大学受験塾チーム番町オススメ 勉強法の本5選:科学的根拠に基づき脳を鍛える

 

大学受験塾チーム番町オススメ 勉強法の本5選:科学的根拠に基づき脳を鍛える

 

受験脳の作り方(新潮文庫、池谷裕二)

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 東大で脳科学を研究している池谷裕二教授の著書です。巻末に引用した論文などが載っている、ちゃんとした本です。

 大命題として、本書にある「脳は生きるのに不可欠な情報以外は忘れる」というものを掲げたいと思います。勉強した内容を忘れる、いや、ある内容を勉強したこと自体を忘れるので、大学受験の成績が上がらない人が多いのです。
 すると、大学受験の勉強のコツは、いかに、脳に「生きるのに不可欠」と判断させるか、ということになりそうです。
 本書に「くり返しが大切」とあるように、くり返しの回数を多く取れば、脳は「生きるのに不可欠」と判断するでしょう。これに関し、有名な「エビングハウスの忘却曲線」が紹介されています。
 また、本書には「脳は出力を重要視する」ともあります。インプットの目的としてアウトプットを行うと、脳が「こんなに使う大切な情報なのか」と判断しやすい、ということのようです。
 そして、下記の『超一流になるのは才能か努力か』の「限界的練習」とも通じますが、少しずつ難度を上げたほうが、遅いようで速いという「スモールステップの法則」(段差の小さい階段を登り続ける)も紹介されています。たとえば、東大入試の数学で合格点を取ろうと思った場合でも、まずは、教科書の解説を理解するところから、一歩一歩、階段を登っていくのです。

勉強法の基本(当塾のサイト)

 

超一流になるのは才能か努力か?(文藝春秋)

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 フロリダ州立大学心理学部のアンダース・エリクソン教授の著書です。巻末に引用した論文、文献などがたくさん載っている、ちゃんとした本です。アンダース・エリクソン教授の研究は、他の多くの本で引用されています。『GRIT やり抜く力』のアンジェラ・ダックワース教授とも共同研究をしていて、その内容が『GRIT やり抜く力』でも述べられます。

 物事の上達のメカニズムは、脳に神経回路が構築されること。そして脳は、かつて考えられれていたよりも、はるかに成長させることができることが、明らかになっています。
 そのために、限界を少し超える負荷を自分にかけ続けることが有効だ、ということが述べられます。本書では「限界的練習」と訳されています。
たとえば、大学受験数学だと、「教科書→Focus Gold(啓林館)→入試で合否を分けるレベルの問題演習」といった段階を踏む、といったことでしょう。そして、これは、大学受験のあらゆる科目に応用できます。

 大学受験生の間では「参考書を何周」という表現が聞かれます。復習の重要性が浸透してきたのは良いことです。一方、本書では、音楽の先生と練習しても上達しない生徒の架空の会話が紹介されます。生徒は練習したのは10回か20回だが、ただ弾いただけ、と話します。
 できている問題は、そんなにくり返さなくてもいいです。逆に、できていない問題は、次の日も復習しなくてはいけません。「何周」という勉強は、あまり効率は良くないのだと思います。できていない問題にチェックをつけ、ひたすら復習してできるようにする、といった取り組みが大切だと思います。
 これが「目的のある努力」です。

塾長による書評

 

成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール(日本経済新聞出版)

 著者は、大学の先生ではありませんが、全員、アメリカの学校の先生の経験者で、その後、他の教育関係の職に移った方もいます。現場の専門家と言えます。
 著者の面々も、引用している文献も、科学的根拠(エビデンス)という面では薄弱ですが、当塾のブログで挙げているような、大学での研究に基づいた本の実践編と捉えることができるような内容ですし、「まあ、そうだよね」ということも多いです。
 本書では、効果的な練習方法を紹介しています。練習の質を向上させるための実践的な方法が述べられています。

 「パレートの法則」と呼ばれる法則があります。パレートという経済学者が「世界の富の80%は上位20%の人に偏在している」といったことを言いました。これは、他の様々な現象に当てはまります。大学受験の勉強についても、おおよそ「重要なほうから20%をこなせば、全体の80%が済んでいる」と言えます。
 「無意識にできるようになるまで徹底する」は、上記の池谷裕二教授の「スモールステップの法則」やアンダース・エリクソン教授の「限界的練習」に通じると思います。大学受験でも、簡単なことを、無意識にできるようになるまで徹底すると、そのことに脳のワーキングメモリを使わなくなるので、より高度なことに脳のワーキングメモリを割き、できるようになる、ということだと思います。
 「実践練習ではなく反復練習でこそ上達する」も同様です。大学受験でも、難しいことを要素に分割して(困難は分割せよ)、1つ1つを「無意識にできるようになるまで徹底する」ことにより、驚くほど高度なことができるようになるのだと思います。
 「手本をそのまままねさせる」は、個別指導塾の数学の授業で、教科書やFocus Gold(啓林館)を使って、「例題の解説」→「生徒が数値が違う程度の類題を解く」ことにより、東大レベルにまで連れていけることなどから、有効な練習の法則と考えます。
 さて、塾で行われている「フィードバック」は、どの程度のものでしょうか。ある時、ある有名予備校が、スタッフが、生徒のタブレット上の成績表を見ながらコメントをしているCMを流していました。この予備校としては、面倒見の良さをアピールしたのでしょうが、塾長は「ふわふわしてんなあ」と思いました。大学受験塾チーム番町では、模試を受けたら、一問一問検討し、「この教材のこのページに載っているからできるよね」といった反省をしています。

