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【2024】大阪大学数学(文系・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

【2024】大阪大学数学(文系・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

京都大学数学(文系・理系)

神戸大学数学(医学部・理系)

 

大阪大学入試の数学で悩んでいる人へ

 大阪大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、大阪大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、大阪大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

大阪大学文系入試における数学の重要性

 大阪大学文系二次試験前期の数学の配点は、法学部、経済学部は全体の1/3です。(文学部などは配点が低くなっています。)見た目だけでも、大切そうですね。 
 また、2024年は、難易度がCCDとかなり難しく特殊な年でしたが、2023年のようにBBBといった場合、黄チャートあたりを網羅した上で入試標準問題演習をしている人は、かなりの高得点を取れるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、阪大文系数学は、大問が3つしかありません。他の受験生が解けている問題が、黄チャートあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、大阪大学文系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

大阪大学医学部・理系入試における数学の重要性

 大阪大学文系二次試験前期の数学の配点は、医学部は500/1500、理学部、工学部は250/700、と全体の1/3以上となっています。見た目だけでも、大切そうですね。 
 また、2024年のように、難易度がBCCBCの場合、Focus Gold、黄チャートあたりを網羅した上で入試標準問題演習をしている人は、かなりの高得点を取れるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、阪大理系数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Gold、黄チャートあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、大阪大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

大阪大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 大阪大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、最初から、全く方針が立たないこともあるでしょうし、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年大阪大学文系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 大阪大学文系は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより、はっきり入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、大きく合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はC。
絶対値つき二次関数と積分(面積)の問題です。

(1)
絶対値つき二次関数と直線の交点の座標を求める問題です。
まあ、絶対値つき方程式と同じ話ですから、丁寧に場合分けをして絶対値を外して方程式を解くのは、Focus Goldあたりに載っているので、解けます。

(2)
囲む面積が等しくなるようなaの値を求める問題です。
本問は、愚直に問題文の面積を求めに行くのではなく、両方に、同じ領域を加えてあげると、両方とも簡単に1/6公式で面積が求まる形になります。ただ、このような話は、載っている本には載っていますが、Focus Goldあたりには載っておらず、初見では気づきにくいので、難易度Cなのかな、と思います。しっかり受験勉強をやっていれば、十分完答も狙えますが、阪大文系でそこまで数学を突き詰めている人がどれだけいるかな、ということかと思います。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
ちょっと話題になった「座標空間内の直線lとz軸はねじれの位置にある。lとz軸の両方に直交する直線がただ1つ存在することを示せ」という問題です。
まず、教科書をよく読んでいない人は「ねじれの位置」という言葉で、冷静さを失った可能性があると思います。
次に、本問は見た感じ、定型的ではないので、さらに冷静さを失った可能性があると思います。
ただ、少し冷静に考えてみましょう。「空間の2直線に直交」という問題は、教科書の空間ベクトルのところに載っています。z軸上の点は(0,0,p)とでも置けます。ベクトルで行くとすると、直線lは、1点と方向ベクトルで表す話が教科書に載っています。(文字を多く使うのでやりにくいかもしれませんが。)これで、内積0を2回使い、1通りに定まることを示せば、示せたことになります。
このように、冷静になれたか。完答できなくても、どれだけ部分点を取れたか、が勝負だったかと思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はD。
整数問題です。

(1)
15番目の素数を答えるだけの問題なので、正解できます。がんばりましょう。

(2)
自然数についての不等式の問題なので、数学的帰納法でいくというのはいいと思います。最低、このくらいの部分点は確保しましょう。
このあとが数学的帰納法の定型ではないので、難易度がDなのだと思います。一方、本問の仮定はpk>3k、証明すべき不等式はpk+1>3k+3です。実は、3kの次の3k+1から順々に3k+2、3k+3と調べていくと、わりと簡単にpk+1>3k+3を言えてしまいます。整数問題において、実際にやってみることの大切さが、ここでも現れましたね。
ただ、完答できた人は多くないのではないかと思います。

 

大阪大学文系数学の勉強法と傾向と対策

 大阪大学文系の数学は、大問3問、試験時間90分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がCCDでした。難易度C問題を完答できる人は、東大理系や阪大医学部合格者でも少ないので、C、D問題のBレベルの部分点、という方針で、阪大文系なら、大きく合格点を超えます。2024年は特殊でしたが、教科書と黄チャートの内容で全力を尽くし、部分点を集めれば、十分に合格点を超えたと思います。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 微積分、確率、ベクトルがよく出題されます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大阪大学文系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、黄チャートあたりの重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、大阪大学文系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な東大理系や大阪医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2024年大阪大学理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 大阪大学理系は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより、はっきり入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、大きく合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の極限、微分の問題です。

(1)
方程式がただ1つの実数解を持つことを示す問題です。
増減表を書きに行って、中間値の定理から、わりと簡単に示せます。やや複雑ですが、やっていることの枠組みは教科書レベルと言えるので、解けます。全国的に、類題はよく出題されています。

(2)
極限値を求める問題です。
まあ、このような極限は、はさみうち、ということでいいでしょう。また、(2)だけ見ても全くわからないので、大学受験数学において、このような小問集は、上の結論を使う、という考え方が大切です。anは(1)の方程式の実数解なので、素直に代入して変形すると、比較的簡単にはさみうちできると思います。その過程でも(1)の答案を使います。Focus Goldあたりにも、どのように、はさみうちに持っていくかを鍛えられる問題は、何問か載っているので、そのような取り組みをしていれば、解けると思います。ただ、はさみうちへの持って行き方は、実際の入試っぽい問題がいいかな、と思います。年度別『入試問題集』(数研出版)あたりから探すといいかと思います。

(3)
本問も極限値を求める問題です。
anは(1)の方程式の実数解なので、(2)以上に素直に代入すると、本問のnanが得られます。あとはnanについて解く方向で行けば解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
「逆像法」という技法を知っていると、かなり見通しよく解けますが、そうでないと問題文の式を変形するくらいで止まってしまう可能性も高いと思います。受験生の出来は、かなり悪かったのではないかと想像します。他の大問でがんばれば、合格点を超えると思います。

(2)
(1)ができると簡単なのですが、おそらく(1)をできた人が少ないので、あまり差はつかない問題だったかと思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
文系第2問と共通で、ちょっと話題になった「座標空間内の直線lとz軸はねじれの位置にある。lとz軸の両方に直交する直線がただ1つ存在することを示せ」という問題です。
冷静になって、教科書、黄チャート(Focus Gold)レベルのことをどれだけできて、部分点を取れたか、の勝負だったかと思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の積分(体積)の問題です。

(1)
半円とx軸並行の直線で囲まれた領域をy軸周りに回転させた回転体の体積を求める問題です。原理的には教科書レベルなので、解けます。

(2)
「円の領域をy軸周りに回転させた回転体の体積」の2倍が(1)の体積になるときのaの値を求める問題です。
実は、「円の領域をy軸周りに回転させた回転体の体積」は「パップス=ギュルダンの定理」で簡単に求まります。ただし、記述式の答案なので、しっかり回転体の体積を求める積分の式を書くべきでしょう。しかもy軸周りではなくx軸周りですが、数研出版の教科書には載っている教科書レベルの問題と言えます。したがって解けます。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
文字ばかりで抽象的なので、ちょっと、具体的な数字でやってみるといいと思います。すると、Focus Goldあたりの集合に載っている、円が3つあるベン図の要素の個数の話に帰着されることがわかるので、解けます。最後の因数分解は少し難しいですが、最終形が問題文にあるので、大丈夫でしょう。

(2)
約数うんぬんの問題なので、素因数分解された形、素因数の数で場合分けすると思いつけば、かなり見通しがいいと思います。Focus Goldあたりには、そのような問題が載っています。あとは、素因数分解されているので、「素数」の性質を存分に使うことになります。たとえば、「偶数の素数は2のみ」などです。整数問題にかなり精通していると、完答も可能かと思いますが、なかなか難しい問題かとも思います。

整数はチャート式、Focus Goldあたりが弱い分野なので、何らかの補強をしたほうがいいです。大学受験塾チーム番町では、整数問題集を渡しております。

「素数」という文言を見たら何を考えるか、などは、以下のページに記載しております。
 ↓ ↓ ↓
整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

大阪大学理系数学の勉強法と傾向と対策

 大阪大学理系の数学は、大問5問、試験時間150分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBCCBCでした。難易度C問題を完答できる人は、東大理系や阪大医学部合格者でも少ないので、B問題完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、阪大非医学部なら、大きく合格点を超えます。医学部もそれで合格点です。2024年は大問1,4を完答。その他を教科書や黄チャート(医学部はFocus Gold)あたりの理解と技法で、部分点を集めれば合格点だったと思われます。
 以上は、非医学部なら黄チャートあたり、医学部ならFocus Goldあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば(医学部はもっと補強したほうがいい)、十分達成できます。

 微積分は1題以上は出題されると思います。その他、確率、ベクトル、整数あたりがよく出題されています。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大阪大学理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、黄チャートあたり(医学部はFocus Goldあたり)の重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、大阪大学理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な東大理系や大阪医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年大阪大学文系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
三角方程式が実数解を持つa,bの存在範囲をab平面上に図示する問題です。
COS2θを倍角で変形するのは教科書レベルです。sinθ=t とでも置くと、その後、Focus Goldあたりの二次方程式の解の配置の後ろの方に載っている、「二次方程式が-1≦t≦1の範囲に少なくとも1つ実数解を持つ」という話に帰着されるので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
対数関数と微分の融合問題です。

(1)
t=log2xとおいて、与式を整理する問題です。Focus Goldあたりでは、やっている変形でしょうから、解けます。

(2)
文字定数aを含む、3次関数の最大値を求める問題です。Focus Goldあたりには載っているので解けます。コツは、連続関数の場合、最大値は、極大値か定義域の両端でしか取らないので、定義域と極値の位置関係に注目することです。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトルの問題です。

(1)
内積を求める問題です。
教科書通り、「ベクトルの大きさは2乗せよ」の格言で、ゴリゴリやれば出ます。

(2)
OPベクトルの大きさの最大値と最小値を求める問題です。ただ、見た感じ、よくわかりません。
そこで、このような小問集は、上の問題の結論を使うのではないか、という考え方が、大学受験数学では大切です。
(1)の答の内積の値は0です。
つまり、問題で最初に与えられている2つのベクトルは、直交する単位ベクトルだ、ということがわかります。したがって、そのように変換して考えると、xy平面上の座標の話として考えることができ、簡単に解けます。
円や球は中心が大切、という問題もFocus Goldあたりには載っています。
完答したいところですが、(2)のように考えるのは、あまり定型的ではないので、ここがどうかな、というところかと思います。

 

大阪大学文系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBでした。黄チャートあたりを超える、なにか「発想」のようなものが必要な問題は無いので、完答も狙えます。あとは、大問3(2)が定型的ではなかったので、どうかな、というところかと思います。いずれにせよ、その程度で、合格点を大きく超えるでしょう。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年大阪大学理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列、数3の極限、積分の融合問題です。

(1)
不等式の証明の問題です。
実は、与式の中辺は、Focus Goldに載っている問題とほぼ同じ形をしています。ただ、初見でも、単なる等比数列の和なので、計算できます。
あとは、不等式の証明なので、教科書通り、愚直に、(右辺)ー(左辺)≧0を示しにいけば証明できます。

(2)
極限を求める問題です。
まあ、こういう極限は、はさみうちでしょう。しかし、パッと見た感じ、全くわかりません。ただ、anが(1)の中辺の一部にかなり似ています。また、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、と考えることが、大学受験数学では大切です。
そうすると、(1)の各辺を定積分すればいいのではないか、ということになります。この話自体は教科書レベルですが、ここで、こう思えるかは、なかなか難しいかと思います。
あとは、積分計算をすればいいので、解けます。
できれば完答したいです。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトルの問題です。
文系第3問と共通問題です。
完答したいです。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
微分、接線の問題です。
つまるところ、整関数では数2のFocus Goldあたりに、また、数3のFocus Goldあたりにも載っている、「曲線外の点から、接線を◯本引ける△の値を求めよ」という問題と同じです。
したがって、大きな枠組みはFocus Gold通りにやればいいので、解けます。
場合分けが複雑なので、難易度Cなのかな、と思いますが、なにか、発想といったものが必要なわけではなく、普通にやっていけば生じる場合分けなので、理論上は、十分、完答を狙えます。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
空間ベクトルの問題です。

(1)
ベクトルに関する等式の証明の問題です。
内積0が使えるのはFocus Goldあたりではよくやる操作なのでいいと思います。
あとは、3点A、P、Qが同一直線上にあるので、最終形から、内積の定義において、なす角が0かπということを使えばいいので、示せます。ただ、同一直線上の3点で、この話はあまり使わないので、どうかな、というところですが、最終形から逆算して考えると、思いつくのではないかと思います。

(2)
大学受験数学で、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考えが大切です。(1)の式をxy平面の話にするために計算してみる、というのはいいでしょう。すると、2次曲線らしき式が現れます。理論上は、教科書通りに場合分けするだけなのですが、楕円、双曲線あたりの計算がやや大変なので、難易度Cなのかな、と思います。理論上は完答も狙えると思います。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
確率漸化式の問題です。

(1)
最初の2回だけが問われているので、愚直に具体的にやってみればいいので、解けます。
ただし、(2)の確率漸化式でも使う考え方を触れますと、本問は7の倍数でなければ、いずれの場合も次は確率1/6で7の倍数になります。このように「7の倍数でなければ、いずれの場合も」と「まとめる」考え方を理解できない人が、意外に多いようです。数研の教科書の確率漸化式には、このような問題が載っています。大学受験塾チーム番町で採用している『合格る確率』(文英堂)には、このような「まとめる」考え方に1問割いています。

(2)
(1)をヒントにすると、いちばん簡単な特性方程式で解く2項間漸化式になるので、教科書レベルと言え、解けます。
完答しましょう。

 

大阪大学理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCCBでした。ただし、大問1,2もちょっと最後のほうが定型的ではないので、難易度Bでも完答しにくいかもしれません。一方、大問3,4は途中まではかなりスムーズに行けそうなので、難易度Cでも、かなりの部分点を狙えます。大問5は完答したいです。このくらいで、非医学部なら大きく合格点を超えたでしょう。
 以上は、黄チャート(医学部ならFocus Gold)あたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャート、Focus Goldあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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【2024】九州大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】九州大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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大学受験の数学の勉強法・参考書

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熊本大学医学部 数学

 

九州大学入試の数学で悩んでいる人へ

 九州大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、九州大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、九州大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

九州大学医学部・理系入試における数学の重要性

 九州大学医学部、理系二次試験前期の数学の配点は、250/700です。見た目だけでも、配点の1/3以上を占めていますね。 
 また、2024年のように、難易度がBBCBCで、かつ、C問題もかなりの部分点が狙いやすい場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、かなりの高得点を取れます。また、見た目C問題が多い年でも、小問が多く、Bレベルでかなりの部分点は狙えることが多いです。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、九州大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

九州大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 九州大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、九大は小問が多いので、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年九州大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、九州大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
ベクトルの問題です。

(1)
3点P,Q,Rが同一直線上にないことを示す問題です。
証明問題では、常に、教科書で習ったように、対偶を取ることを選択肢として入れるべきです。また、本問は問題文が、見るからに対偶を取ると楽そうなものとなっています。したがって示せます。

(2)
aが動く時の、三角形PQRの面積の最大値を求める問題です。
教科書のベクトルのところに、ベクトルを使った三角形の面積の求め方が載っています。それで計算すると、結局3次関数の最大値という、教科書レベルの話に帰着されるので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
与式は複素数平面では有名な形で、Focus Goldあたりには、そのような問題が載っています。そうでなくても、等比数列の和の形なので、仮に知らなくてもいけそうです。後は自然に議論を進めればいいので、解けます。

(2)
定型的ではありませんが、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問を使うのではないか、という考え方が大切です。そうすると、自然に議論を進めればいけるので、示せます。
完答したいですが、B問題のわりには、定型的でない部分も多いので、非医学部の場合、多少の失点は許されるかもしれません。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
不等式の証明の問題です。
素直に分母を払って、教科書通り、(左辺)ー(右辺)≧0を示しにいくのは、それほど難しくないと言えるので、証明できます。

(2)
等式を満たす自然数の組(a,b)を求める問題です。
ちょっと具体的に考えてみるだけでも、ちょっと大きな自然数くらいでも、もうダメだろう、ということはわかると思います。
ただ、答案で論理的に説明するにはどうするか。
やはり、このような小問集は、上の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。すると(2,1)という組はすぐに求まります。あとは(1)で論じていないa≧bの場合を論じれば、網羅したことになります。こちらから解が出てこないということを示すのは、難しくないので、解けます。

(3)
等式を満たす自然数の組(a,b,c)を求める問題です。
ひと目、a=b=cの時に等式を満たすことはわかります。その後の議論は、なかなか難しいので、このくらいを書いて、あとはどの程度部分点を取れるか、という問題かと思います。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
3個以上の格子点を通れる直線の本数を求める問題です。どこかに似たような問題が載っているわけではないです。

(1)
格子点が3×3の場合です。
愚直に数えても出るので解けますが、その過程で、(2)以下に備え、規則性を考えておくことが大切だったでしょう。x軸並行、y軸並行、傾き±1というように。

(2)
格子点が4×4の場合です。
(1)で考えた規則性をもとに、愚直に数えると、簡単に出るので解けます。

(3)
格子点が5×5の場合です。
(1)(2)と異なり、傾き±2の直線も格子点を3個以上、通れるようになります。
ただ、丁寧に数え上げればいいだけなので、解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の積分の問題です。

(1)
類題は、Focus Goldあたりには載っていて、大学受験数学でもよく出ます。ただ、関数が、標準問題よりも少し複雑なので、難易度Cなのでと思います。
まあ、Focus Goldと同じように、部分積分を実行するのではないか、というのはいいでしょう。関数が3個の積なので切れ目を考える必要がありますが、ここだろう、というのもいいと思います。実はそれで解けてしまいます。

(2)
極限値が0であることを示す問題です。
まあ、このような極限は、はさみうちで行く、というのはいいと思います。また、(1)の結論を使うというのもいいと思います。すると、比較的簡単に示せてしまいます。
難易度Cですが、理論的にはそれほど難しい問題ではなく、医学部あたりの人は、完答を狙っても良かったでしょう。

 

九州大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 九州大学医学部・理系の数学は、大問5問、試験時間150分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCBCで、かつ、C問題もかなりの部分点を取れそうでした。医学部合格レベルの人であれば、かなりの高得点狙える出題でした。ただし、2023、2022などは、難易度C問題あたりが中心となっています。ただ、それでも、完答は難しくても、小問が多いので、かなりの部分点は狙える場合は多いです。難易度C問題を完答できる人は医学部合格者でも少ないので、B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、十分合格点を超えます。2024年は医学部の場合、大問1,2,4を完答、大問3,5を半分くらい、で、十分に合格点を超えたでしょう。
 非医学部の人は、なおさら、かなりの余裕を持って、合格点を超えます。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で、十分達成できます。

 数3の微積分からは、おそらく毎年(場合によっては複数問)出題されます。ベクトルもよく出ている傾向があります。
 また、2024年は、九州大学独特の、長文問題が姿を消しました。2025年もこの傾向は続くでしょうか?

