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故志村五郎先生が数学オリンピックに鳴らした警鐘:大学受験塾チーム番町が提唱する数学学習の姿勢

 

故志村五郎先生が数学オリンピックに鳴らした警鐘:大学受験塾チーム番町が提唱する数学学習の姿勢

 

 フェルマーの最終定理の谷山-志村予想で有名な、志村五郎プリンストン大名誉教授が5月3日に亡くなりました。

 志村先生は著書で、かの高校生の数学オリンピックに警鐘を鳴らしていました。
 「すでに解答がある問題であって、自発性を持続させなければならない数学者とは無縁である」という趣旨です。
 近年、大学入試改革で「思考力、発想力」と言われるのも、そもそも、答の用意されていない分野を切り開く人材を育てるためでしょう。そもそも、数学者や理論物理学者を志す人が「思考力、発想力」を育むための素材が、高校の数学が適切なのかも疑問です。他の分野に進みたい人が「思考力、発想力」を育むための素材が高校の数学が適切かは、なおさら疑問でしょう。

 大学受験塾チーム番町では、東大入試の数学は「教科書を理解して学校採用教材をマスタ―すれば(少し補強が必要ですが)合格者平均(東大新聞調べ)を超えるよね」という指導をしています。一方で、受験産業には、東大入試程度をなにか高尚なものとして語る方も多くいらっしゃいます。

 大学受験塾チーム番町では、大学入試の数学や理科は、将来、まだ教科書や論文に書かれていない最先端を切り開くため、また、専門外の人は教養を身につけるため、偉大な先人の築いた体系を根本から理解する、くらいの姿勢でいいのではないか、という指導方針です。

 答の用意されていない分野を切り開くための「思考力、発想力」を育む、適切なトレーニングは、また別の話なのではないでしょうか。

 

志村五郎先生プロフィール

1930年生まれ。
1952年、東京大学理学部数学科卒業。
1961年、大阪大学教授。
1964年、プリンストン大学教授。
有名な業績としては、「谷山–志村予想」による、かの有名な「フェルマーの最終定理」解決への貢献が挙げられます。

 

数学オリンピックとは?

 高校生などを対象に毎年行われる数学の問題を解く能力を競う数学の競技。日本で行われるものは、国際大会への選抜も兼ねている。趣旨は「世界の多くの国の高校生以下の算数・数学好きな生徒を選び、コンテストを通し生徒を励ましその才能を伸ばすため」[1]
 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅100m 東大卒の塾長による個別指導

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【2019】日本大学医学部化学 勉強法と傾向と対策:教科書+新標準演習でほぼ満点

 

【2019】日本大学医学部化学 勉強法と傾向と対策:教科書+新標準演習でほぼ満点

 

大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の化学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、化学の新標準演習(三省堂)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

(1)
化学平衡の法則の式を立てるだけの教科書レベルの問題で、正解できます。

(2)
誘導と(1)を使って式変形するだけなので、解けます。

(3)
溶解度積の意味がわかっていて、問題文と溶解度積の式を読み取るだけで正解できます。

(4)
前半は、誘導にしたがって、溶解度積の式に代入するだけで正解できます。
後半は、誘導に従って近似し、pHの定義を理解していれば正解できます。

 

大問2

頻出のC5H12Oの構造決定の問題です。C5H12Oのアルコール8つは、第1級、第2級、第3級にわけて、スラスラ書き出せるのは、有機化学の基本中の基本です。

(1)
上記のように書き出して、ヨードホルム反応陽性になる構造を理解しているだけで正解できます。

(2)
上記のように書き出して、脱水したものが、炭素原子がすべて同一平面上に存在するものを探すだけで正解できます。エチレンのHの代わりにメチル基までは許される、ということですね。

(3)
オゾン分解の問題は化学の新標準演習あたりには載っています。オゾン分解後、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトンが生成するものを選ぶだけなので正解できます。

(4)
二重結合に水素やハロゲンが付加する問題も頻出で、化学の新標準演習あたりには載っているので正解できます。

(5)
エタノールの分子間脱水でエーテルが生成することは教科書に載っており、それを少し応用するだけんなので、解けます。

 

大問3

ロイコトリエン類という、教科書に載っていない話がテーマになっていることから、知識問題ではなく、考察問題であると判断しましょう。論理と、ごくごく基本的な高校化学の知識(アミド結合の加水分解、エーテル結合、ヒドロキシ基)が問われているだけです。本問でビビって正解できなかった人は、本問をよーく反省して、今後、考察問題に対応できるようにしましょう。むしろ、科目としては、生物で出題されそうな流れの問題ですが、医学部入試なので、化学で出題したのでしょう。

 

大問4

(1)
アラニンの構造を知っているのは基本なので正解できます。

(2)
アラニンの中で、鏡像異性体ではなく、同じ物質であるものを選ぶ問題です。不斉炭素原子と水素を固定し、残りが回転すると同じになるものを選ぶだけなので、正解できます。

 

大問5

弱酸と強塩基の中和の問題です。

(1)
教科書で中和曲線を理解していれば、中和点がわかり、あとは教科書レベルの中和滴定の計算問題なので、正解できます。

(2)
問題文を読み取り、誘導の式にモル濃度を代入して計算すれば正解できますが、やや難しいかもしれません。20ml滴下した時の「電離度」は解釈が分かれる問題のようです。最後の電離度は教科書にも載っている、平衡前、変化量、平衡後の表を書き、電離平衡の式に代入すればいいので、正解できます。

