東大・医学部に合格する物理の勉強法:教科書+物理のエッセンス+過去問

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東大・医学部に合格する物理の勉強法:教科書+物理のエッセンス+過去問

 

物理の受験勉強の流れ

教科書の理解、基本問題
 ↓
物理のエッセンス(河合出版)
入試によく出る技法
(ここまでで、学校のテストは東大レベルの順位になり、標準的な記述模試では東大レベルの成績を超えると思います。)
 ↓
入試で合否を分ける問題
過去問

 

教科書

 大学受験塾チーム番町では基本的な理解の部分を検定教科書を使って学習します。
 教科書は、数研出版の『総合物理1・2』(707、708
)を使います。物理の教科書は、各分野が「物理基礎」「物理」に引き裂かれていますが、数研出版の『総合物理1・2』は、分野ごとにまとまっているので、使いやすいです。
 教科書には、物理の「理解」の部分がしっかり書かれています。図表などもカラフルでわかりやすいです。
 世の中には、物理の問題の解き方を丸覚えして、問題はまあまあ解けるものの、何をやっているのか、あまり理解していない、という人が、それなりにいるようです。それではいけません。また、そのような人は、物理が難しい、初見の設定をよく出題する、東大あたりでは、まあ、合格点を取れないでしょう。教科書で根本から理解すれば、そのような状況に陥ることはありません。真の理解は、問題を解けることの先にあります。
 復習の方法は、用語や公式は、勉強法の基本の(3)単語カード型がいいでしょう。

 物理の教科書は、説明がやや厳密なので、得意でない人は独学だと理解が厳しいかもしれません。
 しかし、理解の困難さの本当の原因は、自分自身の主体性の問題かもしれません。つまり、自分がどれだけ能動的に学習に取り組んでいるか、ということが重要なのです。
 教科書は、あくまでも学習の助けとなるものです。教科書を読むだけで理解できると考えるのは受動的な姿勢です。本当の理解は、教科書の内容を自分の頭で考え、疑問を持ち、自分なりの解釈を導き出すことで得られます。これが主体的な学習姿勢です。
 例えば、物理の公式を教科書で見て、そのまま丸暗記しようとするのは受動的な学習です。一方、その公式がどのような意味を持ち、どのように導き出されたのかを自分で考えようとするのは主体的な学習です。
 理解が難しいと感じたとき、「教科書が悪い」と責任を転嫁するのではなく、「自分がもっと主体的に学ぶ必要がある」と自分自身に問いかけることが大切なのでしょう。
 学習における主体性、つまり自ら考え、疑問を持ち、理解しようとする姿勢が、真の理解へのカギとなります。教科書は理解への助けにはなりますが、理解そのものは自分自身の主体的な努力によって得られるものなのです。

 

受験によく出る技法

 大学受験塾チーム番町では、物理で受験する人は『物理のエッセンス』(河合出版)を使います。当塾は個別指導塾なので、問題を解くために十分な解説をしたあとで、生徒が実際に問題を解くことができます。

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物理のエッセンス(河合出版)

 『物理のエッセンス』には、受験に必要な技法がほぼ網羅されています。
 また、たとえば、鉛直面内の円運動(非等速円運動)の所には
1.力学的エネルギー保存則
2.遠心力を考えて、半径方向で力のつり合いの式をつくる
といった、物理の入試問題を解くために必要な抽象的なパターンが、バーンと書いてあります。入試問題を解くためのコツをマスターすることができます。
 根本からの理解は教科書、入試問題を解くコツは『物理のエッセンス』といった感じだと思います。 
 学校の定期テストでは、大学受験塾チーム番町で扱った問題を解ければ、校内の東大、医学部合格レベルの順位に入れると思います。
進研模試、河合全統記述模試など、標準レベルの記述模試では、ここまでで東大、医学部級の成績を超えます。
 復習の方法は、勉強法の基本の(2)単語、短答ではない問題型へ。

 

実戦問題、過去問演習

 『物理のエッセンス』で学んだ技法を東大、上位国立医学部の入試問題で使いこなすため、過去問などを使って実戦問題演習をします。

 

名問の森(河合出版)

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 『物理のエッセンス』と筆者が同じ姉妹書です。『物理のエッセンス』で少し抜けている、東大、京大レベルに必要な技法が補われています。東大もこのくらいで合格点に達すると思います。難関大向けのわりには解説が親切です。
 復習の方法は、勉強法の基本の(2)単語、短答ではない問題型へ。

 

高校の物理では何を勉強するのか?