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

九州大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの九州大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、九州大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年九州大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
高次方程式の問題ですが、係数が対称の「相反方程式」と言われる問題です。
Focus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
複素数についての等式が与えられ、三角形の形状を決定する問題です。
一番基本的なものは、教科書にも載っています。しかし、本問は、与えられた式が難しい。そして(1)の結論を使うのでしょうが、問題を見ただけでは、どう使うのかは見えません。
ここで、結局、教科書にせよ、Focus Goldあたりにせよ、最終形は、たとえば(βーα)/(γーα)を考えているだろう、と結論から逆算して考えることになります。このような方針で与式を変形しすると、(1)の相反方程式を使える形になり、(1)の解がいかにも極形式で表しやすいので、解けます。
理論上は完答も狙えますが、上記のように考えられたかが、勝負の分かれ目だったかと思います。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数列と極限の問題です。

(1)
絶対値を見たら、素直に外しにいけばいい場合が多いです。
すると本問は0に収束することが、かなり簡単に示せるので、解けます。

(2)
(1)と同様に考えると、教科書レベルの特性方程式で解く2項間漸化式が現れますが、教科書レベルなので、正の無限大に発散することが、かなり簡単に示せるので、解けます。

(3)
本問も(1)とほぼ同様で、0に収束することが、かなり簡単に示せるので、解けます。

(4)
背理法を使うと、0に収束することが、かなり簡単に示せますが、問題の形式が証明問題ではないので、背理法を思いつくかなあ、というところかと思います。また、教科書の数列の極限のところに載っている、xy平面上の直線でジグザグに考える方法も有効ですが、あまり入試で使うことはなく、思いつくかなあ、というところかと思います。
理論上は完答も狙えますが、(3)までで合格点かな、と思います。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はD。
ベクトルの問題です。

(1)
本問は証明問題です。教科書あたりをきちんと勉強していれば、本問は、対偶を取るか、背理法か、のほうがうまくいくのではないか、と思うはずです。実際に、そうすれば、比較的簡単に示せます。
特に、医学部あたりの場合、本問は確保したいかもしれません。

(2)
内積0から、垂直なベクトルをk、l倍のなんとかベクトル、などと設定してあげて、もう片方の与式の内積1のほうに代入すると、k、lが定まるので、解けます。
特に、医学部あたりの場合、本問も確保したいかもしれません。

(3)
まあ、難しいと思います。他の大問でがんばれば、十分合格点を超えます。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
関数方程式の問題です。

(1)
関数方程式の問題はFocus Gold数3あたりには載っています。そのあたりの問題を勉強していれば、x=y=0を代入してみるというのは基本なので、示せます。

(2)
Focus Goldの関数方程式の問題も、微分の定義を使っています。本問も微分の定義に持ち込めばいいので、示せます。

(3)
下線部3に親切に「実部と虚部を調べる」と書いてあります。したがって、展開して整理すると、行き詰まりそうですが、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問を使うのではないか、という考え方が大切です。(2)を使うには、微分すればよさそうだ、ということがわかります。これで、かなり簡単に示せます。

(4)
本問も、やや複雑ですが、微分の定義に持ち込めばいいので、理論上は完答も狙えます。
特に、医学部あたりの人は、がんばりたかったところかと思います。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の微分、積分(面積)の問題です。

(1)
媒介変数表示された曲線Cの接線のうち、y軸並行のものがいくつあるかを求める問題です。
y軸並行ということは、傾きを考えられない(±無限大に発散する)、ということですね。九大理工系あたりの場合、このあたりから理解していない人もそれなりの割合でいるように思います。しっかり学習しましょう。
ちなみに、Focus Goldの数3の微分のグラフを書く問題には、横の副文の解説で、この傾きを考えられない接線について、考察しているものもあります。そのような経験があれば、より見通しがいいでしょう。
そうでなくても、dy/dxの逆のdx/dyが0になればいい、というのは、媒介変数表示の微分あたりを勉強していれば、十分、思いつくことも可能だと思います。そのような方針で解けます。

(2)
媒介変数表示された曲線Cと直線y=xの囲む面積を求める問題です。
まず、媒介変数表示された関数の増減表、グラフの書き方は、Focus Goldあたりには載っています。
媒介変数表示された曲線とx軸の囲む面積の問題は、教科書にも載っています。やや複雑ですが、原理的には教科書と同じことをやればいいので、難易度Cですが、十分に完答も狙えるかと思います。

 

九州大学医学部・理系数学の勉強法、対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がCCDCCでした。ただ、D問題の最後の方は、はっきり難しそうですが、その他は、C問題とは言え、どこかに基本形が載っているような問題を、少し複雑にした、といった出題も多く、特に、医学部合格レベルの人は、完答、あるいは、かなりの部分点を取れる出題だったかと思います。
 非医学部の人は、0完(完答できた大問が0問)でも、きっちり部分点を集めれば、十分に合格点を超えたかと思います。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年九州大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
2つのベクトルの両方に垂直で、大きさを与えられたベクトルを求める問題です。内積0を2回使え、大きさで式が1本立ち、合計、式が3本立つので、空間ベクトルのx,y,z成分が定まります。これは、数研出版の教科書には載っている、教科書レベルの問題と言えるので解けます。

(2)
平面αに関して点Pと対称の点P’の座標を求める問題です。
Focus Goldあたりには似たような問題が載っているので解けます。また、仮に初見でも、内積0が使えますし、PP’の中点が平面上にあることなのは、教科書の「図形と方程式」に載っている「直線に関して対称な点」の問題が参考になるでしょう。

(3)
折れ線の最小値を求める問題です。
似たような問題は高校入試でも出ますし、Focus Goldあたりにも、平面バージョンが「図形と方程式」に載っています。同様に考えれば解けます。
ただ、点Pと点Qが果たして、平面に関して同じ側にあるのか、という疑問があります。これは、出題が親切で、点Pと点Qのx,y座標が同じであることから、かなり考察が楽です。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整式の割り算と極限の融合問題です。

(1)
与式を満たす実数A,B,Cと整式Q(x)が存在することを示す問題です。
整式の割り算について、教科書を超える、Focus Goldあたりに載っている難しめの問題をしっかり勉強していれば、本問程度の操作はできると思うので、解けます。

(2)
(1)のA,B,Cをn,α,βで表す問題です。
式が足りないようですが、整式の割り算の問題で、両辺を微分する技法は、わりと有名で、載っている本には載っています。したがって、しっかり勉強していれば解けます。

(3)
極限値を求める問題です。
難しいと思います。他の大問でがんばれば、十分合格点を超えます。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
本問の与式のもと、2数が互いに素であることを示す問題です。
与式からnが奇数であることは簡単に言えます。
互いに素であることの証明は、Focus Goldあたりには載っています。1つは、最大公約数が1であることを示すことです。そして、「最大公約数」とあったら、最大公約数で割った形の式を書くのが有力で、Focus Goldあたりにも何問か載っています。したがって、なんとか示せるのではないかと思います。

(2)
与式のもと、n2-1が168の倍数であることを示す問題です。
大学受験数学において、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考えが大切です。もう1つは、整数問題では、なにかの倍数であることがわかるなどしたら、ガンガン文字を使って置き換えるとうまくいくことが多いです。(1)の結論と与式を使い、新たに文字で置き換えると、理論上はわりとわかりやすく示せますが、Focus Goldあたりでは弱く、整数問題にかなり慣れていることが必要でしょう。このあたりから難しめと言えるでしょう。

(3)
与式を満たす自然数の組(m,n)を1つ挙げる問題です。
当然、(2)の結果、つまりn2-1=168sなどと置き、代入します。
すると、仮に(2)の証明がうまく行かなくても(3)は解ける可能性はあります。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
定積分の定義などについての九大らしい長文問題です。

(1)
「足し算の微分が微分の足し算になる」(いわゆる線形性の一部)ことを微分の定義から証明する問題です。
実は、数研出版の教科書では、数2の微分で、本問のように一般論ではありませんが、具体的な関数で、本問と同様の解説をしています。したがって証明できます。

(2)
問題文の定積分の定義と平均値の定理から、本文の命題を証明する問題です。
定積分の右辺と、平均値の定理の分子が同じ形をしているので、比較的簡単に証明できるのではないかと思います。

(3)
見た目難しそうですが、実は左辺と右辺は定数関数なので、意外と簡単に示せます。特に、区分求積あたりをしっかり勉強していると、ビビらずに済んだでしょう。

(4)
問題文にΣがあります。そして、数3の積分の教科書にも、このような不等式を辺々足していく話があります。基本形はそのような話なので、理論上は示せます。
理論上は完答も可能ですが、見た目の難しそうさに惑わされないことが大切だったと思います。実戦的にはきつそうなので、難易度Cなのだと思います。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の微積分で媒介変数表示された図形についての問題です。

(1)
dx/dtとdydxが負であることを示す問題です。教科書レベルとも言えるので示せます。

(2)
曲線と直線で囲まれた面積を求める問題です。
媒介変数表示された図形の増減表、グラフの書き方は、Focus Goldあたりには載っています。また、媒介変数表示された図形とx軸の囲む面積の基本形は、教科書に載っています。したがって解けます。

(3)
前半は曲線Cがx軸対称であることを示す問題です。
媒介変数表示がそもそも何かは、教科書できちんと説明されています。つまるところ、座標(x,y)です。したがって、tに-tを代入して、x座標がそのまま、y座標が-1倍になれば、x軸対称と言えるので示せます。
後半は、曲線C上の点を原点中心にπ/3回転させた点は曲線C上にあることを示す問題です。「原点中心にπ/3回転」は、複素数平面を使うのが、一番簡単そうです。それで示せます。

(4)
曲線Cの概形を図示する問題です。
本問も、上の小問の結論を使う、と考えましょう。すると、0≦t≦π/6の部分は(2)で考察していますし(もう少し考察が必要かもしれませんが)、x軸対称であることを示していますし、原点中心にπ/3回転させた点も曲線C上にあることを示しているので、概形を書けることになります。
理論上は完答も可能な問題だったと言えます。

 

九州大学医学部・理系数学の勉強法、対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBCCCCでした。ただ、C問題も完答、あるいは、かなりの部分点を狙える問題も多いです。医学部合格レベルの人は、大問1を完答。大問5をできれば完答。大問4も完答近く。大問2は(2)まで。大問3を半分ほど、といった程度で、十分に合格点を超えたでしょう。
 非医学部の人は、特にC問題は、難しめの問題でかなり失点しても、十分に合格点を超えたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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【2024】神戸大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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大学受験の数学の勉強法・参考書

京都大学数学(医学部・理系・文系)

大阪大学数学(医学部・理系)

 

神戸大学入試の数学で悩んでいる人へ

 神戸大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、神戸大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、神戸大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

神戸大学医学部・理系入試における数学の重要性

 神戸大学医学部医学科二次試験前期の数学の配点は、160/480です。見た目だけでも、配点の1/3を占めていますね。 
 また、2024年のように、難易度がBBBBCの場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、ほぼ満点を狙えます。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、神戸大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

神戸大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 神戸大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年神戸大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、神戸大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列と数3の微分の融合問題です。

(1)
関数の最大値を取るxの値を求める問題です。
微分して増減表を書けばいいので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
数列bnについての漸化式を立てる問題です。
(1)と同様にすると、anについての漸化式はすぐ立ちます。あとはbnで置き換えればいいだけなので、解けます。

(3)
数列bnの一般項を求める問題です。
(2)の答が、教科書レベルの特性方程式で解く2項間漸化式の形をしているので、解けます。
本問は小問による誘導がありますが、Focus Goldあたりには、自分で両辺の対数を取って解く漸化式が載っているので、本問は、とても親切な出題だったと言えます。
また、2022年の第1問も、対数を取って解く漸化式の問題でした。

完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
二次関数と軌跡の融合問題です。

(1)
放物線Cの式の中のbの値を求める問題です。
Cは直線l1、l2の両方に接するので、重解条件を2回使えば出ます。教科書レベルとも言えるので、解けます。

(2)
Cがx軸と異なる2点で交わる時の1/aのとりうる値の範囲を求める問題です。
判別式を使えば出るので、教科書レベルと言え、解けます。

(3)
三角形PQRの重心の軌跡を求める問題です。
重心を(x,y)とすると、x,yはaで媒介変数表示される形になります。ここから媒介変数を消去して軌跡の方程式を求める問題は、Focus Goldあたりには載っています。また、本問の軌跡は、直線の「一部分」、と限定が出ます。このように、媒介変数のとりうる値((2)で求めている))から、軌跡の方程式のx座標に制限が出る問題もFocus Goldあたりには載っています。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
確率の問題です。

(1)
1個のサイコロを投げて出た目が必ずnの約数となるようなnを小さい方から3つ求める問題です。
定型的ではないですが、少し考えれば、サイコロの目の最小公倍数を考えればいいことがわかります。したがって解けます。

(2)
1個のサイコロを投げて出た目がnの約数になる確率が5/6となるようなnを小さい方から3つ求める問題です。
本問も定型的ではないですが、少し考えれば、確率が5/6というのは、サイコロの目のうち、1つを除く残り5つの公倍数になっているということです。具体的に1~6まで考えていくと、比較的簡単に解けます。

(3)
1個のサイコロを3回投げて出た目の積が160の約数となる確率を求める問題です。
3回しか投げないので、余事象を取らずに、愚直に数え上げればいけるのではないか、と考えます。そのような方針でいけます。問題の見た目は異なりますが、本問のように、具体的に数え上げた後、並び替えを考えるような問題は、Focus Goldあたりには載っています。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
全体としては積分(体積)の問題です。

(1)
直方体を辺を中心に回転させてできる円柱の体積を求めるという、小学生でもできそうな問題です。したがって解けます。

(2)
平面x=tと線分EFの共有点の座標を求める問題です。
初見でも解けたいですが、Focus Goldあたりの数3の積分の回転体の体積のところには、このような考え方をする問題が載っています。内分の公式とベクトルを使うと見通しがいいです。したがって解けます。

(3)
本問の直方体をx軸周りに回転させてできる図形の体積を求める問題です。
本問は、Focus Goldあたりでは(2)の誘導なしの問題が載っているようなレベルの出題です。(2)の誘導はかなり親切だと言えます。したがって解けます。ただし、Focus Goldあたりで本問のような回転体の体積の問題をマスターしていることは、大切だったと思います。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はC。
数3の積分(計算、面積)の問題です。

