、式を立てれば解けます。

 

 

2022年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
複素数平面の問題です。

ア、イは、式はやや複雑ですが、教科書にも載っている軌跡の問題なので解けます。アポロニウスの円の考え方も教科書に載っており、そうすると速く解けます。
ウ、エ、オ、カは代入して整理するだけなので、解けます。
キ、ク、ケ、コ、サもアポロニウスの円の考え方で円を求め、図を書いて、BPの最大、最小を考えれば解けます。
難易度はCですが、完答は十分可能です。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です

(1)
簡単な条件付き確率なので解けます。条件付き確率は、私大医学部で頻出で、教科書やFocus Goldあたりは少し弱いので(章末にはまずまずの問題が載っている)、しっかり対策をしましょう。まあ、教科書の公式の分母と分子の確率を求めるだけではあるのですが。

(2)
格子点の問題です。Focus Goldあたりには、難しめの格子点の問題も載っていますが、本問は、nの偶奇で場合分けして考えるのが、少し難しいかと思います。ただ、nの偶奇で場合分けするという考え方は、むしろ確率で入試に出題され、『合格る確率』(文英堂)あたりには載っており、似たような考え方で行けます。あるいは、全体から、周囲の直角三角形部分を引く、というほうがわかりやすいかと思います。

(3)
(2)が山場で、(2)ができれば、本問は簡単です。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
楕円の問題です。

(1)
楕円と直線の接点の座標を求める問題です。文字が多いので、見た目複雑ですが、その実は、教科書通り、連立して重解条件を使うだけなので解けます。

(2)
原点と接線の距離を求める問題です。点と直線の距離を使うだけなので教科書レベルで解けます。

(3)
sin∠AOHを求める問題です。cosが三角比から出るので、そこからsinを求めるだけなので、解けます。

(4)
a、bを固定し、(3)のsin∠AOHの最大値を求める問題です。相加相乗平均を使います。私大医学部では、あからさまに相加相乗平均の形ではないものの、相加相乗平均に持ち込むような出題が散見されるので、対策しておきましょう。そのような経験があれば、解けるでしょう。

(5)
a、bをある条件で動かしたときの(4)の最大値を求める問題です。a、bの2変数なので(a/b)=xと置いて、1変数に持ち込む技法は、Focus Goldあたりには載っています。ただ、その後の考え方がやや難しく、1変数に持ちこむあたりまでで、十分、他の受験生に差をつけることができるでしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
数3の微積分の問題です。

(1)
関数の凹凸を調べ、グラフの概形を書き、変曲点を求める問題です。これだけ見ると教科書レベルですが、関数がやや複雑なので、やや大変です。また、変曲点のx座標を関数に代入して、y座標を求める時、面倒な計算を、簡単にする技法は、似たような考え方がFocus Goldあたりには載っています。理論的には完答できますが、実戦的には、なかなか大変でしょう。

(2)
y軸回りの回転体の体積を求める問題です。教科書通り、x=g(y)の形に解くと、y=tanθと置換すると上手くいく積分になります。ただ、この形をy=tanθと置換するような問題が、がFocus Goldあたりだと、やや弱いかな、と思います。あとはゴリゴリ計算するだけで、理論的には完答できますが、実戦的には大変かもしれません。

 

日本医科大学数学の傾向と対策と勉強法

 2022年は、ある予備校では、1次突破ラインは55%程度か、としています。日本医科大は、1次を突破すれば、かなりの割合で補欠→繰り上げになるようです。
 上記の通り、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2021年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
コインの表裏によって点が座標空間上を動く、確率の反復試行の問題です。基本的なものは教科書にも載っていますし、やや複雑なものも、Focus Gold(啓林館)などには載っています。このあたりが頭にあれば、落ち着いて全部解けるでしょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
(1)(2)は数行ですむ簡単な小問です。
(3)は、絶対値つきの二次関数と直線の共有点の個数を、文字定数aの値で場合分けして考える問題です。結局は、チャート式やFocus Gold(啓林館)などの二次関数に載っている「二次方程式の解の配置の問題」に帰着させれば、完答できます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数Ⅲの二次曲線の放物線と、直線、接線などが囲む面積の問題です。

(1)
いわゆる1/6公式と、三角形の面積を足し引きするだけです。「答えのみでよい」問題なので、かなり速く解くこともできます。

(2)
本問の面積が1/6公式の半分の1/12公式で求まることは、チャート式の数Ⅱの積分あたりには載っています。「答えのみでよい」問題なので、(1)のあとならば、1分ほどで解けると思います。

(3)
(1)と(2)の面積が等しいという式を立てて、それなりの式変形をすれば、十分合格点だと思います。最後の最後は、言われれば簡単だと思いますが、意外に難しいと思います。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
接する2曲線と直線が囲む領域のy軸回りの回転体の体積の問題です。

(1)
2曲線が接する問題です。ほぼ同じような設定がチャート式やFocus Gold(啓林館)などには載っており、解けます。

(2)
y軸回りの回転体の体積を求める問題です。いわゆる「バームクーヘン求積」を使うと早いです。「バームクーヘン求積」はチャート式やFocus Gold(啓林館)などには載っており、解けます。

(3)
不等式の証明の問題です。
このような第2次導関数をとって、単調増加、減少を示す問題もFocus Gold(啓林館)などには載っており、解けます。

(4)
極限を求める問題です。
このような変な極限値を求める問題は、まあ、はさみうちですが、それにしても発想がやや難しいと思います。
(3)まで完答できればいいでしょう。

 

日本医科大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2021年は、大問1、大問2を完答。大問3も最後の最後以外は解く。大問4も(3)までは解く。これで他の受験生に大きく差をつけることができます。

 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2020年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
前半は、教科書~チャート式、Focus Goldレベルの積分をすれば正解できます。
最後は、やや計算が複雑ですが、2変数関数の最小値の問題に帰着されます。これは、Focus Goldなどの二次関数のところには載っています。したがって完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。ただし、完答できると思います。

(1)
1点を通り、法線ベクトルに垂直な平面の方程式を求める問題です。内積0を使えばいいので解けます。

(2)
ベクトル(0,0,1)と(1)の法線ベクトルのなす角を求める問題です。教科書レベルなので解けます。

(3)
原点中心半径3の球の上半分を(1)の平面で分割した時の片方の体積を求める問題です。(2)のなす角が誘導で、半球の2/3の体積であることがわかるので、正解できます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。

(1)
数学2の「軌跡」でFocus Goldあたりに載っている、パラメータtを消去して、xとyの式にする問題と、やっていることは同じです。ただし、tの消去のしかたに少しだけ工夫が必要です。まあ、「t=」にして代入する、という方針を理解していれば、できると思いますが。

(2)
(1)から、問題の与式の図形は円だということがわかります。したがって、円の法線を求める問題です。円の法線なので、中心を通ることがわかれば、非常に簡単に解けます。

(3)
(2)の2法線の交点を求めるだけなので、簡単に解けます。

(4)
(3)の交点の軌跡を求める問題です。これも(1)同様に、パラメータtを消去する問題です。(1)ができれば、本問もできるでしょう。完答しましょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
白玉と黒玉が様々な状況で変化する、確率の問題です。

(1)
まだ、かなり簡単な状況なので、正解できます。

(2)
連立漸化式を立てる問題です。
普段、易しめの確率漸化式の問題に取り組んでいれば、まだ状況が簡単なので、正解できます。

(3)
問題文で与えられた3項間漸化式のα、βを定める問題です。
Focus Goldあたりの連立漸化式には、別解として、代入して数列1つの3項間漸化式に帰着させる解き方が載っています。その方針で解けます。

(4)
つまり、(3)の3項間漸化式を解け、という問題です。したがって、理論的には解けますが、式がかなり複雑なので、実戦的には厳しいかもしれません。

(5)
本問も、rnについては、つまるところ、教科書レベルの特性方程式で解ける2項間漸化式なのですが、式が複雑なので、実戦的には厳しいかもしれません。
(3)まで解ければ、十分、他の受験生に差をつけることができるでしょう。

 

日本医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2020年は、大問4の(4)以降を除けば、Focus Goldあたりをしっかり勉強して、少し入試問題に慣れれば、かなり簡単に正解できる出題でした。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2019年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『大学への数学』3月号の難易度はB。
双曲線と放物線の共有点の問題です。
(1)
連立して共有点を求めるだけです。
(2)
円と放物線についての似たような問題は、Focus Gold(啓林館)の図形と方程式のところに載っています。
同じように判別式を使えば解けます。
(3)
2円の交点を通る図形の方程式については、教科書の図形と方程式のところに載っています。
本問は双曲線と放物線の交点を通る円ですが、同じように解けば大丈夫です。
完答すべきです。

 

大問2

『大学への数学』3月号の難易度はC。
四面体と空間ベクトルの問題です。
(1)
三角形と外接円があるので正弦定理を使うのはよくある話です。
(2)
内積0が2回使えるので、2文字おいても大丈夫、というのはチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりには載っています。
(3)
この程度のベクトルの図形的意味を読み取る問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っているので、完答も狙えるでしょう。

 

大問3

『大学への数学』3月号の難易度はC。
数Ⅲの微分、極限の問題です。
(1)
不等式の証明の基本通り、大きそうな方から小さそうな方を引きます。
不等式の証明で、単調増加、減少を使う問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
(2)
パッと見た感じ、平均値の定理。
平均値の定理は「少なくとも1つ」ですが、その後、単調性を用いて「ただ一つ」を示すのもそこまで難しくはないと思います。
cをdで表すための厳密な議論はちょっと難しいかもしれません。
(3)
難しいと思います。
(2)を完答、または途中まででいいでしょう。

 

大問4

『大学への数学』3月号の難易度はB。
数Ⅲの微分、弧長の問題です。
(1)
ベクトルを大きさで割れば単位ベクトルが求まる問題は教科書には載っていますし、アタリマエです。
(2)
ベクトルのたし算をするだけです。
(3)
ゴリゴリ計算するだけです。
(4)
弧長を式で表してゴリゴリ計算するだけです。
(5)
基本的にはゴリゴリ計算しますが、途中x=tanθと置く置換積分だと気づくかと、最後のほうが少し難しいかもしれません。
完答したいですが、(5)の
途中まででも大丈夫でしょう。

 

日本医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大問3の後半、大問4の最後以外は正解できそうです。他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2018年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
『Focus Gold』(啓林館)などの問題集で高次方程式のあたりを勉強すれば、この手の問題で3次方程式の解と係数の関係を使うことは思いつくでしょう。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と三角形の面積の融合問題。
ゴリゴリやるだけです。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
置換するとxを∫の前に出せて微積分学の基本定理を使えるようになるタイプの問題です。

