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大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

整数問題攻略の7つのポイント

 

(1)積の形にする
(学校採用教材レベルの技法)

 

(2)文字をたくさん使ってもなんとかなる場合が多い。

 

(3)「自然数」「整数」など、とびとびの値しかとらない場合(離散的)、n=1,2,3…などと実際にやってみて、あたりをつける。

 

(4)何かで割った余りで場合分けする。
(教科書にも出てくる技法)
例の3k,3k+1,3k+2などです。
余りと関係なさそうな問題でも、この技法でうまくいく場合があります。

 

(5)「素数」という文言を見たら…

・その素数をpとする。
 (整数)×(整数)=pと変形できたら、積の組み合わせの可能性は
 (1,p),(p,1),(-1,-p),(-p,-1)
 のみである。

・(素数)≧2

・偶数の素数は2のみ、3の倍数の素数は3のみ、…。

・連続する2自然数が素数なのは2と3のみ。

 

(6)その他、教科書、チャート式やFocus Goldあたりに載っている技法を使いこなせるのはアタリマエ。

 

(7)整数問題が多く出る大学でも、平均的な合格者は完答はできていない場合も多い。
(6)が漠然としていますが、(1)~(6)あたりを駆使しても解けない整数問題は、平均的な合格者は解けていない、合否を分けていない問題である可能性が高いです。

 

大学入試数学の整数問題とデリダ

 デリダは「現前の形而上学批判」において、言語や記号の背後に実在や本質があるという考えを疑問視しました。整数問題も同様に、数学という学問の真理性や普遍性を前提としているように見えます。しかし、整数という概念自体が歴史的・文化的に構築されたものであり、その意味は決して一義的ではありません。整数問題は、数学という学問の自明性を問い直す契機となるのです。

 また、デリダの「脱構築」の戦略は、テクストに内在する矛盾や曖昧さを明らかにし、既存の概念を解体していくことを目指しました。整数問題も、一見すると明確な問題設定と解法を持っていますが、その前提には様々な暗黙の了解や価値観が潜んでいます。例えば、整数問題が「正解」を求めるという発想自体が、ある種の権力構造を反映しているとも言えるでしょう。

 さらに、デリダの「贈与論」の視点から見ると、大学入試という制度は、知識を選抜と交換の対象としてしまう危険性を孕んでいます。整数問題を解くことが、大学への入学という見返りと結びつけられることで、数学の学びが本来の目的を見失ってしまうのです。

 ただし、整数問題が持つ教育的な意義を全否定することはできません。デリダの「ホスピタリティ(歓待)」の思想が示唆するように、他者を無条件に受け入れることは不可能である一方で、他者に開かれようとする努力は不可欠です。整数問題に取り組むことは、数学という他者の論理に触れ、思考を深める機会にもなり得るのです。

 重要なのは、整数問題を絶対視するのではなく、常にその意味や役割を批判的に問い直していくことです。デリダの「スペクトル(亡霊)」の概念が示すように、整数問題には、既存の数学観を揺るがす亡霊が潜んでいるのかもしれません。その亡霊に耳を傾け、新たな数学教育の可能性を模索していくこと。それこそが、デリダの思想が「大学入試数学の整数問題」に投げかける問いなのではないでしょうか。

 

大学入試数学の整数問題とプラグマティズム

 まず、整数問題は、数学的思考力を鍛えるための有効な手段です。整数は、私たちの日常生活に深く関わる数の概念であり、整数問題を解くことで、論理的思考力や計算能力が向上します。これらの能力は、大学での学習や将来の仕事において、幅広く役立つことでしょう。

 また、整数問題は、問題解決のための戦略を学ぶ機会でもあります。整数問題では、問題の本質を見抜き、適切な解法を選択することが求められます。これは、現実の複雑な問題に直面した際にも応用できるスキルです。問題をいかに分析し、解決策を導き出すかという経験は、あらゆる分野で役立つはずです。

 プラグマティズムは、知識の社会的な性格を重視します。整数問題を解くためには、数学の教科書やインターネット上の情報だけでなく、教師や仲間との対話を通じて理解を深めることが大切です。自分の考えを説明し、他者の視点を取り入れることで、問題解決の幅が広がります。この協働的な学習のプロセスは、社会で求められるコミュニケーション能力やチームワーク力を養う良い機会となるでしょう。

 さらに、プラグマティズムは、知識の実用性を重視します。整数問題で培った数学的思考力は、単に試験で点数を取るためだけのものではありません。それは、現実の問題解決に応用できる実践的な能力なのです。例えば、経済学や経営学、情報科学など、多くの分野で数理的な思考が求められます。整数問題を通じて鍛えた思考力は、これらの分野で活躍するための土台となります。

 また、プラグマティズムは、知識の絶対性を否定し、常に改訂の可能性を認めます。数学の世界でも、新しい理論や解法が次々と生み出されています。整数問題に取り組む中で、既存の知識を疑い、新しい発見を求める姿勢が養われます。これは、急激に変化する世界で求められる、生涯学び続ける態度につながるでしょう。