(3)
中和の過程のそれぞれの物質のモル濃度の変化のグラフを選ぶ問題です。中和のメカニズムを理解し、それまでの問題で求めた数値を使えばいいので、正解できます。

 

日本大学医学部化学の勉強法と傾向と対策

大問5の後半がやや難しいと思いますが、入試というものは満点を取る必要はなく、また、時間が足りなくて大問5は解ききれないだろう人も多いと思われます。そこまでは、教科書レベルの基本~新標準演習あたりの標準レベルの問題で、ほぼ正解でき、それらを解ききれば、十分、他の受験生に差をつけることができるでしょう。
大問3の考察問題でビビって正解できなかった人は、よーく検討して、以後、似たような出題に対応できるようにしましょう。

 

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指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
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平成から令和へ:松任谷由実と中島みゆきの音楽と日本経済を振り返る

 

平成から令和へ:松任谷由実と中島みゆきの音楽と日本経済を振り返る

 

 本日、2019年4月30日は平成最後の日です。
 昨日の夜、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」に松任谷由実さんが録画出演されていました。現在、エンディングテーマを歌っています。

 

日本経済の成長と松任谷由実の好調

 松任谷由実さんは、たとえば、上越新幹線が開通する前(82年)、スキーブームが訪れる前(映画『私をスキーに連れてって』が87年)の1980年(昭和ですが)に『SURF&SNOW』という、雪の歌中心のリゾートアルバム、コンセプチュアルなアルバムを世に出しました。
 松任谷由実さんが先行し、日本経済が追いついてきた、ということになります。

 

バブル崩壊と松任谷由実の低迷

 日本では1990年代にバブルが崩壊します。
 バブル崩壊とは、内閣府景気基準日付では、1991年(平成3年)3月から1993年(平成5年)10月までの景気後退期を指すようです。
 ただし、不景気はこの期間にとどまらず、たとえば、1997年から98年にかけて、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、山一證券などが倒産します。
 松任谷由実さんは、「ワールドビジネスサテライト」で「『日本の都市銀行が破綻したら私の音楽も終わる』と予言していた」とおっしゃっていました。実際に、この頃から売上が低迷し、批判されたそうです。

 

バブル崩壊と中島みゆきの再評価

 さて、1970年代から、世間では松任谷由実派(ユーミン派)と中島みゆき派(みゆき派)が存在していたそうです。松任谷由実さんと中島みゆきさんは、独自の音楽スタイルと作詞能力で多くのリスナーを魅了し、日本音楽界に大きな影響を与えてきました。
 中島みゆきさんは、75年の『時代』はいいとして、70年代後半から80年代前半にかけて『わかれうた』『ひとり上手』『悪女』といった曲がヒットし、「歌う縁切り寺」などという異名もありました(笑)。
 ユーミンが太陽ならみゆきさんは月。

 私の知る限り、1990年頃は、世間ではユーミン派が圧倒的多数でした。私の周りでは、ユーミン、ユーミンとは聞くものの、中島みゆきなんて名前は聞いたことはなかった。
 しかし、バブル経済の頃セールスが低迷していた中島みゆきさんは、上記のバブル崩壊の定義のあとの1994年5月、ドラマ『家なき子』の主題歌『空と君のあいだに』、1995年5月『家なき子2』の主題歌『旅人のうた』で100万枚を超えるセールスを記録します。
 そして2000年に放送が開始されたNHK『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』の主題歌『地上の星』は、発売以降174週連続でオリコンシングルチャート100位圏内チャートインを果たす、というとんでもない大記録を達成します。
 『プロジェクトX』は、主として第二次世界大戦の終戦直後から高度経済成長期までの、産業・文化等の様々な分野において、製品開発プロジェクトなどが直面した難問を、どのように克服し成功に至ったかを紹介するドキュメントでした。

 

日本経済の失われた30年と中島みゆき、松任谷由実の活躍

 そして2010年代。日本経済は、失われた20年、30年と言われます。
 その時期に、中島みゆきさんは、NHK朝ドラ『マッサン』の主題歌『麦の唄』を歌われ、松任谷由実さんは、平成から令和へと元号が変わるこの時期に、代表的な経済番組である『ワールドビジネスサテライト』のエンディングテーマを担当されています。
 ユーミンさんは、昨年末の「紅白歌合戦」での桑田佳祐さんとのパフォーマンスもインパクトがありましたね。
 お二人とも、息の長い活躍をされています。それぞれのキャリアが日本経済の波と重なり、時代の風潮を反映しつつ、時には予見するかのような曲を生み出してきました。バブル期の輝きを象徴する松任谷由実と、バブル崩壊後の日本人の心情を繊細に描いた中島みゆき、二人のアーティストが日本経済の動向とともに歩んできた様は、まさに日本の近代史そのものです。彼女たちの音楽がそれぞれの時代の象徴として捉えられ、その経済状況と共鳴しているところには、驚きと感動を覚えます。
 中島みゆきさんと松任谷由実さんは、それぞれが見せる持続性と適応性を通じて、音楽という形で日本の時代を刻んできました。彼女たちはただのエンターテイナーではなく、音楽と詞を通じて社会を鏡に映し、我々が日本の歴史と自身のアイデンティティを理解する助けとなってきました。
 また、お二人は平成から令和への時代の変化を、音楽を通じて象徴的に表現しています。彼女たちの音楽は、時代の節目を美しく彩り、深い感情を引き立て、人々の心に共鳴を与えてきました。
 二人のアーティストが過去、現在、そして未来にわたって続けてきた音楽的な旅路は、日本の社会経済の歴史と一体となって語られるべきものでしょう。

