開成中学校入試算数 傾向と対策と勉強法は?:『塾技』で解く合格への道

 

女子学院中学校入試算数の傾向と対策と勉強法は?

白百合学園中の入試で一番大切なのは算数! 傾向と対策と勉強法は?

大妻中学校入試算数 対策と傾向と勉強法は?

 

開成中学校入試算数 傾向と対策と勉強法は?:『塾技』で解く合格への道

 

2023年 開成学園 大学合格実績

東大 148名
京大 9名
一橋 9名
東工 5名

千葉大(医) 12名

慶應(医) 13名
慈恵(医) 10名
日本医科(医) 16名
順天堂(医) 17名

慶應 163名
早稲田 192名

 

2019年開成中学校算数

 

created by Rinker
文英堂
¥2,090 (2025/04/01 21:51:09時点 Amazon調べ-詳細)

中学入試塾技100算数(文英堂)という参考書が市販されています。
中学入試によく出る技法を100にまとめ、見開きの左ページで技法と例題を解説し、右ページには、その技法を使う入試問題が載っています。
やや解説が簡素なので、はじめてこれらの技法を学ぶ人は、『受験算数の裏ワザテクニック』(文英堂)シリーズ、あたりが、解説が親切でオススメです。
この「塾技」をもとに、2019年開成中入試の算数を分析してみます。

 

大問1

K君の分速が60、80、100で与えられているので、自宅からおばさんの家までの距離を、とりあえず最小公倍数の1,200mとおいて考えるのは、塾技19「速さ」に載っています。
あとは、図でも書いて、丁寧にやっていけば解けるでしょう。

 

大問2

本問のような、切断についての問題について、切断面がどのようになるかは、塾技49「切断①」に載っています。
(3)は直角三角形の相似で考えます。
相似は塾技68~78あたりで厚く扱っているので、このあたりに精通していれば解けるでしょう。

 

大問3

(1)
移動経路の問題は、塾技99「道順」に、本問同様の立方体の問題が載っています。

(2)
東京学参の過去問には「やや難」がついており、解けなくても合格できるでしょう。

1回だけ左に進むという規則がこの問題を難しくしているでしょう。
どこで左に進むかで場合分けし、足し合わせれば、解けます。

 

大問4

トランプを隣の人に渡す問題です。
おそらく類題に取り組むことは前提としておらず、初見で対応してください、ということでしょう。
いわゆる「論理」「推理」といった分野に取り組むと、やや即効性があるかもしれません。
ただ、大切なのは、普段から、物事を根本から理解しようとする姿勢です。

 

開成中学校入試算数の傾向と対策と勉強法

開成中の入試も「塾技」の組み合わせで合格点を取れると思います。
「塾技」のどこに何が書いてあるかを把握するまでくり返した上で、開成中などで合否を分けているレベルの問題に取り組むといいでしょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2018年開成中学校算数

 

大問1

(1)
よくあるにあてはまる数を求める問題です。
塾技2「逆算」に載っています。
中学入試はx、方程式を使ってはいけない、などと言われますが、これってxを使った方程式と同じですよね…。

(2)
東京学参の過去問には「やや難」がついており、解けなくても合格できるでしょう。
ただ、丁寧に樹形図を書いて、玉の色の入れ替えを考えれば、解ける問題ではあります。

(3)
流水算です。塾技25で解けます。

(4)
食塩水の問題は塾技17、18に載っていますが、左ページの例題だけでは厳しいかもしれません。
(根本から理解して対応できるのが理想ですが…。)
右ページの難しめの問題や、他の問題集で慣れておいたほうがいいでしょう。
「食塩の量の和は一定」に注目するのは、よくある話でしょう。

(5)
直方体、立方体の展開図は塾技43に載っています。
その上で、開成あたりで合否を分ける問題に取り組んでいれば、本問も見えるでしょう。

(6)
正六角形の辺の中点を結んでできる正六角形の面積の問題です。
これといった塾技はありませんが、図形問題に取り組んでいれば、なんとかなるでしょう。
まあ、中心Oが与えられているので、使え、ということですよね。

(7)
東京学参の過去問には「やや難」がついています。
しかし、塾技68~78あたりの相似に精通し、開成あたりで合否を分けるレベルの問題に取り組んでいれば、まあ、解けるのではないでしょうか。

 

大問2

(1)
簡単に解けます。

(2)
1/7が循環小数であることは塾技86「周期算」に載っています。
それを本問にしたがって応用すれば解けます。

 

大問3

(1)(2)の簡単めな問題で規則性を把握すれば、(3)の正解もできるでしょう。

 

開成中学校入試算数の傾向と対策と勉強法

大問1(2)はやや難しいと思いますが、あとは、『塾技』のどこに何が書いてあるかを把握するまでくり返した上で、開成中などで合否を分けているレベルの問題に取り組むと、正解できると思います。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

Twitter

 

【~2019】慶應義塾大学医学部数学

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

2023慶應義塾大学医学部数学

2023東京慈恵会医科大学医学部数学

2023日本医科大学医学部数学

2023順天堂大学医学部数学

2023慶應義塾大学医学部英語

 

【~2019】慶應義塾大学医学部数学

 

2019年慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
本問のようにsin2θ、cos2θ、sinθcosθを含む形は、数研出版の教科書の章末問題やチャート式、Focus Gold(啓林館)の本文には載っています。
倍角と半角で2θにして合成します。
完答すべきです。

(2)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
袋から同色の玉を取り出す確率の問題です。
普通にやればできると思います。
完答すべきです。

(3)
『大学への数学』5月号の難易度はA。
3点がつくる三角形の面積をベクトルで求める問題は数研出版の教科書の研究のところに載っています。

3点からの距離が等しい点を求める問題も数研出版の教科書の空間ベクトルのところに載っています。
本問は等距離について式を2本立てた上で文字を1文字にして、大きさ1の条件を使えば求まります。
完答すべきです。

大問2

『大学への数学』5月号の難易度はB。
確率漸化式の標準的な問題です。
ただし、途中、n+2とn+1とnではなく、nとn-1とn-2の関係が問われているので、根本からの理解ではなく、丸暗記していると間違える可能性もあると思います。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『大学への数学』5月号の難易度はD。
(1)
数Ⅲの曲線の放物線の方程式を求める問題です。
(2)
点Pが(1)の放物線上を動くときの、ベクトルで定まる点Qのx座標、y座標の取りうる値の範囲の問題です。
ゴリゴリ微分して増減表を書けば求まります。
(3)
(2)の曲線の弧長の問題です。
教科書にも載っている弧長の話を使えば求まります。
途中、p=tanθと置換するのは教科書にも載っています。
(4)
(2)の曲線と直線y=axの共有点の中点を求める問題です。
放物線と直線の中点を求めるのに解と係数の関係を使う問題は、Focus Gold(啓林館)あたりの図形と方程式のところには載っています。
本問も同じようにやれば求まりますが、このあたりから実戦的には大変でしょう。
(5)
(4)の中点に対し、ベクトルで定める点Nの軌跡を求める問題です。
(4)ができれば理論的には難しくないですが、実戦的には大変でしょう。

