大学受験塾チーム番町オススメ 教育の本5選:エビデンスと非認知能力が成績向上の鍵!
「学力」の経済学(ディスカヴァー)
著者は、慶應義塾大学総合政策学部教授の中室牧子先生です。
ご専門は教育経済学とのことです。
巻末に、引用した論文などがたくさん載っている、ちゃんとした本だと思います。
日本の教育には科学的根拠(エビデンス)が欠けている。
他人が子育てに成功したからといって、同じことをしても自分の子供が成功するとは限らない。
非認知能力は学歴も大きく左右する。
「専門家の意見や考え」は科学的根拠(エビデンス)の信頼性の階層の最下層。
といった内容です。
なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える(講談社現代新書)
著者は慶應義塾大学文学部の安藤寿康先生です。
ご専門は教育心理学、行動遺伝学、進化教育学だそうです。
慶應義塾双生児研究のサイトに、本書で引用した論文などがたくさん載っている、おおむね、大学での研究に基づいた、ちゃんとした本だと思います。
前半は、教育とはなにか、といった、原理的な話が多いです。
本書のクライマックスは、第二部「教育の遺伝学」ではないでしょうか。
テストの点数などの能力が、どの程度遺伝によるもので、どの程度環境によるものか、双子による研究が述べられます。
このような行動遺伝学の研究によると、テストの成績などは、遺伝50%、遺伝に還元されない家庭環境30%、教え方や本人の変化20%だそうです。
GRIT やり抜く力(ダイヤモンド社)
ペンシルベニア大学心理学部のアンジェラ・ダックワース教授の著書です。
大学での研究、調査に基づく話がたくさん出てくる、ちゃんとした本です。
アンジェラ・ダックワース教授の研究は、他の多くの本で引用されています。
非認知能力の内容に「やり抜く力」が挙げられます。
まさに、「やり抜く力」の重要性、どのように育むか、などが述べられます。
「賢明な子育て」の科学的結論は「要求は厳しいが、暖かく支援し、子供の自主性を尊重する」だそうです。
成功の教科書(小学館)
普通の公立中学の陸上部で7年間で13回の日本一を達成された、元中学校の先生の原田隆史先生の著書です。
大学教授ではありませんが、大学で講師をされていたこともあり、様々な家庭環境の生徒を日本一に導き、生徒や成功者を分析したということは、学術論文に近いものがあると思います。
「非認知能力」という言葉こそ使われていませんが(流行る前から現場で実践していたからでしょう)、現在、「非認知能力」とされているものを育むための具体的な方法が語られています。
古今東西の成功者を分析して指導に生かされたそうです。
成功は、人間の生まれ持った質ではなく、つくるものである。
物事の結果を決める要因は「心・技・体・生活」で、特に「技」の前に「心」が大切だとおっしゃいます。
「心」の内容として「やり抜く力」「意欲」「自信」といった「非認知能力」のかなりの部分がカバーされています。
日誌(その日すべき事の予定と実績)をつけ、毎日少しづつ、目標への階段を登る、といった目標達成の技法も、「やり抜く力」「自分の現在の状況を把握する力」などを育む方法と言ってもいいでしょう。
子供の夢を叶える家族の教科書(学研)
上記の原田隆史先生の著書です。
上記の『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』では、テストの点数などの要因は、遺伝に還元されない家庭環境30%であると述べられます。
また、上記の『GRIT やりぬく力』では、「賢明な子育て」の科学的結論が述べられます。
家庭環境はテストの点数に非常に大切です。
その実践編、という位置づけでいいのではないでしょうか。