同様の置換は日本医科大学では2016年にも、東京慈恵会医科大学では2018年に出題されています。
ただ、その後も2回微分して2回積分するのが、ちょっと思いつくか、というところでしょう。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
複素数平面の軌跡の問題の最終手段としてz=x+yiとおくのは、『Focus Gold』(啓林館)などには載っています。
解きたいところです。
(2)
最初に図形C上のzを図形を読み取って適切に式で表せれば、あとはゴリゴリやるだけで完答も狙えるでしょう。

 

大問5

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
楕円とベクトルの融合問題。
(1)は答のみ書けばいいのでできると思いますが、(2)の図形的考察でつまる人が多いと思います。
ただ、(2)も、θと180°-θでcosの値が同じなので、未知数が2つあっても余弦定理を2回使えば連立して解ける、というのは、ある話なので、使えるようにしましょう。

合格には(1)だけでいいのではないでしょうか。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌も「大問1、大問2を確保し残りの解けそうな部分に手をつけるのが実戦的でしょう」と述べています。上記のようにB問題完答、C問題部分点を取れれば、合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2017年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ですが、(1)の漸化式は『Focus Gold』(啓林館)にはもちろん、白チャートあたりにも載っている類型です。
(2)の分母が3つの積のΣも『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っていて、東大にそれなりの人数合格するような進学校の定期テストでは出がちなのではないでしょうか。
(2)ができれば(3)はできます。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
複素数平面の問題。

(2)で使うz7+1の因数分解は、『Focus Gold』(啓林館)あたりの複素数平面のところにはまず載っています。
与式で気づくでしょう。
(3)では、複素数zの実部が(z+zバー)/2であるのは『Focus Gold』(啓林館)などにはよく書いてありますが、本問ではz=cosθ+isinθと極形式で与えられています。
極形式のときにもこの話をできるようにするのは、私大医学部受験では大切でしょう。
以下は複素数を図形的に読み取って、自然にやればできるでしょう。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
ゴリゴリやるなら、「定積分と極限」と言われる問題が『Focus Gold』(啓林館)には載っていて、参考になるでしょう。

積分の平均値の定理を使うと、もう少し簡単に解けます。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
平面図形と確率の融合問題です。

(1)
メネラウスがベクトルで出るでしょう。
(2)(3)
2変数を1変数に置き換える(本文ではm/nをxとでもおく)問題は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
完答すべきです。

 

大問5

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
前半は楕円、後半は微分の問題。

(1)
楕円を理解して、2辺と1角が使えるので余弦定理で出るでしょう。
(2)(3)
文字が多いのですが、cosθ以外は定数なのでなんとか解けるかもしれません。
f’の符号が変わるか変わらないかで極値を持つか持たないかを場合分けで考えるのも数Ⅲではよくある話で、似たような話は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも、「まずは大問1大問2大問4と大問5(1)の確保を目指し、残りで上積みするところでしょう。」というコメントがあります。B問題完答、C問題部分点の方針で合格点に達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1


(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
図形問題。
センター試験の図形問題対策などをしていると、弦の長さが等しければ円周角も等しい、などもスムーズに使えるでしょう。
三角形の面積から内接円の半径を求める話は教科書にも載っています。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
整数と数列の融合問題。
見た目がいかついですが難しくありません。
自然数n、などと問題文にあったら、具体的に1、2、3…とやってみることが大切です。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
双曲線と直線が接する問題。
曲線上の点と直線との距離を最小にする点は、同じ傾きの直線との接点、というのも、『Focus Gold』(啓林館)の点と直線の距離のところに載っています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)

置換すると∫の前にxを出せて微積分学の基本定理を使える類型の問題。
日本医科大学では2018年に、東京慈恵会医科大学でも2018年に出題されています。
(2)
大小を調べるので、普通に差をとって調べればいいでしょう。
(3)
(2)が誘導だと思えれば、左側の不等式は示せると思います。
右側の不等式で問題文のヒントを使うわけですが、題意を把握するのが難しいかもしれません。
(3)でなるべく多く部分点をもらうのがいいのではないでしょうか。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
直線の方程式を求めるだけです。
(2)
直線群の通過領域の問題。
基本形は『Focus Gold』(啓林館)あたりにはまず載っていますし、文字(本問はt)が動く範囲に限定が出て、2次方程式の解の配置の問題に帰着させる問題は、入試標準問題集には載っています。
ただ、tの範囲にも文字xが入り、場合分けがなかなか大変なので、実戦的には難しいかもしれません。

方針を書いておいて、できるだけ部分点を取りたいところです。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問2大問3は相変わらず重く」というコメントがあります。
B問題を完答し、C問題で部分点、という方針で合格点に達するでしょう。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2015年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式の易しめの問題。
最後は対数を含む不等式を解きます。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
前半は領域と最大最小の問題。
一番の基本形は教科書に線形計画法の問題として載っていますし、図形が円などになる問題も『Focus Gold』などには載っています。
本問は=kとおくと、図形が放物線になります。
類題も見ますし、図形が放物線になる場合が初見でも、上記のような問題に取り組んだことがあれば大丈夫だと思います。
後半は前半を誘導だと考え、k+(1/k)について考えるだけです。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
見るからに区分求積法の問題。

ただし、区分求積法のメカニズムを根本から理解していないと間違えるでしょう。
(3)は積や指数が複雑なので対数をとります。
区分求積法で対数をとる問題は『Focus Gold』には載っています。
(2)あたりまでは解きたいです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
回転体の体積の問題。

(1)
まともに計算するととても大変ですが、xに代入する文字を見越して工夫して変形すると、かなり計算量を減らせます。
ただ、そのようにできた人は少ないでしょう。
(2)
直線y=mxまわりの回転体の体積の問題。
取り組んだことがある人もいるかもしれませんし、直線y=xまわりの回転体の体積は数研出版の教科書にも載っている問題なので、応用した人もいるでしょう。
(3)
(1)(2)を正解できれば簡単だったでしょうが、(1)(2)を正解できた人は少ないでしょう。
方針を書いて部分点をもらう、くらいが実戦的だったのではないでしょうか。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問2は区分求積法に気付いてできる限り多くの小問を解いていきたい」「大問3(1)は計算力が必要です。時間内に完答するのは厳しいでしょう」というコメントがあります。大問1を完答し、大問2大問3でできるだけ部分点、という方針で合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2023】順天堂大学医学部数学 難易度と傾向と対策:独特の誘導形式に注意

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

慶應義塾大学医学部数学

東京慈恵会医科大学医学部数学

日本医科大学医学部数学

 

【2023】順天堂大学医学部数学 難易度と傾向と対策:独特の誘導形式に注意

 

順天堂大学医学部入試における数学の重要性

 順天堂大学医学部の数学の配点は、100/500です。まあ、理科1科目ずつと比べてどうかというと、同じ配点ですし、英語は200点なので、英語のほうが重要と言えるかもしれません。
 しかし、ハイレベルな勝負となる医学部入試ですから、取れるところで1点でも多く取りたいです。数学も、有名な本に載っている技法で解ける問題は、ほぼ全問解けることが望ましいです。

 

順天堂大学医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 順天堂大学医学部の数学の入試も、大問ごとに、難易度に波が大きいことも多いです。当サイトでは、それを客観化するために、月刊『大学への数学』誌の難易度のランクづけを付記しています。
 難易度Cの問題は、東大理系の合格者平均あたりの人でも、完答はできないことが多いです。そのような問題で、途中で行き詰まった時に、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。
 また、順天堂大学医学部の数学は、本学独特の、誘導形式の問題が出題されることが多いです。前の問題の結論を使う、前の問題と同じ考え方をするなど、素直に誘導に乗る気持ちが大切です。

 

 

2023年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

(1)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(a)
最初は、数2の軌跡のように考えれば、Focus Goldあたりに載っている、1文字消去する問題なので、解けます。次の、実軸、虚軸との交点は、簡単なので、解けます。

(b)
最初は、計算すればいいだけなので、解けます。次は、やはり、数2の軌跡のように考えれば、Focus Goldあたりに載っている、1文字消去する問題なので、解けます。

(2)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
全体としては、順天堂大学医学部でよく出題される、整関数の独特の誘導形式の問題です。順天堂大学医学部の志望者は、優先して取り組む価値があると思います。
ア~エは、普通に教科書レベルのベクトルの話をすれば解けます。
オ~コは、数2の軌跡で、Focus Goldあたりに載っているので解けます。1文字消去する、易しめの問題です。
サ~ソが先述の、順天堂大学医学部独特の誘導形式の問題です。誘導に乗りましょう。

(3)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
aは数Bレベルの等比数列の和の問題です。途中、対数を取りますが、そこまで含めて教科書に載っているような話で解けます。
bは周期3で場合分けして考えると見通しがいい、無限級数の問題です。似たような話は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。

 

大問2

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
アは、2点間の距離を求めるだけなので、教科書レベルと言え、解けます。
イ~キは、ベクトルと平面の交点の話です。似たような話は、Focus Goldあたりには載っているので、経験があると見通しがいいでしょうし、初見でも普通に考えれば解けます。
ク~チは、切り口がドーナツ型になる、体積を求める問題です。類題はFocus Goldあたりには載っているので、解けます。
ツ~ノは三角形OABの外心の座標と半径を求める問題です。外心を求める問題は、教科書の三角比のところに載っていますが、本問では正三角形なので、重心と考えたほうが速いです。

ハは傾きを考えればわかります。
ヒ、フ、ヘは図形的に考えれば、簡単な計算で出ます。
ホ~ヤは2点間の距離の式を立てれば出ます。
ユ、ヨは、切り口の断面積がわかるので、積分すれば体積が求まります。このあたりの体積を求める問題も、部分的にはFocus Goldあたりには載っている技法で行けるので、しっかり勉強しておきたいです。

大問3

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
教科書レベル整式の割り算なので、解けます。

(2)
数学的帰納法と問題文に書いてありますが、意外に難しいと思います。n=0を書いて、n=kと仮定し、何行か書けた、くらいが多くの合格者のレベルだったと思います。

(3)、(4)
難しいと思います。ただ、このような問題は、上の問題の結果を使うのではないか?と考え、(2)の結果からわかることを書き、なるべく部分点を狙いたいです。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 順天堂大学医学部の数学は、大問3問、大問1は小問集。試験時間70分です。

