【2023】慶應義塾大学薬学部数学 難易度と傾向と対策:黄チャート+入試問題演習が鍵

 

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【2023】慶應義塾大学薬学部数学 傾向と対策と勉強法と難易度は:黄チャート+入試問題演習が鍵

 

慶應薬学部入試の数学で悩んでいる人へ

 慶應薬学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慶應薬学部の数学は、教科書の理解、基本問題と黄チャートあたりの技法で、ほぼ満点を取れます。(ただ、2022年から難化傾向のように思います。)
 この記事を読むと、慶應薬学部数学の難易度(2022年以前は月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば問題を解けるようになるのか、を知ることができます。

 

慶應薬学部入試における数学の重要性

 慶應薬学部の数学の配点は、100点/350点です。大問が3問あります。
 教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば、ほぼ満点を取れる、簡単な出題が続いています。したがって、高得点勝負になるので、「数学は捨てる」といった戦略は成り立ちません。他科目で取り返すのは、まず無理です。合格のためには、数学のかなりの高得点が必要になります。

 慶應薬学部入試における数学の重要性は理解できたかと思います。

 

慶應薬学部数学、入試本番の心構え

 日本全国、どの大学入試でも、おおむね、数学の入試というものは、大問ごとに難易度の波が大きく、並の合格者くらいではほぼ解けない出題も見られるのが普通です。
 一方で、慶應薬学部入試の数学は、全体として、教科書とFocus Goldあたりをマスターすれば解けるような難易度の問題が並びます。

 したがって、入試本番では、「ほぼ全部解かなきゃ」というプレッシャーがあると思います。そのような時に、解けなそうな問題を見て、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解ける問題ばかりがでているのが日本大学医学部の数学です。一度落ち着いて、先に他の問題に取り組む、などすると、さっき、できなかった問題もできるようになっているかもしれません。

 

2023年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

 月刊『大学への数学』誌(東京書籍)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。
 大学受験塾チーム番町でFocus Goldを採用しているので、Focus Goldベースで書いていますが、慶應薬学部が第一志望の場合、網羅系は黄チャートで十分です。

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
前半の因数分解は、見た目が少しだけ複雑ですが、教科書レベルの技法で解けます。
後半の整数問題は、当然、前半の因数分解の結果を使うものです。そうすると簡単に解けると思います。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

このAP+BPが最小になる話は、チャート式やFocus Goldなどの図形と方程式のところにはまず載っているので解けます。本文は、最後に、三角形の内接円の半径という、ひとひねりが加わっています。ただ、三角形の内接円の半径も、教科書の三角比のところに載っている話で解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

微分の問題です。
前半は、普通に式を立てていけば解けます。
後半は、不等式が常に成立する条件ですが、全部左辺に移項した式を関数と見て、それが0以上に慣ればいいという流れは、チャート式やFocus Goldなどには載っているので解けますし、仮に初見でも思いつきたいです。

(4)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

前半は、球面と、簡単な平面の交わりの円の方程式の問題です、教科書に載っているので解けます。
後半は、丁寧に図を書けば、基本レベルのメネラウスの定理、または、チャート式やFocus Goldあたりに載っているベクトルの技法で解けます。

(5)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

確率漸化式の問題です。
現在は、教科書にも確率漸化式が載っていますが、そのレベルなどで解けます。もちろん、チャート式やFocus Goldあたりにも載っているので、少し数をこなして慣れたほうがいいでしょう。

(6)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

(ⅰ)は、指数関数のこの形で相加相乗平均を使うものは、チャート式やFocus Goldあたりに載っているので、解けます。
(ⅱ)の指数方程式で分母を払って2次方程式に帰着させる形は、チャート式やFocus Goldあたりに載っているので、解けます。
(ⅲ)は、二次関数の2次方程式の解の配置との融合問題です。2次方程式の解の配置はチャート式やFocus Goldあたりに載っていますし、三角関数あたりとの融合問題もまず載っているので、同じように考えれば解けます。

(7)
『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

n進法の問題です。
難しくないのですが、問題文に文字が多いので、難しく思えてしまった人が多いかもしれません。
(ⅰ)は解き方は色々ありそうですが、愚直に割り算を実行すると、余りが-3になります。割る数がn+1なので、これは、余りがn-2ということです。たとえば、合同式などで使う考えですが、-3≡1 (mod 4)と同じ考え方です。
(ⅱ)も色々解き方がありそうです。たとえば、k乗があるので、n=(n+1-1)として、二項展開する。または、整式の割り算と同じように、商をQ(n)とでも置く。いずれも、チャート式やFocus Goldあたりに類題が載っているので解けますが、慶應薬にしては、難しめかなと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
図形と方程式の軌跡、領域あたりの問題です。

(1)
(2cosθ,2sinθ)というのは、三角関数の定義、単位円の2倍なので、分かる人はすぐに答えが出ます。

(2)
本問で(x+y,xy)なら有名問題で、チャート式やFocus Goldあたりに載っています。本問はx-yであるところにひねりがあります。まあ、+(-y)とでも見て解けば、同じように解けます。

(3)
本問もチャート式やFocus Goldあたりに類題が載っているので、同じように考えれば解けます。最後の面積は教科書レベルの積分です。交点のx座標がやや複雑なので、1/6公式を使うといいでしょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
2022年に続き「データの分析」からの出題です。

ネ~ヒは平均値を求めるだけの、中学生レベルの問題なので解けます
フ、ヘも四分位数を求める中学生レベルの問題なので解けます。
ホ、マは相関係数を計算しますが、これも教科書レベルなので解けます。
ミ、ムの何かを何倍かして定数を足すと、標準偏差や相関係数がどう変化するかは、数研出版の教科書には、章末の発展のようなページに載っていて、2022年は、やたら共通テスト型模試で出題されていました(実際の本試験での出題は少ない。)2022年以降高校入学の教科書では、この話は、本文に格上げになっています。ただし、標準偏差や相関係数の意味がわかっている、冷静に求める式を考える、などをすれば、現場で初見でも解ける問題です。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 慶應薬学部の数学の入試は試験時間は80分。配点は100点/350点です。
 
