【2023】慶應義塾大学薬学部数学 難易度と傾向と対策:黄チャート+入試問題演習が鍵

 

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【2023】慶應義塾大学薬学部数学 傾向と対策と勉強法と難易度は:黄チャート+入試問題演習が鍵

 

慶應薬学部入試の数学で悩んでいる人へ

 慶應薬学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慶應薬学部の数学は、教科書の理解、基本問題と黄チャートあたりの技法で、ほぼ満点を取れます。(ただ、2022年から難化傾向のように思います。)
 この記事を読むと、慶應薬学部数学の難易度(2022年以前は月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば問題を解けるようになるのか、を知ることができます。

 

慶應薬学部入試における数学の重要性

 慶應薬学部の数学の配点は、100点/350点です。大問が3問あります。
 教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば、ほぼ満点を取れる、簡単な出題が続いています。したがって、高得点勝負になるので、「数学は捨てる」といった戦略は成り立ちません。他科目で取り返すのは、まず無理です。合格のためには、数学のかなりの高得点が必要になります。

 慶應薬学部入試における数学の重要性は理解できたかと思います。

 

慶應薬学部数学、入試本番の心構え

 日本全国、どの大学入試でも、おおむね、数学の入試というものは、大問ごとに難易度の波が大きく、並の合格者くらいではほぼ解けない出題も見られるのが普通です。
 一方で、慶應薬学部入試の数学は、全体として、教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば解けるような難易度の問題が並びます。

 したがって、入試本番では、「ほぼ全部解かなきゃ」というプレッシャーがあると思います。そのような時に、解けなそうな問題を見て、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解ける問題ばかりがでているのが日本大学医学部の数学です。一度落ち着いて、先に他の問題に取り組む、などすると、さっき、できなかった問題もできるようになっているかもしれません。

 

2023年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。
 大学受験塾チーム番町でFocus Goldを採用しているので、Focus Goldベースで書いていますが、慶應薬学部が第一志望の場合、網羅系は黄チャートで十分です。

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
前半の因数分解は、見た目が少しだけ複雑ですが、教科書レベルの技法で解けます。
後半の整数問題は、当然、前半の因数分解の結果を使うものです。そうすると簡単に解けると思います。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

このAP+BPが最小になる話は、チャート式やFocus Goldなどの図形と方程式のところにはまず載っているので解けます。本文は、最後に、三角形の内接円の半径という、ひとひねりが加わっています。ただ、三角形の内接円の半径も、教科書の三角比のところに載っている話で解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

微分の問題です。
前半は、普通に式を立てていけば解けます。
後半は、不等式が常に成立する条件ですが、全部左辺に移項した式を関数と見て、それが0以上に慣ればいいという流れは、チャート式やFocus Goldなどには載っているので解けますし、仮に初見でも思いつきたいです。

(4)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

前半は、球面と、簡単な平面の交わりの円の方程式の問題です、教科書に載っているので解けます。
後半は、丁寧に図を書けば、基本レベルのメネラウスの定理、または、チャート式やFocus Goldあたりに載っているベクトルの技法で解けます。

(5)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

確率漸化式の問題です。
現在は、教科書にも確率漸化式が載っていますが、そのレベルなどで解けます。もちろん、チャート式やFocus Goldあたりにも載っているので、少し数をこなして慣れたほうがいいでしょう。

(6)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

(ⅰ)は、指数関数のこの形で相加相乗平均を使うものは、チャート式やFocus Goldあたりに載っているので、解けます。
(ⅱ)の指数方程式で分母を払って2次方程式に帰着させる形は、チャート式やFocus Goldあたりに載っているので、解けます。
(ⅲ)は、二次関数の2次方程式の解の配置との融合問題です。2次方程式の解の配置はチャート式やFocus Goldあたりに載っていますし、三角関数あたりとの融合問題もまず載っているので、同じように考えれば解けます。