 

中島みゆきと松任谷由実と「ことば」

 中島みゆきさんは、大学は文学部国文学科、1999年には文部科学省の国語審議会委員を務めました。
かねてから「ことば」を大切にしている、といった趣旨の発言をされていたように記憶しています。
 松任谷由実さんも昨日の「ワールドビジネスサテライト」で「日本語を大切にしたい」とおっしゃっていました。
 お二人とも、シンガーソングライターとして詞を書いていますし、国語の教科書に詞が載るような方々ですね。彼女たちの歌詞には、しっかりとした「ことば」への敬意と愛情が込められています。これは、人々の心に響く力強いメッセージを伝えるための彼女たちの持つ素晴らしい才能とも言えるでしょう。また、このことは、彼女たちが日本の音楽界だけでなく、日本の言語文化にも大きな影響を与えてきたという事実を示しています。
 それぞれが「ことば」を大切にする姿勢は、彼女たちが詩人としての才能を持ち、言葉によって多くの人々の感情や思考を表現してきたことを示しています。これは日本語の美しさと力を再確認するとともに、言葉の選択が我々の世界をどのように形成するかを再認識するきっかけを与えてくれます。

 

塾長の大学受験と中島みゆきと松任谷由実

 塾長は大学受験生の頃に、ラジオで松任谷由実さんと中島みゆきさんが共演しているのを聞いたことがあります。
 ラフに語り合いつつも、お互いを尊敬している、素晴らしい関係だな、という印象でした。

 

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大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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開成中学校入試算数 傾向と対策と勉強法は?:『塾技』で解く合格への道

 

女子学院中学校入試算数の傾向と対策と勉強法は?

白百合学園中の入試で一番大切なのは算数! 傾向と対策と勉強法は?

大妻中学校入試算数 対策と傾向と勉強法は?

 

開成中学校入試算数 傾向と対策と勉強法は?:『塾技』で解く合格への道

 

2023年 開成学園 大学合格実績

東大 148名
京大 9名
一橋 9名
東工 5名

千葉大(医) 12名

慶應(医) 13名
慈恵(医) 10名
日本医科(医) 16名
順天堂(医) 17名

慶應 163名
早稲田 192名

 

2019年開成中学校算数

 

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中学入試塾技100算数(文英堂)という参考書が市販されています。
中学入試によく出る技法を100にまとめ、見開きの左ページで技法と例題を解説し、右ページには、その技法を使う入試問題が載っています。
やや解説が簡素なので、はじめてこれらの技法を学ぶ人は、『受験算数の裏ワザテクニック』(文英堂)シリーズ、あたりが、解説が親切でオススメです。
この「塾技」をもとに、2019年開成中入試の算数を分析してみます。

 

大問1

K君の分速が60、80、100で与えられているので、自宅からおばさんの家までの距離を、とりあえず最小公倍数の1,200mとおいて考えるのは、塾技19「速さ」に載っています。
あとは、図でも書いて、丁寧にやっていけば解けるでしょう。

 

大問2

本問のような、切断についての問題について、切断面がどのようになるかは、塾技49「切断①」に載っています。
(3)は直角三角形の相似で考えます。
相似は塾技68~78あたりで厚く扱っているので、このあたりに精通していれば解けるでしょう。

 

大問3

(1)
移動経路の問題は、塾技99「道順」に、本問同様の立方体の問題が載っています。

(2)
東京学参の過去問には「やや難」がついており、解けなくても合格できるでしょう。

1回だけ左に進むという規則がこの問題を難しくしているでしょう。
どこで左に進むかで場合分けし、足し合わせれば、解けます。

 

大問4

トランプを隣の人に渡す問題です。
おそらく類題に取り組むことは前提としておらず、初見で対応してください、ということでしょう。
いわゆる「論理」「推理」といった分野に取り組むと、やや即効性があるかもしれません。
ただ、大切なのは、普段から、物事を根本から理解しようとする姿勢です。

 

開成中学校入試算数の傾向と対策と勉強法

開成中の入試も「塾技」の組み合わせで合格点を取れると思います。
「塾技」のどこに何が書いてあるかを把握するまでくり返した上で、開成中などで合否を分けているレベルの問題に取り組むといいでしょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2018年開成中学校算数

 

大問1

(1)
よくあるにあてはまる数を求める問題です。
塾技2「逆算」に載っています。
中学入試はx、方程式を使ってはいけない、などと言われますが、これってxを使った方程式と同じですよね…。

(2)
東京学参の過去問には「やや難」がついており、解けなくても合格できるでしょう。
ただ、丁寧に樹形図を書いて、玉の色の入れ替えを考えれば、解ける問題ではあります。

(3)
流水算です。塾技25で解けます。

(4)
食塩水の問題は塾技17、18に載っていますが、左ページの例題だけでは厳しいかもしれません。
(根本から理解して対応できるのが理想ですが…。)
右ページの難しめの問題や、他の問題集で慣れておいたほうがいいでしょう。
「食塩の量の和は一定」に注目するのは、よくある話でしょう。

(5)
直方体、立方体の展開図は塾技43に載っています。
その上で、開成あたりで合否を分ける問題に取り組んでいれば、本問も見えるでしょう。

(6)
正六角形の辺の中点を結んでできる正六角形の面積の問題です。
これといった塾技はありませんが、図形問題に取り組んでいれば、なんとかなるでしょう。
まあ、中心Oが与えられているので、使え、ということですよね。