(1)
本問の積分計算は、教科書にも載っているu=tanθと置換する形なので、解けます。

(2)
連立不等式の表す領域を図示し、面積を求める問題です。
本問は、言われればたいして難しくありませんが、実戦的には、途中の考察がやや難しく、完答するのは難しそうです。(1)の結論を使うのだろう、というのはいいと思います。それに加えて、どれくらい部分点を取れたか、という勝負だったかと思います。試験時間との関係もあり、それほど出来は良くなかっただろうと思います。

 

神戸大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 神戸大学医学部・理系の数学は、大問5問、試験時間120分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBBCでした。医学部合格レベルの人であれば、大問5(2)以外は、かなり簡単に解けるような出題でした
 非医学部の人は、ポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 数3の微積分は、最低、1題は出ると考えます。2024年は3題出ました。確率も、かなり出題可能性が高いと思われます。数列がらみの出題も、ここのところずっと続いています。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

神戸大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの神戸大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、神戸大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年神戸大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列の問題です。

(1)
すべての実数xについてf(x)≧xが成り立つことを示す問題です。
教科書通り、両方の場合について、(左辺)ー(右辺)≧0を示してもいいですし、グラフで考える考え方もFocus Goldあたりには載っているので、解けます。

(2)
「すべての正の整数nについて」示すので、数学的帰納法で行くのはいいと思います。
枠組みとしては、教科書レベルと言えるので、簡単に示せます。

(3)
数列{an}の一般項を求める問題です。
大学受験数学において、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、というのが大切な考え方です。
a≦1については(2)で考察しています。したがって、あとはa>1について(2)と同様に考察すればいいことがわかります。その後は、いずれの場合も、教科書レベルの特性方程式で解く2項間漸化式となるので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
2次方程式の解についての問題です。

(1)
異なる2つの正の解を持つための条件です。
これは、ほぼそのままが、Focus Goldあたりの二次関数の、2次方程式の解の配置の問題のところに載っているので、解けます。

(2)
2解の実部がともに0より小さくなる条件を求める問題です。
虚数解も考えるところに、本問の「ひとひねり」があります。ただし、実数解だけなら、(1)同様に考えればいいです。虚数解の実部が負というのは、愚直に解の公式において、(実部)<0と考えればいいだけだとわかります。したがって解けます。領域の図示も基本的なので大丈夫でしょう。

(3)
2解の実部がともに-1より大、0より小となる条件を求める問題です。
実数解については(1)、(2)同様、Focus Goldあたりの二次関数の、2次方程式の解の配置の問題のところに載っています。虚数解についても(2)同様に考えれば簡単なので解けます。領域の図示も大丈夫だと思います。本問のように文系レベルの問題については、おおむね、境界線の曲線と直線は接すると考えたほうがいいです。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
確率の問題です。

(1)
2枚のカードの数の和が偶数となる確率の問題です。
本問は、カードの枚数が2n枚と抽象的ですが、やること自体は教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
3枚のカードの数の和が偶数となる確率の問題です。
本問も、カードの枚数が2n枚と抽象的であることを除けば、場合分けなども、やること自体は教科書~Focus Goldあたりの基本問題レベルと言えるので、解けます。

(3)
2枚のカードの数の和が2n+1以上になる確率の問題です。
本問は、愚直に具体的にやっていくと、場合の数は、簡単な等差数列の和に帰着されます。表でも書けば、それで論理的に説得力のある答案だと思います。したがって解けます。抽象的な問題や確率は、具体的にやってみると見通しが良くなることがあります。
本問の解説で、Σを使っているものが見られます。本問については上記のように必要ありませんが、上位国立大学では、確率の問題でΣ計算が必須の場合があります。特に医学部あたりの人は、Σ計算が必要な確率の問題の準備をしておいたほうがいいでしょう。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
線分ABの長さを求める問題です。
格言「ベクトルの大きさは2乗せよ」で解決します。教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hを求める問題です。
同様の問題は、Focus Goldあたりには載っているので、内積0を2回使えば2文字が定まることは見えると思います。したがって解けます。Focus Goldあたりとは、問題文で与えられている条件は異なりますが、やはりFocus Goldあたりでよくやる操作で、本問に必要な情報は得られますから、困ることはないと思います。

(3)
四面体OABCの体積を求める問題です。
これは、Focus Goldあたりでは、(2)からの流れで載っていることが多いと思います。高さは「ベクトルの大きさは2乗せよ」でOHベクトルの大きさを求めればいいです。したがって解けます。本問は(2)で内積の値が0になることから、底面が直角三角形であることに気づくと、計算が楽になる、という特殊性があります。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
媒介変数表示された曲線の微分、積分(面積)の問題です。

(1)
dx/dt=0 または dy/dt=0 となるtの値を求める問題です。
教科書通り微分して、三角方程式を解くだけなので、教科書レベルと言え、解けます。途中、三角方程式で2t-(π/6)の変域の考察が必要になります。ここは教科書本文は超えていると言えますが、Focus Goldあたりには載っています。非医学部あたりを受験する人は、経験上、このあたりで引っかかっている可能性が高いです。気をつけましょう。

(2)
曲線Cの概形を書く問題です。
媒介変数表示された曲線の増減表、グラフを書く問題はFocus Goldあたりには載っているので、書けます。

(3)
曲線Cとx軸の囲む面積を求める問題です。
媒介変数表示された曲線とx軸の囲む面積の問題は、教科書に載っていて、その後の積分計算も教科書レベルと言えるので、解けます。この積分計算は「合成関数に、合成関数の中身の微分が掛かっている型」と大学受験塾チーム番町では呼ばれています。教科書では置換積分していますが、合成関数の微分の逆と考えると、暗算で積分できる形です。
完答しましょう。

 

神戸大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBBBでした。医学部合格レベルの人であれば、ほぼ満点を狙える出題でした。
 非医学部の人は、ポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年神戸大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列と極限の問題です。

(1)
すべての自然数nについて、本問漸化式が成り立つことを示す問題です。
問題文から、数学的帰納法で行くことはいいと思います。それで、枠組みも教科書レベルの簡素さと言えるので、簡単に示せます。

(2)
bnをnで表す問題です。
本問は置き換えの誘導があるので、素直に乗って、両辺の対数を取ります。すると、教科書レベルの特性方程式で解く2項間漸化式の形をしているので、解けます。

(3)
数列anの極限値を求める問題です。
ここまでくれば、普通にやれば解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
円に内接、外接する正多角形と無限級数という、よくある問題です。

(1)
rnについては、三角比で簡単な漸化式が立つので解けます。snについては、問題文にしたがって、愚直に面積の引き算をするのは、難しいことではないので、解けます。

(2)
無限等比級数を求める問題です。
(1)の結論から、snの初項、公比、和が収束することは簡単にわかり、すべきことの枠組みは教科書レベルと言え、解けます。

(3)
(2)の極限値を求める問題です。
問題文にヒントが与えられているので、まず、その形を作ることを考えます。すると、教科書~Focus Gold基礎レベルの極限の問題になるので、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分、積分(計算、面積)の問題です。

(1)
関数の極値を求める問題です。
愚直に微分して増減表を書けばいいので、やや式は複雑なものの、枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。

(2)
曲線とx軸の囲む面積を求める問題です。
積分計算で、まずlog(1+x2)の積分が問題となります。まあ、部分積分で行くのはいいと思います。その部分積分の過程で、教科書にも載っている「分子の字数を下げる型」や「x=tanθと置換する型」が出てきます。ただ、1つ1つがしっかりしていれば大丈夫なので、解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
双曲線の問題です。

(1)
双曲線と直線が異なる2点で交わるためのaの値のとりうる範囲を求める問題です。枠組みとしては、教科書どおり、連立して判別式が正、とすればいいので解けます。

(2)
交点P、Qの中点R(s,t)をaで表す問題です。
「中点」は「解と係数の関係」と相性がいいです。Focus Goldあたりだと、数2の「図形と方程式」から、このような問題が載っていますし、数Cの「式と曲線」では教科書にも載っています。したがって解けます。

(3)
aが(1)の時、sのとりうる値の範囲を求める問題です。
(2)の結論から、分数関数の値域の話になるので、教科書レベルと言え、解けます。

(4)
tの値をsで表す問題です。
イメージとしては、R(s,t)が媒介変数aで表されている軌跡の問題、と同じと言えます。このような問題は、Focus Goldあたりの数2の軌跡には載っていますし、数Cの「式と曲線」では教科書にも載っています。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
全体としては整数問題です。

(1)
見た目、ほぼ同じ問題が、Focus Goldあたりの対数関数に載っています。したがって解けます。

(2)
本問の分母を払って整数の積に持っていく形の整数問題は、Focus Goldあたりには載っています。ここで、pは素数です。整数問題で「素数」という文言を見た時に、いくつか、思い浮かべるべき事柄があります。

整数問題攻略の7つのポイント

本問は、上記リンク先くらいで解けますが、Focus Goldあたりだけだと整数問題はちょっと弱いので、大学受験塾チーム番町では、補強問題を渡しております。

(3)
まず(1)と同じ形をしていますね。この流れで(1)の存在は明らかに不自然ですから、(1)の結論を使うのだろう、と考えることが大切です。そうすると(2)も使うことができ、後は自然に答が出るので解けます。
完答しましょう。

 

神戸大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2022年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBBBでした。医学部合格レベルの人であれば、ほぼ満点を狙える出題でした。
 非医学部の人は、ポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。医学部の人は、整数は少し補強していて方が良かったかもしれませんし、年度別『入試問題集』や他大の過去問などでカバーできていたかもしれません。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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【2024】広島大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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広島大学入試の数学で悩んでいる人へ

 広島大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、広島大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、広島大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

広島大学医学部・理系入試における数学の重要性

 広島大学医学部医学科二次試験前期の数学の配点は、英数重視型配点では800/1800、B型配点では600/1800です。見た目だけでも、配点の1/3以上を占めていますね。理工系も配点の1/3前後のことが多いです。 
 また、2024年のように、難易度がBBCBBの場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、かなりの高得点を狙えます。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、広島大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

広島大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 広島大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年広島大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、広島大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
データの分析の問題です。

(1)
aの値を求める問題です。
平均値についての式を立てるだけであり、中学生でも解けそうです。

(2)
データの変換についての問題です。
この話は、2024年入試の旧課程までの教科書では、本文ではなく「研究」のところに載っています。ただ、2025年入試からの新課程では、教科書本文に入りました。共通テスト型模試などでは、よく出題されていました。この「データの変換」の話を知っていれば、教科書レベルとも言え、簡単に解けます。

(3)
問題文、教科書通り、素直に、変量xと変量zの相関係数が3/4という式を立てれば解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
内積の値を求める問題です。
まったくの教科書基礎レベルの問題と言え、解けます。

(2)
点Cから平面ABCに下ろした垂線の足Mの座標を求める問題です。
ほぼ同じ問題は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。内積0を2回使えるので、2文字使っても定まるのがポイントです。

(3)
図を書くと、線分CDの中点がMであることがわかります。そもそも、問題文からして、Mという中点っぽい文字を使っていますよね。したがって、その後は教科書レベルとも言え、解けます。

(4)
三角形CADの面積を求める問題です。教科書に、ベクトルを使った三角形の面積の求め方が載っています。したがって、教科書レベルとも言え、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はC。
格子点の問題です。

(1)
本問は整数問題と言えるでしょう。
直線の方程式を変形すると、例の教科書に載っている「a,bは互いに素であるから、x=akと書ける」を使える形になります。それで示せます。

(2)
長方形の方は、ごく基本的な格子点の問題です。
格子点の問題は、Focus Goldあたりには載っていて、本問は簡単なので、解けます。
三角形の方は、長方形ど同様に解く方法もありますが、本問(1)を誘導と考えると、長方形のほぼ半分と見て、重複部分を考えるほうが速い、ということになります。このような解き方も載っている本には載っています。したがって解けます。

(3)
やや状況が複雑になるだけで、枠組みは(2)と同じなので解けます。

(4)
格子点を四面体、空間に拡張した問題です。
格子点の原理を理解していれば、同様にΣ計算で解けますし、載っている本には、空間の格子点の問題も載っています。
完答したいですが、難しめなので、医学部合格者でも多少に失点は許されたでしょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
愚直にαを求めて計算すればいいだけなので、解けます。

(2)
「図形と方程式」と同じように、方程式のzに-(1/z)を代入して「=」が成り立てばいいわけです。複素数平面でも「絶対値は2乗せよ」は教科書レベルの格言です。それを2式について実行すれば、比較的簡単に示せます。

(3)
愚直にzにwの式を代入して、上の小問を使うと、教科書レベルの操作で簡単に示せます。

(4)
与式前半は(3)で示しています。後半も(3)と同様の操作をすることで、示せます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分、積分の問題です。

(1)
曲線がx>0で上に凸であることを示す問題です。
教科書に書いておるとおり、第二次導関数が負であることが言えれば良く、計算も複雑ではないので、簡単に示せます。

(2)
不等式の証明の問題です。
3辺ありますが、2つに分けて、教科書の微分のところに載っている通り、(右辺)ー(左辺)を関数と見て、0以上になることを言えばいいので示せます。

(3)
定積分の値Sを求める問題です。
logの積分なので、教科書通り、部分積分で行くのは、いいと思います。部分積分の過程の微分は(1)の計算を使えることに注意しましょう。その部分のその後の積分は、教科書では置換していますが「合成関数の微分の逆型」なので、簡単に求まります。したがって解けます。

(4)
接線を求めて、四角形の面積Tを求める問題です。
愚直に座標を求めるだけなので解けます。四角形の面積は、三角形に分割すればいいのは、数1の教科書の三角比のところにも載っているので、いいでしょう。

(5)
(1)~(4)を利用して、log2の小数第1位の数字を求める問題です。親切な問題文ですね。大学受験数学においては、問題に書かれていなくても、上の小問の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。
まずlog2がはっきり出てくるのは(3)、(4)で、図形的にS<Tが言えます。次に、(4)の過程でf(3/4)=log2を求めているので、(2)の不等式に代入すると、不等式がもう1本立ちます。これで解けます。
後半については、(2)の中辺の定積分がSで、(2)の左辺は(3)の過程で積分しているので、ここで、教科書に載っている、定積分しても不等号が成り立つ、ことを使ってもいけます。
面白い問題ですね。

(5)が引っかかるポイントがあるかもしれませんが、完答したいです。

 

広島大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 広島大学医学部・理系の数学は、大問5問、試験時間120分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCBBでした。医学部合格レベルの人であれば、かなりの高得点を狙える出題でした
 非医学部の人は、ポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 数3の微積分は、最低、1題は出ると考えます。2024年は出ませんでしたが、確率も、かなり出題可能性が高いと思われます。数列がらみの出題は続いています。データの分析も世の中で身近に実用性が高い分野で、今後、警戒したほうがいいかもしれません。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

広島大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの広島大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、広島大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年広島大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
1~NまでのN枚のカードから元に戻しながら4枚取り出し、確率の問題です。

(1)
4枚とも同じ数字を取り出す確率です。
教科書レベルとも言えるので、解けます。

(2)
4枚とも異なる数字を取り出す確率です。
教科書レベルとも言えるので、解けます。

(3)
4枚中3枚が同じ番号である確率です。
似たような、数字の選び方と並び替えの問題が、Focus Goldあたりには載っています(しかも、自分で場合分けをしなければならず、本問より難しいと思う)。したがって解けます。

(4)
番号が3種類の確率です。
(3)同様、似たような問題がFocus Goldあたりには載っているので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
図形と方程式あたりの問題です。

(1)
点Pと、x軸対称の点と直線y=x対称の点を求める問題です。
中学生レベル、また、高校の教科書レベルと言え、解けます。

(2)
2直線が交点を持つための条件と交点を求める問題です。
教科書の「図形と方程式」に、平行でない、傾きが異なれば、交点を持つと載っているので解けます。交点を求めるのも、枠組み自体は教科書レベルです。

(3)
(2)同様、2直線が交点を持つための条件と交点を求める問題です。
(2)同様、枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。

(4)
2直線が直線が垂直になる条件を求める問題です。
傾きをかけて-1になればいいという枠組み自体は教科書レベルと言えるので、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
内積を求める問題です。
ごく簡単で教科書基本レベルと言え、解けます。

(2)
本問AFベクトルをb,d,eベクトルで表す問題です。
教科書~Focus Goldあたりの基礎レベルと言え、解けます。

(3)
三角形AGEの最小値を求める問題です。
教科書のベクトルのところに、ベクトルで三角形の面積を求める方法が載っています。それでいくと見通しが良さそうです。必要な情報を求める操作もFocus Goldあたりではよく行います。根号の中が二次関数になる形も、Focus Goldあたりには載っています。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列と極限の問題です。

(1)
b1、b2を求める問題です。
愚直に代入して求めるだけなので、解けます。

(2)
数列{bn}が等比数列であることを示す問題です。
「等差数列であることを示せ」という問題は、数研出版の教科書には載っています。等比数列の定義から、同じように考えればいいので、枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。