 最後に、プラグマティズムは行為の重要性を説きます。整数問題で得た知識や思考力は、実際に問題を解決する行動に移されてこそ意味があります。受験生は、整数問題への取り組みを通じて、粘り強く考え抜く習慣や、失敗を恐れずにチャレンジする勇気を身につけることができるはずです。

 以上のように、プラグマティズムの観点から見ると、大学入試数学の整数問題は、単なる受験のための訓練ではなく、現実世界で役立つ実践的な能力を養う機会となっています。それは、論理的思考力や問題解決能力を鍛え、社会で求められるスキルを身につける第一歩なのです。受験生は、整数問題に真摯に向き合うことで、自らの可能性を広げ、より良い未来を切り拓いていくことができるでしょう。

 

大学入試数学の整数問題とフランクフルト学派

 大学入試数学の整数問題は、一見すると中立的で普遍的な知の領域に属するように思われます。しかし、フランクフルト学派の視点から見れば、それは現代社会の病理を反映した、イデオロギー的な装置であると言えるでしょう。

 まず、整数問題は、数学という学問の中でも特に抽象度が高く、現実世界との関連性が薄い分野に属しています。これは、アドルノが批判した「道具的理性」(ある目的を達成するために、効率的に考える力)の典型例と言えます。整数問題を解くための技術は、現実の問題解決には直接役立たない、自己目的化した知性の産物なのです。

 また、整数問題は、受験生に対して、定められた型通りの思考を強いる側面があります。問題の型に沿って、機械的に解法を適用することが求められ、創造性や批判的思考は抑圧されます。これは、画一化された大衆文化を生み出す「文化産業」と同様の構造を持っていると言えるでしょう。

 さらに、整数問題が入試の重要な位置を占めていることは、「数学ができること=知的であること」というイデオロギーを反映しています。この種の問題を速く正確に解けることが、社会的成功の指標とされる傾向があるのです。しかし、これは知性の本質を見誤った、抑圧的なメッセージに他なりません。

 エーリッヒ・フロムの観点からすれば、整数問題に没頭する受験生は、自己疎外の状態に置かれていると言えます。彼らは、自らの興味や関心とは無関係に、受験という外的な目的のために学習を強いられるのです。この種の勉強は、フロムが重視した「生産的活動」とは対極にあります。

 ただし、ハーバーマス的に見れば、整数問題は「コミュニケーション的行為」の一種とみなすこともできるかもしれません。受験生同士が解法を議論したり、教師が生徒に問題の意味を説明したりする過程では、相互理解が生まれる可能性があるからです。しかし、その場合でも、議論の前提となる問題自体の妥当性は、批判的に吟味される必要があるでしょう。

 以上のように、大学入試の整数問題は、フランクフルト学派の思想からすれば、現代社会の病理を凝縮した存在と言えます。それは、道具的理性の暴走、文化の画一化、イデオロギーの再生産、人間疎外といった問題を孕んでいるのです。もちろん、数学教育そのものを全否定することはできませんが、少なくとも、整数問題を無批判に受け入れるのではなく、その意味と限界を批判的に考察することが求められます。そうすることで初めて、数学と人間の解放的な関係を取り戻す道が開かれるのではないでしょうか。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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京大数学2018~

 

京大数学2018~

 

2018年京都大学文系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
共通接線の話は、『Focus Gold』(啓林館)あたりにはまず載っています。
計算は少し大変そうです。
理系の大問1も共通接線の問題でした。
完答すべきです。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
三角比、三角関数と微分の融合問題です。

(1)
QRを求めることと∠BAPを使うことから逆算して頑張れば解けると思います。
図形の入試標準問題に慣れておいたほうがいいでしょう。

(2)
(1)ができれば普通の微分の問題です。
完答すべきです。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
整数問題です。
理系の大問2と共通問題です。

具体的にn=1、2、3…とやってみて、あたりをつけるのが定石でしょう。
そうすれば方針が見えると思います。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、整数は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問4

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はD。
四面体の問題。
理系大問6と共通問題です。

(1)
垂直を示す問題。
ベクトルでも初等幾何でもいいでしょう。
四面体の線分の垂直をベクトルで証明する問題は『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。

(2)
ちょっと思いつきにくいと思います。
合格には(1)ができればいいと思います。

 

大問5

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
確率の問題。
Xnが最大と最小になる場合とそれからいくつかを具体的にやってみて、問題を把握すると、確率の入試標準レベルの問題になると思います。
完答も狙えるでしょう。
大問3でも述べましたが、nを含んでよくわからない問題は、具体的にやってみることが大切です。

大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

京都大学文系数学の傾向と対策と勉強法

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、上記のように、3~4完+部分点が狙えます。
合格点を大きく上回るでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2018年京都大学理系数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
(1)
共通接線の話は、『Focus Gold』(啓林館)あたりにはまず載っています。
文系の大問1も共通接線の問題でした。
(2)
軌跡、領域の問題。
原型になるような問題は『Focus Gold』(啓林館)あたりにはまず載っていますし、このくらいちょっといろいろやる程度の問題も入試標準問題集には載っているでしょう。
完答すべきです。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
文系の大問3と共通問題です。
整数問題です。