 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。

 次に、Focus Gold(独学で慶應薬学部のみを考える場合、黄チャートあたりでも良い)の慶應薬学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、慶應薬学部レベルの成績になっているはずです。
 慶應薬学部入試対策としては上記のように、教科書、Focus Goldをマスターし、過去問で入試問題に慣れ、『年度別入試問題集』(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで、さらに入試問題に慣れると、満点近くを取れるでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、慶應薬学部のみを考える場合、黄チャート本文の問題の網羅性を上げる、くらいで合格点に近づくと思います。

 例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。2023年大問3は、2022年に続き、「データの分析」の分野から出題されました。多くの薬学部生にとって、理工系でよく使われる数学よりも、「データの分析」のほうが重要だ、というメッセージでしょう。今後も、「データの分析」は要注意です。公式を当てはめるだけでなく、教科書の説明を理解しましょう。

 

他の対策サイトへの疑問

 

青チャートで対策?

 当塾のサイトでも、青チャートより上位のFocus Goldの名前を挙げています。しかし、これは、慶應薬学部より入りにくい上位国立大学を併願すること、塾長が問題を絞ること、塾長が個別指導で例題を解説し、生徒が数値が違う程度の類題を解くこと、を前提としています。
 慶應薬学部を第一志望にする場合、青チャートには、本文の問題でも、不要な問題が多く載っており、オーバーワークです。問題数が多いと、挫折する可能性も高めます。慶應薬学部を第一志望にする場合は、網羅系は黄チャートで十分と考えます。

 

『良問のプラチカ』で対策?数3?

 まず、慶應薬学部は数3の出題がないので、『理系数学良問のプラチカ数3』(河合出版)を推薦すること自体、不適切です。また、『理系数学良問のプラチカ数3』は、平均的な東大合格者も解けないような問題も多く載っています。そもそも数3の出題がないので、これ以上論じても意味がないのですが、レベル、傾向も慶應薬学部とは全く相性が悪いです。
 1A2Bの『良問のプラチカ』は、『理系』より『文系』のほうがレベルが高いです。易しめの『理系プラチカ』で考えても、難易度は慶應薬学部の入試よりも高いです。また『プラチカ』は、論述式、国立大入試、向けで、慶應薬学部のような、小問集合、マーク式とは傾向が異なり、相性が良くないと考えます。先述のように、入試問題演習は、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりがいいと思います。

 

2022年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
数3の複素数平面をつかえば、教科書レベルのなので、すぐ解けます。
数2の複素数の範囲でやろうとすると、Focus Goldあたりに(実部)+(虚部)i=0に整理して、実部も虚部も0を使う問題は載っており、それと整数問題の融合問題となります。

(2)
方程式の解がx=3なので方程式に代入するのは中学レベルです。
その後は、実数解を持たないので判別式の話にするのは教科書レベルで解けます。

(3)
確率の問題です。
図でも書いて落ち着いてやれば難しくはありませんが、慶應薬にしては、やや複雑かなと思います。

(4)
f(x)は二次関数で、極値(つまり頂点のx座標)をx=-2で取るので、文字の使い方を二次関数風にします。あとはゴリゴリ計算するだけで解けます。x2の係数の正負がわからないので、そこが少し難しいかなと思います。

(5)
絶対値がついたりして、やや複雑そうに見える対数方程式の問題です。
前半はx=6なので、底を変換して整理したあとで、代入すれば、aの値は簡単に求まります。後半は、例の定数aを分離して、グラフの交点の数で実数解の個数を考える有名問題なので解けます。

(6)
やや珍しい出題ですが、x、yの変域が与えられていて、与式を変形してさらに変域を絞り込むような問題は、Focus Goldあたりの二次関数には何問か載っているので、同じように考えれば解けます。後半は、sinとcosの和が与えられている場合、まあ、2乗してみるもので、その式を足し引きなどすると、解決の糸口が見え、解けます。

(7)
三角柱の切断面の最小値を求める問題です。言われれば難しくないですが、実戦的には、解くのは難しいと思います。ただ、受験勉強の図形問題対策として、勉強する価値は高い問題かと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
C(コンビネーション)記号をめぐる問題と数列の融合問題です。

(1)
前半は教科書にも載っている有名な等式なので、正解しましょう。後半は、素直に変形すれば解けます。

(2)
愚直に問題文の式に代入して計算していくだけで求まります。

(3)
Snは具体的に書いてみると、教科書の二項定理のところの等式の証明の問題に載っているような式になるので、解けます。anは、Snがあるので、Sn-Sn-1をやればいいのは教科書に載っているので解けます。

(4)
このような小問集は、上の問題が誘導ではないかと考えます。本文は(1)の結論を使って変形し、実際に書き並べてみると、二項定理が使える形になるので解けます。後半bnを求めるのは、(3)と同様の方針なので解けます。

ただ、全体的に、例年の慶應薬の簡潔さからすると、少し見た目が難しく、ゴチャゴチャしているなあという印象です。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
「データの分析」の分野の問題です。

(1)
前半は、平均が与えられていて、データが1つ抜けているだけなので、平均を求める式で解けます。後半は、標準偏差は分散にルートをつけたものなので、簡単に解けます。

(2)
相関係数を求める問題です。ただ、各標準偏差と共分散が与えられているので、すぐに求まります。

(3)
具体的に相関係数と平均値を求めるだけです。相関係数については、やはり各標準偏差と共分散が与えられていて、すぐに求まるので、大変ではないです。

(4)
全部の値が1増えるので、平均値が1増えるのは、すぐわかると思います。
標準偏差が「平均値からの差を2乗してルートを取ったもの」と理解していると、変わらないことを理解できると思います。
(ヘ)の平均値は、愚直に計算しても大変ではないと思います。仮平均を使えると、もっと簡単ですね。
(ホ)の標準偏差は、上記のように「ばらつきの程度」を表すと理解していれば、ばらつきが少なくなっているので「小さくなる」ことは1秒でわかると思います。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。ただ、2022年は、大問1(6)は、まあチャート式、Focus Goldあたりに類題は載っているものの、ややひねりがありました。(7)は難しいと思います。ただ、入試というものは、満点を取らなければいけないのではありません。大問2も、結局は、ほぼ教科書レベルですが、見た目が難しそうなので、とまどった人も多かったかもしれません。大問3のデータは、公式の暗記に終始するのではなく、「標準偏差」「相関係数」が何を意味するか、なども理解しておきましょう。
 教科書、チャート式レベルを固め、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