 

大問4

『大学への数学』5月号の難易度はD。
y軸に接する円に(0,-1),
(0,1)からy軸とは異なる接線を引いた問題です。
(1)
接線の傾きを求める問題です。
式が複雑ですが、教科書通り、点と直線の距離で求まります。
(2)
円の中心がx>0の領域で接線が作る三角形の内心になるための条件の問題です。
問題の設定から、理解は簡単です。
式は少し複雑です。
(3)
垂心は教科書通り、直線の方程式を連立すれば求まります。
点と直線の距離も教科書通りですが、式が複雑です。
(4)
点Pが楕円上にあるとき、内心はどんな2次曲線上にあるか、という問題です。
難しいと思います。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大問1、2は完答。理論上は大問3の(3)、大問4の(3)あたりまで解けそうです。
 それで他の受験生に十分差をつけることができたでしょうが、時間との戦いでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2018年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
対数不等式のよくあるような問題です。
真っ先に真数条件を吟味しましょう。
集合の⊂、区間の(-∞,4)の記号の意味も勉強しておけというメッセージでしょうか。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ベクトルの大きさを2乗するとなんとかなるのは教科書にも出てくる基本です。
大きさの最小値の問題も、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っているでしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はD。
kは2以上の自然数。赤玉と白玉が2k個ずつある。これらをすべて円周上に等間隔に並べる並べ方の総数をNKとしたときのN1、N2、N3
N1はすぐに出ます。
その後は難しいでしょう。
似たような問題は見たことがある人もいるかも知れませんが、実戦的には厳しいでしょう。
合格には(お)が正解できればいいのではないでしょうか。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式の標準的な問題です。
解く漸化式も『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っている類型のものです。
途中でネイピアの数を使う極限が問われています。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
三角関数と複素数平面。
sinxsin2xsin3xと積の形で、変形後の式も見すえて、積和で変形しようと思いつくでしょう。
しばらくは自然な流れです。
(け)でA=sinα+sinβ+sinγ、C=sinαsinβ+sinβsinγ+sinγsinαを見て、Bもcosの倍角公式でsinの式に変形して、(a+b+c)2の展開公式を使うことを思いつきたいです。
似たようなことは『Focus Gold』(啓林館)などの問題集にはまず載っています。
(こ)のΣも、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集の複素数平面のところにはまず載っているでしょう。
以下も誘導に乗ってゴリゴリやればできそうです。
最低でも(こ)ぐらいまでは正解したいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
媒介変数表示された曲線の微積分の問題。
完答の難易度はDかもしれませんが、(4)あたりまでは、普通に教科書と『Focus Gold』(啓林館)あたりを理解していればできそうです。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも、「6割程度で十分合格すると思われる」としています。
そして、上記のように、6割程度なら、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、受験標準問題演習をすれば大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2017年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
指数不等式。
置き換えると三次不等式になりますが、(置き換えた文字)>0、または、三次関数のグラフで考えれば大丈夫でしょう。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
普通に教科書にも出てくるA∪Bの話をすれば大丈夫でしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値記号がたくさんついた関数の問題。
与式のような式の問題は見たことがある人も多いでしょう。

具体的に最初からいくつかの値で絶対値を外してみて、状況を把握すれば解けると思います。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率、確率と漸化式の標準問題です。
個々の技法は、確率の入試標準問題でよく見るものばかりです。
最後の方は、『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っている「どの2つの○○も隣り合わない」(他の物の間と両端に入れる)の技法を知っていると、見通しがいいでしょう。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率の分野は、分野の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
楕円、極座標の問題です。

問題文に図形は「楕円」だと書いてあるので、そこから逆算して考えれば最初はできて、(1)はできるかもしれません。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
最後は積分の体積の問題です。
(あ)は、直観的に接するときだとわかると思います。
その後は難しいと思います。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問3大問4については、本学受験生といえど得点の上積みは容易ではない」としています。上記のように、大問1、大問2は完答、大問3,大問4は部分点、という方針で合格点に達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
場合の数の問題。

私大医学部の場合、数値だけ解答する問題では、論述式の問題とは傾向が異なる問題が出題されることがあります。
対策を怠らないようにしましょう。

大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、場合の数、確率の分野は、分野の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

(2)
不定方程式の問題。
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
解き方はいろいろあると思いますが、教科書や『Focus Gold』の似たような問題を参考にすれば解けるでしょう。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つきの定積分の問題。
場合分けをします。
類題は『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っています。
たとえば、2017年に東京慈恵会医科大学でも出題されています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式、確率の問題。
個々の技法は入試標準問題集などではよくある話です。
本問は短答式なので、問題文で2mと2m-1で場合分けされていますが、他大で論述式だと、自分で場合分けすることが求められます。
上位国立大学ではよく見る話です。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
空間座標の問題。

円が出てくる問題は(rcosθ,rsinθ)などとおくとうまくいくのではないか、というのは検討すべきです。
途中、正四面体の4つ目の頂点を定める問題は、数研出版の教科書の空間ベクトルのところに載っています。
そのあたりまでできればいいのではないでしょうか。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数学Ⅲの微分の最後のほうに出てくる速度のような問題。

ただ、具体的なイメージはしにくく、「偏角」「原点からの距離」といった文言と、問題文で与えられた条件をもとにゴリゴリやっていくしかないのではないでしょうか。
(2)あたりまでできればいいのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「他科目が得意なら2完半でも十分合格するだろう」というコメントがあります。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。
 数学は大問ごとに難易度にかなり波があるのに対し、たとえば理科は標準レベルの教材をつぶせば、満点近く取れることも多いです。
この年のセットで2完半取れ、英語、理科が足りていないようなら、英語、理科を強化したほうが合格しやすいと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2015年 慶應義塾大学医学部 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
対数不等式。
真っ先に真数条件を検討しましょう。
正解しましょう。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つき2次関数の最小値が一致するように文字定数の範囲を定める問題。

