大学受験に成功するヒント集:世界3位の人の発信から考える

 

大学受験に成功するヒント集:世界3位の人の発信から考える

 

「大学受験勉強」と「遊びなど」の葛藤

 

・理性で打ち勝って勉強することが大切だと世間では言われている。

・為末さんは、「抑えられた自分は消えるのではなく、どこかにいる」と考える。「抑えた欲求は消えるものではない」「抑えきれるものでもない」。

 為末さんの周りの優秀な人達も、話を聞いてみると「教育虐待ギリギリだな」と思うことがある。なんとも言い難い傷を抱えている。本来の自分を開放することの罪悪感を持っている。自分が本当は何をしたいかをわからなくなっている場合もある。

・自分が何をしたいかを知っている
・適度にそれを爆発させられる
・健全な形で開放させられる、身の破滅を招くようではなく

 抑圧と解放のバランスの取り方が自分を扱う技術の一番の根幹。その根本にあるのが、自分は何を欲しているかを知っている、自分は何が足りないかを知っている。表面的な「ケーキが食べたい」などではなく、もっと奥にある自分の欲求の根源を知っておく。それを飼い慣らせるようになる。

塾長の意見

 たしかに、進学校で成績が壊滅的な人というのは、進学校に入学する前に(後も)保護者の方に欲望を抑圧されてきたような人が多いな、と思っています。
 忍耐力が異常に強い、または「お人形」のような人は、大学受験を成功し、就職も通ってしまうのかもしれませんが、為末さんによると、心に傷を抱えている人が多い、とのことです。塾長は、プライベートの人脈は健全な人が多いように思いますが、東大などであまり深く付き合わなかったような人達には、そういう人達が、それなりにいたのかもしれませんね。

 

大学受験で伸びる人が持つ良いこだわりは?

・大きな夢を持つかはあまり関係ない

・小さな目標が大切ではないか

 つまり、目先の勉強に取り組む前に、何をしようか、具体的な目標を持って、目の前のことに取り組む。そして振り返る。これを毎日クルクル回す。
 なんとなくではダメ。

塾長の意見

 普通の公立中学の陸上部で7年間に13回の日本一を達成された原田隆史先生は、「世の中の95%の人は、同じ間違いをくり返して停滞する。」「成功者は毎日、小さい段差の階段を上り続ける」とおっしゃっています。これに通じる話だと思います。
 大学受験で伸びる人は、まず、勉強に取り掛かる前に、その日の課題を持って、「同じ間違いをくり返さないように」意識する。そして、そのサイクルを毎日続ける。そうやって、段差の小さい階段を毎日上り続けると、気づいたら、とんでもない高みに達しているのだと思います。
 一方で、大学受験で伸びない人は、なんとなーく勉強をして、同じ間違いをいつまで経ってもくり返し、停滞する、ということだと思います。

 

大学受験で真面目にやっているのに伸びない?

 大前提として、真面目にやるに越したことはない。コツコツ真面目にやることが大切だし、最終的にはそれが効いてくると思う。
 一方で、社会は理不尽。真面目にやっている人が報われるわけではない。それでも努力した方がいいし、成功の確率は上がる。
 もう1つ。真面目な人が陥る罠。「全部真面目にやる」。多くの場合、トレーニングメニュー(大学受験で言うと宿題など)は全ての人に出す。そして、人によって合う、合わないがある。その中で、サボっているように見えても、何が重要かを見極めて、そこだけがんばって、後は適当にやっている、という場合もある。あまり重要ではないことに労力を割かない。効率よく頑張っている可能性もある。
 真面目な人は、全部頑張ってしまい、疲れ、力が発揮できない。

塾長の意見

 トップ進学校の中位層以上の女子というのは、基本的に、非常に優秀で、細部を詰めるのが得意です。一方で、そのような女子が国立大学を受験する場合、共通テスト、国立二次と、受験の範囲が広大であるにも関わらず、全てにおいて細部を詰めようと思って、結局は全体最適を失っている、というケースは、世の中では多いのではないかと思います。
 当塾では、塾長がそのような女子に大局観を示すことにより、女子が大学受験で大成功するケースが多いです。

 チンギス・ハーンの側近であったと言われる耶律楚材は「一事を興すは一害を除くに如かず」と言ったそうです。1つの新しいことを始めるより、1つ害になっていることを辞めるほうが優れている」ということです。また「重要な順に上位2割を終わらせると、全体の8割が終わっている」という「パレートの法則」と呼ばれる法則があります。上記の「何が重要かを見極める」ということですね。

 学校の先生も、科目を横断して「全体最適」など考えず、1人1人が勝手に宿題を出しているケースがほとんどでしょう。あちらがその程度の意識なのだから、こちらもその程度で相手をしていればいいと思います。

 もちろん、日常は、真面目、誠実が一番です。ただ、そういう人がバカを見る世の中であってはならないと思います。

 

医学部受験 面接でうまく話すには?