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2021年 慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
複素平面チックに解くと、極形式に直しますが、数Ⅱチックでも、2乗すれば2iという簡単な形になるので解けます。

(2)
2次方程式の実数解の差が云々という話は、教科書の解と係数の関係の問題に載っています。後半の平均変化率というのは、中学生レベルの話です。したがって解けます。

(3)
前半は教科書レベルの軌跡の問題です。
後半は、絶対つき1次関数のグラフも教科書レベルで、面積が問われている図形は単なる扇形なので、解けます。

(4)
sin2、cos2、sinとcosの積がある式はどうやるかは、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。半角と倍角を使います。
後半、sin+cosの和がわかっている時、sinとcosの積を求めるのは、教科書に載っています。その後、sin、cosを求めるのも行けるでしょう。したがって解けます。

(5)
3進法を10進法に直すのと、数列の和の融合問題です。いずれも教科書レベルといえ、解けます。

(6)
前半は教科書レベルの因数分解です。
後半は、因数分解を誘導にした、整数問題です。チャート式やFocus Goldで似たような問題に取り組んでいれば、解けます。

(7)
四面体の体積を求める問題ですが、図形を正確に把握すれば、正解するのは簡単でしょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。

(1)
正n角形の3頂点を結んでできる三角形の中で、面積が最小になる、2番目に小さくなる、確率を求める問題です。落ち着いて取り組めば解けます。問題が2通りに解釈でき、大学当局も、両方を正解にしました。

(2)
立方体の3点を結んで出きる三角形の面積の平均値を求める問題です。落ち着いて取り組めば解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度は全体でB。
3次関数に文字定数aが入っている問題です。

(1)
問題文に「任意の実数aに対し」とあるので、aについての恒等式に持ち込むのは、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。後半の接線は教科書レベルで解けます。

(2)
接線の傾きが二次関数になるので、その最小を考えるのは教科書レベルで解けます。

(3)
x座標いくつで極値をとる、といった問題は教科書レベルです。その後も愚直に三角形の3点の座標を求め、面積公式を使うだけで解けます。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 慶應薬学部は、例年、教科書の理解とチャート式、Focus Goldあたりで満点を取れるような出題が多いです。したがって、教科書、チャート式レベルを固め、慶應薬学部の過去問や年度別入試問題集(数研出版)の*(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

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2019年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度は、大問1全体でBです。
今年は雑ですね(笑)。

(1)
見た目、x+yiの形をしている数が実数であるためのaの値を求める問題です。

2乗のルートは整理すると絶対値つきになることは、数Ⅰの教科書や、チャート式、Focus Goldなどには載っています。
分母を実数化して、(iの係数)=0とすれば完答できます。

(2)
指数不等式の問題です。
指数関数は正なので、丁寧に両辺を何乗かすれば完答できます。

(3)
数列の問題です。
問題文に沿って丁寧に解いていくと、最後は部分分数分解の形になります。
これは数Bの教科書には載っています。
完答しましょう。

(4)
整数問題の不定方程式の問題です。
(ⅰ)は誘導で、大きなヒントです。
(ⅰ)でyは自然数なのでy≧1からk≦84と絞り込めます。
また、19-yが整数であることより、kが14の倍数であることもわかります。
以降、教科書やチャート式、Focus Goldなどに載っている技法を使えば完答できます。
整数問題に慣れていないと難しいと思いますが、整数問題としては標準的でいい問題だと思います。
チャート式、Focus Goldなど、教科書より少し上の段階の整数問題をパッとできるようにしていると、そのように解けばよいかが見えたでしょう。

(5)
ベクトルの問題です。
(ⅰ)
ベクトルのなす角、の式に、問題で与えられている条件を丁寧に代入すると、正解できます。
(ⅱ)
この種のベクトルが表す領域の問題は、基本形は教科書に、本問のレベルもチャート式、Focus Goldなどに載っています。
完答しましょう。

(6)
三角関数の問題です。
このsin2θ、cos2θ、sinθcosθを含む形は、教科書の章末問題やチャート式、Focus Goldなどに載っています。
半角と倍角で2θにして、合成しましょう。
本問は、0≦θ≦π/2なのもクセモノで、2θの変域に注意しましょう。
この手の話もチャート式、Focus Goldなどに載っています。
完答しましょう。

(7)
球面上に頂点がある正四角錐の体積の最大値の問題です。
まず、どこを未知数に置くかが問題でしょう。
やや難しいかもしれませんが、図解問題としては取り組んでおきたい問題です。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はBです。
アルファベットを並べる場合の数の問題です。
(1)
教科書レベルの問題です。
(2)(3)
いわゆる「辞書的配列」の問題です。
基本形は、チャート式、Focus Goldなどに載っています。
本文は、同じ文字が含まれるところに特殊性がありますが、同じように考えれば、完答できるでしょう。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はBです。
絶対値と文字を含む関数と、定数関数の交点の個数を求める問題です。
基本形は、チャート式、Focus Goldなどに載っています。
この程度複雑なものも、入試標準問題集などには載っているでしょう。
絶対値内の正負で場合分けするのはもちろんです。
部分的に放物線の部分の頂点の位置での場合分けの目のつけどころなども、入試レベルの問題で慣れておいたほうがいいでしょう。

完答しましょう。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 なにか発想力を求められるような問題は全くありません。
 教科書、チャート式などに載っている技法を、問題文にしたがって淡々と使いこなせれば、時間さえ許せば、満点近くが狙えます。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式、Focus Goldなどで入試によく出る技法を固め、河合全統記述模試などで合格点に近づいたら、年度別の入試問題集(数研出版)の*問題(頻出標準問題)あたりで入試問題演習をするといいでしょう。
 慶應義塾大学薬学部の過去問も、標準レベルの問題がほとんどで、いい演習になります。