 

力学

運動の表し方

・速度

・加速度

・落体の運動(自由落下~放物運動)

運動の法則

・力とそのはたらき(作用点、重力、張力、弾性力など)

・力のつりあい

・運動の法則(慣性の法則、運動方程式)

・摩擦を受ける運動

・液体や気体から受ける力

・剛体にはたらく力のつりあい

仕事と力学的エネルギー

・仕事

・運動エネルギー

・位置エネルギー

・力学的エネルギーの保存

運動量の保存

・運動量と力積

・運動量保存則

・反発係数

円運動と万有引力

・等速円運動

・慣性力

・単振動

・万有引力

 

熱と気体

熱と物質

・熱と物質の状態(比熱、熱量の保存)

・熱と仕事

気体のエネルギーと状態変化

・気体の法則(ボイル・シャルル、状態方程式)

・気体分子の運動

・気体の状態変化(第一法則、定積変化など)

・エネルギーの移り変わり

 

波の性質

・波と媒質の運動

・正弦波の式

・波の伝わり方

・音の伝わり方

・発音体の振動と共振・共鳴

・音のドップラー効果

・光の性質

・レンズと鏡

・光の干渉と回折(ヤングの実験、ニュートンリングなど)

 

電気と磁気

電場

・静電気力

・電場

・電位

・物質と電場

・コンデンサー

電流

・オームの法則

・直流回路

・半導体

電流と磁場

・磁場

・電流のつくる磁場

・電流が磁場から受ける力

・ローレンツ力

電磁誘導と電磁波

・電磁誘導の法則

・自己誘導と相互誘導

・交流の発生

・交流回路

・電磁波

 

原子(20世紀の物理学)

電子と光

・電子

・光の粒子性

・X線

・粒子の波動性

原子と原子核

・原子の構造とエネルギー準位

・原子核

・放射線とその性質

・核反応と核エネルギー

・素粒子

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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はじめに

 物理は大学受験において重要な科目の一つですが、初心者にとっては難しく感じることもあるかもしれません。しかし、正しい勉強法とアプローチを持つことで、物理を克服し、成績を上げることができます。本記事では、物理の勉強法の基本から始めて、具体的なテクニックや参考書の活用法まで詳しく解説していきます。物理の知識がない初心者でも、わかりやすく理解できます。

 

物理の勉強法の基本

 物理学の基本概念と数学的な関連性について詳しく解説します。物理学の学習においては、以下の要素を理解することが重要です。

物理量とその単位

 物理学では、長さ、質量、時間、速さ、力などの物理量を扱います。それぞれの物理量には、メートル、キログラム、秒、メートル毎秒、ニュートンなどの単位が対応しています。物理学の学習では、物理量とその単位の関係を理解しましょう。また、物理量同士の変換や計算も重要なスキルです。

法則と公式

 物理学では、自然界の現象を説明するための法則や公式が存在します。例えば、運動の法則(ニュートンの法則)やエネルギー保存の法則、オームの法則などがあります。これらの法則や公式を理解し、問題解決に活用することが物理学習の基礎となります。

数学との関連

 物理学は数学と深い関連があります。数学的なモデルや表現を使って物理現象を解明することが多いです。例えば、物理学で使われる数学の分野としては、代数学、幾何学、微積分などがあります。物理学の学習においては、これらの数学的な手法を理解し、物理学の問題解決に応用することが重要です。

主要なトピック

 物理学は多岐にわたる分野がありますが、主要なトピックとしては以下のようなものがあります。

・力学
 物体の運動や力の働きを扱います。速度、加速度、運動方程式などが学ばれます。

・熱力学
 温度、熱、エネルギーの転送や変換について研究します。熱力学第一法則や第二法則などが重要です。

・電磁気学
 電気や磁気の現象とその相互作用を研究します。クーロンの法則やマクスウェルの方程式(高校では方程式そのものは扱わない)などが学ばれます。

・波動
 光や音の波動について研究します。波の性質や干渉、回折、共鳴などが重要です。

・原子・素粒子物理学
 原子や素粒子の性質や相互作用について研究します。量子力学や素粒子の構造などが学ばれます。

 これらの基礎的な知識を理解することで、物理学の学習の全体像を把握し、問題解決に活かすことができます。数学的なスキルを駆使しながら物理学の法則や公式を理解し、実際の現象や問題に適用していくことで、物理学の理解を深めましょう。