(7)
東京学参の過去問には「やや難」がついています。
しかし、塾技68~78あたりの相似に精通し、開成あたりで合否を分けるレベルの問題に取り組んでいれば、まあ、解けるのではないでしょうか。

 

大問2

(1)
簡単に解けます。

(2)
1/7が循環小数であることは塾技86「周期算」に載っています。
それを本問にしたがって応用すれば解けます。

 

大問3

(1)(2)の簡単めな問題で規則性を把握すれば、(3)の正解もできるでしょう。

 

開成中学校入試算数の傾向と対策と勉強法

大問1(2)はやや難しいと思いますが、あとは、『塾技』のどこに何が書いてあるかを把握するまでくり返した上で、開成中などで合否を分けているレベルの問題に取り組むと、正解できると思います。

 

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指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

整数問題攻略の7つのポイント

 

(1)積の形にする
(学校採用教材レベルの技法)

 

(2)文字をたくさん使ってもなんとかなる場合が多い。

 

(3)「自然数」「整数」など、とびとびの値しかとらない場合(離散的)、n=1,2,3…などと実際にやってみて、あたりをつける。

 

(4)何かで割った余りで場合分けする。
(教科書にも出てくる技法)
例の3k,3k+1,3k+2などです。
余りと関係なさそうな問題でも、この技法でうまくいく場合があります。

 

(5)「素数」という文言を見たら…

・その素数をpとする。
 (整数)×(整数)=pと変形できたら、積の組み合わせの可能性は
 (1,p),(p,1),(-1,-p),(-p,-1)
 のみである。

・(素数)≧2

・偶数の素数は2のみ、3の倍数の素数は3のみ、…。

・連続する2自然数が素数なのは2と3のみ。

 

(6)その他、教科書、チャート式やFocus Goldあたりに載っている技法を使いこなせるのはアタリマエ。

 

(7)整数問題が多く出る大学でも、平均的な合格者は完答はできていない場合も多い。
(6)が漠然としていますが、(1)~(6)あたりを駆使しても解けない整数問題は、平均的な合格者は解けていない、合否を分けていない問題である可能性が高いです。

 

大学入試数学の整数問題とデリダ

 デリダは「現前の形而上学批判」において、言語や記号の背後に実在や本質があるという考えを疑問視しました。整数問題も同様に、数学という学問の真理性や普遍性を前提としているように見えます。しかし、整数という概念自体が歴史的・文化的に構築されたものであり、その意味は決して一義的ではありません。整数問題は、数学という学問の自明性を問い直す契機となるのです。

 また、デリダの「脱構築」の戦略は、テクストに内在する矛盾や曖昧さを明らかにし、既存の概念を解体していくことを目指しました。整数問題も、一見すると明確な問題設定と解法を持っていますが、その前提には様々な暗黙の了解や価値観が潜んでいます。例えば、整数問題が「正解」を求めるという発想自体が、ある種の権力構造を反映しているとも言えるでしょう。

 さらに、デリダの「贈与論」の視点から見ると、大学入試という制度は、知識を選抜と交換の対象としてしまう危険性を孕んでいます。整数問題を解くことが、大学への入学という見返りと結びつけられることで、数学の学びが本来の目的を見失ってしまうのです。

 ただし、整数問題が持つ教育的な意義を全否定することはできません。デリダの「ホスピタリティ(歓待)」の思想が示唆するように、他者を無条件に受け入れることは不可能である一方で、他者に開かれようとする努力は不可欠です。整数問題に取り組むことは、数学という他者の論理に触れ、思考を深める機会にもなり得るのです。

 重要なのは、整数問題を絶対視するのではなく、常にその意味や役割を批判的に問い直していくことです。デリダの「スペクトル(亡霊)」の概念が示すように、整数問題には、既存の数学観を揺るがす亡霊が潜んでいるのかもしれません。その亡霊に耳を傾け、新たな数学教育の可能性を模索していくこと。それこそが、デリダの思想が「大学入試数学の整数問題」に投げかける問いなのではないでしょうか。

 

大学入試数学の整数問題とプラグマティズム

 まず、整数問題は、数学的思考力を鍛えるための有効な手段です。整数は、私たちの日常生活に深く関わる数の概念であり、整数問題を解くことで、論理的思考力や計算能力が向上します。これらの能力は、大学での学習や将来の仕事において、幅広く役立つことでしょう。

 また、整数問題は、問題解決のための戦略を学ぶ機会でもあります。整数問題では、問題の本質を見抜き、適切な解法を選択することが求められます。これは、現実の複雑な問題に直面した際にも応用できるスキルです。問題をいかに分析し、解決策を導き出すかという経験は、あらゆる分野で役立つはずです。

 プラグマティズムは、知識の社会的な性格を重視します。整数問題を解くためには、数学の教科書やインターネット上の情報だけでなく、教師や仲間との対話を通じて理解を深めることが大切です。自分の考えを説明し、他者の視点を取り入れることで、問題解決の幅が広がります。この協働的な学習のプロセスは、社会で求められるコミュニケーション能力やチームワーク力を養う良い機会となるでしょう。