関数全体に絶対値がついていれば0以上であり、素直にもう一方の最小値を求めに行こうと思えば、なんとか正解できると思います。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
三角関数の最大値の問題。
見た目で積和でしょう。
その後、文字定数αが含まれるので少し抽象的ですが、そんなに難しい話にはならず、類題は『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
確率と漸化式の問題。
よくありそうな話なのですが、かなり複雑なので、実戦的には大変でしょう。
丁寧に図を書いて調べて、なるべく、完答に近いところまで正解したいです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数Ⅲの微積分の問題。
(1)
問題文にしたがってyについて解いて、変曲点なので2回微分して、積や指数が複雑なので、対数微分法だな、と思えば、完答できるでしょう。
(2)
本問のS(p,q)のような設定は、『Focus Gold』(啓林館)には類題が載っていますし、他大でもよく出ます。
(3)
対称式を置き換え→2次方程式の解と係数の関係→実数条件→2次方程式の解の配置という流れは頻出で、入試標準問題集などには載っていると思います。
本問は1/3乗なので、これを対称式と見られるかどうか、でしょうか。
なるべく、完答に近いところまで正解したいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
見た目、数列の問題のようですが、問題文にも「内積」とあるように、ベクトルをn次元に拡張した、と考えると、(1)は教科書にも出てくる「ベクトルの大きさを2乗するとなんとかなる」技法が使え、ベクトルと同じように考えれば正解できます。
(2)も(1)の誘導を使い、文字を惜しみなく使えば、できると思います。
上記を含め、題意を把握できれば、もう少し取れるのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「全体として半分程度は得点したいところ」というコメントがあります。
 その程度なら、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

Twitter

 

【~2017】東京慈恵会医科大学医学部数学

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

2023慶應義塾大学医学部数学

2023東京慈恵会医科大学医学部数学

2023日本医科大学医学部数学

2023順天堂大学医学部数学

2023慶應義塾大学医学部英語

 

【~2017】東京慈恵会医科大学医学部数学

 

 

2017年 東京慈恵会医科大学 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
確率の問題。
丁寧に数え上げるだけです。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
三角形に円が内接している問題。

内心から頂点に直線を引くのは教科書にもありますね。
あとはcosの値を使う、直角三角形に注目する、ことに気をつけてゴリゴリやれば出るのではないでしょうか。
内接円の半径を使った三角形の面積も教科書にありますね。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
絶対値つき定積分の問題。
場合分けをします。
類題は『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っています。
たとえば、2016年に慶應医でも出題されています。

この手の場合分けする問題は、関数のグラフが区間の端っこで接している場合が多いですね。
本問でも必要な接線がとなりの直線そのものになっています。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
素数を含む整数問題。

「素数」という文言を見たときに、いくつかアプローチが浮かぶようにしておきましょう。
本問も、前半はありがちな流れだと思います。
ただ、数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「難し目」としており、部分点でいいでしょう。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
複素数平面上の正三角形の問題。
教科書にも載っている本問ではδ回りの回転の式を立てて、本問では回転を表す複素数がいわゆるωなので、ゴリゴリやれば出るかもしれません。
ただ、数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「難し目」としており、部分点でいいでしょう。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問1大問2を押さえた上で難し目の大問3大問4にどれだけ食いつけたかが勝負でしょう」とあります。上記のように、B問題完答、C問題部分点という方針で合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年 東京慈恵会医科大学 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率の問題。
丁寧に数え上げるだけです。
正解すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
複素数平面の問題。

教科書をしっかり理解し、『Focus Gold』(啓林館)あたりで複素数平面の図形がらみの問題で複素数を図形的に読み取る訓練をしていれば、解けるでしょう。
正解すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)

円がx軸に接しながらすべることなく回転する問題は、『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。
増減は微分して調べるだけです。
(2)
素直に法線の方程式を求めてy=0を代入し、教科書の図形と方程式のところにも載っている中点の求め方を使うだけです。
(3)
積分の面積の問題。
合同な三角形を移すとかなり式が簡単になることに気づけば、完答も狙えるでしょう。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
整数の不定方程式の問題。
いろいろ示し方はありそうですが、教科書や『Focus Gold』(啓林館)あたりの問題を参考にすれば示せるでしょう。
(2)
与式は、n→∞のときのyn/xnの平均という意味なので、直観的に答だけはわかるかもしれませんが、論理的で説得力のある答案を作るのはなかなか難しいと思います。
(2)は部分点狙いではないでしょうか。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
空間ベクトルの問題。
同一直線上にあるから係数を足して1、平面○○○上にあるから○ベクトルの成分はないから係数は0、基準になる点を決めて(終点-始点)で変形、など、『Focus Gold』(啓林館)あたりに出てくるベクトルの有名な解法を使えば解けます。
完答すべきです。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも、大問1と大問4を完答、大問2と大問3でできる限り部分点、という趣旨のコメントがあります。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2015年 東京慈恵会医科大学 数学

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率の易しめの問題。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
四面体の頂点から底面に垂線を下ろし、体積を求める問題。
本問のように、垂線の足が底面の三角形の外心になっていて、正弦定理を使う問題は、数研出版の教科書には載っています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
数Ⅲの微積分の問題。
(1)
問題文にしたがって2回微分して、増減表とグラフを書きましょう。
(2)
積分で面積を求める問題。
本問はグラフの上下関係で面積を求める式が違ってくるので場合分けをします。
この程度の場合分けはよくある話なので慣れておきましょう。
(3)
(2)の面積の最小値を求める問題。
このような流れもよくあります。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
軌跡、領域の問題。
素直に式を立て、不等式なので、2乗するときに同値性を保つことに気をつければ、正解できるでしょう。
xに-x、yに-yを代入しても式が同じになるので、y軸対称、x軸対称になることを利用すると、手間が省けるでしょう。

(2)
(1)の領域内の格子点の個数と極限の問題。
格子点の個数の問題は、基本形は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
理論的には、それと同じように解けばいいですが、実戦的には大変かもしれません。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
空間座標の問題。
(1)
問題文の情報と内積0を使えばできると思います。
(2)
図形的考察というよりは、y-2x=kとでも置いて、xだけの式にして、2次方程式の解の実数条件に帰着させると正解できます。
取りうる値の範囲を求めるときに2次方程式の解の実数条件に帰着させる問題は、『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
できれば完答したいです。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問3大問4は、時間的に両方解き切るのは厳しい」「できるだけ部分点を稼ぐ姿勢が大切」というコメントがあります。B問題を完答し、C問題の取り組みやすい問題で部分点を集めれば、十分合格点に達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

Twitter

東大数学 2019~

 

東大数学 2019~

 

2019年東京大学文系数学:年度別難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
座標平面上の面積1/3の三角形の問題。
理系第2問を少し親切にした問題です。
(1)
文字が多いですが、そもそも「qとrをpで表」すことを要求している問題なので、問題文を読んで式を立てて文字を消去すればできるでしょう。
変域を絞り込む部分も、たとえば、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)の二次関数には、似たような操作をする問題が載っています。
(2)
(1)さえできればあとは微分するだけです。
完答すべきです。