具体的にn=1、2、3…とやってみて、あたりをつけるのが定石でしょう。
そうすれば方針が見えると思います。
完答すべきです。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
半径1の円に内接する等脚台形の4辺の積の最大を考える問題。

まあ、半径1を使うために、円の中心から頂点に補助線を引くものでしょう。
図形問題で最大最小を考えるときは、角をθとおく選択肢を常に頭においておきましょう。
このくらいで、4辺の積を三角関数の最大値に帰着できそうだな、と思えれば、完答も狙えるでしょう。

 

大問4

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
複素数平面と確率と漸化式の融合問題です。
複素数平面の図形的な読み取りは教科書基本レベルで、確率と漸化式の部分も入試標準問題集ではよくあるような話です。
完答すべきです。

 

大問5

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
微分、積分、弧長の問題。
(1)
ゴリゴリやれば出るでしょう。
(2)
ちょっと計算の途中の工夫が大変かもしれません。

 

大問6

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はD。
四面体の問題。
文系大問4と共通問題です。
(1)
垂直を示す問題。
ベクトルでも初等幾何でもいいでしょう。
四面体の線分の垂直をベクトルで証明する問題は『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。
(2)
ちょっと思いつきにくいと思います。
合格には(1)ができればいいと思います。

 

京都大学理系数学の傾向と対策と勉強法

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、上記のように、3完+(2半~1完2半)ほどが狙えると思います。合格点を大きく上回るでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

【2024】上智大学理工学部 数学 難易度と傾向と対策:教科書+黄チャートで合格へ

 

【2024】上智大学理工学部 数学 難易度と傾向と対策:教科書+黄チャートで合格へ

 

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慶應義塾大学理工学部数学

千葉工業大学数学

 

上智大学理工学部入試の数学で悩んでいる人へ

 上智大学理工学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、上智大学理工学部の数学は、教科書の理解、基本問題と黄チャートあたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、入試問題への慣れが必要です。)
 この記事を読むと、上智大学理工学部数学の難易度(『合否を分けたこの1題』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

上智大学理工学部入試における数学の重要性

 上智大学理工学部の数学の配点は、TEAP利用型は150/400、3教科型は200/600です。見た目だけでも、配点の1/3以上を占めていますね。 
 また、2024年のように、難易度がAAC/BBDで、Cもなんとかなりそう、Dも最後の小問以外はいけそうな場合、黄チャートあたりを網羅している人は、ほぼ全問解けるので、数学が苦手な人は、かなり、差をつけられてしまいます。その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、上智大学理工学部入試における数学の重要性がわかると思います。

 

上智大学理工学部入試、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 上智大学理工学部入試の数学は、当然、難しい出題もあります。完答できなそうな問題など、珍しくありません。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2024年 上智大学理工学部(TEAP) 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞はかつて合格者の平均点を調査していました。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 上智大学理工学部は、東大理Ⅰ、理Ⅱあたりより、はるかに合格しやすいと言えるので、Bを完答、CはBレベルの部分点、という戦略で、はるかに合格点を超えることができます。

 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

第1問

(1)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
ユークリッドの互除法で解く一次不定方程式の問題です。

教科書に数値が違うくらいの問題が載っているので、解けます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
複素数平面と対数の融合問題です。

問題文に「極形式で表したとき」と親切にありますし、愚直に計算するだけで、教科書レベルの組み合わせと言えるので、解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
対数の問題です。

ウはlog101.28の値を求めるだけなので、教科書レベルか少しだけ上程度と言え、解けます。
エが難しいので、難易度Cなのだと思います。ただし、論述式ではないので、おおまかな値をアタリをつけて、適していたら正解、というのが実戦的だっただろうと思います。そうすれば、完答も可能だったかと思います。

 

第2問

『大学への数学』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
dベクトルをa,b,cベクトルで表す問題です。
教科書基礎レベルと言え、解けます。

(2)
aベクトルとcベクトルの内積の値を求める問題です。
問題文で内積の値が2つ与えられています。また、ABCDは長方形なので、内積0が使えます。このくらいで解けます。全く難しくありませんが、教科書や黄チャート本文あたりにそのまま載っているわけではないので、少し、入試問題に慣れていたほうがいいかもしれませんし、上智理工受験生なら大丈夫かもしれません。

(3)
Oから平面αに下ろした垂線の足をHとしたとき、OHベクトルをa,b,cベクトルで表す問題です。
本問は四角錐ですが、三角錐について、ほぼ同じ問題が黄チャート本文あたりにそのまま載っているので解けます。

(4)
長方形ABCDの面積を求める問題です。
教科書通り「ベクトルの大きさは2乗せよ」の格言で、縦と横の長さが求まるので、解けます。

(5)
四角錐の体積を求める問題です。
(3)で述べた黄チャート本文あたりにそのまま載っている問題は、体積まで求めます。本問も、あとは高ささえわかればいいです。それは(3)のOHベクトルの大きさなので、教科書通り「ベクトルの大きさは2乗せよ」の格言で解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『大学への数学』誌の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
関数のグラフを書いて極値を求め、グラフの概形を書く問題です。

