大学受験の勉強法の本:成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール(日本経済新聞出版)

 

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大学受験の勉強法の本:成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール(日本経済新聞出版)

 

 

『成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール』の感想、書評

 著者は、全員、アメリカの学校の先生の経験者で、その後、他の教育関係の職に移った方もいます。
著者の面々も、引用している文献も、科学的根拠(エビデンス)という面では薄弱ですが、当塾のブログで挙げているような、大学での研究に基づいた本の実践編と捉えることができるような内容ですし、「まあ、そうだよね」ということも多いです。
 本書では、効果的な練習方法を紹介しています。練習の質を向上させるための実践的な方法が述べられています。

ルール2 最大の価値を生む20パーセントに集中して取り組む
 パレートという経済学者が「世界の富の80%は上位20%の人に偏在している」といったことを言いました。これは、他の様々な現象に当てはまり、トレーニングについても、おおよそ「重要なほうから20%をこなせば、全体の80%が済んでいる」と言えます。
 これは、私たちがどのように効率的に練習すべきか、何に焦点を当てるべきかを示しています。練習や業務における効率性を最大化するための有益な方法だと思います。最大の価値を生む20%に集中するという視点は、わたしたちが時間と労力をより重要な課題に集中し、生産性を最大化することを可能にすると思います。

ルール3 無意識にできるようになるまで徹底する
ルール4 無意識にできるようになれば創造性が解き放たれる
 ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』では、人間の脳について、システム1(速い思考)、システム2(遅い思考)という概念を導入しています。心理学では、広く使われているようです。
 「システム1」は自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であってもわずかである。自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
たとえば、「おぞましい写真を見せられて顔をしかめる」といった本能的なものや、「2+2の答えを言う」といった反射的にまで高められた知的作業です。
 「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければ困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。たとえば「17×24を計算する」などです。
 つまり、勉強について、基本的なことを「システム1」に入れると、基本的なことに集中力を使わなくなるので、より高度なことに取り組めるようになり、創造性も解放される、ということだと思いました。
 また、近年、脳科学では「ワーキングメモリ」という考え方をします。脳を作業机の広さに例えます。簡単なことを、無意識にできるようになるまで徹底すると、そのことに脳のワーキングメモリを使わなくなるので、より高度なことに脳のワーキングメモリを割き、できるようになる、ということだと思います。
 創造性にも、適切な詰め込みは大切なのでしょうね。

ルール7 実践練習ではなく反復練習でこそ上達する
 人間の脳は、基本的に「マルチタスク」(集中力を要する複数の作業を同時に行う)ことができない、とされています。

 まずは、個々のスキルに分割し、その開発に集中することが上達の鍵だ、ということです。デカルトは『方法序説』で「困難は分割せよ」といったことを言っています。
 上記のルール3「無意識にできるようになるまで徹底する」とも関係するでしょう。
 大学受験の数学で考えると、やみくもに過去問などに取り組む前に、教科書や『チャート式』などの学校採用教材レベルにスキルを分割して、その開発をしたほうが、遅いようで早いし、到達度も高い、ということだと思います。

ルール19 手本をそのまままねさせる
 これは、新たな技術やスキルを学ぶ上での非常に効率的な方法だと思います。これにより、私たちが試みる新たなスキルの習得が、よりスムーズで効率的になると思います。
 大学受験塾チーム番町は、個別指導塾なので、たとえば数学の授業では、教科書や『Focus Gold』(啓林館)の例題を解説し、数値が違うくらいの類題を解いてもらうことができます。東大や医学部レベルへの壁を、効率的に超えることができると考えています。

ルール23 フィードバックを取り入れて練習する
 大学受験塾チーム番町は、個別指導塾なので、テストや模試の反省を通して、生徒にフィードバックすることができます。同じ間違いをくり返さないことが、実力を向上させるコツなので、フィードバックは大切だと思います。
 『成功する練習の法則』でも述べられていますが、世間では、フィードバックを与えられても、使わない人が、結構な割合でいるようです。このような人は、同じ間違いを繰り返し、停滞します。本書では、「与えられたフィードバックを使うのが当たり前で、使いたくなるような文化を創ること」が大切だと述べられています。
 フィードバックは、自己の進歩を理解し、成長を促進する上での重要な要素だと思います。それを受け入れるという行為は、私たちが自己の行動を客観的に見つめ、改善のためのアクションを起こすためのカギとなると思います。

ルール29 問題ではなく解決策を説明する
 これは私たちが困難に直面したときに、前向きな視点を保つための実践的なヒントとなると思いました。
 大学受験塾チーム番町では、志望校を下げる指導はいたしません。
学校のテストや模試を検討し、どうすれば合格点に達するか、解決策を個別指導しています。

 

 当塾は大学受験の個別指導塾なので、それに沿って書いてみました。『成功する練習の法則』で紹介されているアイデアは、どの分野においても有用であり、ビジネスやスポーツなど、あらゆる分野に適用することができると思います。この本を読むことで、自分自身の練習方法を改善し、スキルを向上させることができると思います。

 『成功する練習の法則』は、個々の能力を最大限に引き出すための戦略と方法論を豊富に提供してくれていると思います。実践的な練習方法を探している人にとって非常に役立つ本であり、私も自分自身の指導を改めて見つめ直すきっかけになりました。この本を読むことで、どのようなスキルに取り組んでいるかに関係なく、より効果的な練習方法を見つけることができると思います。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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