 

第2問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
問題文にベクトルが出てきますが、ベクトルの技法はあまり使いません。
東大はセンター試験で問われるようなベクトルの問題(終点-始点で変形、直線○○上にあるから係数を足して1になる、ベクトルの大きさは2乗する、など)はほとんど出ませんね。
(1)
問題文の条件を淡々と教科書レベルの式にして、題意を把握して、積分して面積を求めれば出ます。
(2)
x軸正の部分と線分OPのなす角がθなので、放物線と原点を通る直線が接する直線の傾きの範囲の話に帰着されます。
完答すべきです。

 

第3問

正八角形の頂点を点Pが動く確率の問題。
正六角形あたりなら、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりにも載っています。
(1)も(2)も丁寧に場合分けすればできるでしょう。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

第4問

問題文にはベクトルが出てきますが、第2問でも述べたように、東大はセンターで問われるようなベクトルの問題はほとんど出ません。
(1)
領域を図示する問題。
絶対値つきのこの領域は、他大でもよく出ます。
真面目にx,yの正負で場合分けをしてもそこまで大変ではありませんが、xに-xを代入しても同じ式なのでy軸対称、yに-yを代入しても同じ式なのでx軸対称なので、第一象限だけ調べればいいということは理解しておきたいです。
ベクトルが表す領域Eについては、点Pを固定して考える技法などはFocus Gold(啓林館)あたりにも載っています。
(2)
直感的にはわかりそうですが、論理的に示せるかというと、少し難しいかもしれません。

 

東京大学文系数学の傾向と対策と勉強法

 予備校さんの評価も、全体として、難化、変化なしと評価が別れ、個々の問題の難易度も評価が別れています。
 私見を述べますと、発想を必要とするような問題はほとんどないので、教科書を理解し、Focus Goldあたりの技法をマスターし、入試問題に慣れれば、時間が許せば70点/80点満点ほどは取れそうな出題だと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2019年東京大学理系数学:年度別難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

第1問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
定積分をするだけの問題。

この形をx=tanθと置換するのは基本形は教科書に載っています。
その他の部分も、教科書に載っている技法で解決します。
定積分をするだけの問題は東大では珍しいですが、形は複雑でも基本を貫けばいいという、ある意味、東大らしい出題かもしれません。
完答すべきです。

 

第2問

『大学への数学』4月号の難易度はB。
正方形の中の面積1/3の三角形の問題。
文系第1問から誘導をなくした問題です。
勇気を持ってたくさん文字を導入できるか、文字を消去して1文字についての関数に帰着できるかが問題ですが、3文字使っても面積1/3の三角形が2つあるので式は2本立ち、1文字だけにできる、という見通しでしょうか。
なるべく完答したいです。

 

第3問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
座標空間内の八面体の切り口の問題。
(1)

場合分けして切り口をxz平面に図示する問題。
このくらいはできるかな、と思いますが、意外に出来は悪かったようです。
(2)
切り口が八角形になるpの値の範囲の問題。
だいたいこのような問題は前の問題が誘導になっているのかな、と思えることが大切です。
やはり出来は悪かったようです。
(3)
さらに出来が悪かったようです。
できれば(2)くらいまでは正解したいところです。

 

第4問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
整数問題です。
(1)
最大公約数を求めるので、素直にユークリッドの互除法を使うのは教科書レベルです。
最後nを含むので場合分けをするのはいいでしょう。
正解したいです。
(2)
平方数でないことを示す問題。
もともと整数問題は、なにかで割った余りで場合分けして考えるとうまくいくことがあり、Focus Goldあたりのに載っています。本文では(1)がヒントなので、偶奇で場合分けして考えます。
完答は難しかもしれませんが、なるべく部分点をもらいたいところです。
検討する価値は高い問題かと思います。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、整数は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

第5問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
(1)

ただ一つの実数解を持つことを示す問題はFocus Gold(啓林館)などには載っています。
(2)
数Ⅲでこのような不等式を示す時に単調増加、減少を使う問題も、Focus Gold(啓林館)などには載っています。
(3)
数Ⅲでこのような極限を求める問題は、はさみうちを選択肢に入れましょう。
完答は厳しいかもしれませんが、なるべく多く部分点をもらいたいです。
(2)まで正解して(3)にどれだけ食いつくけるか、だと思います。

 

第6問

『大学への数学』4月号の難易度はC。
複素数平面の問題です。
最後の問題ということもあり、(1)から、かなり出来が悪かったようです。
(1)
実係数の4次方程式なので、解の実数、虚数のパターンは限られるので、力技で論証していけばいいですが、実戦的には難しいかもしれません。
(2)(3)
ただでさえ文字がたくさん登場する問題ですが、さらに、虚数解をp+qiなどと置く勇気があれば議論が進みそうです。
検討する価値はある問題だと思います。

 

東京大学理系数学の傾向と対策と勉強法

 第1問、第2問、第4問(1)、第5問(1)(2)を正解し、あとは部分点を集めるという方針で、合格者平均あたりに達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

大学入試数学:整数問題攻略の7つのポイント 何を考えればいいのか?

 

整数問題攻略の7つのポイント

 

(1)積の形にする
(学校採用教材レベルの技法)

 

(2)文字をたくさん使ってもなんとかなる場合が多い。

 

(3)「自然数」「整数」など、とびとびの値しかとらない場合(離散的)、n=1,2,3…などと実際にやってみて、あたりをつける。

 

(4)何かで割った余りで場合分けする。
(教科書にも出てくる技法)
例の3k,3k+1,3k+2などです。
余りと関係なさそうな問題でも、この技法でうまくいく場合があります。

 

(5)「素数」という文言を見たら…

・その素数をpとする。
 (整数)×(整数)=pと変形できたら、積の組み合わせの可能性は
 (1,p),(p,1),(-1,-p),(-p,-1)
 のみである。

・(素数)≧2

・偶数の素数は2のみ、3の倍数の素数は3のみ、…。

・連続する2自然数が素数なのは2と3のみ。

 

(6)その他、教科書、チャート式やFocus Goldあたりに載っている技法を使いこなせるのはアタリマエ。

 

(7)整数問題が多く出る大学でも、平均的な合格者は完答はできていない場合も多い。
(6)が漠然としていますが、(1)~(6)あたりを駆使しても解けない整数問題は、平均的な合格者は解けていない、合否を分けていない問題である可能性が高いです。

 

