囲碁の日本棋院と同じ千代田区五番町の塾が藤沢秀行名誉棋聖から成績の落ちない勉強法を学ぶ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

藤沢秀行の名言と伝説

大学受験合格のカギは人間的成長:藤沢秀行名誉棋聖と野村克也監督の共通点

 

囲碁の日本棋院と同じ千代田区五番町の塾が藤沢秀行名誉棋聖から成績の落ちない勉強法を学ぶ

 

 当塾から直線で100mちょっとのところ、同じ五番町に、囲碁の総本山、日本棋院があります。

 囲碁界で最も歴史と権威がある称号は「名人」です。史料上は江戸幕府の制度として存在したことは確かだそうです。現在は新聞社が主催するタイトル戦の1つです。その名人位を昨年獲得したのは、当時19歳(現在20歳)の芝野虎丸名人。史上最年少の七大タイトル獲得者だそうです。1月12日のTBS『情熱大陸』は芝野名人の回でした。

 囲碁界は、すでに1960年代には、若い人のほうが強いということになっていたようです。
 逆に、七大タイトルの最年長は、故藤沢秀行(俗に「しゅうこう」)名誉棋聖という人です。二度のガンから生還したあと、92年、67歳でタイトルを防衛しています。色々とデタラメな人なのですが、私はかつて、塾生に秀行先生のドキュメンタリーのDVDを見せていました。NHKが作って賞も受賞した作品だし、国から勲章ももらっている人だし、まあ、いいかなと。

 ドキュメンタリーDVDで秀行先生は、灘→京大医学部の坂井秀至八段(昨年、石を置き医師に戻りました)に「頭改造しなきゃダメだよ」と言っています。将棋界で最年長で名人(江戸幕府の制度だったと先述しました)のタイトルを獲った故米長邦雄永世棋聖は、「3人の兄は頭が悪いから東大に行った」と言ったという都市伝説があります。実際、そんなところでしょう。塾長は秀行先生と米長永世棋聖の対談の本も持っています。

 囲碁のトッププロの対局と、高校の勉強、東大入試程度を比べることはできないと思います。囲碁のトッププロの対局は、いずれ未知の局面が現れ、新手を出す、創造性が求められるのだろうと思います。それに対し、大学入試の数学や理科は、先人が築いた体系を学んでいるだけ、解釈の余地がない(もちろん、常に、疑問を持ち続けることは大切です)。囲碁に例えると、ルールと基本的な手筋をマスターする、といった程度のレベルでしょう。比べるならば、大学院のあとのまだ教科書や論文に書かれていない研究、全く新しいビジネスを立ち上げる、などでしょう。プロ棋士の勉強も「研究」と呼ぶことがあります。

 東大入試程度の数学や理科で合格点を取れない人は、思考力、センス云々の前に、単に、解釈の余地がないルールや基本手筋をマスターしていない人です。(まあ、数学や理科は、一度わからなくなると、その後もわからないので、弁護の余地はあります。そういう人は、前の学年の教科書から勉強し直せばできるようになります。)

 それでもあえて、高校や大学入試の勉強と関連づけて書いてみたいと思います。
 秀行先生は一部の棋士を「骨から強くなっていない」「他人のいいところだけをつまんで自分の栄養にしようとしている」「強い人の打った手だからといって意味もわからずマネしている」などと批判します。
 あえて高校の数学や理科に例えると、教科書の説明に書いてあるような、公式の成り立ちや事柄の意味などを理解しようとせずに、ただ公式に当てはめて答えを出す、解答を丸暗記する、ということでしょうか。学校、塾、家庭、本人のどれが悪いのかわかりませんが(「本人が悪い」がどういうことかを考えると哲学的ですが)、東大や医学部にそれなりに合格する高校でも、下位層には、教科書の説明とはかけ離れた、ルールを無視したデタラメな答案を書くクセがついている人が多いです。「骨から強くなっていない」「他人のいいところだけをつまんで自分の栄養にしようとしている」「強い人の打った手だからといって意味もわからずマネしている」から、学年が上がるにつれて、成績は下がるのでしょう。藤沢秀行名誉棋聖や米長邦雄永世棋聖とは逆に。
 「思考力」といったものは置いておいて、「ルールの理解、遵守」「基本手筋の組み合わせ」くらいで東大に合格するのですけどね。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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英語で理科(科学、物理、化学、生物、地学)、数学を勉強しよう! Webサイト3選

 

英語で理科(科学、物理、化学、生物、地学)、数学を勉強しよう! Webサイト3選

 

iOSのスマホ、タブレット、
PCのGoogle Chromeブラウザでの
読み上げ、辞書機能の説明はこちら

 

日本人が英語で理科、数学を学習する意義は?

 

1. 国際的なコミュニケーション能力の向上

英語は国際的なコミュニケーションの言語として広く使われています。数学や理科の分野では、最新の研究成果や学術論文が英語で発表されることが多いです。そのため、これらの科目を英語で学ぶことによって、最新の研究にアクセスしやすくなり、世界中の学者や研究者とのコミュニケーションもスムーズに行えます。これは、国際会議や共同研究などで重要な役割を果たします。

2. 専門用語の習得

専門的な数学や科学の用語は、多くが英語由来であるため、これらを英語で学ぶことは用語の理解を深める上で非常に有効です。例えば、物理学の「quantum mechanics(量子力学)」や生物学の「photosynthesis(光合成)」など、これらの用語を英語で学ぶことで、国際的な文脈での正確な用語使用が身につきます。

3. 教育資源の多様性

英語で学ぶことにより、利用できる教育資源が大幅に増えます。多くの高品質なオンラインコースや教科書が英語で提供されており、これらを活用することで、より広範囲の知識を得ることが可能です。特に、MOOCs(大規模公開オンライン講座)やYouTubeの教育チャンネルなど、無料でアクセスできるリソースも豊富にあります。

4. キャリアの機会

グローバルな企業や研究機関では、英語の能力が求められることが多いです。英語で数学や理科を学ぶことにより、国際的なキャリアの道が開かれる可能性が高まります。特に科学技術が進む中で、世界各地のプロジェクトやチームに参加する機会が増えるでしょう。

5. 思考の拡張

言語は思考に影響を与えるため、異なる言語で学ぶことは異なる視点から問題を考える訓練にもなります。英語で数学や理科を学ぶことにより、英語の表現や論理的構造を理解することで、より柔軟な思考が可能になるかもしれません。

6. 自己成長と自信の構築

新しい言語で学問を学ぶことは、言語能力だけでなく、学ぶことへのモチベーションや自己効力感を高めることにも繋がります。これは個人の自信の構築に寄与し、他の分野での挑戦にも前向きな影響を与えるでしょう。

以上のように、日本人が英語で数学や理科を学ぶことは、個人の学問的、キャリア的、さらには個人的成長においても多大な利益をもたらすと言えます。それは単に言語能力の向上を超え、国際社会で活躍するための重要なステップとなるでしょう。

 

理科・数学学習のおすすめサイト

 

CK-12

幼稚園から高校までの数学、理科を解説した英語サイトです。
ビル・ゲイツがTwitterでフォローしている199アカウントのうちの1つです。

CK-12は、カリフォルニア州に拠点を置く非営利団体で、アメリカ国内外のK-12教育への低コストアクセスを増やすことを目指しています。CK-12は、州のカリキュラム基準に沿った無料でカスタマイズ可能なK-12オープン教育リソースを提供しています。CK-12は、STEM(科学、技術、工学、数学)科目で高品質な無料の教材を提供することで、すべての人々に教育の公平性を実現することに取り組んでいます。

CK-12のFlexBook® 2.0プラットフォームは、Flexiという学生向けチューターと統合されており、対話型、統合型、洞察力のある機能を提供し、学生の個人的な旅を可能にします。CK-12 FlexBooks®は、PLIXおよびシミュレーションを含む対話型レッスン、インライン質問、ビデオなどが含まれます。また、各レッスンに適応型練習があり、関連するモダリティがキュレーションされています。さらに、教師が学生のパフォーマンスについて洞察することができるようになっており、カスタマイズツールが用意されています。スマートフォン、Chromebook、タブレット、ラップトップ、デスクトップなどのあらゆるデバイスでアクセスすることができます。