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの順天堂大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ただ、Focus Goldやチャート式のような網羅系参考書は、私大マーク型から国立記述型まで、様々な問題が載っており、順天堂大学医学部のように、両方が出題される場合、また、他大学の医学部と併願する場合、ほぼ全問解けるようにする、ということになるかもしれません。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、順天堂大学医学部レベルの成績になっているはずです。
 順天堂大学医学部対策としては、上記で標準レベルの模試で合格レベルに達していることを前提に、先述のように、独特の誘導形式の問題が出るので、まずは、過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組み、誘導に慣れる練習をしたいです。その他、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題で、頻出標準問題に取り組み、Focus Goldでマスターした技法の使いこなし方を学ぶといいでしょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 そして、くり返しになりますが、本番直前にも、順天堂大学医学部特有の独特の誘導形式に乗る感覚を確認しましょう。

 2023年は上記のように、大問1、2は完答が狙え、大問3は(1)が簡単、(2)で部分点、というところかと思います。ある予備校によると、目標は60~65%か、とのことです。このような方針で、70%ほどになります。

 

 

2022年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

大問1

(1)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はA。
関数f(x)=(ex-e-x)/(ex+e-x)を巡る問題です。
(a)は、f(a)に対し、f(-a)とf(2a)を求めるのは簡単なので解けます。
(b)は、ほぼ微分するだけなので解けます。
(c)は、f(x)についての2次方程式に帰着させるだけなので、解けます。

(2)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はA。
全体として、3枚のコインの表裏についての、条件付き確率の問題です。
教科書の公式通りに求めるだけですが、私大医学部では条件付き確率は頻出で、教科書やFocus Gold(章末にはまずまずの問題が載っている)あたりでは、ちょっと弱い分野なので、対策をしましょう。

(3)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
順天堂大学医学部でありがちな整関数、整式の問題です。本年は置き換えて3次方程式に帰着させます。普通に誘導に乗ればいいだけなので、解けます。

 

大問2

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
順天堂大学医学部でありがちな整関数の問題です。大問1(3)と雰囲気は似ています。
(a)は、g(x)が偶関数であることと、「負の面積」という理解と、解と係数の関係を使うことを考えられれば解けます。
(b)は、h(x)のx4とx3の係数から、(x+1)4の展開を考え、問題文の条件Aを使えば解けます。
(c)は、(a)(b)を誘導と見て、同じようにやれば解けます。
ただ、本問は、類題がそのままFocus Goldあたりに載っているわけではないので、順天堂大学医学部にありがちな、素直に誘導に乗る姿勢が大切です。

 

大問3

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はC。
四面体OABCについての空間ベクトルの問題です。

(1)
点Pが底面ABC上にあるための条件を求める問題です。
教科書に載っている空間ベクトルの共面条件、かつ、三角形の周及び内部にある条件、なので、解けます。

(2)
点Pが四面体の内部にあり、直線OPと面ABCの交点をDとした時に、ODベクトルを求める問題です。OPDが同一直線上にあるのでk倍と置き、DがABC上にあるので係数を足して1なのでkが定まる問題は、Focus Goldあたりの有名問題なので、解けます。

(3)
点Pが四面体の内部にあり、直線APと面OBCの交点をEとした時に、OEベクトルを求める問題です。OPEが同一直線上にあるのでl倍と置き、EがOBC上にあるのでOAベクトル成分が0という問題は、Focus Goldあたりには載っており、解けます。

(4)
点Pが四面体の内接球の中心である時の問題です。
このような問題は、上の小問が誘導であることが多いことに注意しましょう。(2)(3)の結論、考え方を使うと、三角形の相似から内接球の半径が求まり、OPベクトルが求まります。ただ、(4)はできなくても合格点かな、と思います。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 教科書レベルか、チャート式や『Focus Gold』あたりに似たような話が載っているか、問題の誘導に素直に乗ることが求められるだけの問題がほとんどです。特に、2022年は誘導に乗る問題が多く、特に順天堂大学医学部の過去問演習が大切だったと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2021年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はA。
複素数の絶対値、偏角、原点中心回転、原点以外の点中心の回転、軌跡という、ほぼ、教科書レベルの出題で、完答できます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
ゴリゴリ定積分の計算や、積分で面積を求めに行くだけの問題で、完答できます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
「データの分析」から、平均値、分散などが出題されました。慶應医学部も2021年、長年の確率漸化式に代わって、「データの分析」が出題されました。もちろん、医師に必要な資質、ということなのでしょう。
全体として、平均値、分散について教科書レベルの式を立て、少しだけ考えたり、問題を読んで式を立てたりする程度の問題なので、完答できます。

(4)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
(a)はチャート式やFocus Gold(啓林館)などの2次関数のところに載っている2変数関数の最小値の考え方で完答できます。平方完成しましょう。
(b)は置き換えて、教科書などに載っている線形計画法の話に帰着させたりすると解けますが、実戦的には難しいでしょう。
(a)だけ解ければ合格点だと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。

(a)
正五角形で相似や三角比を駆使する問題です。特に私大のマーク型ではよく出ると思います。チャート式やFocus Gold(啓林館)などには似たような話が載っており、解けます。

(b)
(a)の正五角形を底面とする正五角錐の問題です。冷静に三平方の定理や三角比を駆使すれば解けます。

(c)
正二十面体の外接球の半径を求める問題です。これも冷静に三角比を駆使すれば解けます。
完答しましょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
整数問題で問題文で式が定義される、非定形の問題です。

(1)
問題文で定義される式に対し、具体的な数字が与えられている問題です。問題文に当てはめて、正解したいです。

(2)
証明問題です。言われれば難しくないですが、実戦的には難しいと思います。

(3)
合格者もあまりできていないのではないでしょうか。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 大問1(4)、大問(2)、(3)以外は、教科書やチャート式や『Focus Gold』(啓林館)あたりに似たような話が載っているか、問題文にしたがって具体的数値を当てはめる問題なので、完答することができます。

 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2020年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
ベクトルで入試でよく使う技法を使う問題です。同一直線上にあるのでk倍と置く。直線上にあるので係数を足すと1になる。などなので完答できます。

(2)
『大学の数学』誌(東京出版)の難易度はC。
展開図を与えられている三角錐の問題です。
おおむね、三角比を使えば解けます。1箇所、頂点から底面への垂線の足が底面の外接円の中心になったいることを使います。しかしこれは、数研出版の教科書の三角比のところには問題が載っています。したがって、十分、完答もできます。

(3)
『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
円の周りを円が滑らず回転するとき、点が描く曲線についての問題です。似たような問題はFocus Gold(啓林館)の微積分のところに載っています。同じように考えれば完答できます。極座標や曲線の長さについても問われていますが、教科書レベルです。

 

大問2

『大学の数学』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
回転体(円錐)の体積や側面積を求める問題です。問題に、体積をt(最初に求める)で微分すると側面積になることが書かれています。これが(2)の誘導になります。

(2)
(1)の考え方を使い、回転体の体積から表面積を求める問題です。最後の問題で(1)の考え方を使うのですが、これが意外に理解が難しいかもしれません。順天堂大学医学部独特の誘導です。

(3)
xy平面上の円をx軸中心に回転させた円の体積から、(1)の考え方で表面積を求める問題です。体積を求めるには「パップス・ギュルダンの定理」という、有名な裏技があります。ここで表面積を求めるのは、(2)よりはかなり理解しやすいと思います。

 

大問3

『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。

(1)
ほぼ同じような問題がFocus Gold(啓林館)などには載っており、完答できます。

(2)
点から曲線に引ける接線の本数を求めるという、超有名問題で、当然、Focus Gold(啓林館)などには載っており、完答できます。(1)は、本問でグラフを書く際の誘導です。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 上記のように、数研出版の教科書とFocus Gold(啓林館)をマスターし、少し入試標準問題に慣れるくらいで、大問2(2)の最後の問題以外は解けます。ただし、順天堂大学医学部は、独特の誘導が特徴的なので、過去問を多くこなし、誘導に乗る練習をしましょう。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2019年 順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『大学への数学』5月号の難易度はB。
複素数平面の問題です。
(a)
複素数Zの大きさが1ならば「Zバー=1/Z」は、Focus Gold(啓林館)では、Focus(解き方のコツの欄)で、複数回強調されています。
z7=1なので、z6+z5+…+1=0といった流れが出てくる問題もFocus Gold(啓林館)には複数あります。
特に私大では、常に頭に入れておきたいです。
wとwバーの和と積を求めさせているので、解と係数の関係を使うのもいいでしょう。
実部どうし、虚部どうしを比べるのも、複素数の基本中の基本です。
(b)
前半はゴリゴリ計算するだけで正解できます。
後半は正三角形なので、±60°回転、というのは、少し複素数平面を勉強していれば解けます。

(2)
『大学への数学』5月号の難易度はB。

場合の数の問題です。
必要条件、十分条件を理解していない人は、教科書を読んで根本から理解しましょう。
少し遡れば、包含関係から解説しています。
○桁の整数を作る、といった問題は、Focus Gold(啓林館)あたりには、やや複雑なものも載っています。
同じようにすれば解けます。
最後は、辞書的配列の問題で、Focus Gold(啓林館)あたりには類題が載っていて解けます。

(3)
『大学への数学』5月号の難易度はB。
媒介変数表示された図形の面積を積分で求める問題です。

基本形は数Ⅲの教科書に載っていますし、類題はFocus Gold(啓林館)あたりに載っていて解けます。

 

大問2

『大学への数学』5月号の難易度はC。
漸化式の問題です。
(1)
特性方程式で解く2項間漸化式で、教科書に載っていて解けます。
(2)
漸化式で実際にn=1,2,3…とやってみるのは教科書にも載っていますし、よくわからない問題で実際にn=1,2,3…とやってみるのは、入試ではよく使う技法です。解けます。
(3)
チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには数値が違うくらいの問題が載っている分数型の漸化式で解けます。
(4)
ちょっと難しいと思います。
ただ、本問も、具体的にやってみて必要性から絞り込む、という技法は大学受験数学では、ある話です。

 