(3)
極限値を求める問題です。
まあ、このような極限は、はさみうちでいく、ということでいいと思います。また、問題文にヒントが載っているので、その形に持っていく方向で考えます。それで解けます。

(4)
極限値を求める問題です。
大学受験数学では、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないかと考えます。
(2)(3)を使い、愚直に計算すると、比較的簡単な形なので、解けます。ただ、整関数より指数関数のほうが発散が速いことを前提にすると楽ですが、そこも論証すると(Focus Goldあたりには載っている)やや大変かもしれません。大学受験数学の問題文では、わざわざ、そのようなことを使っていい、と書いてある場合が多く、書いていない場合、きちんと論証したほうが無難かもしれません。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分、積分(計算、面積)の問題です。

(1)
関数のグラフの概形を書く、問題です。
微分して増減表を書けばいいので、枠組み自体は教科書レベルと言えますが、関数が少しだけ複雑なので、Focus Goldあたりまでこなして、練習しておいたほうが見通しが良かったでしょう。いずれにせよ、解けます。

(2)
よくある、(1)のグラフと定数関数の共有点の個数で方程式の実数解の個数を求める問題です。
教科書やFocus Goldあたりのいたるところに出てくるので、解けます。

(3)
定積分の値を求める問題です。
まず、教科書にも載っている「分子の次数を下げる型」です。そうすると、教科書にも載っている「x=atanθと置換する型」になります。したがって解けます。

(4)
問題を理解すると、定積分の値を求める問題に帰着されます。
積分計算は、(3)を使える部分と、教科書にも載っている「分母の微分が分子型」の部分なので、解けます。
完答しましょう。

 

広島大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBBBでした。医学部合格レベルの人であれば、満点も狙えるようなような出題でした
 非医学部の人は、ポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年広島大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数2の積分の問題です。

(1)
3次関数と直線がちょうど2つの共有点を持つようなaの値を求める問題です。
連立すると3次方程式になるので、「代数学の基本定理」より、虚数会を含めると解は3つあるはずです。このあたり、初見でも行けそうですが、Focus Goldあたりの数2の高次方程式には、3次方程式の実数解の個数がちょうど2つになるような問題が載っています。そのような問題が頭にあると、より見通しよく解けたかと思います。

(2)
(1)の時の曲線と直線が囲む面積を求める問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(3)
曲線と直線が囲む部分の面積の差の絶対値が3/2となる場合のaの値を求める問題です。
(1)、(2)は、本問で場合分けをするための誘導です。大学受験数学では、このような小問集は、上の結論を使うのではないか、と考えることが大切です。
すると、おそらくスムーズに場合分けができ、あとは愚直に計算するだけなので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
平面図形(三角形の五心)、図形と方程式あたりの問題です。

(1)
二等辺三角形の内心と二等辺三角形の頂点の座標を、底角で表す問題です。
簡単な三角比(tan)で求まるので解けます。

(2)
二等辺三角形の内心と二等辺三角形の頂点の座標の関係を求める問題です。
(1)から倍角を使ってtanを消去すればいいので、教科書レベルと言え、解けます。

(3)
二等辺三角形の重心が内接円の円周上にある時の内心の座標を考察する問題です。
教科書に、重心は中線を2:1に内分することが書いてあるので、図でも書けば、簡単に式が立ち、解けます。

(4)
二等辺三角形の垂心が内接円の円周上にある時の内心の座標を考察する問題です。
内積0が使えるので、ベクトルでもいいでしょうし、「傾きを掛けて-1」を使えるので「図形と方程式」で言ってもいいでしょう。いずれにせよ、枠組みは教科書レベルと言え、解けます。

(5)
二等辺三角形の外心が内接円の円周上にある時の内心の座標を考察する問題です。
外心は辺の垂直二等分線の交点であることが教科書に書いてあります。すると、ベクトルのほうが見通しがいいのかな、という気になると思います。あとは、計算は少しだけ複雑ながら、枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
易しい整数問題と数列の融合問題と言えます。

(1)
愚直に3項間漸化式に代入して、c5とc6の最大公約数を求めるだけなので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
「数学的帰納法で示せ」と明記してある、親切な問題です。
論理としては難しくなく、入試ではわりと見るような標準問題と言え、帰納法を根本から理解している人は初見でも行けそうですが、帰納法はFocus Goldが弱めの分野なので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題あたりを解いておくといいでしょう。

(3)
本問も「数学的帰納法で示せ」と明記してある、親切な問題です。
まず、問題文から、dはa、bの公約数であることがわかります。Focus Goldあたりの整数分野には、まず公約数で割る問題が何問か載っています。本問もそれで行くのではないかと考えます。
あとは、最初にn=1、2と2つ具体的に調べる問題も、Focus Goldあたりの数学的帰納法のところには載っているので、比較的簡単に示せます。

(4)
c2022が奇数ならばa+bも奇数であることを示す問題です。
証明問題では、常に、対偶を取ることを選択肢に入れましょう。教科書を勉強するくらいで、本問は、明らかに対偶を取ったほうが見通しがいいと気づくはずです。あとは、比較的簡単に示せます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
赤玉白玉を取り出したり入れたりする確率の問題です。

(1)
条件つき確率の問題です。
ただ、条件つき確率を根本から理解していれば、条件つき確率の例の式を持ち出さなくても解けます。持ち出しても、結局、分母分子に同じものが現れ、約分することになります。このあたり、理解しておきたいです。いずれにせよ、枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。

(2)
本問も、枠組みは教科書レベルと言え、計算も簡単なので、解けます。

(3)
本問はコンビネーション(組合せ)の計算に文字nが入り、その点では教科書を超えると言えます。また、事象も3つとなり、少しだけ状況が複雑になります。一方で、やっている事自体の枠組みは、引き続き教科書レベルと言え、普通にやれば解けます。

(4)
条件つき確率の問題です。
本問は、条件つき確率の例の式を使います。すると、(3)の結論をかなり使えます。まだ求めていないものを求めるのも、枠組み自体は教科書レベルと言えるので、わりと簡単に求まると思います。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数列の極限、数3の微分の問題です。

(1)
2数の大小を比較する問題です。
対数を取ってもいいでしょう。また、右側が指数法則を使いもう少し計算できるので、すると簡単に比較できます。いずれにせよ、簡単に示せます。

(2)
曲線の接線の方程式を求める問題です。
教科書通りにやるだけなので、解けます。

(3)
不等式の証明の問題です。
教科書の微分のところに載っている通り、(左辺)ー(右辺)を関数と見て、増減表を書いて、0以上になるのを示せばいいので示せます。

(4)
極限値を求める問題です。
このような極限は、はさみうちでいく、というのは、いいと思います。
また、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考えが大切です。本問も(3)の結論を使えそうです。すると、Focus Goldの数列の極限に載っている、不等号を使って、数列の番号をa1が出てくるまで下げていく話になります。したがって解けます。
完答しましょう。

 

広島大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2022年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBBBでした。医学部合格レベルの人であれば、満点も狙えるようなような出題でした
 非医学部の人は、ポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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【2024】金沢大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】金沢大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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大学受験の数学の勉強法・参考書

新潟大学数学(医学部・理系)

広島大学数学(医学部・理系)

 

金沢大学入試の数学で悩んでいる人へ

 金沢大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、金沢大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、金沢大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

金沢大学医学部・理系入試における数学の重要性

 金沢大学医学部医学科二次試験前期の数学の配点(面接除く)は、600/1800です。見た目だけでも、配点の1/3を占めていますね。理工系も配点の1/3前後のことが多いです。 
 また、2023年のように、難易度がCBBCでC問題も意外に解きやすい場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、かなりの高得点を狙えます。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が4つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、金沢大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

金沢大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 金沢大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2024年金沢大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、金沢大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
数3の極限、微分、積分(計算)の問題です。

(1)
微分するだけなので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
(2)以下は、Focus Goldには、ほぼ同じ問題が載っています。大学受験数学でも、似たような問題は、よく出ています。いわゆる大学の物理学で「減衰曲線」と言われるものです。平行移動して計算を楽にする技法もあります。いずれにせよ、類題は受験勉強として、あらかじめ準備しておくべきなので、解けます。

(3)
類題は多いと書きました。最後は、このような極限のことが多いです。初見だと厳しいかもしれませんが、類題を事前に準備していれば、初項と公比がわかる形に変形して、無限級数を求めればいいので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
複素数平面、式と曲線(放物線)
の問題です。

(1)
実部と虚部は、愚直に計算するだけです。虚部に「i」を含めてしまう人がいるので注意しましょう。虚部の話は教科書には載っている問題です。絶対値も計算するだけですが、計算と言えないくらいに非常に簡単です。したがって解けます。

(2)
等式の証明の問題です。
与式を使って1文字消去して、愚直に計算すると示せます。1文字消去する等式の証明は、まあ極論ですが、数2の教科書に載っています。定型的な問題とは言えませんが、問題文にしたがって素直にやるだけなので、解けます。

(3)
よくわからないことを示す問題です。
ただ、大学受験数学において、本問のような小問集は、上の小問の結論を使うのではないかと考えるのが大切です。(2)で示した等式は、数3の「式と曲線」の放物線っぽいです。それを踏まえて(3)の問題文を把握すると、数3の教科書の「式と曲線」の放物線の定義のようなことが書いてあります。wが原点中心の回転を表す複素数であることはいいでしょう。このあたりからアプローチすると、比較的簡単に完答することもできます。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
四面体の底面の面積と堆積を求める
問題です。

ただし、立体が完成していれば、Focus Goldあたりの空間ベクトルに載っているような問題ですが、本問の特殊性は、展開図で与えられていることにあります。
ただ、言われれば難しくありませんが、空間図形に慣れていないと、頂点から底面に下ろした垂線の足と展開図の関係といった、基本的なあたりから、把握が難しい可能性もあると思います。それさえクリアすれば、あとは、Focus Goldあたりに載っている問題と、ほぼ同様にやれば解けます。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
後半は数列の極限の
問題です。

(1)
3辺の長さが与えられている2等辺三角形の面積を求める問題です。枠組みは中学生レベルと言えるので解けます。

(2)
前半は漸化式の成立を示す問題です。
一番上の問題文を(1)に使うと出るので解けます。
後半は不等式の証明の問題です。
見るからに、教科書レベルの相加相乗平均の形をしているので、解けます。

(3)
等式の証明の問題です。
(2)で示した漸化式の両辺から1を引けばいいだけなので、簡単に証明できます。

(4)
数列の極限の問題です。
似たような問題は、Focus Goldあたりには載っているので解けます。最後は、例の、漸化式の番号をa1が出てくるまで順々に下げていく話になります。
完答しましょう。

 

金沢大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 金沢大学医学部・理系の数学は、大問4問、試験時間120分です。

 2024年は『合否を分けたこの1題』誌の難易度がBBCCでした。医学部合格レベルの人であれば、大問3以外は解きやすく、かなりの高得点を狙える出題でした
 非医学部の人は、さらにポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 数3の微積分は、最低、1題は出ると考えます。確率も、かなり出題可能性が高いと思われます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

金沢大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの金沢大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、金沢大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年金沢大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数3の微分、積分(面積)の問題です。

(1)
f'(α)=0となるαがある開区間に1つだけあることを示す問題です。
中間値の定理を使うという枠組み自体は教科書レベルと言えます。唯一性は、単調性を言えれば良く、他大の入試でも散見されます。以上を示すのは、それほど難しくないので、示せます。

(2)
f(β)=0となるβが(1)と同じ開区間に1つだけあることを示す問題です。
すべきことの枠組み自体は(1)と同じです。
まず、増減表を書く時に、(1)を使えることに注意しましょう。大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考えが大切です。
そうすると、増減表と中間値の定理により、比較的簡単に示せます。

(3)
(1)(2)と同じ開区間でF(x)>0であることを示す問題です。
やはり(2)を使うと増減表を書けます。これと問題文のヒントを使うと、比較的簡単に示せます。

(4)
曲線と直線の囲む面積を求める問題です。
(3)から曲線の上下関係がわかります。
積分計算も、一番難しいのがlog(1+x)の積分でしょうが、数研出版も教科書では問題として載っていますし、他大では、logを含むもっと難しい積分も要求されているので、易しいと言え、解けます。
難易度Cですが、特に医学部合格レベルの人は、十分に完答を狙える問題です。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
空間座標の問題です。

(1)
いわゆる射影の問題です。
状況が単純なので、初等幾何でも解けますし、数2の軌跡の考え方を使っても、Focus Goldあたりをマスターしていれば、関係式を導け、解けるでしょう。

(2)
Pの座標が移動し、ちょっとだけ状況が複雑になったので、軌跡のような考え方のほうが説得力がありそうです。ただ、PQの中点が問題文の円盤の上にある、という簡単な式を立てるだけで関係式を導けるので、解けます。ただし、領域の図示が求められていて、半径2とx座標との関係で、様子が変わってくるので、場合分けが必要ですが、これも難しくないです。

(3)
本問も軌跡のような考え方で、すぐに関係式を導けます。また、射影と考えても、(2)の結論から、直観的に図形的にわかる問題でもあります。
完答しましょう。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
2つの箱で赤玉と白玉を交換する確率の問題です。
まあ、確率漸化式のにおいがしますね。いつも通り推移図を書くと、教科書レベルの特性方程式で解く2項間漸化式になるので、解けます。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
複素数というよりは、二次関数、格子点の問題です。

(1)
愚直にωを与式に代入すると、簡単に整数であることが示せます。

(2)
(1)を誘導と見て、m=1を代入すると、本問の形になります。あとは、定義域が文字なので、やや抽象的ですが、単なる二次関数の最大に帰着されるので、Focus Goldレベルと言え、解けます。

(3)
まず、2変数なので、俗に「予選決勝法」と言われる技法を使うと見通しがいいです。ただし「予選決勝法」が、載っている参考書には載っているのですが、実際にそれほど受験では出ないので手薄になっている人も多いかと思います。
そして、与式が(1)の形をしているので、(1)を使うのだろう、というのはいいと思います。
このような感じで解けますが、出来はそれほど良くなかったのではないか、と思われます。他の大問でがんばれば、十分合格点を超えたと思います。

(4)
与式が(3)と全く同じなので、(3)の結論を使うというのはいいと思います。
また、問題文が格子点っぽいです。
この程度の格子点の問題は、Focus Goldにも載っており、また(3)ができなくても(4)を解くことはできるので、理論上は解けます。
ただ、大問1~大問4(2)までが、かなり解きやすい出題であり、時間の制約もあり、(4)は手つかずだった人も多かったかもしれません。それでも十分、医学部合格レベルを超えたでしょう。

 

金沢大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2023年は『合否を分けたこの1題』誌の難易度がCBBCでした。医学部合格レベルの人であれば、最後の大問4の後半以外は解きやすく、かなりの高得点を狙える出題でした
 非医学部の人は、さらにポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2022年金沢大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
z4+4=0を満たす複素数をすべて求める問題です。
教科書には載っている問題なので、解けます。

(2)
与式の値を求める問題です。
与式を愚直に変形して、(1)の考察と問題文で与えられたものを代入すればいいので解けます。

(3)
複素数平面上の与式の円の周および内部に、(1)の解がちょうど1つ含まれるようにする問題です。丁寧に図示し、2点間の距離と円の半径を考えればいいので、すべきことは教科書レベルとも言え、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
数3の微分、積分(計算)の問題です。

(1)
曲線の接線を求める問題です。
式はやや複雑ながら、すべきことは教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
曲線外の点から、曲線にちょうど2本接線を引けることを示す問題です。
このような問題は、整関数では数2のFocus Goldあたりから、また、数3のFocus Goldあたりにも載っているので、解けます。

(3)
(2)の2接線が直交する時のkの値、接点のx座標を求める問題です。
2直線が直交する時、傾きをかけて-1になることは、教科書に書いてあります。したがって、その通り、愚直にやっていきます。式は、見た目複雑そうですが、意外と計算できるので、解けます。

(4)
定積分を計算する問題です。
(logx)2の積分は部分積分で行く、というのはいいでしょう。あとは愚直に計算すれば解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
解と係数の関係、対称式、数3の微分の問題です。

まず「実数解を持ち」という問題文から、判別式を考えるのは、教科書レベルと言え、Focus Goldあたりにも何問か載っています。対称式と解と係数の関係を絡めた問題も、教科書に載っています。したがって、Mをqだけで表すところまでは、簡単と言えます。ここでqの定義域を絞り込むのが、本問で一番難しかったかもしれません。ただ、これも、Focus Goldあたりの二次関数には、問題文に書いていない定義域の制限を自分で導く問題が載っているので、同じようにすればできます。増減表から最大・最小を求める流れは、枠組み自体は教科書レベルと言えます。最後、α、βを求めるのも、少し場合わけをしますが、この程度の処理はFocus Goldあたりではよくやるので、大丈夫でしょう。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
問題文を理解して、具体的にやるだけなので、解けます。

