大学受験合格のカギは人間的成長:藤沢秀行名誉棋聖と野村克也監督の共通点

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

藤沢秀行の名言と伝説

 

大学受験合格のカギは人間的成長:藤沢秀行名誉棋聖と野村克也監督の共通点

 

野村克也さんの指導理念「人間的成長なくして技術的進歩なし」

 2020年2月11日、元プロ野球選手、監督の野村克也さんが亡くなりました。ご冥福をお祈り申し上げます。

 野村克也さんは「人間的成長なくして技術的進歩なし」と強調していました。人間的成長なくして大学受験合格なし、ということですね。

 野村監督は、当塾から3kmほどの神宮球場が本拠地のヤクルトスワローズの監督時代の90~98年、弱いチームの代名詞だったヤクルトを率いて、9年間で4度のセ・リーグ優勝、3度の日本一に輝きました。それのみならず、プロ野球の監督は人材難で、チーム生え抜きの選手が監督にならないことも多いですが、野村監督のあとのヤクルトは、ほぼ、野村監督の弟子のヤクルト生え抜きの人が監督を務めています。監督業のみならず、弟子の古田敦也さんはプロ野球選手会長、宮本慎也さんは日本代表キャプテン、稲葉篤紀さんは現日本代表監督を務めています。選手のみならず、人の上に立つ人材を育てていた、ということでしょう。

 野村監督は川上哲治監督という人を見習ったそうです。川上監督は、当塾から2.3kmほどの東京ドーム(旧後楽園球場)が本拠地の読売ジャイアンツを率いて、1965~74年、9年連続でセ・リーグ優勝、日本一に輝きました。ミーティングでは人間教育を重視し、たとえば、選手に「履物をきちんとそろえて脱げ」と指導していたそうです。履物の件は、当塾の「塾生心得」にもありますね。

 

藤沢秀行さんの指導理念「人間がするものは人間を高めなければダメ」

 囲碁の故藤沢秀行名誉棋聖についてはこちら

成績の落ちない勉強法

 大学受験塾チーム番町と同じ千代田区五番町には、囲碁の日本棋院があります。秀行先生は、いろいろとデタラメな人ですが、「囲碁は人間が打つものだから、人間を高めなければダメなんだ」と公言していました。これはイロハのイだそうです。大学受験も人間がうけるものだから、人間を高めなければダメだ、ということですね。

 さて、秀行先生は、プロ棋士にも誰彼かまわず囲碁を教えていました。50代の時、新設された序列1位の「棋聖」位を6連覇し、名誉棋聖の称号を受けます。毎年の防衛戦は、自分が囲碁の面倒を見て、家でご飯をご馳走していた人達が挑戦してくる、自分の生活と名誉を脅かしに来る、ということになりました。7年目に、子供の頃から面倒を見た趙治勲名誉名人に棋聖位を奪われます。周りからはバカ呼ばわりされたそうですが、秀行先生は「己を磨くためにライバルを育てているんだ」と言い放ったそうです。

 秀行先生には藤沢一就八段というプロ棋士のお子さんがいます。トーナメントプロとしてはそこまででもないようですが、弟子がたくさんプロ棋士になっているようです。上野愛咲美三段(18)は現在、女流の5つのタイトルのうち2つを持っているようです。

 藤沢一就八段には藤沢里菜四段(21)という娘さんがいます。藤沢里菜四段は、現在、女流の5つのタイトルのうち3つを持っているようです。藤沢一就八段の弟子と娘で女流のタイトルを全部持っているということですね。すでに、この2人のタイトル戦が行われ、上野三段が藤沢里菜四段からタイトルを奪取しているようです。弟子が娘のタイトルを奪いに来るあたり、秀行先生に似ていますね(笑)。

 余談ですが、藤沢里菜四段は、昨年、NHK杯というテレビ棋戦で、かつて秀行先生から棋聖位を奪取した趙治勲名誉名人に勝ったそうです。公共の電波でおじいさんの敵討ちをしたということですね。

 

「人間的成長なくして大学受験合格なし」の根拠

 さて、「人間的成長なくして大学受験合格なし」には、科学的根拠はあるのでしょうか?

 フロイト(1856-1939)という、世界史や倫理の教科書にも載っている、心理学者、精神科医がいます。世間受けするからか夢判断が有名ですが、著書『精神分析入門』は、第2部「夢」の前に、第1部「錯誤行為」があります。錯誤は間違いという意味ですね。第1部「錯誤行為」では「忘却」についても考察されています。高校のテストや大学受験で点数を取れないのは、勉強した内容を「忘れる」からです。また、特に数学のテストでは、計算間違い、「錯誤」で失点することがあります。フロイトの言う「無意識」がどこまで科学的なのかはわかりませんが、人として成長するにつれて「無意識」も高みに向かう、ということはあるのかもしれません。いずれにせよ、世界史や倫理の教科書に載るような人が、錯誤、忘却について考察していたことは事実です。

 東大の脳科学の池谷裕二教授は、論文をたくさん引用した、ちゃんとした著書の中で「脳は生きるのに不可欠な情報以外は忘れる」と述べています。人と成長するにつれて責任感を持つようになり、大学受験の勉強を「生きるのに不可欠だ」と思うようになる、といったことはあるのかもしれません。

 私の現在の結論は、このあたりなのですが、どうなのでしょう?

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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