大問3

『大学への数学』5月号の難易度はC。
整数問題です。
(1)
教科書にも載っているレベルのユークリッドの互除法を使って最大公約数を求める問題で解けます。
(2)
ユークリッドの互除法の互除法に関する証明問題です。
整数で「約数」という文言を見たら、a=ca’などと置くのはよくある技法で、教科書にも載っています。
本問もそれで簡単に解けます。
(3)
ちょっと難しいと思います。
ただ、Focus Gold(啓林館)の「コラム」には、ほとんど同じ設定の問題が載っています。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大問2(4)、大問3(4)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2018年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
円の問題。普通にやれば完答できます。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
教科書に書いてあるような最小公倍数、最大公約数の問題と合同式を理解して、素直に誘導に乗って前の問題で求めたものを使う姿勢があれば完答できます。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
本問の糸を巻き付けてほどいていくような設定の問題は、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集には載っています。
それよりも本問の誘導は親切です。
微積分の弧長の部分は教科書レベルでしょう。完答できます。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
確率の問題。

2連勝すると優勝なので、2回の試行を1セットで考えると良い問題は入試でもよく見ます。
(3)の途中くらいまでは解きたいです。
ただし、先に(4)を見ると、(1)~(3)までも同様に解けば、かなり簡単に解けることに気づくと思います。
先に(4)を見ないといけないとは、ちょっと意地が悪いヒントですね。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
三角形の重心、外心をベクトルで考える問題。

(1)
教科書レベルで解けます。
(2)
1つ基準になる点を決めて(終点-始点)で変形すれば解決する問題は、『Focus Gold』(啓林館)あたりには何問も出てきますね。解けます。
(3)
(2)の結果を用いて素直に式を立てれば解けます。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

上記のようにB問題完答、C問題部分点という方針で、合格点を取れると思います。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、受験標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2017年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
有名な3項間漸化式に定数項がついて、ひとひねりある形です。
本問のような誘導は入試標準問題集ではよくある話ですし、日頃から、特性方程式を丸覚えするのではなく、なぜそのような特性方程式になるのかの過程を知ろうという姿勢があると、さらにこの誘導にスムーズに乗れ、解けます。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
直線y=x周りの回転体の体積の問題。
数研出版の教科書にも載っている有名な話で、解けます。
一応、公式もあります

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
複素数平面の問題。

複素数のかけ算などを複素数平面上で図形的に読み取ることができると、かなり計算量を減らして、完答も狙えると思います。

(4)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ベクトルと微分の融合問題。接するときを考えるのは直観的にわかるでしょう。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
題意をつかめなかった人もいたかもしれません。
『入試の軌跡』誌のレポートでは、大問2をほぼできなかった人が正規合格しています。
題意を把握できると、それほど難しくないと思います。

楕円は円を拡大縮小して考えるとうまくいくことが多いですね。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数学的帰納法と積分の問題。
(1)

ふつうにあてはめてやれば解けると思います。
(2)
「kは自然数」という問題文から、帰納法かな、と思いたいです。
仮定するときに一工夫必要かもしれません。
(3)
前問までを誘導と見て、結論を使っても正解できますし、区分求積法でも正解できます。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

大問2の評価が難しいところですが、大問2を除いても、B問題完答、C問題部分点で合格点に達したようです。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
場合の数の問題。
立方体に色を塗る問題は、基本形は『Focus Gold』(啓林館)には載っていて、途中までは解けます。
後ろのほうは難しいかもしれません。
論述式の入試では出題されにくいと思いますが、私大医学部など数値だけを答える問題の場合は出題が予想されるので、対策をしておきましょう。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
図形と数列と極限の融合問題。

状況を把握できれば完答できるでしょう。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
数Ⅱの微分積分の問題。

途中、いかにも三次方程式の解と係数の関係の形をした式が出てきます。
その後の絶対値つき定積分は、与式と問題文の誘導の意味を理解できればあっさり出ますが、ゴリゴリ計算しても解けます。
難易度Bですが、完答が楽かというと、微妙なところのような気がします。

(4)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数Ⅱの微分の問題。
与えられた条件から4次関数の係数と最大値をとる区間を定めるわけですが、理解のもとにゴリゴリやれば完答も狙えると思います。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
正二十面体の体積を求める問題。

最初の正五角形の話は教科書準拠問題集などにも載っている有名な話ですが、本問は誘導が親切です。
その後は三角比や三平方の定理をゴリゴリ使うだけです。
B問題ですが、完答は実戦的には大変かもしれません。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、図形問題は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
不等式の証明の問題。

(1)
数研出版の教科書には全く同じ問題(文字はabですが)が載っていて解けます。
(2)
ちょっとがんばって証明したいところです。
(3)(4)
実戦的にはちょっと大変かもしれません。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「ボーダーは昨年よりもさらに下がるでしょう」というコメントがあります。
B問題で完答に近い点数を取り、C問題の取り組みやすい問題で部分点を集めれば、十分合格点に達すると思います。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで入試によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2015年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
2図形の交点を通る図形の方程式の問題。
基本形は教科書にも載っています。
本問は3次曲線も出てきますが、根本から理解していれば解けます。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
円錐を傾けたときに残る水の量を求める問題。
途中、xyz座標空間上の円錐の方程式を問われます。
問題文でかなりのヒントが与えられています。
『Focus Gold』では、積分の体積のところでxyz座標空間上の図形の方程式を扱います。
結局、方程式が満たすxyzの値を座標空間に点を打ったものが図形、という基本的な理解ができていれば解けます。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
問題文にしたがってyについて解いてtで微分すれば正解できます。

(4)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
ベクトルの問題。

見た目簡単そうですが、そうでもありません。
内積の式を2つ使えるのでAD=sAB+tACと2文字使っても大丈夫な問題は、『Focus Gold』あたりには載っています。
あとは「ベクトルの大きさは2乗する」でADの長さは正解できます。
sinの値は少し難しいですが、最悪、穴埋めの形で勘で15°かな、と思いたいです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数Ⅱの微積分の問題。
ただ、真面目に数Ⅲの教科書の楕円あたりに出てくる(軌跡と同じ話)、xy平面上の図形の拡大縮小の話に持ち込むと、かなり大変ですが、「3次関数は変曲点に関して対称」を使うと、わりと楽に完答できると思います。
最初に変曲点を求めさせ、その後も変曲点を語っていることからも、そのような出題意図ではないかと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
(1)
簡潔に説明すればいいのではないでしょうか。
(2)
大問2で述べたように、xy平面上の図形の拡大縮小の話は数Ⅲの教科書の楕円あたりに出てくるので正解できます。
(3)

前半は連立して解くだけで正解できます。
根号の中の符号で場合分けしましょう。
後半も連立してゴリゴリやってもいいですし、拡大縮小から考察しても正解できます。
(4)
(3)までは誘導なのでしょうが、普通に連立して重解条件から考察して解けます。
途中の処理で、少し現場での思考を必要とすると思いますが、この程度の考察は処理したいところです。
完答に近い点数がほしいです。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

理論上は教科書の根本的な理解と『Focus Gold』あたりの演習で、時間さえ許せば満点も取れそうですが、数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問1の穴埋めの一つ一つが重たく」「大問2の問題文が難解で内容も易しくない」というコメントがあります。
B問題で完答に近い点数を取り、C問題の取り組みやすい問題で部分点を集めれば、十分合格点に達すると思います。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2024】近畿大学医学部数学(前期) 難易度と傾向と対策:Focus Gold+私大医学部過去問で合格へ

 

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東大・医学部受験の数学の勉強法

東京慈恵会医科大学医学部数学

日本医科大学医学部数学

 

【2024】近畿大学医学部数学(前期) 難易度と傾向と対策:Focus Gold+私大医学部過去問で合格へ

 

 

近畿大学医学部入試における数学の重要性

 近畿大学医学部の数学の配点は、100/400です。まあ、英語や理科1科目ずつと比べてどうかというと、同じ配点なので、見た目上は均等と言えるかもしれません。
 しかし、数学の特殊性として、問題数が少なく、1問の配点が高い、ということがあります。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、かなり最初の方で引っかかり、低得点だと、ハイレベルな勝負となる医学部入試ですから、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、近畿大学医学部入試における数学の重要性がわかると思います。

 

近畿大学医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 近畿大学医学部の数学の入試も、大問ごとに、難易度に波が大きいことも多いです。当サイトでは、それを客観化するために、月刊『大学への数学』誌の難易度のランクづけを付記しています。
 難易度Cの問題は、東大理系の合格者平均あたりの人でも、完答はできないことが多いです。そのような問題で、途中で行き詰まった時に、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2024年近畿大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
全体として、数2の「図形と方程式」がメインの問題です。

(1)
前半は2点間の距離を求めるだけで、教科書基本レベルと言え、解けます。
後半は直線OAとx軸のなす角を求める問題です。有名角なので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
2つの円周上の点P、Qのy座標p,qについて、q-pのとりうる値の範囲を求める問題です。
y座標だけ考えればいいので、図でも書けば簡単に解けます。

(3)
線分PQの長さのとりうる値の範囲を求める問題です。
円は中心が大切です。球については、Focus Goldあたりにはこのような問題が載っています。中心距離に半径をたしたり、ひいたりすればいいので解けます。

(4)
線分PQが通りうる領域の面積を求める問題です。
領域自体は、図を書けば簡単にわかります。このような図形を分割して扇形が出てくるのは、割とよくある話です。台形部分は、下は求めやすく、上は下と合同です。したがって解けます。

(5)
2ベクトルOAとPQのなす角βのtanのとりうる値の範囲を求める問題です。
図で考えると、PQが2円の共通接線になるときを考察することはわかると思います。このような状況で、中心から接点に半径が引いてある図は、教科書の平面図形のところに載っています。その2つの三角形が相似だということはいいでしょう。この相似は、ごく基本的ですし、近畿大学医学部では平面図形がよく出ています。したがって解けます。

(6)
直線PQの傾きの最大値を求める問題です。
本問もPQが2円の共通接線になるときを考察することはわかると思います。あとは、(1)後半と(5)の誘導、強化書レベルの傾きとtanの関係、を考えると、tanの加法定理に持ち込めば良さそうだということもわかります。したがって解けます。
難易度Cですが、十分、完答も狙えたと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
全体として、数列の問題です。