(7)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

n進法の問題です。
難しくないのですが、問題文に文字が多いので、難しく思えてしまった人が多いかもしれません。
(ⅰ)は解き方は色々ありそうですが、愚直に割り算を実行すると、余りが-3になります。割る数がn+1なので、これは、余りがn-2ということです。たとえば、合同式などで使う考えですが、-3≡1 (mod 4)と同じ考え方です。
(ⅱ)も色々解き方がありそうです。たとえば、k乗があるので、n=(n+1-1)として、二項展開する。または、整式の割り算と同じように、商をQ(n)とでも置く。いずれも、チャート式やFocus Goldあたりに類題が載っているので解けますが、慶應薬にしては、難しめかなと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
図形と方程式の軌跡、領域あたりの問題です。

(1)
(2cosθ,2sinθ)というのは、三角関数の定義、単位円の2倍なので、分かる人はすぐに答えが出ます。

(2)
本問で(x+y,xy)なら有名問題で、チャート式やFocus Goldあたりに載っています。本問はx-yであるところにひねりがあります。まあ、+(-y)とでも見て解けば、同じように解けます。

(3)
本問もチャート式やFocus Goldあたりに類題が載っているので、同じように考えれば解けます。最後の面積は教科書レベルの積分です。交点のx座標がやや複雑なので、1/6公式を使うといいでしょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
2022年に続き「データの分析」からの出題です。

ネ~ヒは平均値を求めるだけの、中学生レベルの問題なので解けます
フ、ヘも四分位数を求める中学生レベルの問題なので解けます。
ホ、マは相関係数を計算しますが、これも教科書レベルなので解けます。
ミ、ムの何かを何倍かして定数を足すと、標準偏差や相関係数がどう変化するかは、数研出版の教科書には、章末の発展のようなページに載っていて、2022年は、やたら共通テスト型模試で出題されていました(実際の本試験での出題は少ない。)2022年以降高校入学の教科書では、この話は、本文に格上げになっています。ただし、標準偏差や相関係数の意味がわかっている、冷静に求める式を考える、などをすれば、現場で初見でも解ける問題です。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 慶應薬学部の数学の入試は試験時間は80分。配点は100点/350点です。
 
 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。

 次に、Focus Gold(独学で慶應薬学部のみを考える場合、黄チャートあたりでも良い)の慶應薬学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、慶應薬学部レベルの成績になっているはずです。
 慶應薬学部入試対策としては上記のように、教科書、Focus Goldをマスターし、過去問で入試問題に慣れ、『年度別入試問題集』(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで、さらに入試問題に慣れると、満点近くを取れるでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、慶應薬学部のみを考える場合、黄チャート本文の問題の網羅性を上げる、くらいで合格点に近づくと思います。

 例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。2023年大問3は、2022年に続き、「データの分析」の分野から出題されました。多くの薬学部生にとって、理工系でよく使われる数学よりも、「データの分析」のほうが重要だ、というメッセージでしょう。今後も、「データの分析」は要注意です。公式を当てはめるだけでなく、教科書の説明を理解しましょう。

 

他の対策サイトへの疑問

 

青チャートで対策?

 当塾のサイトでも、青チャートより上位のFocus Goldの名前を挙げています。しかし、これは、慶應薬学部より入りにくい上位国立大学を併願すること、塾長が問題を絞ること、塾長が個別指導で例題を解説し、生徒が数値が違う程度の類題を解くこと、を前提としています。
 慶應薬学部を第一志望にする場合、青チャートには、本文の問題でも、不要な問題が多く載っており、オーバーワークです。問題数が多いと、挫折する可能性も高めます。慶應薬学部を第一志望にする場合は、網羅系は黄チャートで十分と考えます。

 

『良問のプラチカ』で対策?数3?

