大学受験合格への鍵:大村益次郎が示す「戦術」と「戦略」の違い

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

靖国神社に大村益次郎像があるのはなぜ?

花神(司馬遼太郎、新潮文庫)

アームストロング砲(講談社文庫、司馬遼太郎)

番町と幕末のSTEM教育

 

大学受験合格への鍵:大村益次郎が示す「戦術」と「戦略」の違い

 

 大村益次郎については上記リンクから。

 史実かどうかは裏が取れないのですが、司馬遼太郎さんが大村益次郎を描いた小説『花神』(新潮文庫)では、大村益次郎の鳩居堂(最初は千代田区番町。後に麻布の長州判藩邸。)での最終講義は「タクチーキ(tactics、戦術)のみを知ってストラトギー(strategy、戦略)を知らざるものは、ついに国家をあやまつ」というテーマだったとしています。

 軍事では、「戦術」と「戦略」は、はっきり意味が異なります。手元の広辞苑によると、「戦術」は「一個の戦闘における戦闘力の使用法。戦略に従属」。「戦略」は「戦術より広範な作戦計画。各種の戦闘を総合し、戦争を全局的に運用する方法。」としています。

 大学受験を例にします。「戦術」は各科目の勉強法。「戦略」は全体としてどのように合格点を取るか、ということでしょう。大村益次郎によると、英語はこう、数学はこうと言っていても、全体の大局観がないと、受験に落ちますよ、ということでしょうか。

 たとえば、東大の社会は論述が多く、世間では「論述対策」と称した講義が行われています。しかし、私の生徒で東大の社会で困った人は1人もいません。また、東大の英語は、分量の多さと、リスニングのきつさが特徴的です。人の講義をダラダラ聞く時間があったら、最低限の理屈を私に習った上で、多読やリスニングなどの「トレーニング」に当てるべきなのです。数学の勉強をする時間も必要です。

 また、目先の学校のテストで入試で出るような問題で実際に点が取れていないのに、塾、予備校で違うことを扱い、戦力の分散になり、共倒れになる。塾、予備校に通うことにより、逆に成績を下げている人は、非常に多いと思います。

 これらは、「戦術」と「戦略」の違いを理解していないことに起因します。

 受験は、時間や集中力という、限られた資源をどう配分するか、という「戦略」が大切なのです。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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