第n項がルートnにガウス記号がついているという、定型的ではない問題です。

(1)
第何項が何かを求める問題です。具体的にやってみるだけの問題なので、解けます。

(2)
(ⅰ)
この数列の和を考える問題です。
全くわかりませんが、整数や数列のように、とびとびの値しか取らない(離散的といいます)問題の場合、具体的にやってみることが大切です。しかも本問は論述式ではないので、多少、論理的に怪しくても、答さえ出ればいいわけです。そして、具体的にやってみると、法則性が見つかるので、(1)の結論と合わせ、解けます。
(ⅱ)
2024項までの和の最大の素因数を求める問題です。
愚直に求めて素因数分解すれば解けますが、少し工夫すると、計算が楽になります。
(ⅲ)
和が2024を超える最小の自然数nを求める問題です。つまり、第何項までの和で初めて2024を超えるか、ということですね。
Focus Goldあたりの数列で、nは自然数なので、二次不等式を真面目に解かず、だいたいの解のアタリをつける、という考え方があります。本問も同様で、(ⅰ)(ⅱ)を通して、本問の解がどの程度だろう、とアタリをつけることが大切だったかと思います。

(3)
新たに数列{bn}が定義されました。
(ⅰ)
b10とb100を求める問題です。具体的にやってみるだけなので解けます。
(ⅱ)
1≦n≦100においてbn>0を満たす自然数nの個数を求める問題です。
全く難しくないのですが、上記のように、具体的にやってみることが大切です。すると、論理的にはともかく、規則性が見つかるはずです。本問は論述式ではないので、それで解けます。
(ⅲ)
数列{bn}を初項から第100項まで足す問題です。
たとえば(ⅱ)から、簡単な等差数列の和に帰着されることがわかり、また論述式ではないので、解けます。
ややきつい問題もありますが、上記のような考え方で、完答も可能かと思います。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
全体として、対数が題材の問題です。

(1)
log161024を簡単にする問題です。
教科書よりは少しだけ数字が大きいですが、やることは教科書レベルと言え、解けます。

(2)
ごく簡単な対数方程式をの問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(3)
対数と二次関数の融合問題の最小値を求める問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(4)
見た目、複雑そうな対数不等式の問題です。
ただ、やること自体の枠組みはFocus Goldあたりのレベルで、底をそろえると、普通の二次不等式に帰着されるので、解けます。

(5)
前半は、対数を含む関数の最小値を求める問題です。
見た目複雑そうですが、底をそろえて整理すると、ひと目、相加相乗平均を使う形になります。したがって解けます。
後半は、例の、桁数、最高位の数字を求める問題です。
教科書、Focus Goldあたりには載っているので解けます。
完答しましょう。

 

近畿大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 近畿大学医学部の数学は、大問3問、試験時間60分です。医学部としては、数3からの出題がないのが特徴的です。2024年は出なかったと言えますが、平面図形がよく出ている傾向があります。2024年第1問も、「図形と方程式」にふさわしく、図形的考察が要求されました。

 2024年の難易度はCCBでした。ただ、上記のように、理論上は大問2の一部以外は、わりと簡単に解けそうでした。ただ、60分という試験時間がボトルネックになるかもしれないいう傾向があります。
 まあ、時間が十分にあったとして、2024年の出題で上記のような点数を取るには、教科書を理解し、Focus Goldを網羅し、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。近畿大学医学部の場合、マーク式なので、論述式に比べ、ひねったような出題で勝負が分かれる傾向があると思います。それに対応するためには、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問による対策が適切だと考えます。ただし、あくまで、ベースは、教科書、Focus Goldです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

近畿大学医学部数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの近畿大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、近畿大学医学部レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなすといいでしょう。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、Focus Goldや似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年近畿大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
袋からサイコロを取り出して投げる確率の問題です。

(1)
得点が0、1、4になる確率の問題です。
大学受験数学の確率の問題では、まず愚直に数え上げることが多いです。
0、1になる確率は、教科書よりやや複雑な程度の状況なので、解けます。
4になる確率も、枠組み自体は教科書~Focus Gold基礎レベルですが、数え上げから、やや複雑なので、少し大変ですが、解きたいです。

(2)
どちらも得点が1、4になる確率は、(1)の考察の過程を使えます。そうすると、まずまず見通しよく解けるでしょう。
最後は、Aの得点が0とわかっている時、Bの得点が0より大きい確率です。問題文だけ読むと、条件つき確率の例の式を使いそうですが、問題と「条件つき確率」を理解していると、実は、例の式は使わないことがわかります。Aの得点が0は当然(1)の考察を使えます。
やや厳しい部分もありますが、全体的に枠組みとしては教科書~Focus Gold基礎レベルなので、理論的には、完答も十分可能です。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
整数とデータの分析の融合問題です。

(1)
aから始まる連続するn個の整数の和が2023になるaとnの組み合わせを考える問題です。
(ⅰ)は全部で何通りあるかの問題です。愚直に等差数列の和の公式を使い、2023を素因数分解すると、整数の標準問題レベルに帰着されるので、解けます。ただし、整数は、Focus Goldあたりがやや弱いので、大学受験塾チーム番町では、整数問題集を配っております。
(ⅱ)はa、nがともに奇数になるのは何通りかの問題です。これも、整数問題に慣れていれば、愚直に書き出して、当てはまるものを解答する、ということで解けます。

(2)
(1)のn個の整数の平均値、分散、標準偏差を考える問題です。
(ⅰ)は平均値を求める問題です。(1)で和を求めているので、教科書通りnで割ればいいので、解けます。
(ⅱ)は分散を求める問題です。これも教科書通りに愚直にやってもいいですが、教科書に書いてある「データの変換」の話を使うと、1~nまでの分散と同じことだということがわかります。そうすると、計算量をかなり減らせます。時間との戦いは本質的なので、大切だったかもしれません。
(ⅲ)は分散の値が自然数になる時のnの値を小さい方から並べると、nが2023になるのは何番目か、という問題です。このあたりから、かなり整数問題に慣れていないと、厳しいかなという気がします。整数問題は、文字をたくさん使っても、うまくいくことが多いです

整数問題攻略の7つのポイント

(ⅳ)は標準偏差が自然数になる時の、小さい方から2つ目を求める問題です。このあたりも、かなり整数問題に慣れていないと、厳しいかなという気がします。
(2)の(ⅱ)あたりまで解きたいです。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
平面図形の問題です。

(1)
(ⅰ)~(ⅳ)は、この問題の四角形が、有名な直角三角形を組み合わせたものであることがわかると、中学生レベルの問題になります。したがって解けます。仮に気づかなくても、高校教科書レベルの余弦定理で解決できます。

(2)
本問四角形の面積の最大値を求め、その時の対角線の長さを求める問題です。
このような四角形の面積は、三角形に分割するのは、教科書の三角比のところに載っています。すると、対角がともに直角のときに最大になるのはいいと思います。以下はごく簡単な計算なので、解けます。
完答しましょう。

 

近畿大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2023年の難易度はBCBでした。上記のように、大問1,3は完答。大問2は(2)の(ⅱ)あたりまでは解けそうです。ただ、60分という試験時間がボトルネックになる可能性は十分にあると思います。
 まあ、時間が十分にあったとして、以上の問題を解くためには、教科書を理解し、Focus Goldを網羅し、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。近畿大学医学部の場合、マーク式なので、論述式に比べ、ひねったような出題で勝負が分かれることが考えられます。それに対応するためには、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問による対策が適切だと考えます。ただし、あくまで、ベースは、教科書、Focus Goldです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年近畿大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
近畿大学医学部でよく出ていた平面図形の問題です。

(1)
三平方の定理を使えばいいので、中学生でも解けます。

(2)
辺の長さや辺の比は、相似を使うと出ます。中学受験、高校受験の頃はできたかもしれませんが、大学受験では手薄になりがちかもしれません。近大医学部受験者は、過去問や、旧センター試験の過去問の平面図形セクションなどで、慣れるといいでしょう。最後の外接円の半径も、三平方の定理で出ます。

完答しましょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
感染症の感染モデルという、大学受験数学の参考書には載っていない、非定型的な問題です。

ただ、愚直に表でも書けば、解ける問題ではありました。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

(1)
積分(面積)で、2つの放物線が囲む面積が9になるように、aの値を定める問題です。
いわゆる1/6公式が使える形でもあります。愚直に面積を求めに行って、イコール9とやればいいので、枠組み自体は、教科書~Focus Gold基礎レベルと言え、解けます。

(2)
数2の「図形と方程式」の最後の方に載っている、領域と最大最小の問題です。
ただし、文字aを含むので、場合分けが必要です。この、場合分けが必要な問題が、Focus Goldには載っていません。一方で、入試にはわりと出題されており、入試問題集にも、わりと載っています。したがって、入試問題集で、類題を準備しておくのが望ましいです。ただし、医学部受験者なら、初見でも解けたいところではあります。塾長は、東大入試で、まあ、似たような問題が出て、初見で解きました。
最大、最小を取るときが、交点を通るときか、接するときか、で場合分けして考察することになります。
完答しましょう。

 

近畿大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2022年の難易度はBCBでした。上記のように、大問1,3は完答できる出題でした。大問2の感染モデルの問題は、非定型的な問題で、どこかの参考書などに載っていたわけではありません。ただ、愚直に表でも書けば正解できる問題でした。
 まあ、時間が十分にあったとして、以上の問題を解くためには、教科書を理解し、Focus Goldを網羅し、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。近畿大学医学部の場合、マーク式なので、論述式に比べ、ひねったような出題で勝負が分かれることが考えられます。それに対応するためには、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問による対策が適切だと考えます。ただし、あくまで、ベースは、教科書、Focus Goldです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【~2020】日本大学医学部数学

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

【2023】 日本大学医学部数学

 

【~2020】日本大学医学部数学

 

2020年日本大学医学部数学

 

大問1

(1)
2つの放物線の共有点は連立するだけで解けます。
共有点を通る直線の方程式は、数学2の教科書の「図形と方程式」に載っている、例の「k倍したものを足す」技法を使うと、時間を短縮できます。

(2)
3つのベン図のこのあたりの要素の個数を求める問題は、Focus Gold(啓林館)あたりには載っていて解けます。

(3)
与式は、数学1の教科書の「因数分解」に載っている「次数の低い文字について整理する」で因数分解できます。また、同じような式は、まさに「三角比」の「どのような三角形か」という問題でFocus Gold(啓林館)あたりには登場します。
あとは、文字を含みますが、3辺と1角がわかっていますから、余弦定理で求まります。

(4)
領域と最大最小の問題で、境界線が直線なので「線形計画法」と呼ばれる問題です。
基本形は教科書にも載っていて、もう少し複雑なものもFocus Gold(啓林館)あたりには載っていて、解けます。

 

大問2

(1)
ベクトルの内積は教科書レベル。ベクトルの大きさは2乗せよ。解けます。

(2)
角度がx/2とxなので、ややとまどうかもしれませんが、xと2xだったら、教科書レベルの倍角の公式を使う問題ですね。解けます。

(3)
与式が方程式x3=-1の虚数解の1つということが見えていれば、見通しもよく、時間を短縮できます。
そうでなくてもゴリゴリ計算すれば正解できます。

(4)
整数問題で「素数」という文言を見たときに、思い浮かべるべきことがいくつかあります。

大学入試数学 整数問題を見たときになにを考えればいいか?