 さらに、プラグマティズムは、知識の実用性を重視します。整数問題で培った数学的思考力は、単に試験で点数を取るためだけのものではありません。それは、現実の問題解決に応用できる実践的な能力なのです。例えば、経済学や経営学、情報科学など、多くの分野で数理的な思考が求められます。整数問題を通じて鍛えた思考力は、これらの分野で活躍するための土台となります。

 また、プラグマティズムは、知識の絶対性を否定し、常に改訂の可能性を認めます。数学の世界でも、新しい理論や解法が次々と生み出されています。整数問題に取り組む中で、既存の知識を疑い、新しい発見を求める姿勢が養われます。これは、急激に変化する世界で求められる、生涯学び続ける態度につながるでしょう。

 最後に、プラグマティズムは行為の重要性を説きます。整数問題で得た知識や思考力は、実際に問題を解決する行動に移されてこそ意味があります。受験生は、整数問題への取り組みを通じて、粘り強く考え抜く習慣や、失敗を恐れずにチャレンジする勇気を身につけることができるはずです。

 以上のように、プラグマティズムの観点から見ると、大学入試数学の整数問題は、単なる受験のための訓練ではなく、現実世界で役立つ実践的な能力を養う機会となっています。それは、論理的思考力や問題解決能力を鍛え、社会で求められるスキルを身につける第一歩なのです。受験生は、整数問題に真摯に向き合うことで、自らの可能性を広げ、より良い未来を切り拓いていくことができるでしょう。

 

大学入試数学の整数問題とフランクフルト学派

 大学入試数学の整数問題は、一見すると中立的で普遍的な知の領域に属するように思われます。しかし、フランクフルト学派の視点から見れば、それは現代社会の病理を反映した、イデオロギー的な装置であると言えるでしょう。

 まず、整数問題は、数学という学問の中でも特に抽象度が高く、現実世界との関連性が薄い分野に属しています。これは、アドルノが批判した「道具的理性」(ある目的を達成するために、効率的に考える力)の典型例と言えます。整数問題を解くための技術は、現実の問題解決には直接役立たない、自己目的化した知性の産物なのです。

 また、整数問題は、受験生に対して、定められた型通りの思考を強いる側面があります。問題の型に沿って、機械的に解法を適用することが求められ、創造性や批判的思考は抑圧されます。これは、画一化された大衆文化を生み出す「文化産業」と同様の構造を持っていると言えるでしょう。

 さらに、整数問題が入試の重要な位置を占めていることは、「数学ができること=知的であること」というイデオロギーを反映しています。この種の問題を速く正確に解けることが、社会的成功の指標とされる傾向があるのです。しかし、これは知性の本質を見誤った、抑圧的なメッセージに他なりません。

 エーリッヒ・フロムの観点からすれば、整数問題に没頭する受験生は、自己疎外の状態に置かれていると言えます。彼らは、自らの興味や関心とは無関係に、受験という外的な目的のために学習を強いられるのです。この種の勉強は、フロムが重視した「生産的活動」とは対極にあります。

 ただし、ハーバーマス的に見れば、整数問題は「コミュニケーション的行為」の一種とみなすこともできるかもしれません。受験生同士が解法を議論したり、教師が生徒に問題の意味を説明したりする過程では、相互理解が生まれる可能性があるからです。しかし、その場合でも、議論の前提となる問題自体の妥当性は、批判的に吟味される必要があるでしょう。

 以上のように、大学入試の整数問題は、フランクフルト学派の思想からすれば、現代社会の病理を凝縮した存在と言えます。それは、道具的理性の暴走、文化の画一化、イデオロギーの再生産、人間疎外といった問題を孕んでいるのです。もちろん、数学教育そのものを全否定することはできませんが、少なくとも、整数問題を無批判に受け入れるのではなく、その意味と限界を批判的に考察することが求められます。そうすることで初めて、数学と人間の解放的な関係を取り戻す道が開かれるのではないでしょうか。

 

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指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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藤沢秀行の名言と伝説:囲碁の日本棋院と同じ千代田区五番町の塾が人間力を高める言葉を紹介

 

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藤沢秀行名誉棋聖から成績の落ちない勉強法を学ぶ

大学受験合格のカギは人間的成長:藤沢秀行名誉棋聖と野村克也監督の共通点

 

藤沢秀行名誉棋聖の名言と伝説:囲碁の日本棋院と同じ千代田区五番町の塾が人間力を高める言葉を紹介

 

 大学受験塾チーム番町から、直線で100mちょっとの所に、囲碁の総本山、日本棋院があります。日本棋院の住所は五番町で、大学受験塾チーム番町と同じです。伝説の碁打ち、藤沢秀行名誉棋聖の名言、伝説を集めました。

 

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藤沢秀行の名言

 

「碁打ちを50年もやっているのに何もわかっていない。しかし、奥が深く、変化が広大無辺だからこそ、我々は強くなれる。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録1

 

「趙治勲とか小林光一なんか何とも思わない。そういう心構えで日々戦っている。老いたりといえども、まだ72歳です。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「プロのわれわれも何もわからない。無限の方向に進んでいるのだからね。知っているったって本当はー何も知らないんだ。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録2

 

「だから、年齢なんて、そんなものはたいしたことがないんだ。」
「将棋にしても碁にしても、そして人生にしても、無限の変化がある世界だから、日々の工夫を続ければ続けるほど強くなれる」
米長邦雄永世棋聖に「50歳を過ぎてから強くなった」理由を聞かれて。