 

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2018年慶應義塾大学薬学部数学:難易度、どうすれば解けるようになるか

 

大問1

(1)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
空間ベクトルで2ベクトルの両方に垂直で長さが与えられているベクトルを求める問題。

数研出版の教科書には、数値が違うくらいの同じ問題が載っています。
正解しましょう。

(2)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
前半は整数問題。
後半は二項定理。
普通に式を立てて解くだけです。
正解しましょう。

(3)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
数列の問題。

教科書レベルです。
正解しましょう。

(4)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はA。
対数と3次関数の融合問題。
『Focus Gold』(啓林館)などには類題が載っていますし、初見でも解けるでしょう。
正解しましょう。

(5)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
aを含む項を分離して放物線と直線の交点で考えるか、2次方程式の解の配置に帰着させるか。

いずれにしろ、入試標準問題集ではよくある話です。
正解すべきです。

(6)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
正四面体にある三角形の問題。
ゴリゴリやれば出るでしょう。
内接円の半径の話は教科書にもあります。
完答すべきです。

(7)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
定積分を含むf(x)を決定する問題。
原型は教科書にもありますし、本問の文字を2つ使う問題も、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などにはまず載っていて、それなりの進学校なら定期テストで出題されがちなのではないでしょうか。
完答すべきです。

(8)
『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
18°や36°のsin、cosを求めるために倍角、三倍角の公式を使う問題は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
三角比のところで、正五角形を使って求める問題が載っている本も多いでしょう。
ただ、国立二次などの論述式でよく使う技法というよりは、私大の単問で使う技法なので、ちょっと手薄になっているかもしれません。
完答したいです。

 

大問2

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
「条件付き確率」を理解していれば、あっさり完答できるでしょう。

 

大問3

『今年の入試で合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
微分、三角形の面積の問題。

(1)
いかにも相加相乗平均の形になります。
(2)
普通に式を立てて解くだけです。
(3)
普通に座標から三角形の面積を求める有名な公式を使って、増減表を書いて最大値を求めるだけです。
完答すべきです。

 

慶應義塾大学薬学部数学の傾向と対策と勉強法

 以上のように、教科書を理解して、『Focus Gold』(啓林館)あたりをマスターして、入試標準問題演習をすれば、時間さえ許せば満点も狙えると思います。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

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この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【レビュー】運の方程式(アスコム):天才と凡人を分けるのは好奇心!?大学受験に活かす

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

【レビュー】運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法(アスコム):天才と凡人を分けるのは好奇心!?大学受験に活かす

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『運の方程式』の著者

 鈴木祐さんという、論文マニアの方です。1976年生まれ。慶應義塾大学SFC卒業。出版社勤務を経て独立されたそうです。近年、大学などの研究論文、エビデンスに基づいた書籍を何冊も出しています。例えば

・ヤバい集中力(SBクリエイティブ)
 集中力があれば受験も有利になりますね。

・超ストレス解消法(鉄人社)
 受験にストレスはつきものですよね。

・最高の体調(インプレス)
 体調が良ければ受験も有利になりますね。

・無 最高の状態(インプレス)
 不安がなければ受験も有利になりますね。

といった、受験生にも役立つようなものも多いです。

 

『運の方程式』の内容、感想、書評

 2023年2月第1刷。
 本書は、大学などの研究に基づいて作った方程式により、運を高め、人生で成功しようという趣旨の本です。当塾は大学受験塾なので、とりあえず、大学受験で成功するという観点から、紹介します。

 

天才と凡人を分けるのは好奇心!?天才のほうが東大、医学部受験に有利ですよね

 本書には、2021年にウィスコンシン大学などで行われた、天才に特有のパーソナリティを調べる研究が載っています。この調査で、「天才」とは、数学や語学といった学問の成績に加え、斬新なアートを生む想像力、他者をまとめるリーダーシップ、哲学的な思考の深さなど、あらゆる知的ジャンルで突出した存在、と定義しています。もちろん、大学受験で突出する能力も含まれますね。
 結論は、「好奇心の有無」でした。
 本書では、世界的な物理学の教科書『ファインマン物理学』でも有名な、ノーベル物理学賞受賞者、ファインマン先生が、いかに好奇心あふれる人物だったかのエピソードが載っています。

 天才と凡人を分けるのが好奇心の有無、というのは、塾長は、よくわかる気がします。
 塾長は、自分を天才だとは思っていませんが、たとえば、当塾のパソコンは、塾長が秋葉原でパーツを買ってきて、組み立てたものです。ノートパソコンで何も困らないにも関わらず。なぜか、作ってみたかったのです。好奇心でしょうね。
 また、塾長は、夏休みや冬休みに、受験生と一緒に、長時間、塾にいなければならない時、SHARPのヘルシオホットクックを使って、自炊をしていました。普通の塾の先生なら、コンビニ弁当あたりで済ませるのではないでしょうか。この件については、まず、ヘルシオホットクックという、最新の調理器具を使ってみたかった、という好奇心が1つ。もう1つは、コンビニ弁当などに比べ、野菜をたくさん摂れるので、腸内細菌に好影響があるだろうという、最先端の科学的知見(これも好奇心で得た知識です)を活かそう、といったものです。

 他の先鋭的な指導者が、好奇心について、どのように考えているかを述べます。
 まず、学術的に、好奇心は、非認知能力(ペーパーテストで測定できる認知能力に対し、ペーパーテストでは測定できないが、ペーパーテストの成績や社会的成功に大きく影響するもの)の1つです。当然、大学受験にも大きく影響するでしょう。
 東大の脳科学の池谷裕二先生は、著書『受験脳の作り方』(新潮文庫)で「生きるのに不可欠な情報以外は忘れる」と述べています。好奇心旺盛な人は、いろんなことに「生きるのに不可欠」レベルに興味を持っているので、いろんなことが脳に残りやすく、大学受験の点数も高くなりやすいでしょう。