CK-12はまた、「概念ページ」を提供しており、STEMコンテンツの幅広い選択肢があります。これにより、学生は「自分たちの方法で学ぶ」ことができます。概念ベースの学習では、複数のモダリティ(レッスン、ビデオ、インタラクティブなもの、実世界の応用例、学習ガイドなど)が提供されます。基本的なレベルからグレードレベルまでのコンテンツがあります。また複数のコースにまたがる概念もあります。異なる学習スタイルに対応するための簡単な方法も用意されています。

CK-12は、学生、保護者、教師、学校、地区向けの無料のリソースを提供しています。CK-12のFlexBook® 2.0プラットフォームは、対話型、統合型、洞察力のある機能を提供し、学生の個人的な旅を可能にします。CK-12 FlexBooks®は、PLIXおよびシミュレーションを含む対話型レッスン、インライン質問、ビデオなどが含まれます。また、各レッスンに適応型練習があり、関連するモダリティがキュレーションされています。さらに、教師が学生のパフォーマンスについて洞察することができるようになっており、カスタマイズツールが用意されています。スマートフォン、Chromebook、タブレット、ラップトップ、デスクトップなどのあらゆるデバイスでアクセスすることができます。

CK-12の「概念ページ」では、STEMコンテンツの幅広い選択肢があります。これにより、学生は「自分たちの方法で学ぶ」ことができます。概念ベースの学習では、複数のモダリティ(レッスン、ビデオ、インタラクティブなもの、実世界の応用例、学習ガイドなど)が提供されます。基本的なレベルからグレードレベルまでのコンテンツがあります。また複数のコースにまたがる概念もあります。異なる学習スタイルに対応するための簡単な方法も用意されています。

CK-12はまた、「クラス」を提供しており、教師は学生の学習と進捗を割り当てて監視することができます。クラス全体または差別化されたグループに設定することができます。これにより、学生に必要な個人化されたコンテンツを提供することができます。

CK-12サイト2やYouTubeチュートリアルから詳しい情報を得ることができます。

 

 

Science for Kids – Ducksters 

英語で書かれた子供向けの科学サイトです。
日本の高校の単元あたりをわかりやすく解説しています。
英語は、理科の用語以外は、進学校の高校で採用される検定教科書レベルでしょう。

電気、音、天気、太陽系などに関する科学実験やプロジェクトがあります。また、科学者や発明家についても学ぶことができます。

Duckstersの「Science for Kids」には、様々なアクティビティがあります。例えば、科学クロスワードパズル、科学ワードサーチ、科学クイズなどがあります1。

Duckstersの「Science for Kids」は、子供たちが科学に興味を持ち、楽しく学べるようなコンテンツがたくさんあります。

実は、理科だけでなく、歴史、地理などもあります。

 

The Feynman Lectures on Physics 

ノーベル賞物理学者、ファインマン先生の世界的教科書『ファインマン物理学』の英語版が公開されています。
世界トップレベルのカリフォルニア工科大学での授業なので、まあ大学レベルですが、そのわりには、英語も内容もわかりやすいです。
特に、第1巻の最初の方は、物理学に深入りしていないので、内容は親しみやすいです。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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紙の大学入試の英文をPC、スマホに読み上げてもらう方法:OCR、chromeとiOSの読み上げ機能

 

紙の大学入試の英文をPC、スマホに読み上げてもらう方法:OCR、chromeとiOSの読み上げ機能

 

PCのGoogleドライブを使い、紙の大学入試の英文をPC、スマホ上にテキスト化する

紙の大学入試の英文をスマホなどでjpgの写真を撮ります。
または、家庭、コンビニのスキャナーでPDF化します。
jpgのほうが加工しやすいでしょう。
PDFで加工が多く必要な場合、Windows付属のSnipping Toolでスクリーンショットを切り取り、jpg化したほうが扱いやすいかもしれません。

 ↓

テキスト化したくない余計なものは消したほうが、テキスト化の精度がいいです。
英文の下線くらいは消さなくても大丈夫のようです。

jpgを修正するのはWindowsのペイントなど。

 ↓

PDFまたはjpgファイルをGoogleドライブにアップロードします。

 ↓

PDFまたはjpgファイルのサムネイルを右クリック、「アプリで開く」→「Googleドキュメント」を選択します。

 ↓

フォントや文字の大きさ、色はバラバラもこともありますが、テキスト化されています。
文章以外のものを取り除き、コピーして、Gmailなどに「プレーンテキストとして貼り付け」ると、ほぼ整然とした文章になります。

 ↓

微妙に間違えている部分を修正しましょう。
下に赤波線がついていることもあります。

 

OCRとは

Optical character recognitionの略で、日本語では光学文字認識です。上記のように、紙やPDFファイル、jpgファイルの文書をスマホ、PC上のテキストにすることができます。

 

PCのGoogle Chromeブラウザに大学入試の英文を読み上げてもらう。辞書機能も使える。

Read Aloud

Weblioポップアップ英和辞典

 上記のサイトに行って、「Chromeに追加する」ボタンを押します。

 Read Aloudは読み上げの拡張機能です。
 英語の抑揚はかなり自然だと思います。ブラウザ全体を読み上げることもできます。
テキストを選択し、右クリックすると、読み上げを選択できるので、その部分だけ読み上げることもできます。音量、スピードなども調節できます。アメリカ英語とイギリス英語も選択できます。

 Weblioポップアップ英和辞典は辞書の拡張機能です。ブラウザ上の単語にカーソルを合わせると、日本語の意味がポップアップされ、使い勝手がいいです。

 英語学習に一番使い勝手がいいのは、PCのChromeブラウザだと思います。

 

iOSのスマホ、タブレットに大学入試の英文を読み上げてもらう

 Web、Gmail、メモなどの場合。
「設定」→「アクセシビリティ」→「読み上げコンテンツ」→「選択項目の読み上げ」をON

で読み上げのON、OFFをすることができます。読み上げたいテキストを選択すると「読み上げ」という項目が出てきます。

 「アクセシビリティ」→「声」で音声の種類を選ぶことができます。
 「英語」の場合、デフォルトの「声」の「Samantha」は、単語1つ1つの発音は問題ないと思いますが、全体の抑揚がやや不自然です。そこで「Siri」という」「声」をダウンロードするとまずまず自然になります。「英語」の「声」は、アイルランド、アメリカ、オーストラリア、英国、南アフリカから選ぶことができます。読み上げのスピードも変えることができます。
 「設定」→「一般」→「辞書」で英和辞典を使えるようになります。ただ、他ページが出てくるので、ややもっさりです。

 日本語も読み上げてもらうことができます。
 その後、もう一度、英語を読み上げるには、一度、「設定」で英語の「声」を再生しなければ、英語読みに戻らないのかもしれませんが、塾長は現在、よくわかっていません。

 

Androidのスマホ、タブレット

 Google翻訳アプリに英文をコピペして、付属の読み上げ機能を使うのが手っ取り早いです。読み上げの速さも、まあ、このスピードで読めれば、大学入試は時間内に解き終わります。
 ただし、オフラインでは読み上げを使えません。Wi-fiなしだと「ギガ」を消費するということですね。

 

読み上げてもらうWeb上の英語の素材

 

Science for Kids

 生物、化学、物理、地学、環境、天文学、動物について、子供向けに書かれている英語のサイトです。
 一応、日本の高校で習う単元を扱っています。物理は、日本の高校では相対論は出てきませんが、このサイトでは解説されています。英語は、理科の用語を除けば、進学校の高校で採用される検定教科書レベルでしょうか。
 ちなみにducksters.comというサイトの一部で、他に、歴史、地理、伝記なども載っています。

The Economist
 イギリスの週刊新聞で、ロンドンに所在するエコノミスト・グループから発行されている。新聞ではあるが、見た目は雑誌のようである。1843年にスコットランドの経済学者であるジェイムズ・ウィルソン によって創刊された。発行部数は約160万部(2009年)。その約半分を北米が占める。主に国際政治と経済を中心に扱い、科学技術、書評、芸術も毎号取り上げる。
登録で1ヶ月5本無料。

Time
 アメリカ合衆国のニュース雑誌。1923年3月3日にニューヨークで創刊された。世界初のニュース雑誌として知られている。政治・経済・最先端科学・エンターテイメントなどあらゆる情報を網羅している。

The New York Times
 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に本社を置くニューヨーク・タイムズ・カンパニーが発行している高級日刊新聞紙。アメリカ合衆国内での発行部数はUSAトゥデイ(162万部)、ウォール・ストリート・ジャーナル(101万部)に次いで第3位(48万部)。

Newsweek
無制限?