 

上智大学理工学部数学の勉強法と傾向と対策

 上智大学理工学部の数学は、大問4問、試験時間90分です。

 2024年は『合否を分けたこの1題』誌の難易度はAAC/BBDと、かなり、ばらつきがありました。ただし、これは完答の難易度です。最初のCは小問で、しかもなんとかなりそうですし、最後のDも小問集合なので、最後の小問以外は正解できそうな感じでした。B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、はるかに合格点を超えます。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で十分達成できます。

 数3の微積分は、毎年出題される傾向があります。空間ベクトルもよく出題される傾向があります。最初に小問集合があるので、全分野から、満遍なく出題される傾向があります。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

上智大学理工学部数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、黄チャートあたりの上智大学理工学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、上智大学理工学部レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなすといいでしょう。過去問の場合、月刊『大学への数学』誌の難易度C問題は、平均的な東大理系合格者も完答できていない場合が多いので、難易度に気を配りながら取り組むといいと思います。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、微積分、確率、ベクトルなどの頻出分野から優先順位をつけて、黄チャートや年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年 上智大学理工学部(TEAP) 数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

(1)
44311と43873の最大公約数を求める問題です。
やや数字は大きいですが、ユークリッドの互除法を使えばよく、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
(2・7・11・13)20のケタ数を求める問題です。
途中、厳密には、常用対数の値の評価が必要になりそうですが、本問は論述式ではないので、厳密にやらなくても正解はできると思います。そう考えると、教科書に載っているケタ数を求める問題と、そう変わりません。かつ、全出題の全体最適を考えると、それが実戦的だったかと思います。

(3)
数列(漸化式)と極限の問題です。
前半は、与式を連立すると、3項間漸化式に帰着されます。このあたりの操作は、チャート式などの連立漸化式のところに別解として載っていることが多いと思います。あとは、問題文の解答の形を目指して自然にやっていけばいいですが、教科書やチャート式などには、そのままは載っていなそうなので、ちょっと、入試問題に慣れていたほうがいいのかな、という気がします。
後半は、教科書レベルの特性方程式で解く漸化式と極限の問題なので、解けます。

 

第2問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題です。

(1)
立方体を平面で切ったっときに、どの辺と交わるか、の問題です。
小学生でもわかりそうなので、解けます。

(2)
OPベクトルをa,b,cベクトルで表す問題です。
相似に気づけば、ベクトルの基本的なたし算で、数秒で解けます。「中点」などとあるので、相似を使うことは考えたいところです。

(3)
断面の面積を求める問題です。
四角形の面積なので、三角形に分割すると見通しがいいかもしれない、というのは、数1の教科書の三角比に出てくるのでいいと思います。その2つの三角形は高さが等しいので、底辺の比が面積比、というのも公立中学校レベルです。では、1つの三角形の面積はと言うと、全体としてベクトルの問題なので、ベクトルで三角形の面積を求める例の式が見通しが良さそうです。したがって、最高でも教科書レベルの組み合わせといえ、解けます。

(4)
切断されてできる立体のうち、頂点Aを含むものの体積を求める問題です。
これも、相似比と体積比の関係を使うと見通しが良く、簡単に解けます。高校受験生のほうが得意かもしれません。まあ、こう考えるのが一番早いと思いますが、点と平面の距離の公式を使って高さを出す、といった、大学受験生っぽい解き方もあります。

(5)
平面πと線分BCの交点をQとし、Qは線分CDを何対何に内分するかと、OQベクトルをa,b,cベクトルで表すことを問う問題です。
直線CD上にあるので、s倍とでも置く、平面π上にあるので、OM、ONベクトルの1次結合で表せる、など、黄チャートあたりに載っている技法を使えばいいので、解けます。
完答しましょう。

 

第3問

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数2、数3の微積分の問題です。

(1)
4次関数の最小値を求める問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(2)

(ⅰ)
回転体に水を注いだときの水面の面積を求める問題です。
一見、2重根号なども出てくるので、複雑そうに見えますが、ゴリゴリやると、意外に簡単に解けます。水面はドーナツ型をしています。

(ⅱ)
水面がy=0になった時の水の体積を求める問題です。
(ⅰ)は、つまり、切り口の面積を求めた、ということですから、(2)を積分すると出ます。したがって、教科書レベルと言え、解けます。
大学受験数学においては、小問集は前の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。

(ⅲ)
水面の面積が時間の何乗に比例するかを求める問題です。
Focus Goldあたりには、このような水を入れていく問題があり、このあたりから、そのような問題の経験があったほうが見通しがいいかな、と思います。経験があっても、やや難しいかもしれません。たとえば「2乗に比例する関数」というのは公立中学の中3で習います。一方で、日頃から「何乗に比例する」といったことを深く考えてこなかった人は、何をすればいいかわからなかったかもしれません。

(ⅳ)
水面がy=2になった時の水面の面積と体積を求める問題です。本問のほうが(ⅲ)より簡単でしょう。
水面は、単なる円になっています。(ⅰ)のドーナツ型の外側の円なので、求まります。
体積も(ⅱ)でy=0までは求めてあるので、あとは0≦y≦2を求めます。この積分も難しくありません。したがって解けます。