大学入試数学の整数問題とデリダ

 デリダは「現前の形而上学批判」において、言語や記号の背後に実在や本質があるという考えを疑問視しました。整数問題も同様に、数学という学問の真理性や普遍性を前提としているように見えます。しかし、整数という概念自体が歴史的・文化的に構築されたものであり、その意味は決して一義的ではありません。整数問題は、数学という学問の自明性を問い直す契機となるのです。

 また、デリダの「脱構築」の戦略は、テクストに内在する矛盾や曖昧さを明らかにし、既存の概念を解体していくことを目指しました。整数問題も、一見すると明確な問題設定と解法を持っていますが、その前提には様々な暗黙の了解や価値観が潜んでいます。例えば、整数問題が「正解」を求めるという発想自体が、ある種の権力構造を反映しているとも言えるでしょう。

 さらに、デリダの「贈与論」の視点から見ると、大学入試という制度は、知識を選抜と交換の対象としてしまう危険性を孕んでいます。整数問題を解くことが、大学への入学という見返りと結びつけられることで、数学の学びが本来の目的を見失ってしまうのです。

 ただし、整数問題が持つ教育的な意義を全否定することはできません。デリダの「ホスピタリティ(歓待)」の思想が示唆するように、他者を無条件に受け入れることは不可能である一方で、他者に開かれようとする努力は不可欠です。整数問題に取り組むことは、数学という他者の論理に触れ、思考を深める機会にもなり得るのです。

 重要なのは、整数問題を絶対視するのではなく、常にその意味や役割を批判的に問い直していくことです。デリダの「スペクトル(亡霊)」の概念が示すように、整数問題には、既存の数学観を揺るがす亡霊が潜んでいるのかもしれません。その亡霊に耳を傾け、新たな数学教育の可能性を模索していくこと。それこそが、デリダの思想が「大学入試数学の整数問題」に投げかける問いなのではないでしょうか。

 

大学入試数学の整数問題とプラグマティズム

 まず、整数問題は、数学的思考力を鍛えるための有効な手段です。整数は、私たちの日常生活に深く関わる数の概念であり、整数問題を解くことで、論理的思考力や計算能力が向上します。これらの能力は、大学での学習や将来の仕事において、幅広く役立つことでしょう。

 また、整数問題は、問題解決のための戦略を学ぶ機会でもあります。整数問題では、問題の本質を見抜き、適切な解法を選択することが求められます。これは、現実の複雑な問題に直面した際にも応用できるスキルです。問題をいかに分析し、解決策を導き出すかという経験は、あらゆる分野で役立つはずです。

 プラグマティズムは、知識の社会的な性格を重視します。整数問題を解くためには、数学の教科書やインターネット上の情報だけでなく、教師や仲間との対話を通じて理解を深めることが大切です。自分の考えを説明し、他者の視点を取り入れることで、問題解決の幅が広がります。この協働的な学習のプロセスは、社会で求められるコミュニケーション能力やチームワーク力を養う良い機会となるでしょう。

 さらに、プラグマティズムは、知識の実用性を重視します。整数問題で培った数学的思考力は、単に試験で点数を取るためだけのものではありません。それは、現実の問題解決に応用できる実践的な能力なのです。例えば、経済学や経営学、情報科学など、多くの分野で数理的な思考が求められます。整数問題を通じて鍛えた思考力は、これらの分野で活躍するための土台となります。

 また、プラグマティズムは、知識の絶対性を否定し、常に改訂の可能性を認めます。数学の世界でも、新しい理論や解法が次々と生み出されています。整数問題に取り組む中で、既存の知識を疑い、新しい発見を求める姿勢が養われます。これは、急激に変化する世界で求められる、生涯学び続ける態度につながるでしょう。

 最後に、プラグマティズムは行為の重要性を説きます。整数問題で得た知識や思考力は、実際に問題を解決する行動に移されてこそ意味があります。受験生は、整数問題への取り組みを通じて、粘り強く考え抜く習慣や、失敗を恐れずにチャレンジする勇気を身につけることができるはずです。

 以上のように、プラグマティズムの観点から見ると、大学入試数学の整数問題は、単なる受験のための訓練ではなく、現実世界で役立つ実践的な能力を養う機会となっています。それは、論理的思考力や問題解決能力を鍛え、社会で求められるスキルを身につける第一歩なのです。受験生は、整数問題に真摯に向き合うことで、自らの可能性を広げ、より良い未来を切り拓いていくことができるでしょう。

 

大学入試数学の整数問題とフランクフルト学派

 大学入試数学の整数問題は、一見すると中立的で普遍的な知の領域に属するように思われます。しかし、フランクフルト学派の視点から見れば、それは現代社会の病理を反映した、イデオロギー的な装置であると言えるでしょう。

 まず、整数問題は、数学という学問の中でも特に抽象度が高く、現実世界との関連性が薄い分野に属しています。これは、アドルノが批判した「道具的理性」(ある目的を達成するために、効率的に考える力)の典型例と言えます。整数問題を解くための技術は、現実の問題解決には直接役立たない、自己目的化した知性の産物なのです。

 また、整数問題は、受験生に対して、定められた型通りの思考を強いる側面があります。問題の型に沿って、機械的に解法を適用することが求められ、創造性や批判的思考は抑圧されます。これは、画一化された大衆文化を生み出す「文化産業」と同様の構造を持っていると言えるでしょう。

 さらに、整数問題が入試の重要な位置を占めていることは、「数学ができること=知的であること」というイデオロギーを反映しています。この種の問題を速く正確に解けることが、社会的成功の指標とされる傾向があるのです。しかし、これは知性の本質を見誤った、抑圧的なメッセージに他なりません。

 エーリッヒ・フロムの観点からすれば、整数問題に没頭する受験生は、自己疎外の状態に置かれていると言えます。彼らは、自らの興味や関心とは無関係に、受験という外的な目的のために学習を強いられるのです。この種の勉強は、フロムが重視した「生産的活動」とは対極にあります。

 ただし、ハーバーマス的に見れば、整数問題は「コミュニケーション的行為」の一種とみなすこともできるかもしれません。受験生同士が解法を議論したり、教師が生徒に問題の意味を説明したりする過程では、相互理解が生まれる可能性があるからです。しかし、その場合でも、議論の前提となる問題自体の妥当性は、批判的に吟味される必要があるでしょう。

 以上のように、大学入試の整数問題は、フランクフルト学派の思想からすれば、現代社会の病理を凝縮した存在と言えます。それは、道具的理性の暴走、文化の画一化、イデオロギーの再生産、人間疎外といった問題を孕んでいるのです。もちろん、数学教育そのものを全否定することはできませんが、少なくとも、整数問題を無批判に受け入れるのではなく、その意味と限界を批判的に考察することが求められます。そうすることで初めて、数学と人間の解放的な関係を取り戻す道が開かれるのではないでしょうか。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