Scientific American

National Geographic

Harvard Business Review
1ヶ月3本無料。

 特に早慶あたりで出題されることが多い出典元です。
 単語、文法、SVOC+修飾関係の理論、をしっかり勉強した上で、上記の音声と辞書機能を使いながら多読の素材にすると、大学入試英語の実戦力を養成できるでしょう。

 

ファインマン物理学の英語版

 ノーベル賞物理学者ファインマン先生のカリフォルニア工科大学での講義を元にした世界的教科書『ファインマン物理学』の英語版がWebで無料公開されています。
 カリフォルニア工科大学は世界大学ランキングでも東大よりかなり上ですが、この本は、英語も内容もかなりわかりやすく、数式もそれほど使われておらず、大学の名前の割には、読みやすい部分が多いと思います。特に、第1巻の最初のほうは、物理学に深入りしていないので、とっつきやすいと思います。

 

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大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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【感想・書評】 なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える(講談社現代新書)

 

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超一流になるのは才能か努力か?(文藝春秋)

成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール

 

【感想・書評】 なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える(講談社現代新書)

 

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『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』の著者の実績と信頼性

 著者は慶應義塾大学文学部の安藤寿康教授です。ご専門は教育心理学、行動遺伝学、進化教育学だそうです。安藤寿康教授の研究室のサイト
 実績と信頼性は絶大と言えます。

 

『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』の感想、書評

 安藤寿康先生の私見もかなり含まれると思われる部分もありますが、上記、慶應義塾双生児研究のサイトに、本書で引用した論文などがたくさん載っている、おおむね、大学での研究に基づいた、ちゃんとした本だと思います。

 読み終えての私の感想は、「目からウロコ」でした。「なぜヒトは学ぶのか」を深く、そして広範に、生物学的に考察した本書は、教育に対する全く新しい視点を提供していると思います。

 

ヒトが学ぶ生物学的理由?

 『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』のまえがきでは、ヒトが学ぶには、本の題名のように、ヒトという動物が持つ進化的で生物学的理由があるのではないか、という問題提起がなされます。
 本書では、直接的には述べられませんが、他書や塾長がよく使うロジックに「人類は600万年の歴史のほとんどを狩猟、採集で生き延びてきた」というものがあります。まあ、他の動物もそうなのですが、人類は、その過程で、教育をしたと思うのです。たとえば、協力してマンモスを狩る、食べられない毒キノコを教える、など。
 そして、現在、教育といえば、良い大学に入る、高い収入を得ることに目的が置かれることがほとんどだと思います。一方、『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』では、教育の目的を

他者のため。他者とともに生きるため。

としています。そういえば、明治政府が教育制度を整えたのは、おそらく、個人の自己実現のためでなく、富国強兵のためですよね。また、感染症なども、細菌やウイルスとはなにかを生物の授業で学び、指数関数とはなにかを数学の授業で学び、石けんのメカニズムを化学の授業で学べば、「感染症の感染者は、何も対策をしなければ、指数関数的に増加し、ウイルスの種類次第では、石鹸で手を洗うことが非常に有効」ということを原理から理解し、社会全体にとっての利益になりますね。

 この、私たちの祖先がいかに生き抜くために学んできたか、そして現代の教育がどのように進化してきたかを詳細に探求し、その過程で出てくるユニークな視点は、読者を魅了します。「なぜヒトは学ぶのか」を「生物学的に」追求し、学びの意味を深めるための一冊と言えます。
 本書では、「なぜヒトは学ぶのか」を「他者のため、他者とともに生きるため」と捉えています。これは非常に共感を覚える視点で、競争社会の中でしばしば見失われがちな教育の原点を再確認する機会を提供してくれていると思います。

 

教育の定義

 『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』の前半は、教育とはなにか、といった、原理的な話が多く、学生、保護者、教育関係者にとって、即効性のある話は少ないかもしれません。
 「教育」にも様々な定義がありそうですが、本書の定義によると、「教育」を行う動物は、人間、ミーアキャット、タンデム・ランニングアリ、シロクロヤブチメドリだけだそうです。「生物学的」視点ですね。狩猟採集民にも「教育がない」人達が見られるそうです。

 

教育の遺伝学

 『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』のクライマックスは、第二部「教育の遺伝学」ではないでしょうか。「遺伝」も高校生物の一分野です。「生物学的」な考察と言えるでしょう。
 一卵性双生児(遺伝子も家庭環境も同じ)、二卵性双生児(遺伝子は半分共有、家庭環境は同じ)を調査して、テストの点数などの能力が、どの程度遺伝によるもので、どの程度環境によるものか、導く方法まで、ご丁寧に解説されています。
 このような行動遺伝学の研究によると、テストの成績などは、遺伝50%、遺伝に還元されない家庭環境30%、教え方や本人の変化20%だそうです。
 この部分は、遺伝的(生物学的)要素と環境的要素の相対的な影響力について深く考えさせる部分であり、読者に新たな知見を提供していると思います。

 遺伝5割、それ以外5割をどう考えるか。
 たとえば、入試のない、普通の公立中学校の下位層が上位層に移動することは、かなり難しいかもしれません。
 しかし、同じ入試に合格した、高校や私立中学の中で下位層から上位層に移動することくらいは、遺伝以外の5割で可能だ、というのが、大学受験塾チーム番町の塾長の経験上の結論です。

 教え方+本人の変化が2割、遺伝に還元されない家庭環境が3割をどう考えるか。
 これも塾長の経験に合致します。塾がいくらしっかりしていても、ご家庭がおかしなことをゴチャゴチャおっしゃっているようだと、成績は上がりません。
 逆に、入塾前に高校内で下位層でも、ご家庭が塾長の指導方針にご理解いただいた場合、上位層にまで伸びます。
 したがって、大学受験塾チーム番町では、入塾時に保護者の方向けに、ごくごく簡単ですが、ご家庭での振る舞いかたの指針をお渡ししております。その文書の参考図書の冒頭に、本書とこの数字を挙げております。また、当サイトでは、ご家庭がどのような環境であればよいか、科学的根拠とともに示している書籍を何冊も紹介しています。

 得意科目、苦手科目という言葉をよく聞きます。英語が得意な遺伝子、数学が得意な遺伝子といったものは存在するのでしょうか。
 本書では、研究によると、科目ごとの得意、苦手の遺伝子も存在するが、科目ごとの凸凹は、遺伝、生物学的要素よりも環境の影響が大きい、とのことです。これは、教育現場での指導や子育てにおけるアプローチを考える上で、「なぜヒトは学ぶのか」につき、重要な示唆を提供していると思います。
 塾長の経験上も、英語が得意で数学が苦手、という人は、数学もできるようになります。「苦手」という言葉は、使ってはいけないと思いました。

 

ワーキングメモリ

 『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』の第三部「教育の脳科学」では、「ワーキングメモリ」という、今、流行りの概念が出てきます。脳科学も「生物学的」考察と言えるでしょう。
 本書には書かれていませんが、パソコンやスマホの「メモリ」と同様に、「ワーキングメモリ」は作業机の広さに例えられ、適切な方法で鍛えられそうだ、という研究があります。作業机が広ければ、学習や仕事にも有利になりますね。これも、「なぜヒトは学ぶのか」につき、重要な示唆を提供していると思います。

 

まとめ

 全体として、この本は「なぜヒトは学ぶのか」について深く掘り下げることで、教育の本質を理解する手がかりを提供します。それは生物学的な視点からの洞察だけでなく、人間の進化、社会、個々の遺伝と環境との関わりまでを包括した幅広い視野を提供しています。
 教育を深く考えるすべての人々にとって、この本は必読の一冊と言えるでしょう。教育現場で働く人々だけでなく、教育に興味を持つ親、学びに興味を持つ学生たち、そして私たち一人一人にとって、この本は新たな視点と知識を提供してくれます。私自身、この本を読むことで教育と学びについて新たな視点を得ることができ、「なぜヒトは学ぶのか」につき考え続け、これからの人生に大きな影響を与えることとなるでしょう