本問は
・その素数をpとする。
 (整数)×(整数)=pと変形できたら、積の組み合わせの可能性は
 (1,p),(p,1),(-1,-p),(-p,-1)
 のみである。
という技法で解決します。
この技法もFocus Gold(啓林館)あたりには載っていて解けます。

 

大問3

確率の問題です。
教科書にも、反復試行のところに「○○がx回だから△△は50-x回」といった問題は載っています。
それを、ほんのちょっとだけ複雑にしただけの問題なので解けます。

 

大問4

微分の問題です。

(1)
微分するだけで正解できます。

(2)
区間1/2≦x≦1でf’(x)<0は(1)の結果の分子からすぐにわかります。

(3)
2020年のセットで、唯一、詰まるとしたら本問でしょう。
ただし、特に数学3の微積分では、前の小問が誘導であることが多いことを踏まえ、与式を素直にp、qが単独になるように変形すると、誘導に乗れ、あっさり解けます。
そのような流れの問題もFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。

十分に完答も可能な出題です。

 

大問5

微積分の問題です。

(1)
微分して増減表を書くだけ正解できます。

(2)
変曲点を求めるのも、接線を求めるのも教科書レベルで正解できます。

(3)
この部分の面積を求めるのも、教科書レベルの組み合わせで正解できます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 上記のように、教科書を理解し、Focus Gold(啓林館)あたりで入試によく出る技法をマスターし、少し入試問題に慣れれば、満点を取れる出題でした。
 「医学部クラス」「医学部予備校」といったところに通っていて、合格点を取れない人は、勉強のしかたを考え直したほうがいいでしょう。

 

 

2019年日本大学医学部数学

 

大問1

(1)
見た目複雑な平方根の計算ですが、素直にやっていくと、a2-b2の形になったり、意外と面倒くさくなく、平方根を習い終えた中学3年生でも正解できます。

(2)
Focus Goldあたりの数学1の最初の方に載っている技法を使う方程式なので、解けます。

(3)
袋から白玉と赤玉を取り出す教科書レベルの問題なので、解けます。

(4)
両辺の底が異なる対数不等式です。底の変換公式を使います。このレベルはFocus Goldあたりには載っており、解けます。

 

大問2

(1)
楕円と直線が異なる2交点を持つ条件という、教科書レベルの問題なので、解けます。

(2)
前半は、数列の第n項までの和Snをnの式で表していて、教科書に載っています。それを求めた後、平方完成して二次関数の最小値に帰着させるだけなので、解けます。

(3)
数3の教科書に載っている、分母がゼロに近づくのに、定数に収束する極限の問題なので、解けます。

(4)
前半は、放物線が囲む面積で、1/6公式であっさり解けます。後半は、その放物線の2交点を通る直線を求める問題ですが、数2の「図形と方程式」に出てくる、一方をk倍して足した式が、2交点を通る図形の方程式を表し、k=-1のとき直線になることを使うと、あっさり解けます。

 

大問3

(1)
ADの長さは三平方の定理をゴリゴリ使えば、中学3年生でも解けます。次の内接円の半径も、三角比のところに載っている、三角形の面積と内接円の半径の関係を使うだけなので解けます。

(2)
円外の点から円に引いた接線の長さは等しい、などを使い、分かっている長さを使ってゴリゴリやれば解けます。

(3)
言われれば全く難しくありませんが、実戦的にはちょっと難しいかもしれません。

 

大問4

(1)
曲線の接線の方程式を求める、関数が少し複雑なだけで、教科書レベルの問題なので解けます。

(2)
問題文の曲線と直線の交点をすべて求める問題です。連立した方程式が無理方程式になるので、2乗する時に同値性が崩れますが、その扱いも教科書に載っており、解けます。

(3)
(2)の曲線と直線の囲む面積を求める問題です。どちらが上かわからないですが、上に凸、下に凸を調べるために曲線を2回微分するのは教科書レベルなので解けます。

 

大問5

(1)
1辺2角が与えられているので正弦定理、というのは、教科書にも書いてあるので、式がやや複雑ですが、解けます。

(2)
cosθをxで表し、その最大値を求める問題です。ベクトルでcosθを求める問題は教科書にも載っているので、計算がやや複雑ですが、解けます。後半は有名角で合成できない三角関数の最大値の話になり、Focus Goldに載っており、解けます。2018年に引き続き、よく出ますね。

(3)
ベクトルを使って面積を求めるのは教科書にも載っているので解けます。その後の最小値は、言われれば全く難しくありませんが、あまり見ない置き換えなので、類題の経験があったかどうかでしょう。ただ、本問が解けなくても、他の問題を解き切れば、十分、他の受験生に差をつけることができるでしょう。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

日大医学部は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くも狙えるような出題のことが多いです。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。

 

2018年日本大学医学部数学

 

大問1

(1)
2次関数にa、bが含まれ、定義域、値域が与えられ、a、bを定める問題です。解き方だけなら、高校入試でも出題されそなので正解できます。Focus Goldあたりにも、似たような問題は載っています。

(2)
実数係数a、bを含む3次方程式の1解が与えられている時、a、bを定める問題です。教科書に載っており、解けます。

(3)
立方体の辺の内分点を3頂点とする三角形の面積を求める問題です。三平方の定理を使うだけで、高校入試でも出題されそうなので、解けます。

(4)
さいころを3回投げて作った3桁の自然数が、4の倍数になる確率、4の倍数かつ9の倍数になる確率を求める問題です。丁寧に数え上げるだけで、(倍数の判定法さえ知っていれば)やはり、高校入試でも出題されそうな問題で、解けます。

 

大問2

(1)
円上の点をθで媒介変数表示して有名角で合成できない三角関数の最大値に帰着させれば解けます。部分部分の技法は、教科書やFocus Goldあたりに載っています。

(2)
Focus Goldあたりに類題が載っている指数方程式なので、解けます。

(3)
ベクトルを使うと楽です。Focus Goldあたりには、角の二等分線の性質を使うベクトルの問題が載っていますし、「垂線」を引くのだから、内積0を使えば解けます。

(4)
表現はやや珍しいですが、つまり、Focus Goldあたりに載っている、分数型の漸化式であり、しかも、逆数を取るところまで親切に誘導がついており、解けます。

 

大問3

(1)
楕円上の点Pを含む3点を3頂点とする三角形の面積の最大値の問題です。大問2(1)と同様に、θで媒介変数表示して、有名角で合成できない三角関数の最大値に帰着させます。大問2(1)と同様に、部分部分の技法は、教科書やFocus Goldあたりに載おり、解けます。

(2)
楕円外の点から楕円に引いた接線を求める問題です。似たような問題は、教科書、Focus Goldあたりのいたるところに載っており、解けます。

(3)
点Pが楕円上を1周する時、三角形ABPの周および内部は通る領域の面積を求める問題です。(2)の接線は本問の誘導になります。領域を面積が求まりそうに分割すれば解けます。楕円の問題で、円との拡大・縮小関係を使うのは頻出です。

 

大問4

(1)
放物線とその接線が直交するときのy座標が常に定数であることを示す問題です。素直に接線を求め、直交条件を使い、y座標を求めに行けば、示せます。

(2)
接点と接線の交点を3頂点とする三角形の面積を求める問題です。大問3(1)と同様に、3点の座標が与えられている場合、1点を原点になるように平行移動し、教科書などに載っている公式を使うと、楽で、解けます。しかし、本年は、似たような技法を使う問題が多いですね。

(3)
(2)の三角形の最小値を求める問題です。(1)、(2)を使うと、明らかに相加相乗平均を使う形になり、解けます。

 

大問5

(1)
空間座標で、原点から、三角形ABCが定める平面におろした垂線の足の座標を求める問題です。ほぼ同じ問題は、Focus Goldあたりの空間ベクトルに載っており、解けます。

(2)
上記三角形ABCの辺および内部をZ軸回りに1回転させてできる立体を、平面z=aで切った切り口の面積を求める問題です。これは、Focus Goldあたりの積分の体積に載っている、切り口が、回転半径の最短距離を内周、最長距離を外周とする、ドーナツ型の図形になります。類題が有名なので、解けます。

(3)
(2)をすこしいじった式を積分するだけで、解けます。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 日大医学部は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点も狙えるような出題のことが多いです。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。

 

 

2017年日本大学医学部数学

 

大問1

(1)
2次方程式の解と係数の関係と対称式の融合問題で、Focus Goldあたりには類題が載っているので解けます。

(2)
連立不等式の一方が、教科書レベルの絶対値つき不等式であるだけなので、解けます。

(3)
内接四角形の1辺の長さを求める問題です。この余弦定理を2回使うのは、Focus Goldあたりには類題が載っているので解けます。

(4)
3直線が1点で交わるようにmの値を定める問題です。Focus Goldあたりには類題が載っているので解けます。

 

大問2

(1)
重複を含む数字から選んで整数を作る、5の倍数になる場合の数の問題です。Focus Goldあたりには類題が載っているので解けます。

(2)
誘導にある、sinx+cosx=tと置く三角関数の最大最小は、Focus Goldあたりには類題が載っています。その後は3次関数の最小値に帰着されるので、解けます。

(3)
ほぼ教科書レベルの指数方程式なので、解けます。最後の解に対数が含まれるのは、教科書を超えますが、Focus Goldあたりには載っています。

(4)
数列の和SnについてSn+1ーSn=an+1になる、といったことは教科書やFocus Goldあたりには載っています。それに加えFocus Goldあたりの漸化式を理解していれば、何をすればよいかわかり、解けます。

 

大問3

2円の上を点が動く問題です。

(1)
動点の距離の最小値と、その時の動点の座標を求める問題です。
記述式ではないので、2円の中心を結ぶ線分上に動点が来る場合があることを確かめればいいでしょう。あとは簡単に解けます。

(2)
初めて(1)の状態になるのは何秒後かという問題です。
これも記述式ではないので、力技で求められます。

(3)
解説を読めば難しくありませんが、図形的考察が必要で、実戦的には大変でしょうし、解けなくても合格できるでしょう。

 