 

 物理の勉強を始める際には、基本的な勉強法を押さえておくことが重要です。以下に、物理の勉強法の基本を紹介します。

基礎~標準レベルの勉強法

 物理の勉強は、基礎から着実に進めることが大切です。まずは教科書や参考書を用いて基礎知識を確認し、問題集で実践問題を解くことで応用力を身に付けましょう。

過去問の勉強法

 過去の大学入試問題を解くことは、受験勉強の重要な要素です。過去問を解くことで出題傾向や問題の特徴を把握し、本番に向けた対策を立てることができます。

 

物理の学習レベル別対策

 物理の学習には、基礎レベル、標準レベル、難関レベルなどの段階があります。各レベルに合わせた対策方法を紹介します。

基礎レベルの勉強法

 基礎レベルでは、教科書や『宇宙一わかりやすい高校物理』(学研)を使って基本的な概念や公式を理解し、問題を解けるようにしましょう。具体的な例やイメージを交えて解説することで、初心者でも理解しやすくなります。

標準レベルの勉強法

 標準レベルでは、応用問題や標準問題集を通じて問題解決能力を高めることが重要です。解法のパターンや計算のコツを覚え、問題演習を積極的に行いましょう。
 大学受験塾チーム番町では、上記のように『物理のエッセンス』(河合出版)を使用しています。

難関レベルの勉強法

 難関レベルでは、高度な問題に取り組むことが求められます。難関問題集や模擬試験を解くことで、応用力を高め、大学入試に対応できるようにしましょう。
 具体的には、上記のように、『名問の森』や大学の過去問などです。

 

共通テスト対策

 共通テストは、大学受験生にとって重要な試験です。以下では、共通テスト物理対策について詳しく解説します。

共通テスト物理対策のポイント

 共通テストでは、力学、電磁気学、熱力学、波動、原子の範囲が出題されます。これらの範囲を徹底的に学習し、80点以上といった詰めの段階では、共通テスト型の問題演習を重ねることが重要です。

理系受験生の共通テスト物理の勉強法と対策

 理系受験生は、数学や化学との関連性を把握しながら物理を学習することが求められます。また、共通テストの傾向を把握し、効率的な勉強計画を立てましょう。近年、定性的理解を求める出題が増えています。問題の解き方だけでなく、学校と並行して、教科書の説明を理解するのが望ましいです。

文系受験生の共通テスト物理基礎の勉強法と対策

 文系受験生の場合、超トップ校で、物理の成績もトップレベルだった場合を除き、物理選択はオススメしません。地学基礎の独学のほうが、まだ点数が高くなる可能性もあると思います。

 

物理の学習のコツ

問題文を図でイメージするまたは描く

 物理の問題は物体や力の関係、電荷や磁場の分布や方向などを理解することが重要です。問題文を読む際には、物体や力の向き、相対的な位置関係を具体的にイメージするか、図を描いて視覚的に理解しましょう。

現象を日常生活などの具体に落とし込む

 物理の現象は日常生活にも存在します。例えば、物体の落下や衝突、振り子の振動、電気回路の動作や電磁誘導、電磁波の伝播などです。物理学の法則を日常の現象に当てはめて考えることで、理解が深まります。

注目すべき言葉と数式を結び付ける

 問題文には物理学の法則や関係を示すキーワードが含まれています。そのキーワードと数式を結び付けて考えることで、物理学の理論と問題文をつなげることができます。

解答根拠を記述する

 解答を導く過程や根拠を忘れずに記述することは重要です。自分自身や他の人が解答を読んだ際にも理解しやすくなります。また、解答根拠の記述によって論理的思考力が養われます。

計算は極力文字で行う

 物理の問題では計算が欠かせませんが、計算過程を文字や記号で表すことで理解度が向上します。具体的な数値を代入する前に、記号や変数を用いて計算式を組み立てましょう。

 

物理学習の詳細

 物理学の学習では、さらに理解力を養いながら問題解法のスキルを磨く必要があります。以下では、具体的なアプローチや注意点について詳しく説明します。

問題文の理解

 物理学の問題は、文章で与えられますが、その内容を図やイメージで理解することが重要です。問題文を読む際には、具体的な例や実験結果を思い浮かべると、理解がしやすくなります。また、物理学の問題は現象や法則を応用する場合が多いため、日常生活や身の回りの事例を関連付けて考えることも有効です。