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「本当の強さというものは、誰のものでもない。すべての棋士が、一生懸命になって追いかけていくものです。その過程の副産物として、誰かが結果的にタイトルを預かる、というだけなんです。大事なのは、一生懸命に追いかけていくことなんですね。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「ようするに、骨から強くなっていないんだ。骨太でなければ、骨を鍛えていなければ、ちっとも強くないんです」
「他人のいいところだけをつまんで、自分の栄養にしようとしている。これは無意味どころかマイナスです。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「そうじゃないんだよね。いちばん大事なのはその過程なんだ。」
将棋の若手棋士が、難解な詰将棋に対し「これは作り物だから実践には出ない」という声が出た話を受けて。

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「ただ自分一人で這い上がる努力を続けて来ただけです。しかし、それがいちばん大事なことなんだと思いますよ。一段ずつ階段を登ることを心がければ心がけるほど、不思議と地力がつくものなのです。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「毎日が真剣勝負だと思ってかかれ。便所掃除でも草むしりでも、これは真剣勝負なんだというくらいの気持ちを持て」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「最後は、やっぱり人間性の問題になるんじゃないですか。」
「所詮、将棋も碁も、人間が打ったり指したりするものですよ。やっぱり人間を高める、自分を磨いていくほかないんだね。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「不識という言葉がある。何もわからない、という意味です。私は人生のこと、碁のこと、何もわからない。でも誠意ということだけはわかります。誠心誠意、すべてのものごとにあたる。それだけですよ。」
「私は相当のバカですが、まず、バカだということを知らなきゃいかん。自分自身はいかに無力であるか、ということを知らなきゃいかん。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「人間なんてみんなバカで、神様に比べれば偽物です。それがわかっていないから、勝つ人を本物だと思って、勝つ人の真似をしてしまう。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「ものごとに頓着しない、人と人の赤裸々な付合いを大切にしたい。それが本当の付合いというものだ。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録3

 

「考えてみれば、我々のポカはまだ幸せである。すべてが自分自身の責任なのだから。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録4

 

「まだ修行中の碁打ちには、戦って戦って戦い抜けと言っている。戦いを避ける技は、後になってからでも身につく。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録6

 

「定石もヘチマもない。見てていい手が定石なんだ。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録7

 

「書も、絵も、碁も、同じだと思う。感情の発露というものがいちばん大切なんだ。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録8

 

「いいと思ったことは、どんどん教えてしまう。その結果、若い人が強くなり、私が負かされても仕方ないではないか。」

『勝負の極北』(クレスト社)藤沢語録9

 

「現在ただ今、誰が強いとか弱いとか、そんなことはたいしたことないですよ。ゴールのないマラソンなんだから。今、後ろのほうにいても、日々走りつづけていればその人は必ず上達する。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「碁の神様がわかっているのが100だとしたら、私にわかっているのは、せいぜい5か6か、あるいはもっと下です。」
「いまだに碁のことはわからないから、模索しています。せめて1局に1手、自分の納得できる手を打ちたいと思って精進を続けています。」

『勝負の極北』(クレスト社)

 

「無悟という言葉に思い至った。悟り無し。いくら勉強しても、俺には永久に碁はわからない、ということがわかった。」

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

「頭改造しなきゃダメだよ。」
京大医学部卒の坂井秀至棋士に向かって。

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

「もっと修行しなきゃダメだよ。碁の。たえず、工夫しなきゃ。上のてっぺんの連中が。もっと戦闘力をつけなきゃいかんと思うんだよな。碁に戦闘、かみついて戦う姿勢を。お前ら(若手)なおそうだよ。人まねなんかクソくらえだ。自分で工夫しろ。」

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

「私は碁は芸であると考えている。勝ち負けは結果にしか過ぎない。芸が未熟なら負ける。芸が勝っていれば勝つ。私とて勝ちたいと思うけれど、勝負という狭い枠に自分を閉じ込めたくないのである。芸というのは、もっと広い発想から生まれるものだろう。自由奔放な発想なくして、芸を高めることはできないと思っている。」

『碁打秀行』(角川文庫)

 

「弟子たちにも言うんだ。なかなかわかってもらえないんだけど。碁っていうものは人間が打つもんなんだから、人間を高めなきゃダメなんだぞって教えてやる。イロハのイの字から。そういうこともわかなないんだ。ただ碁勝ちゃいいんだって。」

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

「碁は一つの作品だと思いますから、今日はご来場の皆さんのために、二人にしっかり力いっぱいの碁を、いい作品を見せてもらいたいと思います。」
日本棋院関西総本部「藤沢秀行名誉棋聖を囲む会」。井山裕太対結城聡にて。

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

昭和63年、世界選手権で中国の聶衛平に敗れた夜に詠んだ詩。
「棋士は死す迄
 遠く涯しない
 曠野をさ迷える者
 過去秀でた棋士ですら
 野辺に咲く一輪の花
 楽しいかな自由の天地
 方寸の盤上に駛走(しそう)し
 画となり書ともなる
 涯しなき自由の天地
 傷だらけの道程
 耐え 戦い 弱者は死
 自由の天地を知らざるもの悲し」

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

秀行さんはなんでそんなにお酒を飲んだんですか?と聞かれて
「自分の神経に耐えられないんじゃねぇかと思うんだよ。大変なんだよ、戦っていくってことは。なんでも、あなた方の仕事でも。無限の中にいるわけだよ。それと同じことなんだよ。上へ行けば上へ行くほど大変なんだよ。努力がね。最善を尽くそうとすりゃ大変なことなんだよ。碁だってそうだ。何もわかっている奴なんかいるわけねえもの。だからそれに近づこうとして努力する。それもねえ、並大抵の努力じゃできないの。本当に死ぬ思いのような。だからまねは誰もできない。」 