 

第4

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
不等式の証明の問題です。
教科書通り、(右辺)-(左辺)≧0を示しに行きます。微分して増減表を書くのも教科書通りです。したがって解けます。

(2)
不等式の証明の問題です。
自然数nについての証明なので、数学的帰納法で行くのはいいと思います。
形はやや複雑ですが、(1)同様、(右辺)-(左辺)≧0を示しに行きます。数学的帰納法のn=1を示すときに、(1)の結論を使えます。見た目は複雑そうですが、教科書通り、単調増加性と左端の値を調べることで、0以上を示せます。したがって解けます。

(3)
定積分の近似値を求める問題です。
大学受験数学においては、小問集は前の結論を使うのではないか、という考え方が大切です。
大学受験数学ではよくある流れで、(2)の式を(3)の与式に向かって変形していきます。そうすると、正解への道のりは、比較的簡単に見えてきますが、計算がかなり大変です。時間との関係も考え、計算の前までで部分点を狙う、というのが実戦的かもしれません。理論的には完答も可能です。
ただ、黄チャートあたりに直接載っているような問題ではないので、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)あたりで入試問題に慣れておくことが大切かと思います。

 

上智大学理工学部数学の勉強法、対策

 2023年は『合否を分けたこの1題』誌の難易度はBBCBでした。ただし、これは完答の難易度です。第3問のCも小問小問集合で、(2)の(ⅲ)以外は解けそうでした。むしろ、第4問の最後の計算がきつかったかと思います。B問題の完答、C問題のBレベルの部分点、という方針で、はるかに合格点を超えます。
 以上は、黄チャートあたりを網羅し、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題(頻出標準問題)や過去問をこなす、といった勉強法、対策で十分達成できます。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、黄チャートあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2023】千葉工業大学 数学 難易度と傾向と対策は?:教科書+過去問演習で合格点!

 

【2023】千葉工業大学 数学 難易度と傾向と対策は?:教科書+過去問演習で合格点!

 

上智大学理工学部数学

 

千葉工業大学入試の数学で悩んでいる人へ

 千葉工業大学数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、千葉工業大学の数学は、教科書の理解、基本問題でほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、過去問を解くなどで慣れたほうがいいです。)
 この記事を読むと、千葉工業大学数学の難易度、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

千葉工業大学入試における数学の重要性

 千葉工業大学の数学の配点は、おおむね、3科目型だと全体の1/3、2科目型だと全体の1/2です。全体に占める配点の割合だけでも、重要さがわかりますね。
 また、数学は、前半の大問は独立した小問集合ですが、後ろの大問に行くにつれて、前の小問を解けないと先に進めない出題になる傾向があります。他の受験生が解けている問題が、教科書レベルに抜けがあることにより、先に進めないと、その失点を他科目で取り返すのは、厳しくなります。
 以上より、千葉工業大学入試において、数学は重要と言えます。

 

千葉工業大学入試数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。

 千葉工業大学入試の数学は、前半は教科書レベルで解ける問題が多く、ほぼ完答できなければいけないのですが、あまりプレッシャーに感じると、実力を発揮できないかもしれません。一方、後半の大問の後半の小問は、難しいことが多いです。
 仮に、前半の簡単な問題や、後半の難しい問題を見て、解けなそうな時、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。簡単な問題の場合、落ち着けば、解けるかもしれません。難しい問題の場合、ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

千葉工業大学入試数学、近年の傾向、難易度

 全問、マーク式の入試です。

 千葉工業大学は理系大学ですが、数学3C(ベクトル除く)が出題されず、いわゆる文系数学の範囲のみが出題されます。

 最初の大問の独立した小問集合は、教科書の理解で正解できることが多い難易度である傾向があります。その後の大問も、前半は教科書の理解で正解できる難易度であることが多いです。合格点が6割だとしても、それで、他の受験生に十分に差をつけることができます。

頻出分野

 大問1に独立した小問集合があることもあり、数学1A2B+ベクトルから、まんべんなく出題されている傾向があります。

 

 

2023年 千葉工業大学2月1日 数学:難易度、どのくらい取れば合格点か

 

大問1

(1)
複素数が純虚数になるようaの値を定める問題です。
分母を実数化し、(実部)=0とおけばいいので、教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。

(2)
整式の割り算の問題です。
数値が違うだけで全く同じ問題が教科書に載っているので解けます。

(3)
与式が恒等式となるようなa,bの値を求める問題です。
このような分数型の恒等式も教科書に載っているので、解けます。分母を払えば、普通の恒等式の問題になるだけの話です。

(4)
平行四辺形の対角線の長さを求める問題です。
cos∠abc=1/4なので、平行四辺形より、cos∠bac=-1/4です。したがって2辺と狭角のcosがわかり、余弦定理が使えるので、教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。

(5)
指数方程式の問題です。
根号を外して分母を払うという、教科書には載っていない類型ですが、そうすれば、教科書レベルと言えます。全く難しくありませんが、千葉工業大学の過去問などで、このような、ひねった出題に慣れておいたほうがいいでしょう。