Twitter

 

【感想・書評】ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?(早川書房):大学受験に応用する

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部に合格する勉強法 基本編

 

【感想・書評】ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?(早川書房):大学受験に応用する

 

created by Rinker
¥950 (2025/04/02 17:12:46時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥1,035 (2025/04/02 17:12:47時点 Amazon調べ-詳細)

 

『ファスト&スロー』の著者の実績と信頼性

 著者は、ノーベル経済学賞を受賞した心理学者、行動経済学者のダニエル・カーネマン教授です。巻末に、引用した論文がたくさん載っている、大学での研究に基づいたちゃんとした本です。
 著者の信頼性は、絶大と言えます。

 

『ファスト&スロー』の感想、書評 

 全体として、人間の脳が犯す判断のエラー、バイアスについて述べられています。
 まあ、大学受験についても、人生の一大事と考えている割には、理性的な判断を続けられる人は非常に少なく、感情論で動いている人が多いようですね。

 慶應義塾大学薬学部入試では、2018年に本書の原書が出題されています。また、近年、大学入試の英文で、本書のテーマである「バイアス」に関する英文が増えています。

 

『ファスト&スロー』を大学受験に応用すると?

 当塾は大学受験の塾なので、本書で述べられるエラー、バイアスそのものというよりは、その原因となっている脳のシステムを、大学受験の点数を伸ばすことと関係づけて、書いてみたいと思います。

 『ファスト&スロー』では、脳の中のシステムを「システム1」「システム2」と名付けます。これは、心理学では広く使われているそうです。

「システム1」は自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であってもわずかである。自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
 たとえば、「おぞましい写真を見せられて顔をしかめる」といった本能的なものや、「2+2の答えを言う」といった反射的にまで高められた知的作業です。

本書で述べられるエラー、バイアスの原因は、「システム1」が先走ってしまうことです。

「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければ困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。
 たとえば「17×24を計算する」などです。

 「システム2」を使う作業は、集中力を使うので、瞳孔が開き、心拍数が上がります。高校生物で習うところの、交感神経優位になる、ということでしょう。これはストレスで、消耗します。また、集中力を使うので、他の作業に集中力を向けることが困難になります。

 ここで大学受験と結びつけましょう。大学受験塾チーム番町では、大学受験の数学を

教科書
 ↓
チャート式、Focus Goldなどの学校採用教材
 ↓
東大などで合否を分ける問題

と階層に分けて考えています。
 教科書の組み合わせ、応用がチャート式。チャート式をマスターするためには、教科書が「システム1」に入ってなければいけない。
 チャート式の組み合わせ、応用が東大などで合否を分ける問題。東大などで合否を分ける問題を解けるためには、チャート式が「システム1」に入ってなければいけない。
ということでしょう。

 大学受験のコツは、とにかく、基本的なことを「システム1」に入れる、集中力をほぼ使わずに反射的にできるようにする、ことだと考えます。そうすることにより、「システム2」を動員し、より難しいことに取り組むことができると考えます。

 ただし、数学や理科で大学受験で使いそうな技法を反射的にすることと、大学卒業後、創造性を発揮することは、かなり別の話だと思います。ですが、基本知識を反射的にすることにより、より高いレベルで「システム2」を動員することができる、つまり、創造性を解き放つ、という面もあると思います。

 チェスのグランドマスターは、膨大な数の「駒のパターン」を記憶している、という研究があります。つまり、大学受験でも、ある程度の「詰め込み」は必要だ、ということですね。

 この件について、本書自体の感想も書きます。
 『ファスト&スロー』の理論に基づいて、私たちの思考と行動について深く考察してみると、人間の思考と判断の仕組みについて新たな視点が得られることに驚きます。この本は私たちの心理的な動作を二つのシステム、すなわち「システム1」と「システム2」に分けて考察しています。
 この二つのシステムの存在を理解することで、自分自身の思考や判断のパターンをより深く理解することができると思います。特に、システム1による直感的な判断と、システム2による論理的な思考とがどのように絡み合って私たちの行動を形成しているかを理解することは、自己理解や自己改善の視点から見ても非常に価値のあることだと感じました。この本は、私たちが日々の生活の中でどのように判断を下し、行動を選択するかについて、非常に洞察力のある視点を提供してくれると思います。

 

まとめ

 『ファスト&スロー』で説明されている人間の思考システムの特徴は、大学受験の場面にも大いに関連するでしょう。

 大学受験の勉強では、多くの知識を効率的に習得し、試験で正確に解答することが求められます。このとき、システム2の論理的で意識的な思考を十分に働かせる必要があります。しかし、長時間の集中は難しく、知らず知らずのうちにシステム1の直感的な思考に頼ってしまいがちです。
 例えば、問題文を疎かに読んで、直感で選択肢を選んでしまうことがあります。これはシステム1の影響によるミスです。本来はシステム2を使って、問題文を注意深く読み、与えられた情報から論理的に解答を導く必要があります。
 また、受験勉強では似たタイプの問題を反復して解くことが多いため、システム1が強化されます。パターンを覚えるのは効率的ですが、応用問題や初見の問題に弱くなる恐れがあります。システム2の力を養い、未知の問題にも対応できる柔軟な思考力を身につけることが大切です。
 加えて、システム1の影響は受験者の心理面でも現れます。過去の失敗体験から「この科目は苦手だ」と直感的に決めつけたり、周囲との比較で「自分にはできない」と思い込んだりするのは、システム1の働きによるものです。システム2を意識的に用いて、客観的にデータを分析し、建設的な大学受験戦略を立てることが求められます。
 以上のように、大学受験では思考のシステム1とシステム2のバランスが重要になります。意識的にシステム2を働かせ、論理的に考える力を鍛えつつ、システム1に引きずられない冷静さも必要です。『ファスト&スロー』の知見を活かし、メタ認知力を高めることが、大学受験の勉強の質を上げることにつながるでしょう。
 ただし、システム1の直感力も決して無視できません。豊富な知識と経験に裏打ちされた直感は、素早く正確な判断を下す助けになります。理想的なのは、鍛えられたシステム1の直感と、それを補正し深める働きをするシステム2の論理性を併せ持つことです。

 『ファスト&スロー』の学びを通して、大学受験生は自らの思考を客観視し、強みと弱みを知ることができます。意識的に思考のクセを改善し、システム1とシステム2を上手く活用する方法を編み出していくことが、大学合格への近道となるはずです。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

Twitter

【レビュー・目次】微分積分キャンパス・ゼミ(マセマ):親切な説明と具体例でわかりやすい!