 元灘校の英語の先生で、英語教師集団チームキムタツを率いる木村達哉先生は、著書『東大に入る子が実践する勉強の真実』(KADOKAWA)で、「勉強体質」という言葉を使っています。「勉強体質」を、「自分で楽しいことや新しいことに出会うと、調べてみようかな、知っておこうかな、という気持ちになる体質。自分のレベルをあげようという体質。」と定義しています。つまり、好奇心に近いものでしょう。
 世界陸上400mハードルで銅メダルを2回獲得された為末大さんがYouTubeチャンネル「為末大学」を開設しています。2021年9月29日に「与えすぎて弱くなるってどういうことですか?」という動画をアップしています。

 為末さんは、この動画の中で、一番の才能は「こんなことをしてみようかなと思いつく」「何を見ても好奇心がワーッと湧いてくる感覚」といったもので、これらが後天的に最も与えにくい、と語っています。「好奇心」が一番の才能だと語っていますね。
 一方、「後天的に最も与えにくい」とも語っています。実際に、進学校の下位1~2割ほどは、勉強の技術的なもの以前に、受験勉強を通して、好奇心を失ってしまった、ような場合が多いように思います。

 

塾長の経験:好奇心を失うとこうなる

 こまめに確認テストをすることをウリにしている大学受験塾があります。しかし、上手く行っているのかなあ、という疑問があります。
 1つは技術的な問題です。好奇心が普通くらいの人でも、学習内容を忘れるのは普通なので、確認テストの日に正解できても、その1ヶ月後にも正解できるかはわかりません。大学受験勉強というものは、大学受験の日に正解できなければなりません。
 もう1つ。保護者の過保護、過干渉で、好奇心を失ったであろう人が、授業のたびに、ごくごく基本的なことで引っかかったので、毎回、授業の前に同じ内容の確認テストを行ったことがあります。まあ、そのうちできるようになったので、しばらく確認テストをやめてみました。しばらくして、久しぶりに同じ確認テストを行ったところ、すっかり忘れていました。
 まあ、大学受験の成績が上がらないメカニズムというものは、技術面の前に、このような面が前提にあることが多いような気がします。

 

好奇心の高め方

 ここで朗報です。
 本書には、南メソジスト大学の実験によると、アクションリストから選んだいくつかのミッションを実行することにより、4ヶ月ほどで好奇心が高まったことが書かれています。たとえば

・最新の科学的発見や技術に関するニュース番組を読む
・いままで見たことがない新しい映画を見る

といったものです。アクションリストは、おおむね、今まで自分がやったことがないことを、やってみよう、といった内容のものが多いです。実際に本書を買うのが一番いいと思いますが、日々、新しいことにチャレンジすることを心がける、といった感じでもいいかと思います。

 では、好奇心が高まるメカニズムは何か、ということです。これは、本書では語られず、塾長の私見ですが、『超一流になるのは才能か努力か?』(文藝春秋)などで、脳の可塑性(変化できる)について語られます。好奇心が高まるのも、好奇心が高まりそうな行動を継続することにより、脳に好奇心が高まる何らかの神経回路が構築される、ということではないかと思います。

 

人間は無意識に新しいものを嫌う

 本書では、このことを「反新奇性バイアス」と呼んでいます。
 これは、教育、大学受験についても言えることです。進学校の下位層の保護者の方というのは、8割方、単に、ちゃんとした大学の研究者や現場の指導者が言っていることの逆のことをしているケースが多いです。この方々は、ほのめかしたくらいでは、行動を変えません。だからといって、伝わるように直接的に申し上げると、猛烈に怒り出したりします。まあ、要因は、たとえば、自尊心だったりもすると思いますが、「反新奇性バイアス」という面もあるのではないかと思います。
 本書では、好奇心を高めるためのアクションリストが挙げられていますが、そのような新しいことをするのが嫌いな人が、おそらく世の中には、ある割合で存在します。
 そのために、本書では、「反新奇バイアス」に陥らないための方法も紹介されています。

 

社会性を高める:大学受験の後に役立つ

 社会性を高めるアクションリストも載っていますが、大学受験とそれほど関係はなさそうなので、あまり述べません。ただ、社会性が高いほうが、大学受験に必要な情報が集まりやすい、周りから応援してもらえる、など、目には見えないが、意外に大きな影響があるのかもしれません。
 当然、社会に出てからは、運を高める方程式として、重要なスキルになります。

 

ネガティヴで大学受験を戦いにくい人へ

 ネガティヴなゆえに、大学受験を戦いにくい、という受験生も、ある割合でいるようです。また、保護者の方が、大学受験について過保護過干渉になり、親子関係が崩壊するのも、1つは、ネガティヴさ、心配性が原因でしょう。
 そのような「ネガティビティ効果」から逃れるための、「視野拡大アクションリスト」も載っています。

 

ビジネス、研究で成果を出す:大学受験の後に役立つ

 『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(三笠書房)という本があります。著者は、ペンシルベニア大学ウォートン校のアダム・グラント教授です。『ORIGINALS』では、ノーベル賞受賞者とその他の科学者を比較した調査で、ノーベル賞を受賞するような創造性を発揮するには、その分野の深い経験がもちろん必要だが、加えて、幅広い経験が必要なのではないか、と考察しています。
 本書『運の方程式』でも、「天才は幅広い実験と一点集中を交互に繰り返す」としています。おおむね、似たような趣旨でしょう。
 まあ、あまり大学受験には役に立たないかもしれませんが、ビジネスの世界に進むにせよ、研究の世界に進むにせよ、将来は、大切な考え方になるのではないかと思います。もしかすると、自分にあう大学受験の勉強法を模索する時などには、役に立つかもしれません。

 

忍耐があったほうが大学受験に有利

 忍耐力があったほうが、大学受験に有利ですよね。社会に出てからも、忍耐が合ったほうが、運が巡ってくるでしょう。
 本書には、忍耐力を高めるためのアクションリストも載っています。

 

 本書のような最先端の科学的知見を実行し、少しでも運を高め、受験を有利にしようという姿勢を持ちたいものですね。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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【2023】慶應義塾大学医学部 英語 難易度と傾向と参考書:SVOC+修飾の把握と和文英訳