(2)
n=pkのときAnの要素の個数を求める問題です。
ここで、pは素数です。「素数」という文言を見た時に、いくつか考えなければならないことがあります。

整数問題攻略の7つのポイント

まあ、本問は、具体的な素数で実際に考えてみれば、簡単に一般化できるので、解けます。

(3)
言われれば、全く難しくないのですが、あまり定型的ではないので、実戦的には難しかったでしょう。他の問題が解きやすいので、本問は手つかずくらいでも、医学部でも十分合格点を超えたと思います。もちろん、部分点くらいは取れそうではあります。

 

金沢大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 2022年は『合否を分けたこの1題』誌の難易度がBBBCでした。医学部合格レベルの人であれば、最後の大問4(3)以外は解きやすく、かなりの高得点を狙える出題でした
 非医学部の人は、さらにポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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【2024】岡山大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】岡山大学数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

金沢大学数学(医学部・理系)

広島大学数学(医学部・理系)

 

岡山大学入試の数学で悩んでいる人へ

 岡山大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、岡山大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、岡山大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

岡山大学医学部・理系入試における数学の重要性

 岡山大学医学部医学科二次試験前期の数学の配点(面接除く)は、400/1100です。見た目だけでも、配点の1/3を超えていますね。理工系も配点の1/3前後のことが多いです。 
 また、2022年のように、難易度がBBBCの場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、かなりの高得点を狙えます。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が4つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、岡山大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

岡山大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 岡山大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2024年岡山大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、岡山大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
整式の割り算の問題です。

(1)
色々考え方はありそうです。たとえば、与式が、複素数平面の教科書、Focus Goldあたりに、よく出てくる、因数分解できる形です。割る式を因数に持つことがわかるので、割り切れることが示せます。また、整式の割り算でωを使う問題もFocus Goldあたりには載っています。

(2)
大学受験数学において、本問のような小問集は、上の小問の結論を使うのではないかと考えるのが大切です。(1)は3m乗を考えているので、3で割った余りで場合分けして考えるものでしょう。本問に必要な式変形は、Focus Goldあたりの整式の割り算に載っているのと同じようなものなので、解けます。
有名問題なので、入試問題集をこなしていると、類題の経験があった人は多いかもしれません。

(3)
色々考え方はありそうです。たとえば本問の割る式の、x2-x+1は、x3+1の因数分解に現れることを使っても解けそうです。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数直線上を点Pが動く、基本形は教科書にも載っている確率の問題です。

(1)
10回後に原点にある確率です。教科書レベルの反復試行の話と言えるので、解けます。

(2)
(1)に、5回後に座標1にいてはいけない、という条件がつきます。ただ、(1)から、5回後に座標1にいて、かつ、10回後に原点にいる確率を引けばいいだけなので、枠組み自体は、教科書~Focus Gold基礎レベルと言え、解けます。

(3)
9回目までは座標0~3にいて、10回目は原点にいる確率です。
このような問題は「推移グラフ」を書くと見通しがいいです。当塾で採用している『合格る確率』(文英堂)には、似たような問題が何問か載っています。医学部なら、このあたりまでこなしたいですが、非医学部の場合、オーバーワークかもしれません。ただ、入試問題集をこなしていれば、類題に取り組んだことがあったかもしれません。
完答しましょう。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
空間図形、ベクトルの問題です。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
数3の積分(面積)の問題です。
数研出版の教科書には、直線y=x周りの回転体の体積の問題が載っています。
本問は、直線y=-x+1周りの回転体の体積の問題です。したがって、教科書を根本から理解していれば、誘導無しで解けますが、親切に小問の誘導がついている、という状況です。ただ、出題側も、教科書レベルの準備は求めているように思います。

(1)
回転半径となる直線の方程式を求める問題です。
教科書にも載っているように、本問は、直角二等辺三角形を考えることが大切です。そうすると、通る1点と傾きがわかるので、求まります。

(2)
回転半径の長さを求める問題です。
本問も、連立した後、直角二等辺三角形を考えると、比較的簡単に求まります。

(3)
回転体の体積を求める問題です。
教科書通り、直線y=-x+1をt軸と見て、回転体の体積を求めに行くと解けます。
完答しましょう。

 

岡山大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 岡山大学医学部・理系の数学は、大問4問、試験時間120分です。

 2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBCCBでした。ただし、医学部合格レベルの人であれば、C問題も十分に完答が可能で、満点近く狙うこともできたと思います。もう少し失点しても合格点でしょう。
 非医学部の人は、さらにポツポツ失点しても合格点だったでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。

 数3の微積分は、最低、1題は出る傾向があります。確率も、かなり出題可能性が高い傾向にあります。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

岡山大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの岡山大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、岡山大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年岡山大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
数列、対数の問題です。

(1)
Focus Goldあたりには載っている、数列の和Snがanなどで表されている時、anを求める問題なので、解けます。

(2)
ケタ数を求める問題は、教科書に載っていますが、本問は7の何乗が89ケタになるかの問題です。同じように考えればいいので、解けます。

(3)
7105の1の位を求める問題です。中学入試にも出てきそうです。よくわからない場合、具体的にやってみることが大切です。そうすると、1の位は循環することがわかるので、解けます。

(4)
7105の最高位の数字を求める問題です。類題がFocus Goldあたりには載っているので解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数2の積分(面積)、数3の微分の問題です。

(1)
数2レベルのx軸と放物線の囲む面積を求める問題です。1/6公式も使えます。枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。

(2)
接点を共有する型の共通接線の問題です。数2でもFocus Goldあたりには載っていますし、数3だと教科書に載っています。例の2式を立てます。式はほんの少し複雑ですが、枠組みは先述のとおりなので、解けます。

(3)
(1)の面積を、(2)の接点のx座標tで表す問題です。愚直に文字を消去すればいいので解けます。

(4)
(1)の面積を最大にする放物線の式を求める問題です。
基本的に、(3)の関数の最大を増減表を書いて考えるだけなので、枠組み自体は、教科書レベルと言えます。ただ、t2=Tなどと置き換える工夫は、当然すべきで、そう難しくないでしょう。
難易度Cですが、完答も十分可能だと思います。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
1~3までの札が3枚ずつあり、AとBが2枚ずつ、Cが3枚取り出すゲームの、確率の問題です。

(1)
Aの持つ札が同じになる確率です。
教科書レベルなので解けます。

(2)
AもBもCも持っている札の数字が異なる確率です。
大学受験数学において、本問のような小問集は、上の小問はヒントではないかと考えることが大切です。本問は、直接(1)の結論を使えるわけではありませんが、「同じ」と「異なる」なので、「余事象を取ろうかな」と気づくきっかけにはなるかと思います。一方、(1)がなくても、確率の問題は常に余事象を取ることを選択肢にいれることが大切です。そのように考えると解けます。

(3)
AとCの持つ数字のいずれかが一致する確率です。
問題文からして、余事象を取ったほうが、見通しが良さそうです。そして、場合分けが必要になりますが、図でも書いて具体的に考えれば、そう難しくないのではないかと思います。
難易度はCですが、十分完答も可能かと思います。
確率は、チャート式、Focus Goldといった定番の網羅系の本文の問題が弱いので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)前後をこなすといいでしょう。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
平行四辺形の内角を2等分してできる平行四辺形についての問題です。

(1)
∠EABの値を求める問題です。
中学生でもできそうな、初等幾何しか必要としないので、解けます。

(2)
線分AE、AHの長さを求める問題です。
ごく簡単な初等幾何と三角比だけが必要なので、解けます。

(3)
点Hが平行四辺形ABCDの外部にあるような、x,yの条件を求める問題です。
大学受験数学において、本問のような小問集は、上の小問はヒントではないかと考えることが大切です。AHの長さは(2)で求めています。それを絡めて「点Hが平行四辺形ABCDの外部にある」ことを、x,yの式で表せばいいので、解けます。

(4)
2つの平行四辺形が重なる部分の面積を求める問題です。
本問も(3)は「平行四辺形が飛び出る場合もあるよ」というヒントでしょう。したがって、場合分けが必要になります。あとは、(1)から、片方は長方形であることがわかっていますから、愚直にやれば、完答も十分に可能かと思います。

 

岡山大学医学部・理系数学の勉強法、対策

 2023年は『合否を分けたこの1題』誌の難易度がBCCCでした。ただし、医学部合格レベルの人であれば、C問題も十分に完答が可能で、満点近く狙うこともできたと思います。もう少し失点しても合格点でしょう。
 非医学部の人は、さらにポツポツ失点しても合格点だったでしょう。

 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年岡山大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
いわゆる巴戦の確率の問題です。類題は多く出題されていると思います。

(1)
1~4試合目それぞれで優勝者が決まる確率です。
愚直にやるだけで、状況も複雑なわけではないので、簡単に解けます。

(2)
3の倍数試合目で優勝者が決まる確率です。
具体的にちょっとやってみると、優勝者はCに限られることがわかり、その過程も全く複雑ではないことがわかります。したがって解けます。

(3)
Cが優勝する確率です。
大学受験数学において、本問のような小問集は、上の小問はヒントではないかと考えることが大切です。(2)の逆で、Cが優勝するのは、3の倍数試合目でしかありえない、ということもわかります。したがって、3,6,9…試合目でCが優勝する確率を無限にたす、(2)の解答を見ると、無限等比級数の話になります。このあたり、初見でも正解したいですが、大学受験塾チーム番町で採用している『合格る確率』(文英堂)あたりをこなしていると、見通しが良かったと思います。

(4)
Cが優勝する確率が1/3以上になる自然数Nの最小値を求める問題です。
本問の背景について語ります。NはCがA、Bに対して勝つ百分率ですね。一方、巴戦というものは、実は、最初に対戦する2者がやや有利です。そこで、3者の優勝する確率が均等になるには、Cがどのくらい強くなければならないか、という意味が本問にはあります。
ただ、以上のような意図が全くわからなくても、愚直に不等式を解き、Nは自然数なので、最後は真面目に解かず、あたりをつければいいというのは、Focus Goldあたりの数列には載っているので、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
数2の微積分の問題です。

(1)
本問の3次関数のグラフが、aがどんな値をとっても通る2点を求める問題です。
aについての恒等式に持ち込む問題は、Focus Goldあたりの図形と方程式に載っているので、解けます。

(2)
(1)の2点をA,Bとした時、本問3次関数のグラフと線分ABが異なる3点で交わるためのaの値の範囲を求める問題です。
愚直に連立すると、文字aを含む交点はx座標-aだけなので、これが線分AB間にある、という不等式を解けば求まります。

(3)
(2)の場合に、曲線と線分ABが囲む面積の最小値を求める問題です。
愚直に積分して面積を求め、微分して最小値を求めるだけです。途中、因数定理で3次方程式を解きますが、難しくありません。したがって、全体として、枠組みとしては教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
問題文でベクトルの式で与えられている点Hが平面ABC上にあることを示す問題です。
教科書通り、共面条件の式に持ち込めばいいので、示せます。

(2)
OHベクトルの大きさを求める問題です。
基本形は教科書にもあるように、「ベクトルの大きさは2乗せよ」でいきます。類題はFocus Goldあたりには載っています。必要なベクトルの大きさ、内積の値は簡単に求まるので、解けます。

(3)
∠OHBの大きさを求める問題です。
まあ、ベクトルの問題なので、教科書にもあるように内積を計算してみると0になるので、直角とわかり、解けます。

(4)
四面体OABCの体積を求める問題です。
Focus Goldあたりの空間ベクトルには、四面体の体積を求める問題が載っています。本問は少し違った状況で、(1)~(3)の誘導に載って求めますが、類題の経験があれば落ち着いてできたでしょう。
OHベクトルが高さであること、底面の三角形の面積は簡単にわかるので、解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数3の微分の問題です。

(1)
問題の関数f(x)が-1<x<1のとき、f'(x)≧0を示す問題です。
愚直に2回微分して、f'(x)についての増減表を書けばいいので、関数はやや複雑なものの、枠組み自体は教科書~Focus Gold基礎レベルと言え、示せます。

(2)
-1<x<1,x≠0のとき、f(x)/xが正になることを示す問題です。
大学受験数学において、本問のような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。(1)からはf(x)が単調増加だということを読み取るのが、一番普通です。そして、f(0)=0はひと目で分かります。このくらいの議論で示せます。

(3)
不等式の証明の問題です。
本問も、上の小問の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。また、Focus Goldには、本問のように、上で示した不等式になにかを代入して示す不等式の形に持っていく、という問題が載っています。したがって、本問も(2)の結論と、何を代入すれば示すべき式に持っていけるか、というアプローチで、証明できると言えばできます。
ただ、難易度Cであり、最後の最後の問題でもあり、時間的制約もあるでしょうから、医学部でも、あまり出来が良くなくても、十分合格点を超えたでしょう。

 

岡山大学医学部・理系数学の勉強法、対策

 2022年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBBCでした。医学部合格レベルの人も、大問4の最後は、難易度、時間、両方の面からきつかったと思われます。一方、他の問題は、簡単に解けた人が多かったと思います。もう少し失点しても合格点だったでしょう。
 非医学部の人は、B問題でポツポツ失点しても合格点だったでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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【2024】新潟大学 数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

【2024】新潟大学 数学(医学部・理系) 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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大学受験の数学の勉強法・参考書

金沢大学数学(医学部・理系)

岡山大学数学(医学部・理系)

 

新潟大学入試の数学で悩んでいる人へ

 新潟大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、新潟大学の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、新潟大学数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

新潟大学医学部・理系入試における数学の重要性

 新潟大学医学部医学科二次試験前期の数学の配点(面接除く)は、400/1200です。見た目だけでも、配点の1/3を占めていますね。たとえば工学部は200/500で40%となっています。 
 また、2024年のように、難易度がBCBBで、C問題もかなりも部分点を見込める場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、かなりの高得点を狙えます。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が4つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、新潟大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

新潟大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 新潟大学の数学は、当然、難しい出題もあります。年によりますが、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2024年新潟大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、新潟大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第3問~第6問が医学部医学科の問題です。

 

第1問

『大学への数学』誌の難易度はA。
数3の微分、積分(計算、面積)の問題です。

(1)
積分計算の問題です。
教科書にも載っている「分母の微分が分子型」の積分なので、解けます。

(2)
問題文で与えられている接点における接線の方程式を求める問題です。
教科書レベルと言え解けます。

(3)
曲線と接線が接点以外に共有点を持たないことを示す問題です。
まあ、このような問題は、中学校以来、連立方程式の解として考えるものですね。このあたり、中間値の定理を使うケースを含め、実数解を持つ、持たない、という問題は、全国的によく出ています。本問は、連立した方程式をg(x)とでも置くと、g’(x)の単調性から、再びx軸と交わらないことがわかります。したがって示せます。

(4)
曲線と接線と直線で囲まれた面積を求める問題です。
これも、このような面積を求める問題でよくある話ですが、直接求めに行くよりも、台形から、簡単に積分できる面積を引いたほうが早いです。積分は(1)の結論を使います。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
三角関数の問題です。

(1)
AB2とBC2をcosθで表す問題です。教科書通り、2点間の距離を求めに行けばいいので、解けます。途中、加法定理を逆に使ったり、倍角の公式を使ったりしますが、教科書レベルと言えます。

(2)
0≦θ≦(2π/3)のとき、AB2+BC2の最大値と最小値、その時の点Bと点Cの座標を求める問題です。
(1)の誘導が親切すぎて、最大値、最小値については、二次関数と三角関数の融合問題で教科書レベルと言えるので、解けます。その時の座標については、点Cについては3倍角の公式が必要になりますが、理系ならば、積分でよく使うので問題ないでしょう。数研出版の教科書には、数2の三角関数の倍角の公式のところに、3倍角の公式を証明する問題が載っています。ちなみに「3歳マイちゃん、4歳ミノル君」「4個実って、3個取る」というゴロ合わせもあります。いずれにせよ、教科書レベルと言え、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトル、球面の問題です。

(1)
球面Sの中心Pの座標と半径を求める問題です。
与式を平方完成すれば良く、教科書基礎レベルの問題と言え、解けます。

(2)
Dの座標を本問のADベクトルを表しているs,tで表す問題です。Dの座標はODベクトルの成分です。また、ベクトルは寄り道していいので、ODベクトル=OAベクトル+ADベクトルと書けます。このあたりを使う問題は、Focus Goldあたりには何問も載っているので、解けます。

(3)
点Qが平面α上を動き、点Rが球面Sを動く時の、QRの距離の最小値とその時のQ、Rの座標を求める問題です。
大学受験数学において、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。また、円や球の問題、特に距離に関する問題は、中心が大切なことが多いです。中心の座標は(1)で求めていますね。半径も距離に関係しそうです。さらに(2)では、平面α上の点を一般論としてDとしています。これは、教科書の空間ベクトルのところに載っている、共面条件の話です。以上より、球の中心とDの距離の最小値を求め、半径を引けば良さそうだ、ということになります。PDの距離は、s,tの2変数関数になりますが、この最小値を求める問題は、Focus Goldあたりの2次関数のところに載っています。したがって解けます。
完答しましょう。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はC。
n個のボールをk個の箱に入れるゲームの確率の問題です。