 

「なぜヒトは学ぶのか」とフーコー

 フーコーは、主体(自己)が社会的・歴史的に構築されるものだと考えました。この観点からすれば、「他者のため、他者とともに生きる」という学習の目的も、特定の社会的文脈の中で形成されてきた言説の一つだと言えます。この言説は、個人主義的な学習観に対する Alternative として機能し、学習を社会的な責任や連帯と結びつけます。    

 しかし、フーコーの視点からすれば、この言説もまた、一定の権力関係の中で生み出され、維持されているものです。「他者のため」に学ぶことを奨励する言説は、個人に特定の道徳的規範を内面化させ、自己犠牲や奉仕の価値を説きます。これは、規律訓練社会の一形態であり、個人を特定の方向に導く働きを持っています。

 また、「他者とともに生きるため」に学ぶという考え方は、社会的な調和や協調を重視する言説と結びついています。しかし、フーコーの権力論からすれば、この言説は、差異や対立を隠蔽し、既存の権力関係を維持する効果を持つ可能性があります。「ともに生きる」ことを強調するあまり、社会的な不平等や抑圧の問題が見過ごされてしまうかもしれません。

 ただし、フーコーの思想は、「他者のため、他者とともに生きる」という学習の目的を全面的に否定するものではありません。フーコーは、権力関係が生産的な側面を持ち、抵抗の可能性を内包していることも指摘しています。「他者のため」に学ぶという言説も、利他的な行動を促し、社会的な連帯を生み出す積極的な効果を持ち得るでしょう。

 重要なのは、この言説を無批判に受け入れるのではなく、その背後にある権力の作用を認識し、問い直していくことです。「他者のため、他者とともに生きる」ことの意味を、常に批判的に吟味し、再定義していく必要があります。そのためには、多様な視点から学習の目的を捉え直し、Alternative な学びの在り方を模索していくことが求められます。

 例えば、「他者のため」に学ぶことを、単なる自己犠牲ではなく、相互の尊重と対話に基づく営みとして捉え直すことができるでしょう。また、「他者とともに生きる」ことを、差異を認め合い、ともに成長していくプロセスとして理解することもできます。このように、フーコーの思想を手がかりとして、学習の目的をめぐる言説を批判的に解体し、再構築していくことが重要だと言えます。

 「他者のため、他者とともに生きるため」に学ぶという見解は、一定の積極的な意義を持ちつつも、常に権力関係の文脈の中で捉え直される必要があります。フーコーの思想は、この見解の背後にある規範的な前提を問い直し、より開かれた学びの可能性を探るための示唆を与えてくれます。私たちは、学習の目的をめぐる支配的な言説に抗して、自らの学びの意味を主体的に構築していかなければならないのです。

 

「なぜヒトは学ぶのか」とハイデガー

 ハイデガーの観点から「なぜヒトは学ぶのか」という問いを考えるとき、まず私たちは「世界内存在」としての人間の在り方に目を向ける必要があるでしょう。私たちは決して孤立した主体ではなく、常にすでに他者や事物とのつながりの中で生きています。ハイデガーが「世界」と呼ぶのは、こうした意味連関の総体にほかなりません。

 そして、この世界の中で人間が学ぶということは、単に知識を頭の中に蓄積することではありません。むしろ学びとは、世界を理解し、そこに参与し、みずからを形成していくプロセスだと言えます。私たちは学ぶことを通じて、他者との関わりを深め、共同体の一員としての役割を見出していくのです。

 ハイデガーはまた、人間を「言葉の牧人」と呼びました。言葉は単なるコミュニケーションの道具ではなく、存在を開示する出来事だからです。私たちは言葉を学び、言葉を使うことで、世界を意味あるものとして経験し、他者と思想を分かち合うことができます。この意味で、学びは言葉を通じた世界との対話であり、他者との対話なのです。

 さらに「死への先駆」の概念を手がかりにするなら、学びには実存的な意義もあると言えるでしょう。私たちは有限な存在であり、いつか必ず死を迎えます。この死の可能性を真摯に引き受けるとき、人は自らの生を本来的に生きる決意を迫られるのです。そして学びは、まさにこの「本来的な生」を形作る営みにほかなりません。私たちは学ぶことで、みずからの可能性を切り拓き、意味ある人生を歩むことができるのです。

 とはいえ、ハイデガーの議論をそのまま「他者のため」という倫理的な主張に結びつけるのは難しいかもしれません。彼の関心は何より、存在の意味を問うことにあったからです。しかし、「他者のため、他者とともに生きる」という倫理的態度は、ハイデガーの思想と無関係ではありません。私たちが世界の中で他者と分かち合いながら生きる存在である以上、学びを通じて他者との絆を深めていくことは、一つの道筋として考えられるでしょう。

 ただし、ハイデガーならば、安易な利他主義には与しないはずです。大切なのは、みずからの存在可能性に誠実に向き合い、本来的な在り方で生きることだからです。私たちは学びを通じて、自分自身であることと、他者とつながることとを、地道に両立させていく必要があります。それは容易な道のりではありませんが、かけがえのない営みではないでしょうか。

 

「なぜヒトは学ぶのか」とデリダ

 学びを個人の利益や自己実現のためだけでなく、他者との関係性の中で捉えている点で、デリダの他者論と共鳴します。デリダは、自己が他者によって構成されており、自己と他者は互いに不可分な関係にあると考えました。この観点からすれば、学びもまた、自己と他者の関係性の中で生じる事象であり、他者なくして学びは成立しないと言えるでしょう。

 さらに、「他者のため」に学ぶというのは、ある種の贈与の行為とも解釈できます。デリダの贈与論によれば、真の贈与とは見返りを求めない一方的な与えです。他者のために学ぶことは、自分の利益を度外視して知識を贈与する行為であり、経済的交換とは異なる倫理的関係性を生み出すと考えられます。

 ただし、ここで問題となるのは、「他者のため」という言葉の曖昧さです。他者とは具体的に誰を指すのか、また、他者の利益をどのように定義するのか。デリダの脱構築の観点からすれば、「他者のため」という表現自体が、ある種の形而上学的な前提に基づいていると言えます。つまり、自己と他者を明確に区別し、他者の利益を自明のものとして想定しているのです。

 しかし、自己と他者の境界は曖昧であり、絶えず変動しています。また、他者の利益も一義的に定まるものではなく、状況に応じて変化します。そのため、「他者のため」に学ぶことは、常に不確定性と曖昧さを孕んだ行為であると言えるでしょう。

 とはいえ、だからこそ、「他者のため」に学ぶことには倫理的な意義があるのかもしれません。デリダのホスピタリティの思想が示すように、他者への無条件の歓待は不可能でありながら、絶えず求められる倫理的責任です。他者のために学ぶことも、完全には実現できない理想ではありますが、他者への倫理的責任を引き受ける行為として意味を持ちます。

 そして、「他者とともに生きるため」に学ぶというのは、まさにこの倫理的責任を具体的に実践することだと言えます。他者とともに生きるということは、自己と他者の差異を認め、互いの価値観を尊重し合うことです。そのためには、他者について学び、対話を重ねることが不可欠です。学びは、自己と他者の差異を乗り越え、ともに生きる可能性を切り拓く営みなのです。

 ただし、ここでも脱構築の視点は重要です。「他者とともに生きる」ということ自体が、一つの理想であり、完全には実現不可能な目標だということを忘れてはなりません。他者との共生は、常に不確定で脆弱な関係性の中で模索されるものであり、決して安定した到達点ではないのです。

 以上のように、デリダの思想を踏まえれば、「ヒトが学ぶのは他者のため、他者とともに生きるため」という見解は、様々な問いを喚起する示唆に富んだ洞察だと言えます。学びを自己と他者の関係性の中で捉え、倫理的責任の実践として位置づける一方で、その不可能性と曖昧さを認識することが求められるでしょう。そうした脱構築の眼差しこそが、学びの意味を絶えず問い直し、新たな地平を切り拓く原動力になるのではないでしょうか。

 

『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』の目次

序章 教育は何のためにあるのか

第一部 教育の進化学
第1章 動物と学習
1.知識によって生きる動物
2.知識の由来
第2章 人間は教育する動物である
1.教育によって学ぶ本能
2.文化的知識の創造・蓄積・学習におよぼす教育の意味