 

【レビュー・目次】微分積分キャンパス・ゼミ(マセマ):親切な説明と具体例でわかりやすい!

 

created by Rinker
マセマ出版社
¥1,731 (2025/04/01 21:50:39時点 Amazon調べ-詳細)

 

『微分積分キャンパス・ゼミ』はこんな人におすすめ

・数Ⅲの教科書の微積分を理解し、大学の微分積分をかじってみたい人。
・大学1年生レベルの微分積分を理解したい大学生

 

『微分積分キャンパス・ゼミ』のレビュー、評判

 『微分積分キャンパス・ゼミ』は、大学受験数学の解説が親切な参考書で有名なマセマが出している、大学の数学の参考書です。ε-N論法、ε-δ論法から、2変数関数の微分、重積分まで載っています。

 マセマの大学受験向けの参考書と同様に、副文、吹き出しによる親切な説明、式変形の途中経過の説明、などが特徴的です。論理だけでなく、具体例や直感に訴えた説明も豊富です。
 偏微分、全微分、重積分の図形的イメージなども載っています。
 そして、概念的なことだけではなく、問題とその解説も充実しています。それでいて、定理や公式の証明もされており、まずまずちゃんとしていると思います。

 『微分積分キャンパス・ゼミ』は学者の先生が書いた本ではありませんが、東大や京大の生協でも売れているそうですし、そもそも、東大や京大の学生の大半も、受験では、学者の先生が書いたわけではない教材をありがたがってきたわけですし、わからないよりはわかったほうがマシなので、大学の数学がわからない、イメージが持てないようだったら、マセマシリーズを読むといいのではないでしょうか。

 文系で、高校で数学Ⅲを履修していない人も読めることは読めると思いますが、高校の数学Ⅲの検定教科書と数学Ⅲの微分積分の計算を解説したような本を先に理解したほうがいいと思います。

 

『微分積分キャンパス・ゼミ』のレイアウト

 2色刷りなので、勉強をするモチベーションが上がると思います。
 まず、高校の教科書のように、問題以前の基本の理解の部分の解説が書かれています。このコーナーも、副文による解説が充実し、理解しやすいです。根本から理解をすることができ、丸暗記数学を避けることができます。
 次に、問題のコーナーは、見開きに2題載っています。
 左ページは「演習問題」。一番上に問題が書いてあり、その下に、解答、解説が書いてあります。ここも副文による解説が充実し、わかりやすいです。
 右ページは「実践問題」。左ページの「演習問題」と同じように考えれば解ける類題が、解答、解説の一部が空白になっています。解答はすぐ下に載っています。
 大学受験で言う『チャート式』や『Focus Gold』のように、「例題を理解して、数値が違うくらいの類題を解くことが出きる」という勉強ができるので、壁を超えやすいです。大学生向けの個別指導塾の教材にはぴったりですね(笑)。

 

『微分積分キャンパス・ゼミ』の目次

講義1 数列と関数の極限
1.数列の極限とε-N論法
2.正項級数とダランベールの判定法
3.三角関数と逆三角関数
4.指数・対数関数と双曲線関数
5.関数の極限とε-δ論法

講義2 微分法とその応用(1変数関数)
1.微分係数と導関数
2.微分計算
3.ロピタルの定理と関数の極限
4.微分法と関数のグラフ
5.テイラー展開とマクローリン展開

講義3 積分法とその応用(1変数関数)
1.不定積分
2.定積分
3.定積分のさまざまな応用

講義4 2変数関数の微分
1.2変数関数と偏微分
2.偏微分の計算と高階偏導関数
3.接平面と全微分
4.テイラー展開と極値

講義5 2変数関数の重積分
1.重積分
2.変数変換による重積分

 

『微分積分キャンパス・ゼミ』の著者、出版社の実績と信頼性

 『微分積分キャンパス・ゼミ』の著者は馬場敬之さんです。マセマの参考書のほぼ全てに関わっていると思います。マセマ社の代表取締役社長でもあります。東京大学工学部卒。博士課程終了。工学博士。理論解析、応用数学の専門家だそうです。
 『微分積分キャンパス・ゼミ』の出版社はマセマ社です。ほぼ、高校生、大学受験生、大学生向けの参考書に限られますが、解説の詳しさから、高い支持を集めています。また、高校生、大学受験生向けには、競合も多いですが、大学生向けの数学、物理のわかりやすい教材としては、おそらくトップと言って過言ではなく、東大の生協書店でも売れているようです。
 著者、出版社ともに、実績と信頼性は高いといえます。

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅100m 東大卒の塾長による個別指導

Twitter

【使い方】化学の新演習(三省堂)レベル、難易度、どんな人におすすめ? 

 

【使い方】化学の新演習(三省堂)レベル、難易度、どんな人におすすめ? 

 

created by Rinker
¥1,870 (2025/04/02 02:19:17時点 Amazon調べ-詳細)

 

『化学の新演習』はどんな人におすすめ?

・教科書を理解し、『化学の新標準演習』(三省堂)を全問解け、標準レベルの記述模試で東大レベルの成績を出せ、他科目も余裕がある人。
・『化学の新標準演習』(三省堂)を使っていて、有機構造決定の補強をしたい人。
・難関大学の入試化学でよく出るテーマをあらかじめ知っておきたい人。

 

『化学の新演習』の使い方、レベル、難易度

 『化学の新演習』は、『化学の新研究』(三省堂)『化学の新標準演習』(三省堂)で有名な卜部吉庸先生の難関大学受験向けの化学の問題集です。

 教科書を理解し、『化学の新標準演習』(三省堂)を全問解ければ、理論化学、無機化学の分野は、進研模試、河合全統記述模試などの標準レベルの記述模試で東大、京大、医学部の成績を出せると思います。
 難関大入試も、東大、京大、医学部入試まで含めて、理論化学、無機化学の分野は、初見のテーマに詳しい誘導をつけて標準レベルの知識から考えさせるタイプの問題が多いので、物事を根本から理解しようという姿勢のある人は、教科書+『新標準演習』で合格点を取れると思います。

 そうすると、世評の高い『化学の新演習』ですが、優先順位としてはそれほど高くなく、他科目にも余裕がある人が化学で上積みを狙う、という使い方になると思います。
たとえば、C60フラーレンや燃料電池など、難関大学でよく出るテーマはたしかに載っています。
 ただ、出題者側は、『化学の新標準演習』あたりの入試標準問題集に載っていないようなことは、受験生にあらかじめ知識として勉強しておくことを求めているわけではなく、詳しい誘導をつけて、標準レベルの知識から考えさせていることが多いと思います。
 難易度もかなり高いので、負担が大きいです。標準レベルを網羅でき、模試で東大級の偏差値を出すことができる人が、東大、京大のように初見の問題や、最新トピックを出す大学向けの入試実戦問題集として、きちんとした指導者のもと、問題を厳選してこなす、という使い方なら、アリかなと思います。

 『新標準演習』の有機化学の構造決定の問題は、河合全統記述模試などの標準レベルの記述模試などと比べても、ちょっとシンプルすぎると思います。
 有機構造決定は、問題の性質上、実際に入試レベルに複雑な問題に取り組んだほうがいいので、『新標準演習』の有機構造決定の補強として『新演習』を使うのはアリだと思います。

 解答、解説は別冊になっていて、勉強しやすいと思います。難関大向けのわりには解説も親切だと思います。

 

『化学の新演習』と重要問題集や標準問題精講との違いは?