(6)
集合のところに出てくる、「かつ」「または」を含む、2つのベン図で考える問題です。教科書よりは少し難しいですが、少しだけなので、教科書の勉強だけでも解けたいです。

(7)
3点が同一直線上にあるときの点Pの座標を定める問題です。
平面αのy座標が4なので、3点すべてのy座標はわかっています。大雑把に図でも書くと、内分、外分の考え方でいけることがわかりますが、教科書にそのまま載っているような問題ではないので、千葉工業大学受験生には難しかったかもしれません。

(8)
数2の整関数の定積分を計算する問題です。
教科書基礎レベルと言え、解けます。

 

大問2

(1)
 三角関数とデータの分析の融合問題です。
 最初は平均値を求めるだけなので、教科書レベルと言え、解けます。ただし、問題文の形に変形するのは半角の公式を使いますが、これも教科書そのままなので、大丈夫でしょう。
 問題文の平均値が、三角関数の合成をできる形になっています。これが有名角では合成できません。有名角で合成できない形も教科書に載っているので、最大値を求めるまでは教科書レベルと言え、解けます。
 最後の中央値の考察が、教科書を超え、チャート式あたりをこなしていないと厳しい出題です。ただ、大学受験は満点を取らなくてもいいので、この最後の1問はできなくても合格できます。

(2)
 対数と図形と方程式(領域(本問は図形ですが)と最大・最小)の融合問題です。
 1つ目の問題は、置きかえの誘導があるので、素直に載ると、与式が円を表すことがわかります。これは、対数、円ともに教科書レベルと言え、解けます。
 2つ目の問題が、教科書の領域と最大・最小の類題です。ただし、本問は図形が円で、この類型は教科書には載っていません。黄チャートあたりには載っていますが、どうかなというところです。ただ、こちらは解けなくても合格点だと思います。

 

大問3

(1)
確率漸化式の問題です。
教科書にも「発展」のところに載っているレベルの問題なので、解けます。

(2)
 空間ベクトルの問題です。よくある、四面体の底面の点の位置ベクトルを「係数をたして1」から求める問題です。
 最初の問題は、三角形の重心の位置ベクトルを求めるだけなので、教科書基礎レベルと言え、解けます。
 これ以降が、点Hが平面ABC上にあるので、「係数をたして1」を使います。これが、黄チャートあたりには載っていますが、教科書には、そのままは載っていないので、どうかな、というところかと思います。

 

大問4

絶対値つき関数と微分の融合問題です。

(1)
誘導にしたがって、曲線の式の絶対値を外すだけなので、教科書基礎レベルと言え、解けます。

(2)
 曲線Cと折れ線lが異なる3つの共有点を持つようなkの値の範囲を求める問題です。曲線と折れ線は、絶対値を場合分けして外すxの範囲は同じです。しかも曲線Cはx<0では直線です。したがってx<0で1つの共有点は傾きを考え、x>0で2つの共有点は、色々考察すると判別式が正の一発で出ることがわかります。ただ、このあたりが教科書を超えているので、千葉工業大学受験生には難しいかもしれません。

(3)
 前半は、直線の交点のx座標を求めるだけなので、中学レベルと言え、解けます。
 後半は、直線と放物線の2交点の距離を求める問題です。黄チャートあたりには、解と係数の関係を使う鮮やかな解き方が載っていますが、教科書には載っていないので、どうかな、というところかと思います。千葉工業大学受験生には難しいかもしれません。

(4)
 三角形PQRの面積と最大値を求める問題です。三角形PQRの面積を求めるまでの考察が何段階かあるので、千葉工業大学受験生には難しいかと思います。解けなくても合格点を取れます。
 

千葉工業大学数学の勉強法と傾向と対策

 千葉工業大学の数学は、大問4問、試験時間80分。数3C(ベクトル除く)が出ません。いわゆる文系数学が出題範囲です。大問1が独立した小問集合であることもあり、まんべんなく各分野から出題されている傾向があります。

 出題は「教科書レベルの組み合わせ」と言える難易度のものがほとんど、という傾向があります。教科書に載っていない、新たな技法をマスターする必要はありません。そのような問題、上記で「教科書レベルの組み合わせと言え」とされていない問題は、解けなくても、明らかに合格点に達します。

 問題は、「教科書レベルの組み合わせ」の問題も、教科書だけやっていれば解けるようになるわけではないので、どう対策するかです。まあ、実際に、「教科書レベルの組み合わせ」の問題に取り組んで慣れるのが一番いい対策だと思います。具体的な教材は、次の項で考察します。

 

千葉工業大学数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。

 基幹参考書は、教科書だけで受からないかなあ、と思います。

 たとえば、白チャートあたりの参考書に進む、という選択肢もあります。しかし、白チャートに進むということは、教科書に載っていない新しい技法をマスターするという面も大きく、千葉工業大学の「教科書レベルの組み合わせ」とは、方向性が違い、コスパがかなり悪い、という面が大きいです。