 まず、慶應薬学部は数3の出題がないので、『理系数学良問のプラチカ数3』(河合出版)を推薦すること自体、不適切です。また、『理系数学良問のプラチカ数3』は、平均的な東大合格者も解けないような問題も多く載っています。そもそも数3の出題がないので、これ以上論じても意味がないのですが、レベル、傾向も慶應薬学部とは全く相性が悪いです。
 1A2Bの『良問のプラチカ』は、『理系』より『文系』のほうがレベルが高いです。易しめの『理系プラチカ』で考えても、難易度は慶應薬学部の入試よりも高いです。また『プラチカ』は、論述式、国立大入試、向けで、慶應薬学部のような、小問集合、マーク式とは傾向が異なり、相性が良くないと考えます。先述のように、入試問題演習は、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりがいいと思います。

 

2022年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
数3の複素数平面をつかえば、教科書レベルのなので、すぐ解けます。
数2の複素数の範囲でやろうとすると、Focus Goldあたりに(実部)+(虚部)i=0に整理して、実部も虚部も0を使う問題は載っており、それと整数問題の融合問題となります。

(2)
方程式の解がx=3なので方程式に代入するのは中学レベルです。
その後は、実数解を持たないので判別式の話にするのは教科書レベルで解けます。

(3)
確率の問題です。
図でも書いて落ち着いてやれば難しくはありませんが、慶應薬にしては、やや複雑かなと思います。

(4)
f(x)は二次関数で、極値(つまり頂点のx座標)をx=-2で取るので、文字の使い方を二次関数風にします。あとはゴリゴリ計算するだけで解けます。x2の係数の正負がわからないので、そこが少し難しいかなと思います。

(5)
絶対値がついたりして、やや複雑そうに見える対数方程式の問題です。
前半はx=6なので、底を変換して整理したあとで、代入すれば、aの値は簡単に求まります。後半は、例の定数aを分離して、グラフの交点の数で実数解の個数を考える有名問題なので解けます。

(6)
やや珍しい出題ですが、x、yの変域が与えられていて、与式を変形してさらに変域を絞り込むような問題は、Focus Goldあたりの二次関数には何問か載っているので、同じように考えれば解けます。後半は、sinとcosの和が与えられている場合、まあ、2乗してみるもので、その式を足し引きなどすると、解決の糸口が見え、解けます。

(7)
三角柱の切断面の最小値を求める問題です。言われれば難しくないですが、実戦的には、解くのは難しいと思います。ただ、受験勉強の図形問題対策として、勉強する価値は高い問題かと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
C(コンビネーション)記号をめぐる問題と数列の融合問題です。

(1)
前半は教科書にも載っている有名な等式なので、正解しましょう。後半は、素直に変形すれば解けます。

(2)
愚直に問題文の式に代入して計算していくだけで求まります。

(3)
Snは具体的に書いてみると、教科書の二項定理のところの等式の証明の問題に載っているような式になるので、解けます。anは、Snがあるので、Sn-Sn-1をやればいいのは教科書に載っているので解けます。

(4)
このような小問集は、上の問題が誘導ではないかと考えます。本文は(1)の結論を使って変形し、実際に書き並べてみると、二項定理が使える形になるので解けます。後半bnを求めるのは、(3)と同様の方針なので解けます。

ただ、全体的に、例年の慶應薬の簡潔さからすると、少し見た目が難しく、ゴチャゴチャしているなあという印象です。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
「データの分析」の分野の問題です。

(1)
前半は、平均が与えられていて、データが1つ抜けているだけなので、平均を求める式で解けます。後半は、標準偏差は分散にルートをつけたものなので、簡単に解けます。

(2)
相関係数を求める問題です。ただ、各標準偏差と共分散が与えられているので、すぐに求まります。

(3)
具体的に相関係数と平均値を求めるだけです。相関係数については、やはり各標準偏差と共分散が与えられていて、すぐに求まるので、大変ではないです。

(4)
全部の値が1増えるので、平均値が1増えるのは、すぐわかると思います。
標準偏差が「平均値からの差を2乗してルートを取ったもの」と理解していると、変わらないことを理解できると思います。
(ヘ)の平均値は、愚直に計算しても大変ではないと思います。仮平均を使えると、もっと簡単ですね。
(ホ)の標準偏差は、上記のように「ばらつきの程度」を表すと理解していれば、ばらつきが少なくなっているので「小さくなる」ことは1秒でわかると思います。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。ただ、2022年は、大問1(6)は、まあチャート式、Focus Goldあたりに類題は載っているものの、ややひねりがありました。(7)は難しいと思います。ただ、入試というものは、満点を取らなければいけないのではありません。大問2も、結局は、ほぼ教科書レベルですが、見た目が難しそうなので、とまどった人も多かったかもしれません。大問3のデータは、公式の暗記に終始するのではなく、「標準偏差」「相関係数」が何を意味するか、なども理解しておきましょう。
 教科書、チャート式レベルを固め、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