 『重要問題集』(数研出版)のほうが、教科書レベル~入試によく出る標準問題が載っています。学校などで使っている人は、まず『重要問題集』を完璧にすれば、ほぼ合格点になると思います。
 『標準問題精講』(旺文社)は、問題が106問と絞られています。入試によく出る標準問題というよりは、難関大学でテーマになりがちな問題が載っているという意味では、『新演習』に似ています。他科目に余裕があり、化学でヤマを当てに行く人は、『標準問題精講』という選択肢もアリでしょう。

 

『化学の新演習』と新研究や新標準演習との違いは?

 同じ卜部吉庸先生の参考書問題集ですが、まったく異なります。
 『化学の新研究』(三省堂)は、問題集ではなく、参考書です。評判は高く、教科書を読んでいて「これはなぜだろう?」と思った時、『新研究』で調べると、だいたい載っていると思います。
 『化学の新標準演習』(三省堂)は、『新演習』に比べ、教科書~標準レベルまでの網羅性が高く、『新標準演習』でほとんどの大学で合格点を取れます。まずは『新標準演習』を完璧にすることが大切です。

 

化学の新体系(啓林館)

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅100m 東大卒の塾長による個別指導

Twitter

【使い方】大学への数学増刊 入試の軌跡 私大医学部(東京出版):医学部数学の難易度は?

 

【使い方】大学への数学増刊 入試の軌跡 私大医学部(東京出版):医学部数学の難易度は?

 

created by Rinker
¥2,300 (2025/04/02 17:13:05時点 Amazon調べ-詳細)

 

 月刊『大学への数学』で有名な東京出版が出している、慶應義塾大学医学部、東京慈恵会医科大学、日本医科大学、順天堂大学医学部の5年分の数学の入試過去問集です。

 

『入試の軌跡 私大医学部』の使い方は?

 『大学への数学』誌は数学マニア向けの本(?)なので、決して、解説が親切とは言えません。
 『入試の軌跡 私大医学部』の一番の特徴は、大問ごとにA(易)~D(難)の難易度のレベル分けをしていることだと思います。
 Bが『Focus Gold』『青チャート』などの本文(章末問題や巻末問題ではないという意味)の解法の組み合わせ、ひとひねりで完答でき、発想、センス、といったものは要らない問題です。東大入試は成績を開示していて、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。東大理系もBを完答、Cで部分点、くらいで、十分、合格者平均に達します。
 『大学への数学』誌は数学マニア向けの本(?)で、数学についてはレベルが高めのコメントが多いですが、『入試の軌跡 私大医学部』の4私大医学部についてのコメントは、「B問題で完答し、C問題にどのくらい食いつけるか」といった趣旨のものが多いです。
 B問題を完答できないのなら、私大医学部の傾向と対策の前に、教科書~『Focus Gold』本文に抜けがある、という問題意識を持ったほうがいいと思います。
 C、Dについては、部分点の稼ぎ方、捨て問の見抜き方、のトレーニングにするといいでしょう。

 大学受験の数学は、他の難関大もそうですが、大問ごとに難易度の波が大きく、満点近く狙うことは難しい場合が多いです。上記のようにB問題完答、C問題部分点を達成できそうなら、数学はそのあたりにしておいて、英語や理科を強化するのがいいと思います。英語や理科は、標準レベルの網羅度を高めれば、高得点を狙える場合も多いと思います。

 他にも「医学部の数学」といった本、受験産業の用意する授業はたくさんあります。もちろん、ある程度、私大医学部の出題に傾向はあると思います。しかし、医学部受験に成功しない人は、多くの場合、傾向と対策の前、教科書~『Focus Gold』本文あたりに抜けが多いのだと思います。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅100m 東大卒の塾長による個別指導

Twitter

【使い方】化学の新体系(啓林館) どんな人におすすめ? レベル、難易度:難関大受験によく出る図表

 

【使い方】化学の新体系(啓林館) どんな人におすすめ? レベル、難易度:難関大受験によく出る図表

 

created by Rinker
¥3,829 (2025/04/01 20:07:13時点 Amazon調べ-詳細)

 

『化学の新体系』はこんな人におすすめ

・検定教科書を理解し、受験標準レベルの問題集を解け、進研模試、河合全統記述模試など標準レベルの記述模試で東大レベルの成績を出せる人
・難関大向けの問題集の解説と検定教科書でも、もうひとつ理解しにくいことがある人
・化学が大好きな人

 

『化学の新体系』の使い方、レベル、難易度:難関大受験によく出る図表

 灘中高で27年間、化学を教えられていた方が、板書を要約した形で書かれた、高校生、大学受験生向けの、化学の総合参考書です。

 検定教科書の本文を超えて、教科書の「発展」の部分に書いてあって、難関大でよく出るような話の図解、解説が親切だな、という印象です。たとえば、理想気体の状態方程式に、分子間力と分子自身の体積による補正項を導入する話などです。そのような話に出くわしたとき、『化学の新体系』で調べると、親切な図解と適切な解説が載っているかもしれません。

 ところどころに出てくる「ヨウ素と石灰石は、日本で自給できる数少ない天然資源」「硬水 便秘解消に良い」などのコラムも面白いです。

 ただし、基本事項の文章による解説は、検定教科書のほうがずっと親切です。また、大学入試には出ないことも載っています。

 教科書を理解し、受験に出ることを一通り網羅した受験標準問題集を解けるようにすれば、進研模試、河合全統記述模試など標準レベルの記述模試で東大レベルの成績になりますし、物事を根本から理解しようという姿勢のある人は、それで東大入試でも合格点を取れると思います。
 大学受験のことだけを考えると、『化学の新体系』を通読するのはかなり効率が悪いですし、その前にやらなければならないことがたくさんある人が多数派でしょう。

 

化学の新標準演習(三省堂)

化学の新演習(三省堂)

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅100m 東大卒の塾長による個別指導

Twitter