論理的思考力の鍛錬

 物理学は論理的思考が求められる科目です。問題解決においては、与えられた情報や法則を的確に組み合わせ、結論を導く能力が重要です。問題解答の過程や根拠を明確に説明することで、自分の論理的思考を整理し、他人にも理解しやすくなります。

実験や具体例の活用

 物理学の学習においては、実験や具体例を活用することが重要です。物理学の法則や公式は実験結果に基づいて導かれたものが多くあります。実験の結果や具体的な事例を思い浮かべながら、物理学の法則や公式を理解すると、より深い理解が得られます。

問題解答の根拠と解法の記述

 物理学の問題解答では、根拠や解法の過程を明確に記述することが重要です。自分の思考過程を整理し、論理的に説明することで、自分の理解度を確認できます。また、解答の根拠や過程を明示することで、他人にも説明しやすくなります。

問題演習と復習の重要性

 物理学の学習では、問題演習と復習が欠かせません。問題演習を通じて、理解した内容を実際の問題に適用し、応用力を身につけましょう。また、復習では、自分が間違えた問題や苦手な箇所を重点的に repアイマスクすることで、理解を深めることができます。

 物理学の学習では、理論的な知識だけでなく、問題解決に必要なスキルを養うことが重要です。問題文の理解力や論理的思考力、実験や具体例の活用、問題解答の根拠と解法の明示、そして問題演習と復習の繰り返しを通じて、物理学の学習を深めましょう。

 

物理学習で克服すべきポイントと対策

 物理学の学習において、以下のポイントを克服することが重要です。それぞれのポイントに対する対策を紹介します。

数学との統合的な学習

 物理学は数学と深い関連があります。数学的な表現や計算が物理学の理解に欠かせません。数学の基礎をしっかりと理解し、物理学の学習と統合的に進めることで、両者の関連性を理解しやすくなります。数学の公式や定理を物理学の問題に適用する練習を積み重ねることで、数学と物理学の統合的な学習を促進しましょう。

論理的思考力の向上

 物理学は論理的思考が求められる科目です。複雑な現象や問題を論理的に分析し、解決策を導き出す能力が必要です。論理的思考力を向上させるためには、問題解決の過程を明確に記述する練習や、与えられた情報や法則を論理的に組み合わせるトレーニングが有効です。また、論理的思考を養うために、物理学以外の科学や哲学の知識を補完的に学ぶこともおすすめです。

実験や実感を通じた理解

 物理学の法則や原理は、実験結果に基づいて導かれています。実際の現象や実験を通じて物理学の法則を実感することは重要です。具体的な実験やデモンストレーションを行うことで、物理学の理論を直感的に理解しやすくなります。また、身の回りの現象や技術の仕組みを物理学の原理と関連付けて考えることで、物理学の応用力を高めることができます。

 これらのポイントに焦点を当てて物理学の学習を進めることで、数学との統合的な学習や論理的思考力の向上を図り、実験や実感を通じた物理学の理解を深めることができます。継続的な努力と問題演習を通じて、克服すべきポイントを着実に乗り越えていきましょう。

 

物理の勉強法と共に必須の対策知識

 物理の勉強法だけでなく、受験において必要な対策知識も身につけることが重要です。以下に、物理対策の知識を紹介します。

物理の実力が伸びない理由

 物理の実力が伸び悩む理由には、概念の理解不足や計算スピードの遅さなどが挙げられます。これらの課題に対して適切な対策を取りましょう。
 概念の理解不足は、教科書や『宇宙一わかりやすい高校物理』(学研)の説明を読むのがいいと思います。計算スピードの遅さは、日々、計算練習をするのみですね。陸上部に入ればタイムが縮むのと同じように、計算練習をすれば計算が速くなります。

問題解法のパターンと実践的な対策

 物理の問題解法には、特定のパターンが存在します。これらのパターンを把握し、問題を効率よく解くための実践的な対策を身につけましょう。『物理のエッセンス』(河合出版)でほぼ網羅できます。

絶対的な実力と結果の差

 物理の勉強では、絶対的な実力と結果の差が生まれることがあります。効果的な学習方法を取り入れることで、実力を最大限に引き出しましょう。

 