塾長による書評

 

運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法(アスコム)

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 著者は鈴木祐さんという、論文マニアの方です。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業。出版社勤務を経て独立されたそうです。近年、大学などの研究論文、エビデンスに基づいた書籍を何冊も出しています。

 本書には、2021年にウィスコンシン大学などで行われた、天才に特有のパーソナリティを調べる研究が載っています。この調査で、「天才」とは、数学や語学といった学問の成績に加え、斬新なアートを生む想像力、他者をまとめるリーダーシップ、哲学的な思考の深さなど、あらゆる知的ジャンルで突出した存在、と定義しています。もちろん、大学受験で突出する能力も含まれますね。
 結論は、「好奇心の有無」でした。
 上記の池谷裕二教授によると、「脳は生きるのに不可欠な情報以外は忘れる」のでしたね。好奇心の薄い人にとって、大学受験の勉強は、「生きるのに不可欠」でない情報となってしまっているはずなのです。好奇心を高めることも、大学受験の成績を上げる上で、有効な手段なのではないかと思います。
 本書には、南メソジスト大学の実験によると、アクションリストから選んだいくつかのミッションを実行することにより、4ヶ月ほどで好奇心が高まったことが書かれています。たとえば

・最新の科学的発見や技術に関するニュース番組を読む
・いままで見たことがない新しい映画を見る

といったものです。アクションリストは、おおむね、今まで自分がやったことがないことを、やってみよう、といった内容のものが多いです。
 ぜひ、好奇心を高め、大学受験の勉強を「生きるのに不可欠」な情報にして、成績を上げ、大学受験に成功しましょう!

塾長による書評

 

勉強の哲学 来たるべきバカのために(文藝春秋、千葉雅也)

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 著者の千葉雅也先生は立命館大学の准教授(その後教授になりました)です。東大卒。フランスにも留学し、哲学、表象文化論を専攻され、フランス現代思想の研究と美術、文学、ファッションなどの批評を連関して行っているそうです。他に『現代思想入門』(講談社現代新書)などの著書があります。
 本書は、東大、京大でも売れたそうです。一言で言えば、自己啓発と自己破壊の間で揺れ動く、普遍的な「勉強」の問いを提示してくれる作品です。

 千葉雅也先生は「勉強とは自己破壊である」とおっしゃいます。
 環境の中で「こうするもんだ」という「ノリ」に合わせていた「ただのバカ」から、別の考え方=言い方をする環境へ引っ越し、「来たるべきバカ」になることであると。「ノリが悪い」「キモい」「周囲から浮いている」人だと思われるほどに語れるようにする。本書では、そうなることが「勉強」だとしています。
 いやあ、レベルが高い「勉強」ですね。周囲から浮いて、変なやつだと思われる覚悟が必要ですね。勉強とは恐ろしいものですね。

 『メイキング・オブ・勉強の哲学』のほうでは「勉強しなさい」という言葉について、少し語られています。世間一般の「勉強しなさい」は、「そこそこ稼ぎのある勤め人になってくれればいい」という程度であって、逆に、深くものを考えてヤバいこというやつになっちゃ困ると思っている、としています。勉強は恐ろしいことであると。さて、それでも、世間の保護者は子供に「勉強しなさい」という勇気があるでしょうか?

 さて、世の中には、様々な教育、勉強法の本が存在します。
 お子さん4人を東大理Ⅲに「入れた」ママの教育論。東大法学部卒、元財務官僚で現在は弁護士の「7回読み勉強法」。などなど。
 大学受験生、保護者は、何を信じればいいのでしょうか?
 『勉強の哲学 来たるべきバカのために』では、「信頼に値する他者は、粘り強く比較を続けている人である」「「勉強するにあたって信頼すべき他者は、勉強を続けている他者である」とします。つまり、その人たちは、「研究」「学問」に属している人、ということになります。
 つまり、勉強の足場とすべきは「ネット」や「一般書」ではなく、「専門書」「研究書」であるとします。「専門書」「研究書」は、専門分野の業界や学問の世界に直接・間接の関わりがあり、同種のテーマに関する他者との建設的な議論が背景にあるから信頼性の根拠がある、とのことです。
 したがって、大学受験生が教育論や勉強法について、信頼すべきは、大学の研究に基づく本ということになります。
 大学受験塾チーム番町では、教育論、勉強法について、上記のように、なるべく、大学の研究に基づく本、または、それに準ずるサンプル数のある本、をおすすめしています。
 また、大学受験塾チーム番町では、数学、物理、化学の授業で、一番基本の部分の理解に検定教科書を使います。その理由の1つに「共著であり、文科省の検定を通っている」があります。著者の言う「信頼性の根拠」に近いのだと思います。
 トップレベルの中学、高校に合格した人が、高校や大学受験の数学や理科で挫折する、というのは非常に多い話です。塾長は、この原因の1つは、検定教科書を軽視し、「信頼性の根拠」に欠ける場所に学習の足場を置いたため、教科書に書いているような「なぜそうなる」という理解をせずに、問題の解き方だけを覚えるような悪いクセが身についてしまうからではないかと思います。

塾長による書評

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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