第二部 教育の遺伝学
第3章 個人差と遺伝の関係
1.教育と遺伝ー残酷な真実?
2.行動遺伝学とは何かー双生児法のロジック
第4章 能力と学習
1.学力はどのように遺伝的か
2.遺伝と環境の交互作用
3.能力には遺伝的基盤があることを認めたとき、どう考えるか

第三部 教育の脳科学
第5章 知識をつかさどる脳

 

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大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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故志村五郎先生が数学オリンピックに鳴らした警鐘:大学受験塾チーム番町が提唱する数学学習の姿勢

 

故志村五郎先生が数学オリンピックに鳴らした警鐘:大学受験塾チーム番町が提唱する数学学習の姿勢

 

 フェルマーの最終定理の谷山-志村予想で有名な、志村五郎プリンストン大名誉教授が5月3日に亡くなりました。

 志村先生は著書で、かの高校生の数学オリンピックに警鐘を鳴らしていました。
 「すでに解答がある問題であって、自発性を持続させなければならない数学者とは無縁である」という趣旨です。
 近年、大学入試改革で「思考力、発想力」と言われるのも、そもそも、答の用意されていない分野を切り開く人材を育てるためでしょう。そもそも、数学者や理論物理学者を志す人が「思考力、発想力」を育むための素材が、高校の数学が適切なのかも疑問です。他の分野に進みたい人が「思考力、発想力」を育むための素材が高校の数学が適切かは、なおさら疑問でしょう。

 大学受験塾チーム番町では、東大入試の数学は「教科書を理解して学校採用教材をマスタ―すれば(少し補強が必要ですが)合格者平均(東大新聞調べ)を超えるよね」という指導をしています。一方で、受験産業には、東大入試程度をなにか高尚なものとして語る方も多くいらっしゃいます。

 大学受験塾チーム番町では、大学入試の数学や理科は、将来、まだ教科書や論文に書かれていない最先端を切り開くため、また、専門外の人は教養を身につけるため、偉大な先人の築いた体系を根本から理解する、くらいの姿勢でいいのではないか、という指導方針です。

 答の用意されていない分野を切り開くための「思考力、発想力」を育む、適切なトレーニングは、また別の話なのではないでしょうか。

 

志村五郎先生プロフィール

1930年生まれ。
1952年、東京大学理学部数学科卒業。
1961年、大阪大学教授。
1964年、プリンストン大学教授。
有名な業績としては、「谷山–志村予想」による、かの有名な「フェルマーの最終定理」解決への貢献が挙げられます。

 

数学オリンピックとは?

 高校生などを対象に毎年行われる数学の問題を解く能力を競う数学の競技。日本で行われるものは、国際大会への選抜も兼ねている。趣旨は「世界の多くの国の高校生以下の算数・数学好きな生徒を選び、コンテストを通し生徒を励ましその才能を伸ばすため」[1]
 

 

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【2019】日本大学医学部化学 勉強法と傾向と対策:教科書+新標準演習でほぼ満点

 

【2019】日本大学医学部化学 勉強法と傾向と対策:教科書+新標準演習でほぼ満点

 

大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の化学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、化学の新標準演習(三省堂)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

(1)
化学平衡の法則の式を立てるだけの教科書レベルの問題で、正解できます。

(2)
誘導と(1)を使って式変形するだけなので、解けます。

(3)
溶解度積の意味がわかっていて、問題文と溶解度積の式を読み取るだけで正解できます。

(4)
前半は、誘導にしたがって、溶解度積の式に代入するだけで正解できます。
後半は、誘導に従って近似し、pHの定義を理解していれば正解できます。

 

大問2

頻出のC5H12Oの構造決定の問題です。C5H12Oのアルコール8つは、第1級、第2級、第3級にわけて、スラスラ書き出せるのは、有機化学の基本中の基本です。

(1)
上記のように書き出して、ヨードホルム反応陽性になる構造を理解しているだけで正解できます。

(2)
上記のように書き出して、脱水したものが、炭素原子がすべて同一平面上に存在するものを探すだけで正解できます。エチレンのHの代わりにメチル基までは許される、ということですね。

(3)
オゾン分解の問題は化学の新標準演習あたりには載っています。オゾン分解後、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトンが生成するものを選ぶだけなので正解できます。

(4)
二重結合に水素やハロゲンが付加する問題も頻出で、化学の新標準演習あたりには載っているので正解できます。

(5)
エタノールの分子間脱水でエーテルが生成することは教科書に載っており、それを少し応用するだけんなので、解けます。

 

大問3

ロイコトリエン類という、教科書に載っていない話がテーマになっていることから、知識問題ではなく、考察問題であると判断しましょう。論理と、ごくごく基本的な高校化学の知識(アミド結合の加水分解、エーテル結合、ヒドロキシ基)が問われているだけです。本問でビビって正解できなかった人は、本問をよーく反省して、今後、考察問題に対応できるようにしましょう。むしろ、科目としては、生物で出題されそうな流れの問題ですが、医学部入試なので、化学で出題したのでしょう。

 

大問4

(1)
アラニンの構造を知っているのは基本なので正解できます。

(2)
アラニンの中で、鏡像異性体ではなく、同じ物質であるものを選ぶ問題です。不斉炭素原子と水素を固定し、残りが回転すると同じになるものを選ぶだけなので、正解できます。

 

大問5

弱酸と強塩基の中和の問題です。

(1)
教科書で中和曲線を理解していれば、中和点がわかり、あとは教科書レベルの中和滴定の計算問題なので、正解できます。

(2)
問題文を読み取り、誘導の式にモル濃度を代入して計算すれば正解できますが、やや難しいかもしれません。20ml滴下した時の「電離度」は解釈が分かれる問題のようです。最後の電離度は教科書にも載っている、平衡前、変化量、平衡後の表を書き、電離平衡の式に代入すればいいので、正解できます。

(3)
中和の過程のそれぞれの物質のモル濃度の変化のグラフを選ぶ問題です。中和のメカニズムを理解し、それまでの問題で求めた数値を使えばいいので、正解できます。

 

日本大学医学部化学の勉強法と傾向と対策

大問5の後半がやや難しいと思いますが、入試というものは満点を取る必要はなく、また、時間が足りなくて大問5は解ききれないだろう人も多いと思われます。そこまでは、教科書レベルの基本~新標準演習あたりの標準レベルの問題で、ほぼ正解でき、それらを解ききれば、十分、他の受験生に差をつけることができるでしょう。
大問3の考察問題でビビって正解できなかった人は、よーく検討して、以後、似たような出題に対応できるようにしましょう。

 

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平成から令和へ:松任谷由実と中島みゆきの音楽と日本経済を振り返る

 

平成から令和へ:松任谷由実と中島みゆきの音楽と日本経済を振り返る

 

 本日、2019年4月30日は平成最後の日です。
 昨日の夜、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」に松任谷由実さんが録画出演されていました。現在、エンディングテーマを歌っています。

 

日本経済の成長と松任谷由実の好調

 松任谷由実さんは、たとえば、上越新幹線が開通する前(82年)、スキーブームが訪れる前(映画『私をスキーに連れてって』が87年)の1980年(昭和ですが)に『SURF&SNOW』という、雪の歌中心のリゾートアルバム、コンセプチュアルなアルバムを世に出しました。
 松任谷由実さんが先行し、日本経済が追いついてきた、ということになります。

 

バブル崩壊と松任谷由実の低迷

 日本では1990年代にバブルが崩壊します。
 バブル崩壊とは、内閣府景気基準日付では、1991年(平成3年)3月から1993年(平成5年)10月までの景気後退期を指すようです。
 ただし、不景気はこの期間にとどまらず、たとえば、1997年から98年にかけて、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、山一證券などが倒産します。
 松任谷由実さんは、「ワールドビジネスサテライト」で「『日本の都市銀行が破綻したら私の音楽も終わる』と予言していた」とおっしゃっていました。実際に、この頃から売上が低迷し、批判されたそうです。

 