(1)
4個のボールを5個の箱に入れる時、1番の箱にボールが入らない確率です。
教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
k≧2のとき、1番の箱にボールが入っていない、または、2番の箱にボールが入っていない確率の問題です。
確率で、このような「または」を考えるとき、例の2つの円のベン図に共通部分があるものを考え、例の式を使うことを考えましょう。考え方の枠組みとしては教科書レベルですが、ちょっと複雑になるだけで、これを考えられなくなる人が多いように思います。本問も、文字kが入り、やや抽象的になりますが、枠組み自体は教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。

(3)
箱が4個のとき、すべての箱にボールが入っている確率です。
確率の問題を考える時は、常に余事象を取ることを選択肢に入れましょう。本問は余事象を取ると「ボールが入っていない箱が少なくとも1つある」となります。余事象を取ると、むしろ「少なくとも」の文言が出てくるのが、本問がやや難しいところかと思います。ただ、本問も(1)、(2)は誘導。ボールが入っていない場合を考えるほうが考えやすいよ、ということだったかと思います。また、本問の背景としては、Focus Goldあたりの「場合の数」には載っている「空き部屋の問題」を思い浮かべられると良かっただろうと思います。したがって、理論上は解けますが、難易度Cであり、他の大問でがんばれば、医学部でも合格点を十分超えたでしょう。

(4)
問題文の数列が収束するrの値の範囲を求める問題です。
(3)ができれば、(4)は考え方自体は教科書レベルの無限等比級数の収束の問題といえ、解けます。ただ、(3)がどうだったか、というところだと思います。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
全体として楕円がテーマの問題です。

(1)
楕円の式を求める問題です。
問題文に、親切に「軌跡は楕円になる」と書いてあります。それも踏まえ、数2の軌跡の教科書レベルの問題通り、問題文に忠実に式を立て、余計な文字を消去し、x,yの関係式を求めればいいので、解けます。

(2)
楕円と直線で囲まれた領域の面積を求める問題です。
楕円の問題は、拡大縮小して、円にしてから考えると、見通しがいいことが多いです。本問も、円にすると、求める領域は簡単な扇形になるので、それから元に戻すと、簡単に求まります。

(3)
(2)の面積の最大値と、その時のaの値を求める問題です。
(2)がaについての2次関数になっているので、教科書レベルと言え、解けます。
完答しましょう。

 

第6問

『大学への数学』誌の難易度はB。
複素数平面、数2の微分、数3の積分(面積)の問題です。

(1)
複素数zは、問題文の2次方程式の解のうち、虚部が0以上のものなので、愚直に解の公式を使えばよく、教科書レベルと言え、解けます。複素数wはi×zバーなので、愚直に計算すればいいだけなので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
z-wの絶対値の最大値とその時のtの値を求める問題です。愚直に計算すると、絶対値の中は3次関数となります。したがって、数2の微分の教科書レベルの問題と言え、解けます。

(3)
複素数平面の軌跡の問題の最終手段として、x+yiと置いて、数2の軌跡の話に持ち込む、というものがあります。Focus Goldあたりには載っています。本問もそれでもいけます。図形の把握も積分も簡単なので、面積は求まります。
完答しましょう。

 

新潟大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 新潟大学医学部医学科の数学は、大問4問、試験時間90分です。

 医学部医学科は、2024年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBCBBでした。医学部合格レベルの人は、大問3,5,6を完答、大問4の(2)までは、取り組みやすかったと思います。それよりやや失点しても、合格点は十分超えたでしょう。
 非医学部の人は、さらにポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 数3の微積分は、最低、1題は出ると考えます。複素数平面の出題も続いています。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

新潟大学医学部・理系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの新潟大学医学部・理系(非医学部の場合、黄チャートあたりでもいいでしょう)に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、新潟大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年新潟大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第3問~第6問が医学部医学科の問題です。

 

第4問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分、積分(面積)の問題です。

(1)
関数を微分するだけの問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(2)
曲線と曲線が接する時の共通接線の問題という、有名な問題です。Focus Goldあたりには、数2の整関数の微分から載っています。数3では教科書にも載っています。
有名な例の2本の式を立てます。もしかすると、文字を消去するのが少し難しいかもしれませんが、まあ、大丈夫だと思うので、解けます。

(3)
2曲線とx軸、y軸で囲まれる面積を求める問題です。
2曲線は接するので、(2)の結論を使えます。その他は、特にひねりもなく、愚直に計算して面積を求めに行けば解けます。
完答しましょう。

 

第5問

『大学への数学』誌の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
z=iのときのwの実部と虚部を求める問題です。z=iを代入して愚直に計算するだけなので、教科書レベルと言え、解けます。ただ、「虚部」は「i」を含まないので、注意しましょう。

(2)
zをwで表す、つまり、与式をzについて解く問題です。
複素数平面や分数関数の逆関数あたりで、このような変形は、教科書やFocus Goldで行うので、解けます。zを含むものを左辺、含まないものを右辺に寄せて、zの係数が0でないことを確かめて、割ればいいのですね。

(3)
wの軌跡を求めて、図示する問題です。
(2)は誘導ですが、ちょっと親切すぎます。教科書でも(2)なしで、いきなりこの程度の軌跡を求める問題は載っています。したがって、教科書レベルと言え、解けます。(2)でzについて解いているので、zの絶対値が1に代入して、変形すればいいのですね。

(4)
wの絶対値の最小値とそれを与えるzを求める問題です。
絶対値というのは、原点からの距離ですから、最小値は、原点と(3)の軌跡の直線の距離です。したがって、教科書レベルの点と直線の距離で求まるので、解けます。
その時のzは、その時のwが、(3)の軌跡の直線に原点から下ろした垂線の足ですから、傾きを掛けて-1の話をすれば、求まります。それを与式に代入すればzが出るので、教科書レベルと言え、求まります。
完答しましょう。

 

 

2022年新潟大学医学部・理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第3問~第6問が医学部医学科の問題です。

 

第1

『大学への数学』誌の難易度はB。
三角関数の問題です。

(1)
π/12 と 5π/12 のsin、cosの値を求める問題です。
加法定理で求める教科書基本レベルの問題なので解けます。

(2)
四角形OAPBの面積Sをθで表す問題です。
このあたりの四角形の面積は、三角形に分割するというのは、教科書の三角比のところに載っているので、解けます。

(3)
π/12≦θ≦5π/12のときの(2)の面積Sの最大・最小を求める問題です。
(2)の答が、いかにも合成してください、という形をしています。したがって合成します。ただ、有名角では合成できません。このあたり、有名角では合成できない最大、最小の問題は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。ただ、Focus Goldの当該問題が、ちょっと難しいので、注意が必要です。当然、(1)の結論を使います。余談ですが、河合記述模試でよく出ている印象です。
完答しましょう。

 

第2

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
点D、点Eの座標を求める問題です。
内分、外分の公式を使うだけなので、教科書基礎レベルなので解けます。

(2)
点Fの座標を求める問題です。
まず、Fは直線DE上の点なので、OFベクトル=tODベクトル+(1-t)OEベクトル、などと置く話は、Focus Goldあたりには載っているのでいいでしょう。そして、問題文に、OFベクトルとBCベクトルのなす角のcosが書いてあるので、教科書通り、愚直に「ベクトルのなす角」の話をすれば、理論上は解けます。ただ、これが、根号を含む無理方程式になります。教科書にはグラフを使った解き方しか載っていませんが、本問は、グラフで考えるのは難しそうで、式だけで処理したほうが見通しがいいです。その時に、同値性を保てるか、が問題かなあ、と思います。塾長は、高校で、式だけで解く解き方を習いましたが、どうでしょうか。

完答しましょう。

 

第3

『大学への数学』誌の難易度はB。
整式の割り算、対数、領域の問題です。

(1)
整式の割り算の問題です。
愚直に割り算を実行するだけです。2文字ありますが、問題文に「yの整式とみて」とあるので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
対数不等式の表す領域をxy平面上に図示する問題です。
対数不等式なので、まず、真数条件を書きましょう。あとは、やや複雑ですが、愚直にやれば解けます。本問のように、積で表されている領域については、1ヶ所を調べ、あとは境界線を超えるごとに、互い違いに、塗る塗らない、とすればいい、という裏技のようなものがあります。理由も含めて、Focus Goldあたりには載っているので、マスターしておきましょう。
完答しましょう。

 

第4

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微分(グラフ、接線)、積分(計算、面積)の問題です。

(1)
曲線のグラフの概形を書く問題です。
微分して増減表を書けばいいので、教科書レベルと言え、書けます。プラスマイナス無限大に飛ばした時の極限もしっかり考えましょう。

(2)
積分計算の問題です。
典型的な部分積分の形で、教科書~Focus Gold基礎レベルと言えるので、解けます。後半は前半の結論を使えることにも注意しましょう。

(3)
曲線外の点から、接線がちょうど2本引けるようなtの値を求める問題です。
類題は、Focus Goldあたりだと、数2の整関数から出てきます。全体の考え方の枠組みは、それらと同じですが、本問は、例の文字定数を分離して、グラフの交点で考える必要がありません。むしろ、Focus Goldあたりの高次方程式のところに載っている、実数解の個数の問題に近いです。いずれにせよ、類題があるので、解けます。

(4)
(3)の2本の接線と曲線の囲む面積を求める問題です。
本問の面積は、よくある話ですが、直接求めるよりは、直角三角形を引く方法のほうが見通しが良さそうです。ただ、コツはその程度で、あとは愚直に計算すれば解けます。積分は(2)の結果を使います。
完答しましょう。

 

第5

『大学への数学』誌の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
因数分解の問題です。数1の教科書レベルと言えるので、解けます。

(2)
与式を満たす複素数zが存在するような複素数βの範囲を複素数平面上に図示する問題です。
パッと見た感じ、全くわかりませんが、大学受験数学において、このような小問集は、上の小問の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。そうすると、理論上は解けるのですが、このあたりからすでに難しいかもしれません。

(3)
複素数zが与式を満たすときのzの絶対値の最大値とその時のz、βを求める問題です。
まず(2)が難しく、解けるか、という問題があります。
解けたとして、円や球の問題、特に距離に関する問題は、中心が大切であることが多いです。そう考えると、その後は、それほど難しくないですが、(2)の考察が前提となる問題なので、どうかな、というところだと思います。

 

第6

『大学への数学』誌の難易度はC。
数列の問題です。

(1)
放物線の法線ともう1つの交点について、漸化式を立てる問題です。
多少の注意点はありますが、基本的には、愚直に法線を求め、もう1つの交点を求めに行けば、自然に漸化式が得られるので、解けます。

(2)
すべての自然数nについて、与えられた不等式を示す問題です。
自然数nについての証明なので、数学的帰納法で行くのはいいと思います。ただ、その後が定型的とは言えないので、難しいと思います。まあ、根号があるので、教科書の不等式の証明にもある、2乗ー2乗の形に持ち込むのかな、と考えられた人はいたかもしれません。ただ、その後も、言われればわかりますが、定型的ではないので、やはり難しいと言えると思います。部分点狙いかなあと思います。

(3)
極限値を求める問題です。
まあ、このような極限は、はさみうちです。また、(2)の結論を使う、というのも、第5問でも書きました。そして、使うべき結論は(2)の問題文に書いてあるので、本問は、(2)を解けなくても、解くことができます。(2)の式から、はさみうちに持っていくような流れは、Focus Goldあたりには何問か載っており、また、全国的には、よく出題されています。したがって解けます。

 

新潟大学医学部・理系数学の勉強法と傾向と対策

 医学部医学科は、2022年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCCでした。医学部合格レベルの人は、大問3,4を完答。大問5の(1)、大問6の(1)、(3)は、取り組みやすかったと思います。大問5(2)、大問6(2)もある程度の部分点は狙えました。それよりやや失点しても、合格点は十分超えたでしょう。
 非医学部の人は、さらにポツポツ失点が許されたでしょう。
 以上は、Focus Gold(非医学部なら黄チャートあたりでもいいでしょう)を網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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【2024】熊本大学医学部・文系 数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

大学受験の数学の勉強法・参考書

九州大学 数学(医学部・理系)

 

熊本大学入試の数学で悩んでいる人へ

 熊本大学医学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、熊本大学医学部の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、熊本大学医学部数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

熊本大学医学部入試における数学の重要性

 熊本大学医学部医学科二次試験前期の数学の配点(面接除く)は、200/600です。見た目だけでも、配点の1/3を占めていますね。
 また、2023年のように、難易度がBBCCで、C問題も完答、または、かなりの部分点を狙える場合、Focus Goldあたりを網羅している人は、かなりの高得点を狙えます。数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。
 さらに、数学は、大問が4つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、特に医学部あたりだと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、熊本大学医学部・理系入試における数学の重要性がわかると思います。

 

熊本大学医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 熊本大学医学部の数学の特殊性は、国立の総合大学でありながら、医学部独自の出題が用意されていることです。したがって、熊本大学の数学入試のわりには、難しい出題がされます。年によりますが、しっかり勉強していれば、最初から全く手が出ない問題は少ないものの、途中から難しくなり、完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2024年熊本大学医学部 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
三角比、三角関数、二次関数の問題です。

(1)
AC=2cosθを示す問題です。
本問は角を2等分ではなく、2:1に分けていますが、Focus Goldあたりには、本問と似たような状況で、角が2等分され、三角形の面積の式を立てる問題は載っているので、同じように考えればいいというのは簡単に思いつき、解けます。

(2)
BCをcosθで表す問題です。
余弦定理を使い、3倍角を変形するだけなので、教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。

(3)
BCの最大値を求める問題です。
(2)の答えがcosθについての複二次式となっているので、二次関数の最大値の問題が少しだけ難しくなったもの、と言えるので、解けます。
完答しましょう。

 

 

2024年熊本大学文系 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

三角関数、数列の問題です。
難易度は、普通に勉強していれば完答できます。

(1)
cos2anをnの式で表す問題です。
教科書に書いてあるcosとtanの関係式を使えばいいので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
tan(an+1-an)をnの式で表す問題です。
まあ、問題の式の形から、加法定理を使ってみたくなると思います。それだけで簡単に表せるので、教科書レベルと言え、解けます。

(3)
問題文の不等式を満たすnの最小値を求める問題です。
(1)(2)を代入して、愚直に二次不等式を解くと、根号を含み、やや複雑になりますが、それだけなので解けます。ただ、ルート77の評価の論理的な答案について、教科書やFocus Goldあたりは弱いですが、大学受験数学ではわりと見るので、本問で学ぶといいでしょう。
完答しましょう。

 

第2問

1個のサイコロを2回投げる確率の問題です。
難易度は、教科書を勉強し、ちょっと確率の易しめの入試問題に慣れていれば、完答できます。

(1)
和が3の倍数になる確率です。
まあ、3で割った余りで考えるといった考え方もありますが、たった36通りなので、網羅的に表を書いても解けます。

(2)
2乗の和が4の倍数になる確率です。
これも、網羅的に表を書いても十分解けます。

(3)
与式が12の倍数になる確率です。
与式を因数分解すると、(1)と(2)の積になります。したがって、これも、網羅的に表を書いても十分解けます。
完答しましょう。

 

第3問

図形と方程式、積分(面積)の問題です。

(1)
本問の円と放物線の共有点が4個のときのaの値を求める問題です。
類題は、Focus Goldあたりには載っています。円のとりうるy座標の範囲で、連立した2次方程式が異なる2つの実数解を持てばいいわけです。この話も、Focus Goldの二次関数に載っていて、「2次方程式の解の配置の問題」と呼ばれます。したがって解けます。

(2)
本問の円と放物線の共有点が2個のときのaの値の最小値を求める問題です。
(1)の2次方程式が、円のとりうるy座標の範囲で重解を持てばいいわけです。それでいいですし、やはり、Focus Goldでは、(1)の問題の下が、このような問題となっています。

(3)
(2)のときの円と放物線の囲む面積を求める問題です。
これも、Focus Goldの数2の積分のところに載っているので、解けます。扇形の面積をうまく使います。もちろん、(2)の過程で求めた座標などを使えます。
完答しましょう。

 

第4問

平面ベクトルの問題です。

(1)
三角形に円が内接している状況で、ベクトルの等式を示す問題です。
円の接線と接点に向けて引いた半径は垂直なのは、中学生でも知っているので、内積0が2回使えます。したがって、2文字使っても定まる、という方針です。このような流れは、Focus Goldあたりには載っています。その後の計算が少しだけ複雑で、熊本大の文系寄りの受験生だときついのかもしれませんが、理論上はそれで解けます。

(2)
内積の値が与えられた時、線分OPの長さを求める問題です。
教科書レベルの格言通り「ベクトルの大きさは2乗せよ」で行きます。その後の計算も枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。