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

今、秀行さんの夢ってなんですか?と聞かれて
「もう少しマシになりたいと思うだけ」

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

藤沢秀行の伝説

 

 1962年、自ら創設に尽力した、初代実力制名人に就く。リーグ戦最終戦は負け、新宿に飲みに行ったが、その間に、呉清源VS坂田栄男がジゴで、ジゴは「半星」という規定から、酔っ払っているうちに名人になっていた。翌朝の読売新聞社会面には、裸同然で記者会見に応じる姿の写真が大きく載ったらしい(人生、意気に感ずより)。名人戦の賞金は、それより1ケタ多い借金の返済にも回らず、ちょっと違う方面に行ってしまったらしい。

 

1978年棋聖戦、1勝3敗のカド番。挑戦者は加藤正夫本因坊。
「私は加藤君の大石に襲いかかった。下手をすれば、自分の首が飛ぶのを恐れず、大勝負を挑んだのである。勝負どころの1手に私は2時間57分の大長考をした。あらゆる変化を読んだつもりだった。」
131手で加藤正夫本因坊は投了。藤沢秀行棋聖が殺した加藤の石は34。記録的な勝利だった。

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

「80歳でタイトルを獲る」

 藤沢秀行名誉棋聖は1992年、67歳の時、王座位を防衛しました。これは史上最高齢のタイトル保持記録です。これ自体、伝説と言えます。その後、小林覚九段と福井進九段と立川競輪に行き、帰りに駅前で飲んた時に、「80歳でタイトルを獲る」と言ったそうです。小林覚九段が各方面に吹聴し、加藤正夫九段がNHKで言ったそうです。

『勝負の極北』(クレスト社)

 

1999年、日本棋院に対して脱退届を出し、反乱を起こし、除名される。
「もう日本棋院とは脱退しまして、敵対行為に入るかもしれません。免状値上げに対しても猛反対してきたんですけど、現在にいたっては、五段が10万ですね。七段にいたっては50万とかって言うんでしょ。これではますます、アマチュアの人とプロの碁打ちは離れてゆく。ポトンと一滴かもしれませんが、一滴が大きい波紋になって…。」
2003年、藤沢秀行名誉棋聖は日本棋院に復帰。
「日本棋院もいい方向に動き出したようなので、意地を張っている理由がなく、復帰を決断しました。」

『無頼の遺言』(NHKのドキュメンタリーDVD)

 

藤沢秀行プロフィール

 1925年6月14日生まれ。
 1977年、第1期棋聖戦から、50代で棋聖位を6連覇。毎年、自分が囲碁を教え、自宅で食事を食べさせていた若手が挑戦してくる。1983年失冠。直後に吐血し、ガンが発見される。計3度のガンから生還。
 1991年、王座位を獲得。翌年、67歳で防衛。いまだ史上最年長タイトル保持記録。
 1998年、引退。
 2009年5月8日、誤嚥性肺炎により死去。83歳。
 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町(日本棋院から直線で130m、日本棋院の住所は五番町で大学受験塾チーム番町と同じ。)代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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大妻中学校(市ヶ谷駅650m)入試算数 対策と傾向と勉強法は?:『塾技』で解く合格への道

 

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大妻中学校は市ヶ谷駅から650mです

 大妻中学校は千代田区三番町にあります。地下鉄市ヶ谷駅から650mほど、大学受験塾チーム番町から1.0kmほどです。

 

大妻中学校入試算数の対策と傾向と勉強法:『塾技』で解く

全体としては、中学入試の参考書にそのまま載っているような問題が多く、満点近くを狙えます。
・学校の算数の教科書を説明から理解し、問題を完璧に解けるようにする。
・『受験算数の裏ワザテクニック』(文英堂)シリーズなど、わかりやすい参考書で中学入試の技法をマスターする。
・『塾技』(文英堂)を全問完璧に解けるようにする。
という対策で、ほぼ満点を狙えるでしょう。
『塾技』に載っていないが、実際に試してみると意外に簡単に解けるような問題に注意しましょう。

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中学入試塾技100算数(文英堂)という参考書が市販されています。
中学入試によく出る技法を100にまとめ、見開きの左ページで技法と例題を解説し、右ページには、その技法を使う入試問題が載っています。
やや解説が簡素なので、はじめてこれらの技法を学ぶ人は、『受験算数の裏ワザテクニック』(文英堂)シリーズ、あたりが、解説が親切でオススメです。
この「塾技」をもとに、大妻中(千代田区三番町、大学受験塾チーム番町から1.0km)入試の算数を分析してみます。

 

2021年大妻中算数第2回

 

大問1

(1)
特に工夫もなく、計算するだけで正解できます。

(2)
式の中に含まれるを求める逆算と言われる問題です。『塾技』2「逆算」に載っていて解けます。

(3)
直方体をすき間なく並べ、立方体を作る問題です。『塾技』82「最大公約数・最小公倍数2」の左ページの例題に、数値が違うだけの同じ問題が載っていて解けます。

(4)
原価に利益を見込んで定価をつけ割引する売買の問題です。『塾技』16が「売買の問題」で、ほぼ似たような問題が載っていて解けます。

 

大問2

5つの整数A、B、C、D、Eがあり、B+Cを求める問題です。
本文のようにアルファベットが3つ、4つあって、全部足せばなんとかなる問題は、『塾技』9「消去算」に載っています。