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2021年 慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
複素平面チックに解くと、極形式に直しますが、数Ⅱチックでも、2乗すれば2iという簡単な形になるので解けます。

(2)
2次方程式の実数解の差が云々という話は、教科書の解と係数の関係の問題に載っています。後半の平均変化率というのは、中学生レベルの話です。したがって解けます。

(3)
前半は教科書レベルの軌跡の問題です。
後半は、絶対つき1次関数のグラフも教科書レベルで、面積が問われている図形は単なる扇形なので、解けます。

(4)
sin2、cos2、sinとcosの積がある式はどうやるかは、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。半角と倍角を使います。
後半、sin+cosの和がわかっている時、sinとcosの積を求めるのは、教科書に載っています。その後、sin、cosを求めるのも行けるでしょう。したがって解けます。

(5)
3進法を10進法に直すのと、数列の和の融合問題です。いずれも教科書レベルといえ、解けます。

(6)
前半は教科書レベルの因数分解です。
後半は、因数分解を誘導にした、整数問題です。チャート式やFocus Goldで似たような問題に取り組んでいれば、解けます。

(7)
四面体の体積を求める問題ですが、図形を正確に把握すれば、正解するのは簡単でしょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
正n角形の3頂点を結んでできる三角形の中で、面積が最小になる、2番目に小さくなる、確率を求める問題です。落ち着いて取り組めば解けます。問題が2通りに解釈でき、大学当局も、両方を正解にしました。

(2)
立方体の3点を結んで出きる三角形の面積の平均値を求める問題です。落ち着いて取り組めば解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。
3次関数に文字定数aが入っている問題です。

(1)
問題文に「任意の実数aに対し」とあるので、aについての恒等式に持ち込むのは、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。後半の接線は教科書レベルで解けます。

(2)
接線の傾きが二次関数になるので、その最小を考えるのは教科書レベルで解けます。

(3)
x座標いくつで極値をとる、といった問題は教科書レベルです。その後も愚直に三角形の3点の座標を求め、面積公式を使うだけで解けます。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 慶應薬学部は、例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。したがって、教科書、チャート式レベルを固め、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

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2019年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度は、大問1全体でBです。
今年は雑ですね(笑)。

(1)
見た目、x+yiの形をしている数が実数であるためのaの値を求める問題です。

2乗のルートは整理すると絶対値つきになることは、数Ⅰの教科書や、チャート式、Focus Goldなどには載っています。
分母を実数化して、(iの係数)=0とすれば完答できます。

(2)
指数不等式の問題です。
指数関数は正なので、丁寧に両辺を何乗かすれば完答できます。

(3)
数列の問題です。
問題文に沿って丁寧に解いていくと、最後は部分分数分解の形になります。
これは数Bの教科書には載っています。
完答しましょう。

(4)
整数問題の不定方程式の問題です。
(ⅰ)は誘導で、大きなヒントです。
(ⅰ)でyは自然数なのでy≧1からk≦84と絞り込めます。
また、19-yが整数であることより、kが14の倍数であることもわかります。
以降、教科書やチャート式、Focus Goldなどに載っている技法を使えば完答できます。
整数問題に慣れていないと難しいと思いますが、整数問題としては標準的でいい問題だと思います。
チャート式、Focus Goldなど、教科書より少し上の段階の整数問題をパッとできるようにしていると、そのように解けばよいかが見えたでしょう。

(5)
ベクトルの問題です。
(ⅰ)
ベクトルのなす角、の式に、問題で与えられている条件を丁寧に代入すると、正解できます。
(ⅱ)
この種のベクトルが表す領域の問題は、基本形は教科書に、本問のレベルもチャート式、Focus Goldなどに載っています。
完答しましょう。