大問4

(1)
sin3の定積分です。教科書に載っていて解けます。

(2)
問題文がかなりゴチャゴチャしていますが、n=1の場合なので、まだ行けるでしょう。置換積分と(1)の結論を使えば解けます。

(3)
かなりゴチャゴチャしていますが、(2)と同じように置換すれば、意外と解けます。

(4)
単なる無限級数の問題で、ここまでくれば簡単に解けます。

 

大問5

(1)
媒介変数表示された曲線の長さを求める問題です。それ自体は教科書に載っていますが、最後、半角の公式を使って、長さを求められる形にするのがポイントでしょう。

(2)
このような「転がる」問題は、Focus Gold(啓林館)などには載っていて、本問はそれよりは簡単に解けます。

(3)
媒介変数表示された曲線のグラフを書く問題です。
似たような設定で、四行の増減表を書く問題は、Focus Gold(啓林館)などには載っていて解けます。
(3)まで完答しましょう。

 

日本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 日本大学医学部は、近年、Focus Goldあたりを勉強していれば、満点近くも狙えるような出題のことが多いです。合格点に足りない場合、医学部対策うんぬん以前に、教科書をしっかり理解して、ひたすらFocus Gold本文の問題を解けるようにしましょう。
 2017年も、大問3(3)以外は、Focus Goldのマスターで解ける問題でした。

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【~2019】慶應義塾大学医学部数学

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

2023慶應義塾大学医学部数学

2023東京慈恵会医科大学医学部数学

2023日本医科大学医学部数学

2023順天堂大学医学部数学

2023慶應義塾大学医学部英語

 

【~2019】慶應義塾大学医学部数学

 

2019年慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
本問のようにsin2θ、cos2θ、sinθcosθを含む形は、数研出版の教科書の章末問題やチャート式、Focus Gold(啓林館)の本文には載っています。
倍角と半角で2θにして合成します。
完答すべきです。

(2)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
袋から同色の玉を取り出す確率の問題です。
普通にやればできると思います。
完答すべきです。

(3)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
3点がつくる三角形の面積をベクトルで求める問題は数研出版の教科書の研究のところに載っています。

3点からの距離が等しい点を求める問題も数研出版の教科書の空間ベクトルのところに載っています。
本問は等距離について式を2本立てた上で文字を1文字にして、大きさ1の条件を使えば求まります。
完答すべきです。

大問2

『大学への数学』5月号の難易度はB。
確率漸化式の標準的な問題です。
ただし、途中、n+2とn+1とnではなく、nとn-1とn-2の関係が問われているので、根本からの理解ではなく、丸暗記していると間違える可能性もあると思います。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『大学への数学』5月号の難易度はD。
(1)
数Ⅲの曲線の放物線の方程式を求める問題です。
(2)
点Pが(1)の放物線上を動くときの、ベクトルで定まる点Qのx座標、y座標の取りうる値の範囲の問題です。
ゴリゴリ微分して増減表を書けば求まります。
(3)
(2)の曲線の弧長の問題です。
教科書にも載っている弧長の話を使えば求まります。
途中、p=tanθと置換するのは教科書にも載っています。
(4)
(2)の曲線と直線y=axの共有点の中点を求める問題です。
放物線と直線の中点を求めるのに解と係数の関係を使う問題は、Focus Gold(啓林館)あたりの図形と方程式のところには載っています。
本問も同じようにやれば求まりますが、このあたりから実戦的には大変でしょう。
(5)
(4)の中点に対し、ベクトルで定める点Nの軌跡を求める問題です。
(4)ができれば理論的には難しくないですが、実戦的には大変でしょう。

 

大問4

『大学への数学』5月号の難易度はD。
y軸に接する円に(0,-1),
(0,1)からy軸とは異なる接線を引いた問題です。
(1)
接線の傾きを求める問題です。
式が複雑ですが、教科書通り、点と直線の距離で求まります。
(2)
円の中心がx>0の領域で接線が作る三角形の内心になるための条件の問題です。
問題の設定から、理解は簡単です。
式は少し複雑です。
(3)
垂心は教科書通り、直線の方程式を連立すれば求まります。
点と直線の距離も教科書通りですが、式が複雑です。
(4)
点Pが楕円上にあるとき、内心はどんな2次曲線上にあるか、という問題です。
難しいと思います。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大問1、2は完答。理論上は大問3の(3)、大問4の(3)あたりまで解けそうです。
 それで他の受験生に十分差をつけることができたでしょうが、時間との戦いでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2018年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
対数不等式のよくあるような問題です。
真っ先に真数条件を吟味しましょう。
集合の⊂、区間の(-∞,4)の記号の意味も勉強しておけというメッセージでしょうか。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ベクトルの大きさを2乗するとなんとかなるのは教科書にも出てくる基本です。
大きさの最小値の問題も、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っているでしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はD。
kは2以上の自然数。赤玉と白玉が2k個ずつある。これらをすべて円周上に等間隔に並べる並べ方の総数をNKとしたときのN1、N2、N3
N1はすぐに出ます。
その後は難しいでしょう。
似たような問題は見たことがある人もいるかも知れませんが、実戦的には厳しいでしょう。
合格には(お)が正解できればいいのではないでしょうか。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式の標準的な問題です。
解く漸化式も『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っている類型のものです。
途中でネイピアの数を使う極限が問われています。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
三角関数と複素数平面。
sinxsin2xsin3xと積の形で、変形後の式も見すえて、積和で変形しようと思いつくでしょう。
しばらくは自然な流れです。
(け)でA=sinα+sinβ+sinγ、C=sinαsinβ+sinβsinγ+sinγsinαを見て、Bもcosの倍角公式でsinの式に変形して、(a+b+c)2の展開公式を使うことを思いつきたいです。
似たようなことは『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っています。
(こ)のΣも、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集の複素数平面のところにはまず載っているでしょう。
以下も誘導に乗ってゴリゴリやればできそうです。
最低でも(こ)ぐらいまでは正解したいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
媒介変数表示された曲線の微積分の問題。
完答の難易度はDかもしれませんが、(4)あたりまでは、普通に教科書と『Focus Gold』(啓林館)あたりを理解していればできそうです。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも、「6割程度で十分合格すると思われる」としています。
そして、上記のように、6割程度なら、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、受験標準問題演習をすれば大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2017年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
指数不等式。
置き換えると三次不等式になりますが、(置き換えた文字)>0、または、三次関数のグラフで考えれば大丈夫でしょう。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
普通に教科書にも出てくるA∪Bの話をすれば大丈夫でしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値記号がたくさんついた関数の問題。
与式のような式の問題は見たことがある人も多いでしょう。

具体的に最初からいくつかの値で絶対値を外してみて、状況を把握すれば解けると思います。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率、確率と漸化式の標準問題です。
個々の技法は、確率の入試標準問題でよく見るものばかりです。
最後の方は、『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っている「どの2つの○○も隣り合わない」(他の物の間と両端に入れる)の技法を知っていると、見通しがいいでしょう。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率の分野は、分野の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
楕円、極座標の問題です。

問題文に図形は「楕円」だと書いてあるので、そこから逆算して考えれば最初はできて、(1)はできるかもしれません。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
最後は積分の体積の問題です。
(あ)は、直観的に接するときだとわかると思います。
その後は難しいと思います。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問3大問4については、本学受験生といえど得点の上積みは容易ではない」としています。上記のように、大問1、大問2は完答、大問3,大問4は部分点、という方針で合格点に達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
場合の数の問題。

私大医学部の場合、数値だけ解答する問題では、論述式の問題とは傾向が異なる問題が出題されることがあります。
対策を怠らないようにしましょう。

大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、場合の数、確率の分野は、分野の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

(2)
不定方程式の問題。
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
解き方はいろいろあると思いますが、教科書や『Focus Gold』の似たような問題を参考にすれば解けるでしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つきの定積分の問題。
場合分けをします。
類題は『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っています。
たとえば、2017年に東京慈恵会医科大学でも出題されています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式、確率の問題。
個々の技法は入試標準問題集などではよくある話です。
本問は短答式なので、問題文で2mと2m-1で場合分けされていますが、他大で論述式だと、自分で場合分けすることが求められます。
上位国立大学ではよく見る話です。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
空間座標の問題。

円が出てくる問題は(rcosθ,rsinθ)などとおくとうまくいくのではないか、というのは検討すべきです。
途中、正四面体の4つ目の頂点を定める問題は、数研出版の教科書の空間ベクトルのところに載っています。
そのあたりまでできればいいのではないでしょうか。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数学Ⅲの微分の最後のほうに出てくる速度のような問題。

ただ、具体的なイメージはしにくく、「偏角」「原点からの距離」といった文言と、問題文で与えられた条件をもとにゴリゴリやっていくしかないのではないでしょうか。
(2)あたりまでできればいいのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「他科目が得意なら2完半でも十分合格するだろう」というコメントがあります。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。
 数学は大問ごとに難易度にかなり波があるのに対し、たとえば理科は標準レベルの教材をつぶせば、満点近く取れることも多いです。
この年のセットで2完半取れ、英語、理科が足りていないようなら、英語、理科を強化したほうが合格しやすいと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2015年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
対数不等式。
真っ先に真数条件を検討しましょう。
正解しましょう。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つき2次関数の最小値が一致するように文字定数の範囲を定める問題。

関数全体に絶対値がついていれば0以上であり、素直にもう一方の最小値を求めに行こうと思えば、なんとか正解できると思います。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
三角関数の最大値の問題。
見た目で積和でしょう。
その後、文字定数αが含まれるので少し抽象的ですが、そんなに難しい話にはならず、類題は『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
確率と漸化式の問題。
よくありそうな話なのですが、かなり複雑なので、実戦的には大変でしょう。
丁寧に図を書いて調べて、なるべく、完答に近いところまで正解したいです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数Ⅲの微積分の問題。
(1)
問題文にしたがってyについて解いて、変曲点なので2回微分して、積や指数が複雑なので、対数微分法だな、と思えば、完答できるでしょう。
(2)
本問のS(p,q)のような設定は、『Focus Gold』(啓林館)には類題が載っていますし、他大でもよく出ます。
(3)
対称式を置き換え→2次方程式の解と係数の関係→実数条件→2次方程式の解の配置という流れは頻出で、入試標準問題集などには載っていると思います。
本問は1/3乗なので、これを対称式と見られるかどうか、でしょうか。
なるべく、完答に近いところまで正解したいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
見た目、数列の問題のようですが、問題文にも「内積」とあるように、ベクトルをn次元に拡張した、と考えると、(1)は教科書にも出てくる「ベクトルの大きさを2乗するとなんとかなる」技法が使え、ベクトルと同じように考えれば正解できます。
(2)も(1)の誘導を使い、文字を惜しみなく使えば、できると思います。
上記を含め、題意を把握できれば、もう少し取れるのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「全体として半分程度は得点したいところ」というコメントがあります。
 その程度なら、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【~2017】東京慈恵会医科大学医学部数学