バブル崩壊と中島みゆきの再評価

 さて、1970年代から、世間では松任谷由実派(ユーミン派)と中島みゆき派(みゆき派)が存在していたそうです。松任谷由実さんと中島みゆきさんは、独自の音楽スタイルと作詞能力で多くのリスナーを魅了し、日本音楽界に大きな影響を与えてきました。
 中島みゆきさんは、75年の『時代』はいいとして、70年代後半から80年代前半にかけて『わかれうた』『ひとり上手』『悪女』といった曲がヒットし、「歌う縁切り寺」などという異名もありました(笑)。
 ユーミンが太陽ならみゆきさんは月。

 私の知る限り、1990年頃は、世間ではユーミン派が圧倒的多数でした。私の周りでは、ユーミン、ユーミンとは聞くものの、中島みゆきなんて名前は聞いたことはなかった。
 しかし、バブル経済の頃セールスが低迷していた中島みゆきさんは、上記のバブル崩壊の定義のあとの1994年5月、ドラマ『家なき子』の主題歌『空と君のあいだに』、1995年5月『家なき子2』の主題歌『旅人のうた』で100万枚を超えるセールスを記録します。
 そして2000年に放送が開始されたNHK『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』の主題歌『地上の星』は、発売以降174週連続でオリコンシングルチャート100位圏内チャートインを果たす、というとんでもない大記録を達成します。
 『プロジェクトX』は、主として第二次世界大戦の終戦直後から高度経済成長期までの、産業・文化等の様々な分野において、製品開発プロジェクトなどが直面した難問を、どのように克服し成功に至ったかを紹介するドキュメントでした。

 

日本経済の失われた30年と中島みゆき、松任谷由実の活躍

 そして2010年代。日本経済は、失われた20年、30年と言われます。
 その時期に、中島みゆきさんは、NHK朝ドラ『マッサン』の主題歌『麦の唄』を歌われ、松任谷由実さんは、平成から令和へと元号が変わるこの時期に、代表的な経済番組である『ワールドビジネスサテライト』のエンディングテーマを担当されています。
 ユーミンさんは、昨年末の「紅白歌合戦」での桑田佳祐さんとのパフォーマンスもインパクトがありましたね。
 お二人とも、息の長い活躍をされています。それぞれのキャリアが日本経済の波と重なり、時代の風潮を反映しつつ、時には予見するかのような曲を生み出してきました。バブル期の輝きを象徴する松任谷由実と、バブル崩壊後の日本人の心情を繊細に描いた中島みゆき、二人のアーティストが日本経済の動向とともに歩んできた様は、まさに日本の近代史そのものです。彼女たちの音楽がそれぞれの時代の象徴として捉えられ、その経済状況と共鳴しているところには、驚きと感動を覚えます。
 中島みゆきさんと松任谷由実さんは、それぞれが見せる持続性と適応性を通じて、音楽という形で日本の時代を刻んできました。彼女たちはただのエンターテイナーではなく、音楽と詞を通じて社会を鏡に映し、我々が日本の歴史と自身のアイデンティティを理解する助けとなってきました。
 また、お二人は平成から令和への時代の変化を、音楽を通じて象徴的に表現しています。彼女たちの音楽は、時代の節目を美しく彩り、深い感情を引き立て、人々の心に共鳴を与えてきました。
 二人のアーティストが過去、現在、そして未来にわたって続けてきた音楽的な旅路は、日本の社会経済の歴史と一体となって語られるべきものでしょう。

 

中島みゆきと松任谷由実と「ことば」

 中島みゆきさんは、大学は文学部国文学科、1999年には文部科学省の国語審議会委員を務めました。
かねてから「ことば」を大切にしている、といった趣旨の発言をされていたように記憶しています。
 松任谷由実さんも昨日の「ワールドビジネスサテライト」で「日本語を大切にしたい」とおっしゃっていました。
 お二人とも、シンガーソングライターとして詞を書いていますし、国語の教科書に詞が載るような方々ですね。彼女たちの歌詞には、しっかりとした「ことば」への敬意と愛情が込められています。これは、人々の心に響く力強いメッセージを伝えるための彼女たちの持つ素晴らしい才能とも言えるでしょう。また、このことは、彼女たちが日本の音楽界だけでなく、日本の言語文化にも大きな影響を与えてきたという事実を示しています。
 それぞれが「ことば」を大切にする姿勢は、彼女たちが詩人としての才能を持ち、言葉によって多くの人々の感情や思考を表現してきたことを示しています。これは日本語の美しさと力を再確認するとともに、言葉の選択が我々の世界をどのように形成するかを再認識するきっかけを与えてくれます。

 

塾長の大学受験と中島みゆきと松任谷由実

 塾長は大学受験生の頃に、ラジオで松任谷由実さんと中島みゆきさんが共演しているのを聞いたことがあります。
 ラフに語り合いつつも、お互いを尊敬している、素晴らしい関係だな、という印象でした。

 

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指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
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大学受験の勉強法の本:成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール(日本経済新聞出版)

 

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大学受験塾チーム番町オススメ 勉強法の本5選

東大・医学部に合格する勉強法 基本編

究極の鍛錬 天才はこうしてつくられる(サンマーク出版)

超一流になるのは才能か努力か?(文藝春秋)

天才! 成功する人々の法則(講談社)

 

大学受験の勉強法の本:成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール(日本経済新聞出版)

 

 

『成功する練習の法則 最高の成果を引き出す42のルール』の感想、書評

 著者は、全員、アメリカの学校の先生の経験者で、その後、他の教育関係の職に移った方もいます。
著者の面々も、引用している文献も、科学的根拠(エビデンス)という面では薄弱ですが、当塾のブログで挙げているような、大学での研究に基づいた本の実践編と捉えることができるような内容ですし、「まあ、そうだよね」ということも多いです。
 本書では、効果的な練習方法を紹介しています。練習の質を向上させるための実践的な方法が述べられています。

ルール2 最大の価値を生む20パーセントに集中して取り組む
 パレートという経済学者が「世界の富の80%は上位20%の人に偏在している」といったことを言いました。これは、他の様々な現象に当てはまり、トレーニングについても、おおよそ「重要なほうから20%をこなせば、全体の80%が済んでいる」と言えます。
 これは、私たちがどのように効率的に練習すべきか、何に焦点を当てるべきかを示しています。練習や業務における効率性を最大化するための有益な方法だと思います。最大の価値を生む20%に集中するという視点は、わたしたちが時間と労力をより重要な課題に集中し、生産性を最大化することを可能にすると思います。

ルール3 無意識にできるようになるまで徹底する
ルール4 無意識にできるようになれば創造性が解き放たれる
 ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』では、人間の脳について、システム1(速い思考)、システム2(遅い思考)という概念を導入しています。心理学では、広く使われているようです。
 「システム1」は自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であってもわずかである。自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
たとえば、「おぞましい写真を見せられて顔をしかめる」といった本能的なものや、「2+2の答えを言う」といった反射的にまで高められた知的作業です。
 「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければ困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。たとえば「17×24を計算する」などです。
 つまり、勉強について、基本的なことを「システム1」に入れると、基本的なことに集中力を使わなくなるので、より高度なことに取り組めるようになり、創造性も解放される、ということだと思いました。
 また、近年、脳科学では「ワーキングメモリ」という考え方をします。脳を作業机の広さに例えます。簡単なことを、無意識にできるようになるまで徹底すると、そのことに脳のワーキングメモリを使わなくなるので、より高度なことに脳のワーキングメモリを割き、できるようになる、ということだと思います。
 創造性にも、適切な詰め込みは大切なのでしょうね。

ルール7 実践練習ではなく反復練習でこそ上達する
 人間の脳は、基本的に「マルチタスク」(集中力を要する複数の作業を同時に行う)ことができない、とされています。

 まずは、個々のスキルに分割し、その開発に集中することが上達の鍵だ、ということです。デカルトは『方法序説』で「困難は分割せよ」といったことを言っています。
 上記のルール3「無意識にできるようになるまで徹底する」とも関係するでしょう。
 大学受験の数学で考えると、やみくもに過去問などに取り組む前に、教科書や『チャート式』などの学校採用教材レベルにスキルを分割して、その開発をしたほうが、遅いようで早いし、到達度も高い、ということだと思います。