(6)
三角関数の問題です。
このsin2θ、cos2θ、sinθcosθを含む形は、教科書の章末問題やチャート式、Focus Goldなどに載っています。
半角と倍角で2θにして、合成しましょう。
本問は、0≦θ≦π/2なのもクセモノで、2θの変域に注意しましょう。
この手の話もチャート式、Focus Goldなどに載っています。
完答しましょう。

(7)
球面上に頂点がある正四角錐の体積の最大値の問題です。
まず、どこを未知数に置くかが問題でしょう。
やや難しいかもしれませんが、図解問題としては取り組んでおきたい問題です。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はBです。
アルファベットを並べる場合の数の問題です。
(1)
教科書レベルの問題です。
(2)(3)
いわゆる「辞書的配列」の問題です。
基本形は、チャート式、Focus Goldなどに載っています。
本文は、同じ文字が含まれるところに特殊性がありますが、同じように考えれば、完答できるでしょう。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はBです。
絶対値と文字を含む関数と、定数関数の交点の個数を求める問題です。
基本形は、チャート式、Focus Goldなどに載っています。
この程度複雑なものも、入試標準問題集などには載っているでしょう。
絶対値内の正負で場合分けするのはもちろんです。
部分的に放物線の部分の頂点の位置での場合分けの目のつけどころなども、入試レベルの問題で慣れておいたほうがいいでしょう。

完答しましょう。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 なにか発想力を求められるような問題は全くありません。
 教科書、チャート式などに載っている技法を、問題文にしたがって淡々と使いこなせれば、時間さえ許せば、満点近くが狙えます。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式、Focus Goldなどで入試によく出る技法を固め、河合全統記述模試などで合格点に近づいたら、年度別の入試問題集(数研出版)の*問題(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。
 慶應義塾大学薬学部の過去問も、標準レベルの問題がほとんどで、いい演習になります。

 

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2018年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

(1)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
空間ベクトルで2ベクトルの両方に垂直で長さが与えられているベクトルを求める問題。

数研出版の教科書には、数値が違うくらいの同じ問題が載っています。
正解しましょう。

(2)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
前半は整数問題。
後半は二項定理。
普通に式を立てて解くだけです。
正解しましょう。

(3)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
数列の問題。

教科書レベルです。
正解しましょう。

(4)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
対数と3次関数の融合問題。
『Focus Gold』(啓林館)などには類題が載っていますし、初見でも解けるでしょう。
正解しましょう。

(5)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
aを含む項を分離して放物線と直線の交点で考えるか、2次方程式の解の配置に帰着させるか。

いずれにしろ、入試標準問題集ではよくある話です。
正解すべきです。

(6)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
正四面体にある三角形の問題。
ゴリゴリやれば出るでしょう。
内接円の半径の話は教科書にもあります。
完答すべきです。

(7)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
定積分を含むf(x)を決定する問題。
原型は教科書にもありますし、本問の文字を2つ使う問題も、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っていて、それなりの進学校なら定期テストで出題されがちなのではないでしょうか。
完答すべきです。

(8)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
18°や36°のsin、cosを求めるために倍角、三倍角の公式を使う問題は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
三角比のところで、正五角形を使って求める問題が載っている本も多いでしょう。
ただ、国立二次などの論述式でよく使う技法というよりは、私大の単問で使う技法なので、ちょっと手薄になっているかもしれません。
完答したいです。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
「条件付き確率」を理解していれば、あっさり完答できるでしょう。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
微分、三角形の面積の問題。

(1)
いかにも相加相乗平均の形になります。
(2)
普通に式を立てて解くだけです。
(3)
普通に座標から三角形の面積を求める有名な公式を使って、増減表を書いて最大値を求めるだけです。
完答すべきです。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 以上のように、教科書を理解して、『Focus Gold』(啓林館)あたりをマスターして、入試標準問題演習をすれば、時間さえ許せば満点も狙えると思います。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

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この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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