(3)
内積の値が与えられた時、三角形PQRの面積を求める問題です。
ヒントは、a,bとa,cの内積の値が等しいので、OAに関して対称なのかな、ということでしょうか。結論としては、QAとPRの内積を確かめると0なので、QAを三角形の高さにできる、ということです。これに気づけば、やはりFocus Goldあたりに載っている技法でQAとPRの長さがわかるので、(1/2)×底辺×高さで解けます。

ただ、熊本大学の文系寄りとしては、かなり難しいかな、と思います。
もう1つは、(1)(2)の存在する意味が、もうひとつわからないなあ、というところです。

 

熊本大学文系数学の勉強法と傾向と対策

 熊本大学文系の数学は、大問4問、試験時間120分です。

 微積分は、最低、1題は出ると考えます。あとは、数列、確率、ベクトルも、毎年に近いくらい、出題されています

 2024年は理論上は、黄チャート本文あたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、大問4(3)以外は解けそうです。ただ、熊本大学文系数学は6割程度の得点で合格点を超えるでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

熊本大学文系数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、黄チャートあたりの熊本大学文系数学に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、熊本大学文系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率、ベクトル、数列などの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年熊本大学医学部 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 現在、熊本大学医学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより入りやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、十分に合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
サイコロをn回投げたときの積が60になる確率の
問題です。似たような状況は、全国的によく出題されています。

(1)
3回投げた時に、積が60になる確率の問題です。
確率の問題は、愚直に数え上げることが大切な場合も多いです。本問も、愚直に書き並べた後、その中を並べ替えます。Focus Goldあたりには、このような操作をする問題は載っているので解けます。

(2)
4以上のn回投げた時、積が60になる確率の問題です。
本問もnを含み抽象的になりますが、やることは(1)と同じで、愚直に書き並べた後、その中を並べ替えます。少しだけ式は複雑ですが、やっていることの枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。

(3)
4以上のn回投げた時、はじめて積が60になる確率の問題です。
本問は反復試行は使いませんが、教科書の反復試行の時に「ちょうど◯試合目でAが勝つ」といった問題が載っています。その1試合前までを考えればいいのですね。本問も同様で、n-1回目までを考えるのがポイントとなります。したがって、考察は少しだけ複雑ながら、枠組み自体は教科書レベルと言え、解けます。
完答しましょう。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
平面ベクトルの問題です。

(1)
3点A,B,Cの座標を求める問題です。
点Aはすぐに分かります。あとは、問題文に式がたくさんあるので、B,Cのx,y座標について、文字を4つ使ってもいけそうだ、と思えるかどうかだと思います。実際に、4文字使っても解決します。やることも教科書レベルと言え、解けます。

(2)
3点A,B,Cを通る円の方程式を求める問題です。
これは、教科書に数値が違うだけの同じ問題が載っているので、解けます。

(3)
三角形ABCと三角形ABPの面積比を求める問題です。
全ての座標がわかっていますから、教科書のベクトルのところに載っている、三角形の面積の式を使えます。したがって、教科書レベルと言え、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数3の微分(グラフ)、積分(面積)の問題です。

(1)
点Qの座標をθを用いて表す問題です。
問題文にしたがって、AP=2、AQベクトル=4OPベクトルを使うと解けます。

(2)
点Qのx,y座標の最大値、最小値を求める問題です。
x座標は4cosθなので、簡単です。y座標がsinθについてのやや複雑な式なので、数3の微分の話になります。この時、最小値をとる角θが具体的には求まらないのですが、とりあえずαとでも置いてけばいい、というのは、たまに見る話で、2022年にも使っているので、知っておきましょう。枠組み自体は教科書~Focus Gold基礎レベルと言え、解けます。

(3)
点Qの軌跡とy軸で囲まれた図形の面積を求める問題です。
媒介変数表示された図形を増減表を書いて書く問題は、Focus Goldあたりには載っています。また、媒介変数表示された図形と軸の囲む図形の面積は、教科書にも載っています。やや複雑なものもFocus Goldあたりには載っています。一見、一部、関数が複雑なのですが、奇関数なので消せる、というのがポイントの1つかと思います。
言われれば難しくないものの、引っかかりそうなポイントが少しあるので、難易度Cなのかな、と思います。理論的には、完答も可能だと思います。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
図形と方程式、主に円の問題です。

(1)
円C1とC2が直交するための必要十分条件を、2円の半径と中心間距離で表す問題です。
丁寧に図を書くと、単に三平方の定理であることに気づきます。したがって解けます。

(2)
円C1とC2の両方に直交する円の中心の軌跡を求める問題です。
軌跡なので、枠組み自体は、教科書通り、問題文にしたがって式を立て、余分な文字を消去して、xとyの関係式を導く、ということになります。本問は見た目、やや複雑に見えますが、実はこれで解決します。大学受験数学のコツの1つは、見た目やや複雑でも、教科書やFocus Goldの枠組みどおりに話を進められるか、です。

(3)
互いに外部にある3円の中心が一直線上にないとき、それら3円に直交する円がただ1つ存在することを示す問題です。
大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。しかし、それにしても、論の運び方がむずかしいので、上の小問の結論を使えるだけ使い、部分点狙い、で十分合格点を超えたと思います。手つかずでもいいくらいだったと思います。

 

熊本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 熊本大学医学部医学科の数学は、大問4問、試験時間120分です。

 医学部医学科は、2023年は月刊『大学への数学』誌の難易度がBBCCでした。理論上は、大問4(3)以外は解けそうですが、ポツポツ失点しても、十分合格点を超えたでしょう。
 以上は、Focus Goldを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 数3の微積分は、最低、1題は出ると考えます。確率、整数、図形的考察が必要な問題(ベクトルを使う場合も含む)の出題可能性も高いと思われます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

熊本大学医学部数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの熊本大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、熊本大学医学部・理系レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な医学部合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Gold、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年熊本大学医学部 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
空間図形、ベクトルの問題です。

(1)
2直線の平行を示す問題です。
教科書通り、ベクトルとして実数倍で書けることを示せばいいので、示せます。

(2)
四角形P1P2G1G2の面積を求める問題です。
このような小問集は、上の小問はヒントであることが多いです。(1)から、この四角形は台形であることがわかります。あとは、丁寧に図を書くと、三平方の定理と、小学校レベルの台形の面積公式で解けます。

(3)
四角錐Q-P1P2G1G2の体積を求める問題です。
四面体について、似たような問題は、Focus Goldあたりの空間ベクトルのところに載っています。同じように、頂点から底面に下ろした垂線の足の座標を求めに行けばいいので、解けます。内積0を2回使うのと、垂線の足が底面上にあることを使えばいいのですね。
完答しましょう。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数3の極限、微分、積分の問題です。

(1)
関数の最大値を求める問題なので、微分するのかなと思いきや、よく見ると、ごく簡単な三角関数の定義域と値域の話で済むので、解けます。

(2)
不等式の証明の問題です。
両辺とも根号を含むので、教科書通り、2乗-2乗を考えるのはいいと思います。さらに、教科書の微分(数2から出てくる)通り、それをg(x)とでも置いて、0以上になることを示せばいいです。ただ、1回微分しても解決しなそうなので、もう1回微分します。このあたりも、教科書にも載っていますし、Focus Goldあたりには、もう少し本格的に載っています。ただ、やや難しめと言えると思います。また、g'(x)もg”(x)も0にするxの値が具体的にわかりませんが、α、βとでも置けばいい、というのは、たまに見る話(2023年にも使っている)なので、知っておきましょう。

(3)
極限値を求める問題です。
まあ、このような極限は、はさみうちです。また大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。(1)(2)で得られた不等式をもとに、0から1まで定積分をして、与式の形に持っていけば、自然にはさみうちできる形になります。このような流れの問題は、Focus Goldあたりには何問か載っていますし、全国的によく出題されているので、解けます。
難易度Cですが、十分完答も狙えると思います。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
三角関数、数3の微分(接線)、数列あたりの問題です。

(1)
tanan=an+pを示す問題です。
問題文にしたがって、接点のx座標をtとでも置いて、愚直に接線を求めに行くと、tant=t+pという式が得られます。ここでanは接点のx座標ですから、示せたことになります。

(2)
an+1-an>πを示す問題です。
丁寧にグラフを書くと、視覚的に明らかなので、それで示せたということでいいと思います。数式で示すこともできます。

(3)
tanan+1>nπ+ルート3を示す問題です。
まったくわかりませんが、大学受験数学においては、このような小問集は、上の小問の結論を使う、という考え方が大切です。たとえば、数列の極限などに出てくる、漸化式の番号を1つずつ下げて代入するのをa1が出てくるまでくり返す、といった方法でも示せます。
したがって、理論上は完答も可能ですが、実戦的にはやや難しいのかもしれません。

 

第4問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
m≦nであって、mn+2=m+nm を満たす正の整数の組(m,n)を1組求める問題です。
まったくの当てずっぽうでも、できるでしょうし、m+nm を階乗を使って変形すると、そう大きくはならないだろう、とわかると思います。

(2)
(1)を満たすものが(1)の1組に限られることを示す問題です。
似たような流れの問題は、他大の整数問題で、わりと出題されています。2変数なのでやや思いつきにくいかもしれませんが、まあ、mに1,2,…と具体的に代入して調べるとうまくいきます。数列や整数のように、とびとびの値しか取らない(離散的といいます)問題の場合、このように、具体的にやるとうまくいくことがあります。ただ、m≧3での不成立を示すのが、難しいので、難易度Cなのだと思います。このあたりまで、どれだけ部分点を取れるか、だと思います。

 

熊本大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 医学部医学科は、2022年は『合否を分けたこの1題』誌の難易度がBCCCでした。ただ、大問2,3は、普通に勉強していれば、完答も狙えそうでした。大問4も(1)は簡単で、(2)でどれだけ部分点をもらえたか、だったと思います。それよりポツポツ失点しても、十分合格点を超えたでしょう。
 以上は、Focus Goldを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなせば、十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

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【2023】慶應義塾大学理工学部数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Gold+確率、整数の補強

 

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東大・医学部受験の数学の勉強法

東京工業大学数学

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慶應義塾大学薬学部数学

早稲田大学・慶應大学 入試英語長文 出典を読んでしまおう!

 

【2023】慶應義塾大学理工学部数学 難易度と傾向と対策:教科書とFocus Goldで解く合格への道

 

慶應理工入試の数学で悩んでいる人へ

 慶應理工数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慶應理工の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、慶應理工数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

慶應理工入試における数学の重要性

 慶應理工の数学の配点は150/500です。全配点の1/3弱ということで、かなり配点が高いことがわかります。試験時間は120分です。
 また、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいといえます。
 以上より、慶應理工入試における数学の重要性がわかると思います。

 

慶應理工数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 大学入試の数学は、物理、化学と異なり、大問ごとの難易度の波が激しいことが多いです。慶應理工でも、並の合格者程度では、まあ解けないだろう、という問題もよく出ます。特に、近年は全体として取り組みやすい問題が多かったものの、2023年の慶應理工は、下記のように、大問ごとに、難易度の波が非常に大きかったです。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2023年慶應義塾大学理工学部 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点?

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1


『大学への数学』誌の難易度はA。
数3の微積分の問題です。

(1)
関数を定義にしたがって微分して、微分係数を求める問題です。教科書に載っているので解けるはずですが、その後、公式で微分するようになると、疎かになりがちな問題なので、注意しましょう。

(2)
関数が微分可能でないことを示す問題です。これも、教科書に載っているので解けるはずですが、疎かになりがちな問題かと思います。
微分可能であるということは、ざっくりと言うと、接線の傾きを考えられる、微分係数が存在するということです。そして、微分係数は極限で定義されます。極限値が存在することは、右側極限と左側極限が一致して、その値であることです。このあたりの一連の話は、教科書に載っているのですが、自力で教科書で理解するのは、意外と難しいかもしれません。

(3)
問題文に「平均値の定理を用いて証明しなさい」とありますから、その通りにすれば、簡単に証明できます。ただし、平均値の定理も、疎かになりがちな分野だと思うので、注意しましょう。

 

大問2

『大学への数学』誌の難易度はC。

(1)
前半は、空間座標上の直線の成す角と台形の面積を求める問題です。
ベクトルと三角比を使って、愚直に(上底+下底)×高さ÷2を計算しに行けば求まります。
後半は、ACの長さを求める問題です。ベクトルの大きさに持ち込めば解けます。

(2)
(1)の台形が円に内接するの時のkの値を求める問題です。円に内接しますから、対角の和は180°で、そのような台形は等脚台形であることを使うと、解けます。

(3)
問題を読んで、図形的にわかってしまえば簡単なのですが、難易度Cがついているように、正確に題意を把握するのは難しいと思います。ただ、短答式なので、こんな感じかな、と答えを書いて、合っていた、という人はいたかもしれません。

 

大問3

『大学への数学』誌の難易度はD。
確率の問題です。
ただ、完答の難易度がDなのであって、小問集合なので、(2)までは絶対、(3)(コ)はなるべく、取りたいです。

(1)
前半は、4回の操作後に袋Aに3個以上入っている確率です。愚直に数え上げるだけで解けます。確率の問題は、常に、愚直に数え上げる、という選択肢を頭に入れておきましょう。
後半は、前半の状況を前提に、7回の操作後に袋Bが3個以下の条件付き確率です。当然、前半の結論は使えます。その後はやはり、愚直に推移図でも書いていけば解けます。
本問は、なんとなく、近年の慶應医の確率に雰囲気が似ているような気がします。

(2)
n回の操作後に袋Aに入っている数のほうが多い確率を求めます。
前半は、漸化式を立てろという誘導がついています。確率については「対称性」を使うと速い問題がたまにあります。本問はAが多いのとBが多いのは確率が同じですから、その「対称性」を使うと速く簡単です。対称性を使う問題は『合格る確率』(文英堂)あたりでマスターしましょう。その後、漸化式を解くのは教科書レベルなので解けます。

(3)
(コ)はn回の操作後にAにn-1個以上入っている確率です。この程度は『合格る確率』(文英堂)あたりをマスターしていれば、似たような流れの問題が載っているので、できると思います。
(サ)が本大問が難易度Dたるゆえんなのだと思います。言われればわかりますが、実戦的には、完答は難しいでしょう。

 

大問4

『大学への数学』誌の難易度はC。
全体としては数3の微積分の問題です。

(1)
不等式の証明です。
両辺の全体に絶対値がついていますから、両辺正であり、数2の教科書の「不等式の証明」に載っているように、2乗して証明しても行けます。また、微分のところにも不等式の証明があります。そのような方針でも行けます。

(2)
数学の入試問題において、上の小問は誘導ではないかと考えましょう。本問も(1)の式と全く同じ式が現れています。そして、このような極限は、まず、はさみうちですから、そう考えると、比較的簡単に示せると思います。

(3)
積分は、「この形はこう積分する」とぱっと見えなくてはなりません。Focus Goldには、Yes、No心理テストのような積分チャート図が載っています(笑)。そうすると、本問は、「分母の微分が分子」型だと気づき、簡単に解くことができます。

(4)
このあたりの積分漸化式は、基本形は、Focus Goldあたりには何問か載っています。すると、本問も、部分積分を実行すればいいのではないか、と思えれば、正解することも可能かと思います。このあたりから、少し難しいかと思います。

(5)
本問も(4)が誘導だろうと考えます。
加えて、Focus Goldの漸化式に、両辺に何かをかけると解けるようになる類型がありますが、本問も、(4)の式の両辺にかけて、bに1/2を代入すると、本問の与式が得られます。ただ、言われれば簡単ですが、実戦的に思いつくのは大変かと思います。

 

大問5

(1)
『大学への数学』誌の難易度はC。
複素数平面の問題です。
すること自体は、チャート式やFocus Goldに載っているような技法なのですが、計算が大変なので、完答は厳しいのだろうと思います。(チ)が正解できれば、まずまずなのではないでしょうか。

(2)
『大学への数学』誌の難易度はB。
パッと見た感じ、見慣れない問題ですが、問題文にしたがって進めていくと、チャート式やFocus Goldなどの「整数」に載っている問題と、ほぼ同じ解き方をすることになるので、解けます。

 

慶應大学理工系数学の傾向と対策と勉強法は?

 慶應大学理工学部の数学は、大問5問、試験時間120分。
 年度にもよりますが、「慶應大学理工学部」というブランドの割には、全体的に取り組みやすい問題が並ぶことが多いです。ただし、2023年は、『大学への数学』誌の難易度がACDCCBと、完答は厳しいだろう問題が大半でした。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。後者は『合格る確率』(文英堂)あたりでマスターしましょう。2023年の確率は、両方の類型に慣れていると、最後の1問以外は正解できたかと思います。
 整数は、完答できていない受験生が多い年も多いので、なんとも言えませんが、取れるだけ部分点を取らなければなりません。市販でちょうどいい整数問題集が無いので、大学受験塾チーム番町では、ちょうど完答できなければならないレベルの技法を網羅した、対策整数問題集を渡しています。
 数3の微分積分はまず出ると思ったほうがいいと思います。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。

 2023年は、このような方針で、大問1完答、大問2(2)まで、大問3(3)(コ)まで、大問4(3)~(4)あたりまで、大問5(1)(チ)、(2)完答、が可能でした。他の受験生に十分差をつけることができたと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

慶應理工系オススメ参考書、問題集

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの慶應理工に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、慶應理工レベルの成績になっているはずです。
 慶應理工対策としては『合格る確率』、整数対策、『理系数学良問のプラチカ1A2B』、あたりを合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 

 

2019年慶應義塾大学理工学部 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点?