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の英語の勉強法

慶應義塾大学医学部数学

東京慈恵会医科大学医学部数学

日本医科大学医学部数学

順天堂大学医学部数学

 

【2023】慶應義塾大学医学部英語 難易度と傾向と参考書:SVOC+修飾の把握と和文英訳

 

慶応医学部の英語で悩んでいる人へ

 慶応医学部英語の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慶応医学部英語は、基本的な文法、熟語をマスターし、前後の文脈から判断する姿勢を大切にすれば、満点近く取れます。
 この記事を読むと、慶応医学部英語の難易度、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

慶應義塾大学医学部英語の傾向と対策とオススメ参考書

 試験時間は90分。配点は150点/500点です。学習指導要領上は、コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、英語表現Ⅰ、Ⅱから出題されることになっていますが、あまり関係ないかと思います。
 難しいと思える問題は無いので、以下の勉強で、かなりの高得点を狙えます。

・穴埋め問題対策
 熟語を覚えましょう。
 語形変化が必要な問題は、SVOC+修飾を正確に把握する力をつけましょう。2023年の慶應医学部英語は、述語動詞か分詞か。分詞でも、能動か受動かで、現在分詞、過去分詞のいずれを入れるか、の判断を求める問題が多かったです。あとは、穴埋め問題なので当たり前かもしれませんが、前後から判断する姿勢が、ほぼ全問で求められます。

 英単語、熟語の勉強法・参考書

 英語長文に強くなる勉強法・参考書

・英文和訳問題
 SVOC+修飾を正確に把握する学習をしましょう。

 英語長文に強くなる勉強法・参考書
 の中で「理論」となっているものを使い、SVOC+修飾を正確に理解し、音声も併用し、意味をわ      かりながらスラスラ音読するといいでしょう。
 近年、慶應医学部の英文は、新聞、雑誌、ニュース系の文体のことが多いです。そのような原文を読むのもいいのかもしれませんが、医学系の英文を探すのも大変なので、東京慈恵会医科大学、日本医科大学、順天堂大学医学部など、他大の過去問の英文をたくさん読むと、おおむね、似たような文体の英文が出ているので、入試本番向けの実戦的な英語長文対策になるでしょう。

・和文英訳問題
 英作文の参考書で勉強しましょう。

 英作文の勉強法・参考書

・内容把握問題
 長文の参考書で勉強しましょう。
 また、もともと英語には、「パラグラフの最初か最後がトピックセンテンス」という格言があります。内容把握問題で役に立つことがあります。

 英語長文に強くなる勉強法・参考書

・自由英作文
 慶應医学部英語の大問3は自由英作文です。
 大学受験用の自由英作文の参考書も色々とあります。

 また、英検準1級あたりのライティングの教材を使うのもいいでしょう。

 英作文の勉強法・参考書

 

 

2023年慶應義塾大学医学部英語:難易度、どうすれば正解できたか

 

大問1

問1
和文英訳問題です。
「生態系」は問題文中に英単語があります。
「崩れつつある」は現在進行系を使い、collapseやberak downを使うといいでしょう。
「音を立てる生命がそこにはあまりいない」はthere is not much life there to make sounds あたりでいいでしょう。そう難しくないでしょう。

問2
英文和訳問題です。
degradは覚えておくべきですし、接頭辞de-もありますし、「悪化する」といった意味だとわかるでしょう。
by human interference, storms, or heat waves はA,B or C の形の並列になっています。
「have a hard time ~ing」は「~するのに苦労する」という基本熟語です。満点近く取りたいです。

問3
英文和訳問題です。
this ではなく the case が指すものを明らかにする、というのが、本文の怪しい部分です。
studying は後ろから修飾する現在分詞です。この文の述語は have found です。this to be the case は、第5文系のOCです。the case は「事実」くらいでいいのでしょうか。満点近く取りたいです。

問4
(ア)~(キ)の単語を正しい形に変える問題です。
(ア)
be inclined to~ 「~する傾向がある」なので、inclined とします。簡単です。

(イ)
(イ)を含む文の述語動詞は、明らかに visited です。ここは能動の関係であり、後ろから修飾する現在分詞 studying とします。簡単です。

(ウ)
(ウ)はこの文の述語動詞です。過去形 led にします。簡単です。

(エ)
(エ)を含む文の述語動詞は decided です。whether がまとめる節の述語動詞は could lure です。すると(エ)は後ろから修飾する分詞で、「作られた」と受動の関係なので made とします。簡単です。

(オ)
(オ)を含むthat節の主語は sound で、(オ)は述語動詞です。文脈から「~として使われる」で、前に could があるので、be used とします。簡単です。

(カ)
(カ)を含む文の述語動詞は、can count です。(カ)は後ろから修飾する分詞で、「録音された」と受動の関係なので recorded とします。簡単です。

(キ)
(キ)を含む文の述語動詞は、have got です。(キ)は後ろから修飾する分詞で、「使っている」と能動の関係なので using とします。簡単です。

問5
和文英訳問題です。
「その静けさは、荒涼としたゴーストタウンになってしまったサンゴ礁に合っていた。」を英訳します。 The silence fitted for the coral reef that had become an empty ghost town. くらいでいいでしょう。まず、自分でかける英文になるように、和文和訳しましょう。満点近く取りたいです。

問6
英文和訳問題です。
述語動詞は took up です。playing は、後ろから修飾する現在分詞です。特に難しい部分はないと思います。

問7
並べ替え問題です。
(they)use sound to determine which habitat is the best place to call home. と並び替えます。まあ、日本語を見ながらなら、難しくないと思います。determine の目的語が、疑問形容詞 which のまとめる節になっていること。which は疑問形容詞なので、 which habitat is~ という語順になること、あたりがポイントでしょう。

問8
和文英訳問題です。
「海洋生態系の健全性は、サウンドスケープの多様性、 つまりどれだけ複雑で生産的であるかによって評価することができる。」を英訳します。The health of a marine ecosystem can be assessed by the diversity of its soundscape, in other words, how complex and productive it is.くらいでしょう。初歩的ですが、how が complex and productive を引き連れて前に出すことに気をつけましょう。満点近く取りたいです。