ルール19 手本をそのまままねさせる
 これは、新たな技術やスキルを学ぶ上での非常に効率的な方法だと思います。これにより、私たちが試みる新たなスキルの習得が、よりスムーズで効率的になると思います。
 大学受験塾チーム番町は、個別指導塾なので、たとえば数学の授業では、教科書や『Focus Gold』(啓林館)の例題を解説し、数値が違うくらいの類題を解いてもらうことができます。東大や医学部レベルへの壁を、効率的に超えることができると考えています。

ルール23 フィードバックを取り入れて練習する
 大学受験塾チーム番町は、個別指導塾なので、テストや模試の反省を通して、生徒にフィードバックすることができます。同じ間違いをくり返さないことが、実力を向上させるコツなので、フィードバックは大切だと思います。
 『成功する練習の法則』でも述べられていますが、世間では、フィードバックを与えられても、使わない人が、結構な割合でいるようです。このような人は、同じ間違いを繰り返し、停滞します。本書では、「与えられたフィードバックを使うのが当たり前で、使いたくなるような文化を創ること」が大切だと述べられています。
 フィードバックは、自己の進歩を理解し、成長を促進する上での重要な要素だと思います。それを受け入れるという行為は、私たちが自己の行動を客観的に見つめ、改善のためのアクションを起こすためのカギとなると思います。

ルール29 問題ではなく解決策を説明する
 これは私たちが困難に直面したときに、前向きな視点を保つための実践的なヒントとなると思いました。
 大学受験塾チーム番町では、志望校を下げる指導はいたしません。
学校のテストや模試を検討し、どうすれば合格点に達するか、解決策を個別指導しています。

 

 当塾は大学受験の個別指導塾なので、それに沿って書いてみました。『成功する練習の法則』で紹介されているアイデアは、どの分野においても有用であり、ビジネスやスポーツなど、あらゆる分野に適用することができると思います。この本を読むことで、自分自身の練習方法を改善し、スキルを向上させることができると思います。

 『成功する練習の法則』は、個々の能力を最大限に引き出すための戦略と方法論を豊富に提供してくれていると思います。実践的な練習方法を探している人にとって非常に役立つ本であり、私も自分自身の指導を改めて見つめ直すきっかけになりました。この本を読むことで、どのようなスキルに取り組んでいるかに関係なく、より効果的な練習方法を見つけることができると思います。

 

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大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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開成中学校入試算数 傾向と対策と勉強法は?:『塾技』で解く合格への道

 

女子学院中学校入試算数の傾向と対策と勉強法は?

白百合学園中の入試で一番大切なのは算数! 傾向と対策と勉強法は?

大妻中学校入試算数 対策と傾向と勉強法は?

 

開成中学校入試算数 傾向と対策と勉強法は?:『塾技』で解く合格への道

 

2023年 開成学園 大学合格実績

東大 148名
京大 9名
一橋 9名
東工 5名

千葉大(医) 12名

慶應(医) 13名
慈恵(医) 10名
日本医科(医) 16名
順天堂(医) 17名

慶應 163名
早稲田 192名

 

2019年開成中学校算数

 

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文英堂
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中学入試塾技100算数(文英堂)という参考書が市販されています。
中学入試によく出る技法を100にまとめ、見開きの左ページで技法と例題を解説し、右ページには、その技法を使う入試問題が載っています。
やや解説が簡素なので、はじめてこれらの技法を学ぶ人は、『受験算数の裏ワザテクニック』(文英堂)シリーズ、あたりが、解説が親切でオススメです。
この「塾技」をもとに、2019年開成中入試の算数を分析してみます。

 

大問1

K君の分速が60、80、100で与えられているので、自宅からおばさんの家までの距離を、とりあえず最小公倍数の1,200mとおいて考えるのは、塾技19「速さ」に載っています。
あとは、図でも書いて、丁寧にやっていけば解けるでしょう。

 

大問2

本問のような、切断についての問題について、切断面がどのようになるかは、塾技49「切断①」に載っています。
(3)は直角三角形の相似で考えます。
相似は塾技68~78あたりで厚く扱っているので、このあたりに精通していれば解けるでしょう。

 

大問3

(1)
移動経路の問題は、塾技99「道順」に、本問同様の立方体の問題が載っています。

(2)
東京学参の過去問には「やや難」がついており、解けなくても合格できるでしょう。

1回だけ左に進むという規則がこの問題を難しくしているでしょう。
どこで左に進むかで場合分けし、足し合わせれば、解けます。

 

大問4

トランプを隣の人に渡す問題です。
おそらく類題に取り組むことは前提としておらず、初見で対応してください、ということでしょう。
いわゆる「論理」「推理」といった分野に取り組むと、やや即効性があるかもしれません。
ただ、大切なのは、普段から、物事を根本から理解しようとする姿勢です。

 

開成中学校入試算数の傾向と対策と勉強法

開成中の入試も「塾技」の組み合わせで合格点を取れると思います。
「塾技」のどこに何が書いてあるかを把握するまでくり返した上で、開成中などで合否を分けているレベルの問題に取り組むといいでしょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2018年開成中学校算数

 

大問1

(1)
よくあるにあてはまる数を求める問題です。
塾技2「逆算」に載っています。
中学入試はx、方程式を使ってはいけない、などと言われますが、これってxを使った方程式と同じですよね…。

(2)
東京学参の過去問には「やや難」がついており、解けなくても合格できるでしょう。
ただ、丁寧に樹形図を書いて、玉の色の入れ替えを考えれば、解ける問題ではあります。

(3)
流水算です。塾技25で解けます。

(4)
食塩水の問題は塾技17、18に載っていますが、左ページの例題だけでは厳しいかもしれません。
(根本から理解して対応できるのが理想ですが…。)
右ページの難しめの問題や、他の問題集で慣れておいたほうがいいでしょう。
「食塩の量の和は一定」に注目するのは、よくある話でしょう。

(5)
直方体、立方体の展開図は塾技43に載っています。
その上で、開成あたりで合否を分ける問題に取り組んでいれば、本問も見えるでしょう。

(6)
正六角形の辺の中点を結んでできる正六角形の面積の問題です。
これといった塾技はありませんが、図形問題に取り組んでいれば、なんとかなるでしょう。
まあ、中心Oが与えられているので、使え、ということですよね。

(7)
東京学参の過去問には「やや難」がついています。
しかし、塾技68~78あたりの相似に精通し、開成あたりで合否を分けるレベルの問題に取り組んでいれば、まあ、解けるのではないでしょうか。

 

大問2

(1)
簡単に解けます。

(2)
1/7が循環小数であることは塾技86「周期算」に載っています。
それを本問にしたがって応用すれば解けます。

 

大問3

(1)(2)の簡単めな問題で規則性を把握すれば、(3)の正解もできるでしょう。

 

開成中学校入試算数の傾向と対策と勉強法

大問1(2)はやや難しいと思いますが、あとは、『塾技』のどこに何が書いてあるかを把握するまでくり返した上で、開成中などで合否を分けているレベルの問題に取り組むと、正解できると思います。

 

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【~2019】慶應義塾大学医学部数学

 

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2023慶應義塾大学医学部数学

2023東京慈恵会医科大学医学部数学

2023日本医科大学医学部数学

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2023慶應義塾大学医学部英語

 

【~2019】慶應義塾大学医学部数学

 

2019年慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
本問のようにsin2θ、cos2θ、sinθcosθを含む形は、数研出版の教科書の章末問題やチャート式、Focus Gold(啓林館)の本文には載っています。
倍角と半角で2θにして合成します。
完答すべきです。

(2)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
袋から同色の玉を取り出す確率の問題です。
普通にやればできると思います。
完答すべきです。

(3)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
3点がつくる三角形の面積をベクトルで求める問題は数研出版の教科書の研究のところに載っています。

3点からの距離が等しい点を求める問題も数研出版の教科書の空間ベクトルのところに載っています。
本問は等距離について式を2本立てた上で文字を1文字にして、大きさ1の条件を使えば求まります。
完答すべきです。