物理の参考書と問題集

 物理の学習には、適切な参考書と問題集の活用が欠かせません。以下では、参考書と問題集の選び方と使い方について解説します。

参考書・問題集の選び方と使い方

 参考書・問題集を選ぶ際には、自分の学習レベルに合ったものを選ぶことが重要です。また、参考書・問題集の読み方や使い方についても正しい方法を把握しましょう。
 教科書の説明や基本問題から理解していない場合は、教科書や『宇宙一わかりやすい高校物理』(学研)。それらを9割ほどマスターしたら『物理のエッセンス』(河合出版)。それを9割ほどマスターしたら『名問の森』や東大、医学部の過去問、といったレベルと選び方が目安かと思います。

 

さいごに

 物理の勉強法と対策は、正しいアプローチと努力によって克服できます。この記事で紹介した勉強法や参考書、問題集を活用しながら、じっくりと物理を学ぶことをおすすめします。初心者でも理解しやすいようにわかりやすい解説と具体的な例を交えながら説明しましたので、ぜひ参考にしてください。物理の勉強を楽しみながら、大学受験での成功を目指しましょう。

 

マンガ『会長島耕作』と物理学:大学受験と現実世界での学び

 『モーニング』というマンガ週刊誌に『会長島耕作』というマンガが連載されています。当初は『課長島耕作』でしたが、どんどん出世して会長になりました(笑)。現実の世の中の動きを学ぶのにも役に立つ、と推薦する人もいます。
 余談ですが、東大受験マンガ『ドラゴン桜2』も『モーニング』誌で連載されています。

 今週は、島耕作が財界活動をする架空の団体である「経済交友会」(モデルは経済同友会らしい)の会合で、岩手県に加速器を建設する計画が話し合われます。(この計画は現実世界でも存在するようです。)現存する加速器よりもはるかに高い確率でヒッグス粒子を観測できる、とのことです。

 加速器の基本的な原理は、大学入試の物理でよく出題されます。サイクロトロン、ベータトロン、と言われるものですね。
 マンガの中では、おそらく有名企業のトップに近い人であろう経済交友会のメンバーが「俺は文系だから…」と頭を抱えます。
 主人公の島耕作も、作者の弘兼憲史さんと同じで早稲田大学法学部、私大文系出身の設定です。弘兼憲史さんは、私大文系卒で漫画家ながら、加速器とその周辺の事情を取材して、今回のマンガを描いた、ということでしょう。

 一国の運命を左右するような地位の人ともなると「文系だから物理はわからない」では済まされないのですね。

 

大学受験のための物理学の学習とハイデガー

 私たちは単に知識の獲得という側面だけでなく、学ぶことの存在論的な意味にも目を向ける必要があるでしょう。

 私達は「世界内存在」として、常にすでに事物や他者とのつながりの中で生きています。大学受験のための物理学の学習もまた、こうした意味連関の一つとして捉えることができます。受験生は、物理学という学問分野を通じて、世界を理解し、そこに参与しようとしているのです。

 しかし、ここで問題となるのは、学習の動機づけです。多くの受験生にとって、物理学を学ぶ目的は、大学入試に合格することに尽きているのではないでしょうか。つまり、物理学そのものへの関心よりも、良い成績を取ることが優先されがちなのです。ハイデガーの言葉で言えば、これは「非本来的」な在り方だと言えます。

 本来的な学びとは、事象そのものに向き合い、その本質を問うことから始まります。物理学の場合であれば、自然界の法則性を探究し、私たちを取り巻く世界の成り立ちを理解しようとすることでしょう。こうした学びを通じて、私たちは世界の意味を見出し、みずからの存在の可能性を切り拓いていくことができるはずです。

 もちろん、大学受験という現実的な目的を否定することはできません。しかし、そこにとどまらない学びの意義を見失ってはならないでしょう。物理学を学ぶことで、私たちは単に受験のための知識を得るだけでなく、世界を新たな視点から捉える眼差しを獲得するのです。

 さらに、物理学の学習には、「死への先駆」という観点からも意味があるように思われます。物理学が明らかにするのは、私たち人間を超えた自然の法則性です。それは、人間の有限性を浮き彫りにすると同時に、世界の壮大さと美しさを感じさせてくれます。こうした経験は、日常の些事に埋もれがちな私たちを、存在の根源的な問いへと目覚めさせるきっかけとなるかもしれません。