 

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2023慶應義塾大学医学部数学

2023東京慈恵会医科大学医学部数学

2023日本医科大学医学部数学

2023順天堂大学医学部数学

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【~2017】東京慈恵会医科大学医学部数学

 

 

2017年 東京慈恵会医科大学 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
確率の問題。
丁寧に数え上げるだけです。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
三角形に円が内接している問題。

内心から頂点に直線を引くのは教科書にもありますね。
あとはcosの値を使う、直角三角形に注目する、ことに気をつけてゴリゴリやれば出るのではないでしょうか。
内接円の半径を使った三角形の面積も教科書にありますね。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つき定積分の問題。
場合分けをします。
類題は『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っています。
たとえば、2016年に慶應医でも出題されています。

この手の場合分けする問題は、関数のグラフが区間の端っこで接している場合が多いですね。
本問でも必要な接線がとなりの直線そのものになっています。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
素数を含む整数問題。

「素数」という文言を見たときに、いくつかアプローチが浮かぶようにしておきましょう。
本問も、前半はありがちな流れだと思います。
ただ、数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「難し目」としており、部分点でいいでしょう。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
複素数平面上の正三角形の問題。
教科書にも載っている本問ではδ回りの回転の式を立てて、本問では回転を表す複素数がいわゆるωなので、ゴリゴリやれば出るかもしれません。
ただ、数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「難し目」としており、部分点でいいでしょう。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問1大問2を押さえた上で難し目の大問3大問4にどれだけ食いつけたかが勝負でしょう」とあります。上記のように、B問題完答、C問題部分点という方針で合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年 東京慈恵会医科大学 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率の問題。
丁寧に数え上げるだけです。
正解すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
複素数平面の問題。

教科書をしっかり理解し、『Focus Gold』(啓林館)あたりで複素数平面の図形がらみの問題で複素数を図形的に読み取る訓練をしていれば、解けるでしょう。
正解すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)

円がx軸に接しながらすべることなく回転する問題は、『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。
増減は微分して調べるだけです。
(2)
素直に法線の方程式を求めてy=0を代入し、教科書の図形と方程式のところにも載っている中点の求め方を使うだけです。
(3)
積分の面積の問題。
合同な三角形を移すとかなり式が簡単になることに気づけば、完答も狙えるでしょう。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
整数の不定方程式の問題。
いろいろ示し方はありそうですが、教科書や『Focus Gold』(啓林館)あたりの問題を参考にすれば示せるでしょう。
(2)
与式は、n→∞のときのyn/xnの平均という意味なので、直観的に答だけはわかるかもしれませんが、論理的で説得力のある答案を作るのはなかなか難しいと思います。
(2)は部分点狙いではないでしょうか。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題。
同一直線上にあるから係数を足して1、平面○○○上にあるから○ベクトルの成分はないから係数は0、基準になる点を決めて(終点-始点)で変形、など、『Focus Gold』(啓林館)あたりに出てくるベクトルの有名な解法を使えば解けます。
完答すべきです。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも、大問1と大問4を完答、大問2と大問3でできる限り部分点、という趣旨のコメントがあります。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2015年 東京慈恵会医科大学 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率の易しめの問題。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
四面体の頂点から底面に垂線を下ろし、体積を求める問題。
本問のように、垂線の足が底面の三角形の外心になっていて、正弦定理を使う問題は、数研出版の教科書には載っています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
数Ⅲの微積分の問題。
(1)
問題文にしたがって2回微分して、増減表とグラフを書きましょう。
(2)
積分で面積を求める問題。
本問はグラフの上下関係で面積を求める式が違ってくるので場合分けをします。
この程度の場合分けはよくある話なので慣れておきましょう。
(3)
(2)の面積の最小値を求める問題。
このような流れもよくあります。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
軌跡、領域の問題。
素直に式を立て、不等式なので、2乗するときに同値性を保つことに気をつければ、正解できるでしょう。
xに-x、yに-yを代入しても式が同じになるので、y軸対称、x軸対称になることを利用すると、手間が省けるでしょう。

(2)
(1)の領域内の格子点の個数と極限の問題。
格子点の個数の問題は、基本形は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
理論的には、それと同じように解けばいいですが、実戦的には大変かもしれません。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
空間座標の問題。
(1)
問題文の情報と内積0を使えばできると思います。
(2)
図形的考察というよりは、y-2x=kとでも置いて、xだけの式にして、2次方程式の解の実数条件に帰着させると正解できます。
取りうる値の範囲を求めるときに2次方程式の解の実数条件に帰着させる問題は、『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
できれば完答したいです。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問3大問4は、時間的に両方解き切るのは厳しい」「できるだけ部分点を稼ぐ姿勢が大切」というコメントがあります。B問題を完答し、C問題の取り組みやすい問題で部分点を集めれば、十分合格点に達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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東大数学 2019~

 

東大数学 2019~

 

2019年東京大学文系数学:年度別難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
座標平面上の面積1/3の三角形の問題。
理系第2問を少し親切にした問題です。
(1)
文字が多いですが、そもそも「qとrをpで表」すことを要求している問題なので、問題文を読んで式を立てて文字を消去すればできるでしょう。
変域を絞り込む部分も、たとえば、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)の二次関数には、似たような操作をする問題が載っています。
(2)
(1)さえできればあとは微分するだけです。
完答すべきです。

 

第2問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
問題文にベクトルが出てきますが、ベクトルの技法はあまり使いません。
東大はセンター試験で問われるようなベクトルの問題(終点-始点で変形、直線○○上にあるから係数を足して1になる、ベクトルの大きさは2乗する、など)はほとんど出ませんね。
(1)
問題文の条件を淡々と教科書レベルの式にして、題意を把握して、積分して面積を求めれば出ます。
(2)
x軸正の部分と線分OPのなす角がθなので、放物線と原点を通る直線が接する直線の傾きの範囲の話に帰着されます。
完答すべきです。

 

第3問

正八角形の頂点を点Pが動く確率の問題。
正六角形あたりなら、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりにも載っています。
(1)も(2)も丁寧に場合分けすればできるでしょう。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

第4問

問題文にはベクトルが出てきますが、第2問でも述べたように、東大はセンターで問われるようなベクトルの問題はほとんど出ません。
(1)
領域を図示する問題。
絶対値つきのこの領域は、他大でもよく出ます。
真面目にx,yの正負で場合分けをしてもそこまで大変ではありませんが、xに-xを代入しても同じ式なのでy軸対称、yに-yを代入しても同じ式なのでx軸対称なので、第一象限だけ調べればいいということは理解しておきたいです。
ベクトルが表す領域Eについては、点Pを固定して考える技法などはFocus Gold(啓林館)あたりにも載っています。
(2)
直感的にはわかりそうですが、論理的に示せるかというと、少し難しいかもしれません。

 

東京大学文系数学の傾向と対策と勉強法

 予備校さんの評価も、全体として、難化、変化なしと評価が別れ、個々の問題の難易度も評価が別れています。
 私見を述べますと、発想を必要とするような問題はほとんどないので、教科書を理解し、Focus Goldあたりの技法をマスターし、入試問題に慣れれば、時間が許せば70点/80点満点ほどは取れそうな出題だと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2019年東京大学理系数学:年度別難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
定積分をするだけの問題。

この形をx=tanθと置換するのは基本形は教科書に載っています。
その他の部分も、教科書に載っている技法で解決します。
定積分をするだけの問題は東大では珍しいですが、形は複雑でも基本を貫けばいいという、ある意味、東大らしい出題かもしれません。
完答すべきです。

 

第2問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
正方形の中の面積1/3の三角形の問題。
文系第1問から誘導をなくした問題です。
勇気を持ってたくさん文字を導入できるか、文字を消去して1文字についての関数に帰着できるかが問題ですが、3文字使っても面積1/3の三角形が2つあるので式は2本立ち、1文字だけにできる、という見通しでしょうか。
なるべく完答したいです。

 

第3問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
座標空間内の八面体の切り口の問題。
(1)

場合分けして切り口をxz平面に図示する問題。
このくらいはできるかな、と思いますが、意外に出来は悪かったようです。
(2)
切り口が八角形になるpの値の範囲の問題。
だいたいこのような問題は前の問題が誘導になっているのかな、と思えることが大切です。
やはり出来は悪かったようです。
(3)
さらに出来が悪かったようです。
できれば(2)くらいまでは正解したいところです。

 

第4問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
整数問題です。
(1)
最大公約数を求めるので、素直にユークリッドの互除法を使うのは教科書レベルです。
最後nを含むので場合分けをするのはいいでしょう。
正解したいです。
(2)
平方数でないことを示す問題。
もともと整数問題は、なにかで割った余りで場合分けして考えるとうまくいくことがあり、Focus Goldあたりのに載っています。本文では(1)がヒントなので、偶奇で場合分けして考えます。
完答は難しかもしれませんが、なるべく部分点をもらいたいところです。
検討する価値は高い問題かと思います。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、整数は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

第5問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
(1)

ただ一つの実数解を持つことを示す問題はFocus Gold(啓林館)などには載っています。
(2)
数Ⅲでこのような不等式を示す時に単調増加、減少を使う問題も、Focus Gold(啓林館)などには載っています。
(3)
数Ⅲでこのような極限を求める問題は、はさみうちを選択肢に入れましょう。
完答は厳しいかもしれませんが、なるべく多く部分点をもらいたいです。
(2)まで正解して(3)にどれだけ食いつくけるか、だと思います。

 

第6問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
複素数平面の問題です。
最後の問題ということもあり、(1)から、かなり出来が悪かったようです。
(1)
実係数の4次方程式なので、解の実数、虚数のパターンは限られるので、力技で論証していけばいいですが、実戦的には難しいかもしれません。
(2)(3)
ただでさえ文字がたくさん登場する問題ですが、さらに、虚数解をp+qiなどと置く勇気があれば議論が進みそうです。
検討する価値はある問題だと思います。

 

東京大学理系数学の傾向と対策と勉強法

 第1問、第2問、第4問(1)、第5問(1)(2)を正解し、あとは部分点を集めるという方針で、合格者平均あたりに達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。