 年度別『入試問題集』(数研出版)という参考書が毎年発売されます。その年の入試で出題された問題が、たくさん載っています。この年度別『入試問題集』は、分野ごとに難易度順に並んでいるので、最初の数問がちょうど千葉工業大学レベルの難易度のことも多いです。

 千葉工業大学の過去問を多く解けるようにするのも、もちろん、「教科書レベルの組み合わせ」が多く載っていますから、一番良い対策と言えます。

 また、千葉工業大学と同レベルの大学の過去問を多く集めて解けるようにするのも、良い対策でしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、それより下のレベルの難易度(千葉工業大学なら教科書)に抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

 

2022年 千葉工業大学2月1日 数学:難易度、どのくらい取れば合格点か

 

大問1

(1)
 (x+1)(x+3)(x+5)(x+7)を展開したときのx2の係数を求める問題です。
 xを2つ選んで掛けると、つまり、定数項も2つ選んで掛けることになるので、それを全て足す、というのが早いです。ただ、最悪、愚直に全部展開しても答えは出るので解けます。

(2)
放物線の平行移動の問題です。
教科書にも載っているので、解けます。

(3)
データの平均値と分散についての問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(4)
整式が整式で割り切れるときのaの値を定める問題です。
愚直に割り算を実行して、(余り)=0とすればいいので解けます。

(5)
円が直線を切り取る線分の長さを求める問題です。
最近は教科書にも載っているので、解けると思います。黄チャートあたりには載っています。

(6)
 見た目が複雑そうな指数方程式です。
 ただ、自然に変形していけば解ける形になるのですが、千葉工業大学受験生には難しいかもしれません。

(7)
つまり、放物線の接線で傾きが5であるものを求める問題です。
微分してもいいですし、傾き5の直線との重解条件で考えても解けます。

(8)
2点ABを2:1に内分するを点Cとし、線分OCの長さを求める問題です。
教科書レベルの組み合わせといえ、解けます。

 

大問2

(1)
 最初は、放物線と直線が異なる2つの共有点を持つ条件です。教科書レベルと言え、解けます。
 次は、前問の方程式につき、解と係数の関係を使うだけなので、教科書レベルと言え、解けます。
 最後は∠AOBが直角になるpの値を求める問題です。前問の解と係数の関係と、内積0を使えばいいので、教科書レベルの組み合わせと言え解けると思います。

(2)
 数直線上を点が移動する確率の問題です。
 最初の問題は、教科書に類題が載っているレベルです。
 その後も、教科書レベルの組み合わせと言えますが、確率という分野はやや特殊で、教科書レベルの組み合わせといえども、実際にその組み合わせに慣れないと、状況の把握が難しいのではないかと思います。したがって、このレベルの入試問題に慣れる必要があるかな、と思います。
 最後の条件つき確率も、入試問題に対し、教科書が弱い分野です。

 

大問3

(1)
 対数の問題です。
 最初は、与式を見て、底を2に変換すればいいだろう、と考えられれば、あとは教科書レベルと言え、とても簡単ですが、教科書には載っていないような形なので、どうかな、というところかと思います。
 次の最小値も、まあ、1変数に持ち込まないと始まらないだろう、と思えば、相加相乗平均を使う形になり、あとは教科書レベルと言え、これも決して難しくはありません。ただ、やはり、教科書には載っていないような形なので、どうかな、というところかと思います。

(2)
 積分の問題です。
 基本形は教科書にも載っている「定積分は定数と置け」が格言の問題です。本問は、それよりやや複雑ですが、誘導が親切なので、教科書のこの問題を解けるようになっていれば、解けると思います。

 

大問4

全体的に三角比の問題です。最後に少し微分が出てきます。

(1)
 tanからcosを求める問題は教科書にも載っており、解けます。cosが求まったので、2辺と狭角のcosがわかったので、余弦定理を使うのも教科書レベルで、ACの長さも求まります。

(2)
 教科書の三角比のところに載っている、三角形と内接円の話のところと同じ話で解けるので、教科書レベルと言えます。次も、その話の「大きい三角形の面積は分割した三角形の和と等しい」という式を立てれば解け、教科書レベルと言えますが、問題文の形から、そうだと気づいて話を進めるのは、少し難しいかもしれません。

(3)
 3辺がわかっているので余弦定理でcos∠CABが求まるのは、教科書レベルなので解けます。tan∠PABも点Pが∠Aの二等分線上にあることから、半角の公式一発で出るので、教科書レベルと言え、解けます。
 このあとの考察は千葉工業大学受験生には難しいかと思います。大学入試は満点を取らなければいけないわけではないので、それでも十分合格点を超えます。

(4)
(3)が前提であり、本問自体の考察も難しめなので、解けなくても十分合格点を超えます。

 

千葉工業大学数学の勉強法と傾向と対策

 2022年も出題は「教科書レベルの組み合わせ」と言える難易度のものがほとんど、という傾向のとおりでした。教科書に載っていない、新たな技法をマスターする必要はありません。そのような問題、上記で「教科書レベルの組み合わせと言え」とされていない問題は、解けなくても、明らかに合格点に達します。まずは教科書本文を完璧にすることが、一番良い対策と言えます。