 また、物理学を学ぶことには、他者とのつながりを深めるという意味もあるでしょう。学校や学習塾では、志を同じくする仲間と切磋琢磨しながら、物理学の理解を深めていきます。そこには、競争だけでなく、協力や共感も生まれてくるはずです。これは、ハイデガーが重視した「共同存在」の一つの現れだと言えるかもしれません。

 以上のように考えるなら、大学受験のための物理学の学習は、単なる知識の詰め込みではなく、自己と世界、そして他者との関わりを問い直す契機となり得ます。受験生は、物理学という学問を通じて、みずからの存在の意味を探究していると言えるのです。もちろん、そこには様々な困難もあるでしょう。しかし、そうした困難に真摯に向き合うことこそ、本来的な学びの姿なのかもしれません。

 大切なのは、目先の目的に囚われることなく、学ぶことの意義を見失わないことです。物理学の学習を通じて、私たちは世界の不思議さに触れ、自分自身の可能性を発見していくことができるはずです。そうした学びの体験は、受験が終わった後も、人生を導いてくれる羅針盤となるに違いありません。

 

大学受験のための物理学の学習とデリダ

 まず、「大学受験のため」という目的自体が、一種のロゴス中心主義的(論理や理性によって物事を判断する考え方)な発想だと言えるでしょう。大学受験は、知識を測定し、優劣をつけるための制度であり、学問の実用性や効率性を重視する近代的な価値観に基づいています。しかし、デリダが批判したように、こうした価値観は、知識の多様性や曖昧性を排除し、固定化された意味づけを強要するものでもあります。

 また、「物理学の学習」というのも、一義的に確定できるものではありません。物理学という学問自体が、歴史的・文化的に構築されたものであり、絶対的な真理を表すものではないからです。ニュートン力学から量子力学まで、物理学の概念や理論は時代とともに変化してきました。そのため、「大学受験のための物理学」とは、ある特定の時代・社会における物理学の規範を反映したものに過ぎないと言えます。

 さらに、「学習」という行為も、脱構築の対象となり得ます。学習とは、既存の知識を吸収し、再生産することだと一般的に考えられています。しかし、デリダが「反復」の概念で示したように、同じものを繰り返すことは不可能であり、常に差異が生じます。つまり、学習者は、既存の知識をそのまま受け取るのではなく、自分なりの解釈を加えながら、知識を再構築しているのです。

 ここで、「大学受験のための物理学の学習」という行為が持つ倫理的な問題も浮かび上がってきます。受験という目的のために学ぶことは、知識を手段化し、他者(受験制度)の要求に従属することを意味します。デリダの贈与論の観点からすれば、これは真の贈与(自発的な学び)の否定であり、学びの倫理性を損なうものだと言えるでしょう。

 ただし、だからと言って、「大学受験のための物理学の学習」が全く意味を持たないわけではありません。デリダが「pharmakon(ファルマコン)」という概念で示したように、あるものは同時に毒にも薬にもなり得るのです。受験勉強は、知的好奇心を抑圧する側面を持つ一方で、物理学への関心を喚起し、新たな学びへの出発点となることもあります。

 重要なのは、「大学受験のための物理学の学習」という行為を絶対化せず、常にその限界と可能性を意識することです。それは、受験制度という他者の要求に応えつつも、自らの学びの意味を問い直し続ける姿勢だと言えます。デリダの脱構築の戦略は、まさにこうした二重の運動を促すものなのです。

 つまり、「大学受験のための物理学の学習」をデリダ的に考察することは、知の固定化された意味を解体し、学びの多様な可能性を開くことを意味します。そこでは、受験という制度的な枠組みに抗いつつも、その枠組みを利用して新たな知を生み出していくような、アンビバレント(二つの相反する感情や考えを同時に抱えている状態)な実践が求められるでしょう。

 そうした実践は、決して容易なものではありません。しかし、だからこそ、「大学受験のための物理学の学習」という日常的な営みの中にも、デリダ的な思考の可能性が潜んでいるのだと言えます。受験勉強という「反復」の中で差異を見出し、固定された意味を解体していく。そうした営みを通して、私たちは「学ぶ」ことの意味を、絶えず更新し続けることができるのではないでしょうか。