【レビュー・目次】微分積分キャンパス・ゼミ(マセマ):親切な説明と具体例でわかりやすい!
『微分積分キャンパス・ゼミ』はこんな人におすすめ
・数Ⅲの教科書の微積分を理解し、大学の微分積分をかじってみたい人。
・大学1年生レベルの微分積分を理解したい大学生
『微分積分キャンパス・ゼミ』のレビュー、評判
『微分積分キャンパス・ゼミ』は、大学受験数学の解説が親切な参考書で有名なマセマが出している、大学の数学の参考書です。ε-N論法、ε-δ論法から、2変数関数の微分、重積分まで載っています。
マセマの大学受験向けの参考書と同様に、副文、吹き出しによる親切な説明、式変形の途中経過の説明、などが特徴的です。論理だけでなく、具体例や直感に訴えた説明も豊富です。
偏微分、全微分、重積分の図形的イメージなども載っています。
そして、概念的なことだけではなく、問題とその解説も充実しています。それでいて、定理や公式の証明もされており、まずまずちゃんとしていると思います。
『微分積分キャンパス・ゼミ』は学者の先生が書いた本ではありませんが、東大や京大の生協でも売れているそうですし、そもそも、東大や京大の学生の大半も、受験では、学者の先生が書いたわけではない教材をありがたがってきたわけですし、わからないよりはわかったほうがマシなので、大学の数学がわからない、イメージが持てないようだったら、マセマシリーズを読むといいのではないでしょうか。
文系で、高校で数学Ⅲを履修していない人も読めることは読めると思いますが、高校の数学Ⅲの検定教科書と数学Ⅲの微分積分の計算を解説したような本を先に理解したほうがいいと思います。
『微分積分キャンパス・ゼミ』のレイアウト
2色刷りなので、勉強をするモチベーションが上がると思います。
まず、高校の教科書のように、問題以前の基本の理解の部分の解説が書かれています。このコーナーも、副文による解説が充実し、理解しやすいです。根本から理解をすることができ、丸暗記数学を避けることができます。
次に、問題のコーナーは、見開きに2題載っています。
左ページは「演習問題」。一番上に問題が書いてあり、その下に、解答、解説が書いてあります。ここも副文による解説が充実し、わかりやすいです。
右ページは「実践問題」。左ページの「演習問題」と同じように考えれば解ける類題が、解答、解説の一部が空白になっています。解答はすぐ下に載っています。
大学受験で言う『チャート式』や『Focus Gold』のように、「例題を理解して、数値が違うくらいの類題を解くことが出きる」という勉強ができるので、壁を超えやすいです。大学生向けの個別指導塾の教材にはぴったりですね(笑)。
『微分積分キャンパス・ゼミ』の目次
講義1 数列と関数の極限
1.数列の極限とε-N論法
2.正項級数とダランベールの判定法
3.三角関数と逆三角関数
4.指数・対数関数と双曲線関数
5.関数の極限とε-δ論法
講義2 微分法とその応用(1変数関数)
1.微分係数と導関数
2.微分計算
3.ロピタルの定理と関数の極限
4.微分法と関数のグラフ
5.テイラー展開とマクローリン展開
講義3 積分法とその応用(1変数関数)
1.不定積分
2.定積分
3.定積分のさまざまな応用
講義4 2変数関数の微分
1.2変数関数と偏微分
2.偏微分の計算と高階偏導関数
3.接平面と全微分
4.テイラー展開と極値
講義5 2変数関数の重積分
1.重積分
2.変数変換による重積分
『微分積分キャンパス・ゼミ』の著者、出版社の実績と信頼性
『微分積分キャンパス・ゼミ』の著者は馬場敬之さんです。マセマの参考書のほぼ全てに関わっていると思います。マセマ社の代表取締役社長でもあります。東京大学工学部卒。博士課程終了。工学博士。理論解析、応用数学の専門家だそうです。
『微分積分キャンパス・ゼミ』の出版社はマセマ社です。ほぼ、高校生、大学受験生、大学生向けの参考書に限られますが、解説の詳しさから、高い支持を集めています。また、高校生、大学受験生向けには、競合も多いですが、大学生向けの数学、物理のわかりやすい教材としては、おそらくトップと言って過言ではなく、東大の生協書店でも売れているようです。
著者、出版社ともに、実績と信頼性は高いといえます。
この記事を書いた人
大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。