 中高生が人前でうまく話せないのは、言葉の問題と言うよりも、過剰に自意識とかが湧いてきて、うまく話せないのだろう。

・間を恐れない

 5秒とか10秒とか間があっても気にならないので、十分考えてから話して良い。

・原稿を覚えて行かない

 言いたいことだけを思い浮かべて、あの手この手で話す。講演では定説だが、原稿を覚えようとする人はアドリブが効かない。質問に弱い。原稿の上にある、何を言いたいかという抽象的なことをイメージできていない。自分が何を言いたいかが大切。
 言いたいことは多くて3つ、理想は1つ。なぜ、この医学部に入りたいか。

・相手に伝えようとする

 何を伝えたいかがあるのが大切

 

 自己PRはパラドックス(逆説的)で、自分の何がいいかを語る人より、自分は何をしたいか、どんな社会にしたいか、どういうことが好きか、といった人のほうが印象に残る。

 

大学入試共通テストで緊張した時、力を出し切る方法

 

・緊張というのは悪いものではない

 緊張しすぎてもしすぎなくても良いパフォーマンスは出ない。「緊張してはいけない」と思うのが良くない。「緊張してはいけないと思うほど緊張する」という悪循環が良くない。「緊張してるけど、まあ、べつにいい」くらいの感覚がいい。

☆塾長の補足

 人類はその600万年の歴史のほとんどを狩猟採集生活をしてきました。例えば猛獣に出会った時、上記のように、適度な緊張はパフォーマンスを上げ、逃げ足を早くしたはずです。また、猛獣に噛まれた時、緊張で硬直すると、出血を少なくすることができたはずです。緊張は人類を救ってきたのです。
 スタンフォード大学での研究に基づいた『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(大和書房)では、緊張していたら「興奮している証拠だ」などと考えると、パフォーマンスが上がると述べられています。

・注意の固定

 眼の前のものに目を向ける。深呼吸しながら見る。自分の内側にベクトルを向けない。

・うまくやろうとしすぎない

 50の力しかないのに55の力を出そうとしない。今日やれることをやるしかないと開き直る。

 

大学受験の成績「中途半端」と「バランスがいい」の違い

 「中途半端」は直線的、「バランスがいい」は複合的な場合に使う。

 海外で25歳まで陸上競技を極めたいと思っている人が、「経験したほうがいいのはわかっているんですけど、状況が色々あって、自分の出身大学で練習しようと思っています。」というのは中途半端。単線的なのに、思いっきり力を出し切れていない。
 「陸上競技も引退後もあるので、週3~4日トレーニングをして、会社には説明して。」というのはバランスが良い。矛盾するコンセプトをまとめて、自分なりにやっていく。

 自分の中の「ものさし」で中途半端なら中途半端。

 どうやって「ものさし」を作るのか。
 人生のある時期での没頭体験ではないか。何でもいいのでハマった経験があると「没頭する、夢中になるってこういうことなんだ。バランスを欠いてでも走るってのはこういうことなんだ。」っていうのがわかってると、それに対して中途半端だと思ったり、バランスの取り方がわかったりするのだろう。

 自分の中で気がついていくしかないのだろう。

塾長の意見

 国立大学入試、特に東大あたりは、共通テスト、国立二次の科目数が多く、成績がギリギリ程度の人は、バランス感覚が大切になります。大学入試の総合点が最大化するような戦略を取る。
 また、有名企業に就職して、まあまあの給料が貰えればいい。医師免許を取って、まあまあ患者の役に立てればいい、という人は、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」をバランス良く身につけると生きやすいでしょう。
 そして「幸せになりたい」という場合も、お金だけでは足りず、ある研究によると、お金の他に「仕事の幸福」「人間関係の幸福」「身体的な幸福」「地域社会の幸福」のレーダーチャートの五角形の形が大きくバランスが良いことが大切とされます。

 一方で、何か、大きなことを成し遂げたい、という場合、バランスの良い人間ではダメで、何か突き抜けた能力を身につけることが必要になるでしょう。
 また、大学受験はバランスが必要とは言え、たとえば今の自分では受からなそうな大学に受かりたい場合、なにかバランスを失して突き抜ける必要があるでしょう。その一方で、今の自分には受からなそうな大学に受かりたいと思っているにも関わらず、塾長から見ると、取り組みが中途半端、という人が多い。その結果、志望の国立大学のレベルに全く届かず、浪人する覚悟もなく、そのあたりの入れる国立大学を受ける。元の志望国立大学のための固有の対策は、そのあたりの入れる国立大学では出題されず、無駄になる。こういうのも中途半端だなあ、と思います。

 そのような場合、たしかに、過去の没頭体験、といったものが欠けている、自分の中に「ものさし」が無いようなケースが多いのかもしれませんね。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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