問9
英文和訳問題です。
Whenがまとめる節の述語動詞は第2文型の動詞 grow です。主節のthat節は同格です。難しくないですが、ポイントはこのあたりだと思います。

問10
下線部(5)について説明する問題です。両方とも、直後に書いてあるので、ほぼ、直後を訳せば解答になります。難しくないと思います。

問11
下線部(6)の  public systems によって、今後期待できると示唆されていることを選ぶ問題です。3つとも、直後で述べられているので、難しくないと思います。

 

大問2

問1
(1)~(8)の表現を単語リストから同じ意味のものを選び、適切な形に直す問題です。

(1)
(全体の一部)を成す、占めるの意の comprise が正解です。難しくないと思います。

(2)
swellは「増える」といった意なので grow が正解です。文脈からもわかりやすいと思います。

(3)
promptは「~を引き起こす」の意があるので、過去形も踏まえて brought about が正解です。文脈からもわかりやすいと思います。

(4)
drawは「(人を)ひきつける」の意があるので、過去分詞形も踏まえて attracted が正解です。簡単です。

(5)
「江戸時代が示す驚くべき類似点」で「示す」も「持つ」も同じなので、三単現も踏まえ、hasが正解です。簡単です。

(6)
flourish は「栄える」の意なので、過去分詞も踏まえて、thrived が正解です。簡単です。

(7)
この view は「考える、みなす」といった意なので、過去分詞も踏まえて、regarded が正解です。簡単です。

(8)
この serve は「役に立つ」といった意なので、三単現も踏まえて、functions が正解です。簡単です。

問2
第1段落の[a]と記された下線部を参照し、2019年に発表された人口予測において、”single people”がどのように定義されたかを日本語で説明する問題です。[a]の後半を訳すれば、解答になります。難しくないと思います。

問3
(ア)~(キ)を埋める名詞をリストから選ぶ問題です。
(ア)
「家族構成」という意で、composition が正解です。簡単です。

(イ)
前の段落を受けて、「この変化」という意で、shift が正解です。簡単です。

(ウ)
「江戸時代と現代の似た点」という意と、動詞が are なので points が正解です。簡単です。

(エ)
「アイドルやメイドカフェの原型」という意と、動詞が  were なので、prototypes が正解です。簡単です。

(オ)
「いかなる子孫も残さなかった」という意で、descendants が正解です。anyの後ろが可算名詞のときは、複数形にします。この文法が少し難しいかもしれません。

(カ)
「遺産」という意で、legacy が正解です。簡単です。

(キ)
「日本の歴史の中で最も標準的であったものへの逆行」という意で、reversion が正解です。接頭辞などからも意味は推測しやすいと思います。

問4
下線部①、②を別の表現で書く問題です。33% of、20% ofなので、3分の1を  a third of、5分の1を a fifth ofとすれば正解です。簡単です。

問5
this が何を指すかを明確にして、下線部(あ)を英文和訳する問題です。
this は直前の By 2040, it is estimated that 33% of men and 20% of women will remain unmarried throughout their lives. です。
2語目の that は同格that節です。この文の述語動詞は can be found です。new marriages  は動名詞 taking の意味上の主語です。「2040年までに、男性の33%、女性の20%が生涯未婚のままであるということがすでに起きつつあるという証拠は、毎年、新しい結婚が生じる数が減少していることに見出すことができる」となります。満点近く取りたいです。

問6
下線部(い)の日本語の意味になるように、英単語を並べ替える問題です。
Japan was not always a society in which marriage was all but universal. とします。all but 「~も同然」が難しめかと思います。

問7
下線部[b]を和訳し、その状況を説明するために、本文中にどのような理由が書かれているかを説明する問題です。
和訳は、英文からも文脈からも「男性の数が女性の数よりも2倍も多かった」でいいと思います。その理由は、直前の farmers, merchants, and craftsmen from all around the country were drawn to the capital in huge numbers in search of fortune と、次の次の段落の冒頭に Edo was home to so many single men をまとめます。つまり「江戸時代末期、富を求めて全国から江戸に集ってきたのは独身男性が多かった」とすればいいです。難しくないと思います。

問8
単語を並び替えて空欄(A)を埋める問題です。
It is probably (safe to say that divorce was more common in Japan than  in any other country at)the time. とします。safe to say that、in Japan、in any other country あたりのかたまりはわかりやすいはずで、more、than があるので比較級の文にすることを考えれば、難しくないでしょう。

問9
下線部(う)を和訳する問題です。
3語目の that は同格 that節をまとめます。この文の述語動詞は is です。「全員が結婚して、残りの人生を配偶者と一緒に過ごすという考えは、100年余りの歴史の最近のものである。」満点近く取りたいです。

問10
文章によると、(1)~(7)の記述が真か偽か判断できないかを選ぶ問題です。それほど難しくないと思います。

(1)
第1段落に people aged 65 and older make up 28.4% of the population, the highest proportion ever and the largest percentage for any country in the world とあるので真です。

(2)
「日本ほど未婚者の割合が高い国はない。」読み取れないので、判断できないです。

(3)
第2段落最後に In 1973, 1.1 million couples got married. By 2018, this had fallen almost by half, to just 590,000 marriages. とあります。半分以下ではないので偽です。

(4)
第3段落 But in fact, this is not the first time the phenomenon has occurred. 以下、the high proportion of unmarried people in Japan today is unusual. ではないことが述べられているので、偽です。

(5)
第5段落最初 Divorce is today common in Japan, with 33% of all marriages ending in divorce. But this is another area in which the Edo period shows surprising similarities with the modern period.  とあるので真です。

(6)
第6段落最初 Some aspects of the culture of the time seem to have precisely because Edo was home to so many single men. 以下で述べられているので真です。

(7)
最終段落最初 The idea that everyone should get married and stay with their spouse for the rest of their life is a recent innovation with a history of little more than 100 years.  とあるので偽です。

 

大問3

自由英作文です。
「2019年(つまりCovid-19パンデミック前)に発表された政府調査によると、日本の若者のうち、海外留学に時間を費やすことに興味がある人は32%しかおらず、これは調査対象の7カ国、すなわち米国、英国、フランス、ドイツ、スウェーデン、韓国、日本の中で最も低い率だった。この結果について、考えられるいくつかの理由を100語程度の英文で説明しなさい。」

 Several factors could contribute to the low interest among young Japanese in studying abroad, as found in the 2019 government study. Firstly, Japan’s strong economy and advanced education system might make students feel less driven to seek opportunities overseas. Secondly, cultural aspects, such as a strong connection to their homeland and a preference for staying within their own group, might discourage them from going far from home. Thirdly, language barriers could make Japanese students unsure about studying in countries where English is the primary language. Lastly, concerns about adjusting to different cultural, social, and educational environments might prevent them from pursuing international experiences.

