大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導
大学受験合格のカギは人間的成長:藤沢秀行名誉棋聖と野村克也監督の共通点
囲碁の日本棋院と同じ千代田区五番町の塾が藤沢秀行名誉棋聖から成績の落ちない勉強法を学ぶ
当塾から直線で100mちょっとのところ、同じ五番町に、囲碁の総本山、日本棋院があります。
囲碁界で最も歴史と権威がある称号は「名人」です。史料上は江戸幕府の制度として存在したことは確かだそうです。現在は新聞社が主催するタイトル戦の1つです。その名人位を昨年獲得したのは、当時19歳(現在20歳)の芝野虎丸名人。史上最年少の七大タイトル獲得者だそうです。1月12日のTBS『情熱大陸』は芝野名人の回でした。
囲碁界は、すでに1960年代には、若い人のほうが強いということになっていたようです。
逆に、七大タイトルの最年長は、故藤沢秀行(俗に「しゅうこう」)名誉棋聖という人です。二度のガンから生還したあと、92年、67歳でタイトルを防衛しています。色々とデタラメな人なのですが、私はかつて、塾生に秀行先生のドキュメンタリーのDVDを見せていました。NHKが作って賞も受賞した作品だし、国から勲章ももらっている人だし、まあ、いいかなと。
ドキュメンタリーDVDで秀行先生は、灘→京大医学部の坂井秀至八段(昨年、石を置き医師に戻りました)に「頭改造しなきゃダメだよ」と言っています。将棋界で最年長で名人(江戸幕府の制度だったと先述しました)のタイトルを獲った故米長邦雄永世棋聖は、「3人の兄は頭が悪いから東大に行った」と言ったという都市伝説があります。実際、そんなところでしょう。塾長は秀行先生と米長永世棋聖の対談の本も持っています。
囲碁のトッププロの対局と、高校の勉強、東大入試程度を比べることはできないと思います。囲碁のトッププロの対局は、いずれ未知の局面が現れ、新手を出す、創造性が求められるのだろうと思います。それに対し、大学入試の数学や理科は、先人が築いた体系を学んでいるだけ、解釈の余地がない(もちろん、常に、疑問を持ち続けることは大切です)。囲碁に例えると、ルールと基本的な手筋をマスターする、といった程度のレベルでしょう。比べるならば、大学院のあとのまだ教科書や論文に書かれていない研究、全く新しいビジネスを立ち上げる、などでしょう。プロ棋士の勉強も「研究」と呼ぶことがあります。
東大入試程度の数学や理科で合格点を取れない人は、思考力、センス云々の前に、単に、解釈の余地がないルールや基本手筋をマスターしていない人です。(まあ、数学や理科は、一度わからなくなると、その後もわからないので、弁護の余地はあります。そういう人は、前の学年の教科書から勉強し直せばできるようになります。)
それでもあえて、高校や大学入試の勉強と関連づけて書いてみたいと思います。
秀行先生は一部の棋士を「骨から強くなっていない」「他人のいいところだけをつまんで自分の栄養にしようとしている」「強い人の打った手だからといって意味もわからずマネしている」などと批判します。
あえて高校の数学や理科に例えると、教科書の説明に書いてあるような、公式の成り立ちや事柄の意味などを理解しようとせずに、ただ公式に当てはめて答えを出す、解答を丸暗記する、ということでしょうか。学校、塾、家庭、本人のどれが悪いのかわかりませんが(「本人が悪い」がどういうことかを考えると哲学的ですが)、東大や医学部にそれなりに合格する高校でも、下位層には、教科書の説明とはかけ離れた、ルールを無視したデタラメな答案を書くクセがついている人が多いです。「骨から強くなっていない」「他人のいいところだけをつまんで自分の栄養にしようとしている」「強い人の打った手だからといって意味もわからずマネしている」から、学年が上がるにつれて、成績は下がるのでしょう。藤沢秀行名誉棋聖や米長邦雄永世棋聖とは逆に。
「思考力」といったものは置いておいて、「ルールの理解、遵守」「基本手筋の組み合わせ」くらいで東大に合格するのですけどね。
この記事を書いた人
大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。