大問2

『大学への数学』5月号の難易度はB。
確率漸化式の標準的な問題です。
ただし、途中、n+2とn+1とnではなく、nとn-1とn-2の関係が問われているので、根本からの理解ではなく、丸暗記していると間違える可能性もあると思います。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『大学への数学』5月号の難易度はD。
(1)
数Ⅲの曲線の放物線の方程式を求める問題です。
(2)
点Pが(1)の放物線上を動くときの、ベクトルで定まる点Qのx座標、y座標の取りうる値の範囲の問題です。
ゴリゴリ微分して増減表を書けば求まります。
(3)
(2)の曲線の弧長の問題です。
教科書にも載っている弧長の話を使えば求まります。
途中、p=tanθと置換するのは教科書にも載っています。
(4)
(2)の曲線と直線y=axの共有点の中点を求める問題です。
放物線と直線の中点を求めるのに解と係数の関係を使う問題は、Focus Gold(啓林館)あたりの図形と方程式のところには載っています。
本問も同じようにやれば求まりますが、このあたりから実戦的には大変でしょう。
(5)
(4)の中点に対し、ベクトルで定める点Nの軌跡を求める問題です。
(4)ができれば理論的には難しくないですが、実戦的には大変でしょう。

 

大問4

『大学への数学』5月号の難易度はD。
y軸に接する円に(0,-1),
(0,1)からy軸とは異なる接線を引いた問題です。
(1)
接線の傾きを求める問題です。
式が複雑ですが、教科書通り、点と直線の距離で求まります。
(2)
円の中心がx>0の領域で接線が作る三角形の内心になるための条件の問題です。
問題の設定から、理解は簡単です。
式は少し複雑です。
(3)
垂心は教科書通り、直線の方程式を連立すれば求まります。
点と直線の距離も教科書通りですが、式が複雑です。
(4)
点Pが楕円上にあるとき、内心はどんな2次曲線上にあるか、という問題です。
難しいと思います。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大問1、2は完答。理論上は大問3の(3)、大問4の(3)あたりまで解けそうです。
 それで他の受験生に十分差をつけることができたでしょうが、時間との戦いでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2018年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
対数不等式のよくあるような問題です。
真っ先に真数条件を吟味しましょう。
集合の⊂、区間の(-∞,4)の記号の意味も勉強しておけというメッセージでしょうか。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ベクトルの大きさを2乗するとなんとかなるのは教科書にも出てくる基本です。
大きさの最小値の問題も、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っているでしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はD。
kは2以上の自然数。赤玉と白玉が2k個ずつある。これらをすべて円周上に等間隔に並べる並べ方の総数をNKとしたときのN1、N2、N3
N1はすぐに出ます。
その後は難しいでしょう。
似たような問題は見たことがある人もいるかも知れませんが、実戦的には厳しいでしょう。
合格には(お)が正解できればいいのではないでしょうか。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式の標準的な問題です。
解く漸化式も『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っている類型のものです。
途中でネイピアの数を使う極限が問われています。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
三角関数と複素数平面。
sinxsin2xsin3xと積の形で、変形後の式も見すえて、積和で変形しようと思いつくでしょう。
しばらくは自然な流れです。
(け)でA=sinα+sinβ+sinγ、C=sinαsinβ+sinβsinγ+sinγsinαを見て、Bもcosの倍角公式でsinの式に変形して、(a+b+c)2の展開公式を使うことを思いつきたいです。
似たようなことは『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っています。
(こ)のΣも、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集の複素数平面のところにはまず載っているでしょう。
以下も誘導に乗ってゴリゴリやればできそうです。
最低でも(こ)ぐらいまでは正解したいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
媒介変数表示された曲線の微積分の問題。
完答の難易度はDかもしれませんが、(4)あたりまでは、普通に教科書と『Focus Gold』(啓林館)あたりを理解していればできそうです。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも、「6割程度で十分合格すると思われる」としています。
そして、上記のように、6割程度なら、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、受験標準問題演習をすれば大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2017年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
指数不等式。
置き換えると三次不等式になりますが、(置き換えた文字)>0、または、三次関数のグラフで考えれば大丈夫でしょう。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
普通に教科書にも出てくるA∪Bの話をすれば大丈夫でしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値記号がたくさんついた関数の問題。
与式のような式の問題は見たことがある人も多いでしょう。

具体的に最初からいくつかの値で絶対値を外してみて、状況を把握すれば解けると思います。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率、確率と漸化式の標準問題です。
個々の技法は、確率の入試標準問題でよく見るものばかりです。
最後の方は、『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っている「どの2つの○○も隣り合わない」(他の物の間と両端に入れる)の技法を知っていると、見通しがいいでしょう。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率の分野は、分野の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
楕円、極座標の問題です。

問題文に図形は「楕円」だと書いてあるので、そこから逆算して考えれば最初はできて、(1)はできるかもしれません。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
最後は積分の体積の問題です。
(あ)は、直観的に接するときだとわかると思います。
その後は難しいと思います。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問3大問4については、本学受験生といえど得点の上積みは容易ではない」としています。上記のように、大問1、大問2は完答、大問3,大問4は部分点、という方針で合格点に達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
場合の数の問題。

私大医学部の場合、数値だけ解答する問題では、論述式の問題とは傾向が異なる問題が出題されることがあります。
対策を怠らないようにしましょう。

大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、場合の数、確率の分野は、分野の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

(2)
不定方程式の問題。
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
解き方はいろいろあると思いますが、教科書や『Focus Gold』の似たような問題を参考にすれば解けるでしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つきの定積分の問題。
場合分けをします。
類題は『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っています。
たとえば、2017年に東京慈恵会医科大学でも出題されています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式、確率の問題。
個々の技法は入試標準問題集などではよくある話です。
本問は短答式なので、問題文で2mと2m-1で場合分けされていますが、他大で論述式だと、自分で場合分けすることが求められます。
上位国立大学ではよく見る話です。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
空間座標の問題。

円が出てくる問題は(rcosθ,rsinθ)などとおくとうまくいくのではないか、というのは検討すべきです。
途中、正四面体の4つ目の頂点を定める問題は、数研出版の教科書の空間ベクトルのところに載っています。
そのあたりまでできればいいのではないでしょうか。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数学Ⅲの微分の最後のほうに出てくる速度のような問題。

ただ、具体的なイメージはしにくく、「偏角」「原点からの距離」といった文言と、問題文で与えられた条件をもとにゴリゴリやっていくしかないのではないでしょうか。
(2)あたりまでできればいいのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「他科目が得意なら2完半でも十分合格するだろう」というコメントがあります。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。
 数学は大問ごとに難易度にかなり波があるのに対し、たとえば理科は標準レベルの教材をつぶせば、満点近く取れることも多いです。
この年のセットで2完半取れ、英語、理科が足りていないようなら、英語、理科を強化したほうが合格しやすいと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2015年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
対数不等式。
真っ先に真数条件を検討しましょう。
正解しましょう。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つき2次関数の最小値が一致するように文字定数の範囲を定める問題。

関数全体に絶対値がついていれば0以上であり、素直にもう一方の最小値を求めに行こうと思えば、なんとか正解できると思います。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
三角関数の最大値の問題。
見た目で積和でしょう。
その後、文字定数αが含まれるので少し抽象的ですが、そんなに難しい話にはならず、類題は『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
確率と漸化式の問題。
よくありそうな話なのですが、かなり複雑なので、実戦的には大変でしょう。
丁寧に図を書いて調べて、なるべく、完答に近いところまで正解したいです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数Ⅲの微積分の問題。
(1)
問題文にしたがってyについて解いて、変曲点なので2回微分して、積や指数が複雑なので、対数微分法だな、と思えば、完答できるでしょう。
(2)
本問のS(p,q)のような設定は、『Focus Gold』(啓林館)には類題が載っていますし、他大でもよく出ます。
(3)
対称式を置き換え→2次方程式の解と係数の関係→実数条件→2次方程式の解の配置という流れは頻出で、入試標準問題集などには載っていると思います。
本問は1/3乗なので、これを対称式と見られるかどうか、でしょうか。
なるべく、完答に近いところまで正解したいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
見た目、数列の問題のようですが、問題文にも「内積」とあるように、ベクトルをn次元に拡張した、と考えると、(1)は教科書にも出てくる「ベクトルの大きさを2乗するとなんとかなる」技法が使え、ベクトルと同じように考えれば正解できます。
(2)も(1)の誘導を使い、文字を惜しみなく使えば、できると思います。
上記を含め、題意を把握できれば、もう少し取れるのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「全体として半分程度は得点したいところ」というコメントがあります。
 その程度なら、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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