 

大問3

特に、中学受験特有の技法を使うわけではなく、おもり1個の質量と箱の質量はかんたんに求まります。その後もかんたんに正解できます。

 

大問4

時計算と言われる問題です。『塾技』23「時計算」に、数値が違うくらいの同じ問題が載っており、解けます。

 

大問5

列車どうしがすれ違う問題です。『塾技』24「通過算」に似たような問題が載っているので、解けるでしょう。

 

大問6

部屋に何人ずつ入ると何人入れない、何部屋余るという問題です。「1個あたりの差」と「全体の差」から個数を求める「差集め算」と言われる問題です。『塾技』5「差集め算」に似たような問題が載っていて、解けます。

 

大問7

『塾技』27「角度1」に星型の角の和の考え方が載っていますが、本問は角が7つに増えています。同じように、三角形の内角と外角の関係を使えばいいのですが、補助線を引いて、三角形と四角形の内角の和にすることができれば、解けます。似たような問題をマスターできていたかどうかで、正解、不正解が別れたでしょう。

 

大問8

「仕事算」と言われる問題です。『塾技』10「仕事算」に載っています。本問は、A君とC君の仕事量の比が与えられているという特殊性がありますが、それほど難しくないでしょう。本問のように、実質、連立方程式を解く問題も、『塾技』の右ページに載っていて、解けると思います。

 

大問9

高校数学で群数列と言われる問題です。ただし、本問は、特別な技法が必要なわけではなく、規則性に近いものを把握し、計算すれば正解できます。

(1)
初めて10が現れるまで計算すれば正解できます。

(2)
これも16群までと17群までの項数を愚直に計算すれば、140番目が17群にあることがわかります。

 

大問10

やや複雑な回転体の表面積を求める問題です。
やや難しいのが、真ん中の円錐台の部分の表面積ですが、母線が3:4:5の直角三角形の状況になっていることに気づけば、あとは、扇形の側面積の公式を使えば求まります。扇形の側面積は『塾技』42「すい体」に載っています。3:4:5の直角三角形については、『塾技』72「直角三角形の相似」に載っています。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m(大妻中から1.0km) 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2021年大妻中算数 海外帰国試験

 

大問1

(1)
普通に計算するだけで正解できます。

(2)
本問は、中学数学で言う因数分解、つまり、分配法則の逆を使うとかなり簡単に解けます。『塾技』1「計算の工夫」に分配法則が載っています。

(3)
計算式のを求める「逆算」と言われる問題です。『塾技』2「逆算」に載っており、解けます。

(4)
食塩水の標準的な問題です。食塩水の問題は、まず食塩の質量に注目するのがコツです。(これは、高校化学も同じで、溶質の質量、モル数に注目すると見通しが良いことが多いです。)塾技17、18「食塩水1」「食塩水2」をマスターすれば解けます。
食塩水は、公式丸覚えではなく、濃度は食塩水の質量を100とした時の食塩の質量の百分率であることから理解しましょう。また、百分率とは、「割合」(比べる数÷もとにする数。批判も多いが、文部科学省の検定を通った教科書に書いてある。)1を100%としたものだということを理解しましょう。

(5)
年齢の和や比が与えられている問題です。特に中学入試特有の技法が必要なわけではなく、問題文を理解し、比を理解していれば正解できます。一応、『塾技』56「年令算」はありますが、この技法は、本問には不要です

 

大問2

似たような問題が、『塾技』58「速さと比1」に載っており、解けます。かかる時間の比は、速さの逆比になることを使うと見通しがいいです。

 

大問3

正方形を折り返し、角度を求める問題です。
図形を折り返す問題は、中学入試によく出ますが、本問は、正三角形、二等辺三角形であることから角を求めていきます。似たような問題に慣れておきましょう。

 

大問4

やり取りの前後で比が変化する「倍数算」と言われる問題です。『塾技』54、55「倍数算1」「倍数算2」に載っており、解けます。

 

大問5

約数について、現場で考える問題です。
『塾技』79、81、82「約数」「最小公倍数・最大公約数1」「最小公倍数・最大公約数2」あたりをマスターしておくと、見通しがよく解けるでしょう。

 

大問6

川を上り下りする「流水算」と言われる問題です。本問の「休憩をとる」というのは、全く難しくなく、典型レベルの問題です。『塾技』25「流水算」に似たような問題が載っており、解けます。

 

大問7

高さが同じで底面積が異なる、角柱と角すいの体積比の問題です。
本問の底面積のような三角形の面積比は、『塾技』67「面積比3」の載っており、解けます。

 

大問8

「仕事算」と言われる問題です。『塾技』10「仕事算」に似たような問題が載っており、解けます。

 

大問9

高校数学で群数列と言われる問題です。ただし、本問は、特別な技法が必要なわけではなく、規則性に近いものを把握し、計算すれば正解できます。上記、2021年第2回の大問9と、見た目は異なりますが、ほぼ同じ問題です。

(1)
愚直に足していけば求まります。

(2)
これも、100近くまで愚直に足していって、あとは数えれば求まります。

 

大問10

鈍行列車と急行列車が円状の線路を周る問題です。

(1)
最小公倍数を理解していれば、簡単に解けます。

(2)
実際に試してみると解ける問題です。あまり見たことがないな、と思ったら、実際に試して見る姿勢が大切です。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町(大妻中高から1.0km)代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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