 

大問1

(1)
『大学への数学』4月号の難易度はA。
前半は微分して増減表を書くだけです。
後半は、親切に「結果を用いて」と問題にありますし、このような、よくわからない極限は、だいたいはさみうちで示します。
完答すべきです。
(2)
『大学への数学』4月号の難易度はB。
複素数平面の問題です。
解き方はいろいろありそうですが、最終手段はa+biと置くことでしょうか。
完答すべきです。
(3)
『大学への数学』4月号の難易度はB。
ベクトルを含む関数の定積分の問題です。
(イ)は誘導で(ウ)で使います。
積分は、「この類型はこう積分する」というのがパッと見えることが大切です。
慶應理工に受かろうという人なら、ベクトルはベクトルで(アタリマエですが(笑))、ベクトルの大きさと内積はスカラー、というのはいいですね。
最後はベクトルの図形的意味を読み取ると、直観的に答えが出ます。
完答すべきです。

 

大問2

『大学への数学』4月号の難易度はB。
数Ⅱの微分の問題です。
3次関数ではなく、異なる2次関数をくっつけたところに、ちょっとだけ、ひねりがあります。
(1)
素直に極値をたすだけです。
(2)
接点を通り、他の点で曲線と接する直線の話は、むしろ文系ではよく出ると思います。
素直にそのように式を立てて解くだけです。
(3)
素直に2直線が直交する、という式を立てて解くだけです。
完答すべきです。

 

大問3

『大学への数学』4月号の難易度はC。
3つの連続する数を取り出したら終了するゲームの確率の問題です。
(コ)では、愚直に数え上げることが大切になります。
確率の問題を考えるとき、常に選択肢に入れておきましょう。
後半、nが出てきて抽象的になりますが、まずは具体的な数字でやってみることが大切だと思います。
確率の分野を根本から理解していて、入試標準問題演習をしていれば、完答に近いところまで狙えるのではないでしょうか。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問4

『大学への数学』4月号の難易度はB。
曲線とx軸にはさまれた部分に作る面積最大の長方形の無限級数の問題です。
偏見かもしれませんが、慶應理工というよりは、早稲田理工っぽい問題ですね。
長方形ではないですが、似たような流れの無限級数の問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
完答すべきです。

 

大問5

『大学への数学』4月号の難易度はC。
正四角錐の体積などの問題。
(1)で体積を求め、(2)で最大値を求め、(3)前半の題意を把握できれば、そのあたりまでは進めるでしょう。
かつ、その程度で十分だったと思います。

 

慶應義塾大学理工学部数学の傾向と対策と勉強法

 大問3の後半、大問5の最後以外は、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、完答できるような出題です。
それで他の受験生に十分に差をつけることが出来たでしょう

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2018年 慶應義塾大学理工学部 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点?

 

大問1

(1)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
相反方程式の問題。

『Focus Gold』などにはまず載っています。
正解しましょう。

(2)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
対称式を置き換えて、解と係数の関係から実数条件に帰着させるのは、入試標準問題集などではよくある話です。

その後の処理も理系なら大丈夫でしょう。
正解すべきです。

(3)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
因数分解すると、見るからにωの形になるので、できるでしょう。
完答すべきです。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
確率の問題。
難易度はCとなっていますが、標準レベルだと思います。
(5)では(等差)×(等比)の形の数列の和を処理しますが、これは教科書にも載っています。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答したいです。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
積分、漸化式、極限の融合問題。
(1)
これが半径1の四分円の面積を表すことは、数研出版の教科書には載っています。
また、数研出版の教科書では、その上に載っている問題が、この形をx=sinθと置換する定積分の問題です。
そうするとcosn+1θの定積分の形になり、部分積分から漸化式を導く話は、数研出版の教科書の「研究」の部分や『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
(2)
(1)の漸化式をどう処理すればいいかは、『Focus Gold』の数Bの漸化式にも似たような筋が載っていますし、『Focus Gold』数Ⅲのtannθの定積分の例題の下の問題のsinnθの定積分の問題が、本大問に雰囲気がかなり似ています。
(3)
このあたりで極限を求める問題は、常にはさみうちを選択肢に入れておきましょう。
(2)で触れた『Focus Gold』の問題もはさみうちで極限を求める問題です。
(4)
親切に「以上の結果を用いると」とあるので、なんとか以上の結果を使えるように工夫したいです。
世間的には難易度Cなのかもしれませんが、大学受験塾チーム番町で使っている『Focus Gold』に載っている解法で完答できそうです。

 

大問4

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はD。
空間ベクトルの問題。

(1)(2)
同一直線、平面上にあるから係数を足して1、ベクトルの大きさは2乗する、基本になるベクトルを決めて(終点-始点)で変形する、などは『Focus Gold』などにはまず載っています。
(3)
そこまで難しくないですし、四面体の体積を求める問題も『Focus Gold』などにはまず載っていますが、計算量が多く、実戦的には難しいでしょう。
(2)までできればいいのではないでしょうか。

 

大問5

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
(1)
(フ)はいわゆるアポロニウスの円の問題で、教科書の軌跡のところに載っています。
以下も相似をつかって解けると思います。
(2)
角θを含む媒介変数で表された曲線の長さは教科書に載っています。
(マ)ができればいいのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学理工学部数学の傾向と対策と勉強法

 『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度は(ABB)CCDCでした。
 2018年東大理系がBCBBDCで合格者の平均点は理Ⅰ70.1点、理Ⅱ52.3点(東京大学新聞調べ)だったことからすると、Bまでを完答、CDのBレベルまでの小問で部分点、くらいで、十分他の受験生に差をつけることができたと思われます。
 そのためには、教科書を理解して、『Focus Gold』(啓林館)あたりをマスターして、入試標準問題演習をすれば大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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【2023】早稲田大学理工系数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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慶應義塾大学理工学部数学

慶應義塾大学薬学部数学

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【2023】早稲田大学理工系数学 難易度と傾向と対策:教科書とFocus Goldが合格の鍵

 

早稲田理工入試の数学で悩んでいる人へ

 早稲田理工数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、早稲田理工の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、早稲田理工数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

早稲田理工入試における数学の重要性

 早稲田理工の数学の配点は120/360です。全配点の1/3ということで、非常に配点が高いことがわかります。試験時間は120分です。
 また、数学は、大問が5つしかありません。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、白紙になり、0点だと、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいといえます。
 以上より、早稲田理工入試における数学の重要性がわかると思います。

 

早稲田理工数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 大学入試の数学は、物理、化学と異なり、大問ごとの難易度の波が激しいことが多いです。早稲田理工でも、並の合格者程度では、まあ解けないだろう、という問題もよく出ます。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2023年早稲田大学理工系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

『大学への数学』誌の難易度はB。
整式の割り算と漸化式の融合問題です。Focus Goldの『数列』のところには、ほぼ同じような問題が載っていますし、東大を始め、他大でも類題の出題があります。

(1)
漸化式を立てる問題です。Focus Gold通りにやれば解けます。初見でも、整式の割り算の問題だから、商をQn(x)とでもして、式を立てて、両辺に(3x+2)をかければ、漸化式が立つだろう、とわかりたいです。

(2)
すべての自然数nについて、anもbnも7で割り切れないことを示す問題です。
数列や整数問題のように、nにとびとびの値しか入らない(離散的と言います)場合、具体的に、n=1,2,3…とやってみるのが有効なことがあります。本問もそれで予想がつくので、帰納法で示せばいいです。

整数問題を見たときになにを考えればいいか?

また、連立漸化式を、1文字を消去して3項間漸化式に帰着させて、帰納法で示す、という方針も、過去に他大でもよく出ています。
このあたりのアプローチで解けます。

(3)
すべての自然数について、anとbnが互いに素であることを示す問題です。Focus Goldの問題も、互いに素を示す問題なので、解けます。互いに素ということは、最大公約数が1ということです。最大公約数が登場する問題の多くは、最大公約数をgとでもして、それで割ることから話を進めることが多いです。本問もそれでうまくいきます。背理法で証明します。

 

大問2

『大学への数学』誌の難易度はB。
確率の問題です。

(1)
前半は推移図でも丁寧に書けば、簡単に解けると思います。
この前半が誘導で、後半の答が推測できます。すると、確率の問題ですが、帰納法を使えば良さそうだ、という珍しい流れになります。ただ、難しくないので、解けると思います。

(2)
本問は、文字が多くて抽象的ですが、問題として難しいわけではなく、丁寧にやっていけば、確率がkによらないことは、普通に確率の問題を解くことによって示せると思います。

大問3

『大学への数学』誌の難易度はA。
数3の微積分あたりの問題です。

(1)
2関数が、お互いに逆関数の関係であることを示す問題です。色々方針はありそうですが、たとえば、実際に逆関数を求めにいけば示せます。

(2)
2つのグラフが異なる2点で交わることを示す問題です。最も自然に考えると、方程式を連立して、実数解を2つ持つことを示すことです。それで行けるので解けます。ただし、さすがに数Ⅲレベルなので、判別式ではなく、中間値の定理のような考え方をします。

(3)
直線y=x、C1、C2を同一座標平面内に図示する問題です。C1、C2は逆関数で、直線y=x対称であることは教科書で習いますから、簡単にかけます。

(4)
1、C2で囲まれる面積を求める問題です。普通に積分をして求めに行けば求まります。

 

大問4

『大学への数学』誌の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(1)
単なる簡単な計算問題なので、難なく正解できます。

(2)
前半はゴリゴリ計算するだけです。
後半に「実部」という言葉が出てきます。教科書では、あまり強調されていませんが、Focus Goldや青チャートあたりでは、複素数zの実部は(z+zバー)/2で、それを使う問題が載っています。本問もこの話を使えば解けます。

(3)
(2)のzの式と解答が本問のヒントです。数学の入試では、常に、上の小問は誘導なのではないかと疑いましょう。
円の一部の面積は初等幾何で求まります。

 

大問5

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルと数Ⅲの積分の問題です。

(1)
2ベクトルのなす角を求める教科書レベルの問題なので、簡単に解けます。

(2)

 

早稲田大学理工系数学の傾向と対策と勉強法は?

 早稲田大学理工系の数学は、大問5問、試験時間120分。
 年度にもよりますが、「早稲田大学理工系」というブランドの割には、全体的に取り組みやすい問題が並ぶことが多いです。2023年は、『大学への数学』誌の難易度がBBABBでした。これは、教科書を理解し、青チャートやFocus Goldあたりで入試によく出る技法をマスターし、少し入試問題に慣れれば、時間さえ許せば、思考力、発想力といったものは全く不要で、満点を狙える、ということです。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。2023年の早稲田理工は上位国立型だったと言えます。「上位国立大学で必要な技法」は『合格る確率』(文英堂)でマスターすればいいと思います。
 整数は、完答できていない受験生が多い年も多いので、なんとも言えませんが、取れるだけ部分点を取らなければなりません。市販でちょうどいい整数問題集が無いので、大学受験塾チーム番町では、ちょうど完答できなければならないレベルの技法を網羅した、対策整数問題集を渡しています。
 数3の微分積分はまず出ると思ったほうがいいと思います。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。

 

早稲田理工系オススメ参考書、問題集

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの早稲田理工に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、早稲田理工レベルの成績になっているはずです。
 早稲田理工対策としては『合格る確率』、整数対策、『理系数学良問のプラチカ1A2B』、あたりを合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 2023年は、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、上記のように満点も狙えるような出題で、『大学への数学』誌の難易度もそう語っています。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2019年早稲田大学理工系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『大学への数学』4月号の難易度はA。
整数問題です。
(1)
整数問題を見たときになにを考えればいいか?という投稿で、「なにかで割った余りで場合分けする」と書きました。
本問は「5で割った余りで考えなさい」という誘導でしょう。
他大では誘導なしで出題されることもあります。
(2)
n=1,2のときは具体的に調べ、n≧3については、上記のように5で割った余りで場合分けすると示せます。
完答すべきですし、整数問題として検討する価値の高い問題でしょう。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、整数は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問2

『大学への数学』4月号の難易度はB。
面積1の正n角形の周の長さについての極限、不等式の証明の問題です。
(1)
素直に周の長さを求めて2乗するだけです。
(2)
この程度の極限もいいでしょう。
(3)
関数f(x)=(tanx)/xが0≦θ≦π/3で増加関数であることを示すことに帰着されます。
それほど難しくないと思います。
完答すべきです。

 

大問3

『大学への数学』4月号の難易度はA。
極限の問題です。
ガウス記号の定義も親切に不等式で記述してくれていますし、だいたい、このような、よくわからない極限は、はさみうちでいきます。そのような問題は、Focus Goldあたりに載っています。
(1)
はさみうちで問題ないでしょう。
(2)
ガウス記号の定義にあてはめて辺々加え、与式を得るために(nルートn)で割ると、自然に、区分求積法のような式になります。
完答すべきです。

 

大問4

『大学への数学』4月号の難易度はC。
半径1の球面に四面体が内接するベクトルの問題です。
ベクトルの典型問題でよく使う「(終点)-(始点)で変形」「ベクトルの大きさは2乗する」などを駆使すれば、(2)あたりまでは解けそうです。
2019年唯一のCレベル問題ということもあり、(2)まで解ければ万々歳ではないでしょうか。
むしろ、他の大問で取りこぼさないように気をつけたいです。

 

大問5

『大学への数学』4月号の難易度はB。
数Ⅲの積分の弧長の問題です。
(1)
微分して計算するだけです。
(2)
弧長の話は教科書にも載っています。
積分して丁寧に計算するだけです。
(3)
丁寧に絶対値を外してグラフを書きましょう。
完答すべきです。

 

早稲田大学理工系数学の傾向と対策と勉強法は?

 大問4の後半以外は、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、完答できるような出題です。
それで他の受験生に十分に差をつけることが出来たでしょう

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2018年早稲田大学理工系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
複素数平面の問題。

(1)
三次方程式の3解が複素数平面上で三角形をなすための条件。
普通に式を立てて解くだけです。
(2)
(1)の三角形の面積。
底辺×高さ/2で出ます。
(3)
(1)の三角形の外接円の中心と半径。
外心の性質を使って普通に式を立てて解くだけです。
完答すべきです。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
(1)

2直線と放物線の囲む領域の面積。
教科書レベルです。
12分の1公式と呼ばれる公式もあります。
(2)
(1)の領域内の格子点の個数。
整数のx座標について、丁寧に調べるだけです。
完答すべきです。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
(1)
ルート2が無理数であることの証明は教科書に載っています。
同じようにやればできます。
(2)
両辺に3乗根pをかけるだけです。
(3)
こういう問題は(2)は誘導だと考えて、(3乗根p)2を消去すれば示せます。
(4)
こういう問題は(3)は誘導だと考えてやれば、示せるかもしれません。
なるべく多く部分点を取りたいです。

 

大問4

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
減衰曲線とx軸の囲む面積をx軸周りに回転させた回転体の体積の無限級数の問題。

いかにも早稲田理工という問題ですね。
『Focus Gold』(啓林館)には減衰曲線と無限級数の問題が載っています。
(1)

微分するだけです。
ただし、あとでこの結果を使うのだろう、という予想はしておきましょう。
(2)
ゴリゴリ計算するだけです。
(1)の結果を使います。
完答すべきです。

 

大問5

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はD。
立方体の重複しない4点ずつを頂点とする図形の共通部分がどんな図形になるかとその確率の問題。

(1)(2)は図形を答えるだけなのでできるかなと思いますが、『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌には「空間図形の認識が難しい難問であり、最後の問題ということもあり、大半の受験生が”投げた”と思われ、全く手つかずでも合否にはほとんど影響しなかっただろう。」というコメントがあります。
(3)は難しいと思います。

 

早稲田大学理工系数学の傾向と対策と勉強法

 『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はBACBDでした。
 2018年東大理系がBCBBDCで合格者の平均点は理Ⅰ70.1点、理Ⅱ52.3点(東京大学新聞調べ)だったことからすると、Bまでを完答、CDのBレベルまでの小問で部分点、くらいで、十分他の受験生に差をつけることができたと思われます。
 『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌にも「大問2を完答した上で大問1,3,4のうち2題以上を解いた人は、数学で十分に差をつけることができただろう」というコメントがあります。
 そのためには、教科書を理解して、『Focus Gold』(啓林館)あたりをマスターして、入試標準問題演習をすれば大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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