 「教科書レベルの組み合わせ」の問題は、実際に、「教科書レベルの組み合わせ」の問題に取り組んで慣れるのが一番いい対策だと思います。具体的には、年度別『入試問題集』(数研出版)の分野ごとの最初の数問や、千葉工業大学の過去問、同レベルの大学の過去問などです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、それより下のレベルの難易度(千葉工業大学なら教科書)に抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2020年 千葉工業大学1月31日 数学:難易度、どのくらい取れば合格点か

 

大問1

(1)
与式を満たす複素数zを求める問題です。
両辺をzの係数で割ると、教科書にも載っている分数型の複素数になります。分母を実数化すればいいので、解けます。

(2)
男子3人と女子3人が交互に並ぶ場合の数を求める問題です。
高校の教科書レベルと言え、また、高校入試でも出題されるような問題なので、解けます。

(3)
赤玉1個、青玉4個、白玉5個から同時に3個取り出して、赤、青、白が1個ずつになる確率を求める問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(4)
三角形ABCの∠A、辺BC、辺CAが与えられているときに、sinBを求める問題です。
正弦定理を使えば良く、教科書レベルと言え、解けます。

(5)
二次方程式に帰着させる指数方程式の問題です。
教科書に載っているので、解けます。

(6)
等差数列の第3項までの和と第10項までの和が等しいときの公差を求める問題です。
愚直に式を立てて、イコールで結べばいいので、教科書レベルの組み合わせといえ、解けます。

(7)
ベクトルの大きさが与えられているときに、ベクトルの内積と大きさを求める問題です。
「ベクトルの大きさは2乗せよ」の格言通りやると、全て解決するので、教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。

(8)
絶対値つき定積分の問題です。
教科書通りやればいいので、解けます。

 

大問2

(1)
三角関数を含む式を、加法定理で開いて、合成し、最小値を求める問題です。

全体として、教科書本文より少しだけ難しいだけです。しかし、教科書では角に3xは入ってこないこと、0≦x≦π/2 の場合は載っていないこと、などから、実際に、このレベルの問題の問題の経験があったほうがいいと思います。

(2)
前半は対数方程式です。教科書には載っていない形ですが、全て積になっており、教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。
後半は対数と3次関数の最大の融合問題です。誘導もついているので、教科書レベルの組み合わせと言え、解けます。チャート式などには類題が載っています。

 

大問3

(1)
整式の割り算の問題です。
このような問題は、教科書通り、自分で商をQ(x)などと置くのがコツです。それで、前半は、教科書レベルの理解で解きたいです。後半は、教科書だけでは、やや難しいかもしれません。チャート式などには類題が載っています。

(2)
空間ベクトル(座標)、球面の問題です。
前半は、理論上は教科書レベルの組み合わせでいけますが、ちょっと見慣れない出題なので、かなり実力がないと厳しいかもしれません。
後半は、球面とzx平面の交わりという、教科書に載っている話ですが、その円がz軸、x軸両方に接している(チャート式あたりの図形と方程式の円には載っています)、その後の計算処理もやや難しい、などから、難しいのではないかと思います。
ただ、この小問を丸々失点しても、合格できます。

 

大問4

 

数2の微積分の問題です。

(1)
放物線の接線を求め、その接線と直線の交点を求める問題です。
いずれも教科書レベルと言え、解けます。

(2)
(1)とは違う接線と直線の交点を求める問題です。
やはり、教科書レベルと言え、解けます。ただ、やや計算が見た目教科書よりも複雑なので、このレベルの入試問題に慣れておいたほうがいいと思います。

(3)
三角形PQRが二等辺三角形になるための条件を求める問題です。
今までの状況を図示すると、数2の図形と方程式(公立中学校?)で習う、中点の考え方を使うと解けるとわかります。気づけば教科書レベルと言えますが、教科書には、このような複雑な設定の問題はないので、このレベルの入試問題に慣れておいたほうがいいと思います。

(4)
線分PRが通過する面積を求める問題です。
この程度の面積を求めるのは、入試では頻出ですが、教科書には載っていませんし、線分が通過するなどという話も載っていないので、千葉工業大学受験生としては、かなりの実力がないと、解くのは厳しいかと思います。

 

千葉工業大学数学の勉強法と傾向と対策

 2020年も出題は「教科書レベルの組み合わせ」と言える難易度のものがほとんど、という傾向のとおりでした。教科書に載っていない、新たな技法をマスターする必要はありません。そのような問題、上記で「教科書レベルの組み合わせと言え」とされていない問題は、解けなくても、明らかに合格点に達します。まずは教科書本文を完璧にすることが、一番良い対策と言えます。

 「教科書レベルの組み合わせ」の問題は、実際に、「教科書レベルの組み合わせ」の問題に取り組んで慣れるのが一番いい対策だと思います。具体的には、年度別『入試問題集』(数研出版)の分野ごとの最初の数問や、千葉工業大学の過去問、同レベルの大学の過去問などです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような難易度の問題に取り組みつつも、それより下のレベルの難易度(千葉工業大学なら教科書)に抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長が個別指導

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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