自由英作文で頻出の題材であり、以前に類題を解いたことがある人もいたと思います。そういう人にとっては、特に取り組みやすかったでしょう。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅100m 東大卒の塾長による個別指導

 

 

2022年慶應義塾大学医学部英語:難易度、どうすれば正解できたか

 

大問1

問1
語群の動詞から(あ)~(こ)に入れるものを選ぶ問題です。

(あ)易
end up in~ 「結局~になる」という基本表現です。文脈から過去形にしましょう。

(い)
appear to~ 「~のように思われる」という基本表現です。ただし、全体として過去の話なのですが、この部分は、スマホの動画の内容のはなしで、直後のto不定詞の完了形で述語動詞よりも前の時を表していることから、現在形にして、3単現のsをつけることが、やや難しいかもしれません。

(う)易
語群と文脈から、命令文でconsider「考えろ」を入れます。

(え)易
日本語でも支援することを「バックアップする」と言います。back O upで「Oを支援する」です。

(お)易
後ろにlitter「ごみ」とあり、関係代名詞の先行詞がsomebodyと3単現なのでdropsとします。

(か)
take place「~が起きる」という基本表現です。ただ、文の構造から、直前のcrimesを意味上の主語とした動名詞takingにします。

(き)易
play a role「役割を果たす」という基本表現です。to不定詞なので原形でいいです。

(く)
aspiration(向上心), education and hard workを~するなので、語群からvalueを選びます。wouldの後なので原形です。

(け)易
see A as B「AをBとみなす」の受動態でseenにします。

(こ)易
run the risk of~「~の危険を冒す」という基本表現です。mightの後なので原形でいいです。

問2
下線部(1)を和訳する問題です。
倒置が起きていて、主語はthe realizationです。後半のasは時の接続詞です。形容詞innocentとvulnerableが「,」(カンマ)で連続していますが、両方とも後ろの名詞peopleを修飾しています。このような形が英語にはある、ということを知っておきましょう。

問3
(A)~(G)に入れるのにふさわしい形容詞を語群から選ぶ問題です。

(A)
形容詞certainは叙述用法(補語になる用法)では「確実な」という意味なので適します。一方、限定用法だと「ある、特定の」といった意味になるので注意しましょう。

(B)
文脈を把握できれば、be proud of~「~を誇りに思う」という基本表現なので簡単でしょう。

(C)
後ろにreasonがあり、文脈が把握できれば、語群からunderstandable「理解できる」を選ぶのは、それほど難しくないでしょう。

(D)
直前がthe noise, litter, graffiti, disrespect and intimidationで、直後がin our towns and cities.なので「私達の都市であまりにも一般的な騒音…」ということで、語群からcommonを選びます。

(E)
creating virtuous circles than ( ) ones.なので、virtuous(徳の高い)との対比の視点で考えて、語群からvicious(悪意のある)を選びます。

(F)
cruelty and unfairness are( )in community and social norms?なので、文脈と語群からinherent(本来、内在して)を選びます。

(G)
a small price to pay「払うべき小さな代償」ということで、語群からsmallを選びます。

問4
下線部(2)「私たちの多くは、他人を助けに行くのではなく、何か恐ろしいことや残忍なことに巻き込まれるのを恐れている。」を英訳する問題です。
「~ではなく」はinstead of~。
「他人を助けに行く」はhelp othersくらいでいいでしょう。instead ofのあとなので、動名詞にしましょう。
「私たちの多くは~を恐れている」はmany of us are afraid of~
「何か恐ろしいことや残忍なことに巻き込まれる」はgetting(ofのあとなので動名詞) involved in something fearful or cruelくらいでいいと思います。

問5
下線部(3)を和訳する問題です。
2語目のthatは主語になるthat節をまとめています。熟語動詞はshowsです。目的語はhowがまとめる名詞節です。このくらいの文構造を把握でき、単語がわかれば、満点でしょう。

問6
下線部(4)を和訳する問題です。
全体は、the+比較級,the+比較級「~すればするほど、ますます…」の構文です。

get away with~は「~を許される、~から逃げ切る」といった意味です。
形容詞 irresponsibility, anti-socialが「,」(カンマ)だけで連続し、両方とも後ろの名詞 behaviour and criminalityを修飾しているのは、問2と同じです。
このくらいの文構造を把握でき、単語がわかれば、満点でしょう。

問7
下線部(5)をitが指すものを明らかにして和訳する問題です。
itは直前の文のA society with a greater willingness to police its members’ behaviourを指すのはいいでしょう。

experienceはwouldの後ろにあるので、当然動詞です。このあたり、文脈から自然に訳せばいいでしょう。
in the first placeは「そもそも」といった意味です。
whatは関係代名詞で「~もの」です。
このくらいをできれば、満点近いでしょう。

問8
下線部(6)がどのようなことか、日本語20字以内で答える問題です。
下線部はthe sameで、では、何と同じかというと、直前のcall out unacceptable behaviourだということは、わかりやすいと思います。「受け入れられない行動に声を上げる」といった意味となります。

問9
下線部(7)「 政治家が政策問題に取り組む際、その解決策として議論するのは、政府の行動とそれが個人の自由と責任に及ぼす影響についてである。」を英訳する問題です。
「~際」は、接続詞whenを使えばいいでしょう。
「政治家が政策問題に取り組む」は「取り組む」を問13の選択肢から借用してpoliticians tackle policy issuesとでもしましょう。
「その解決策として議論するのは、政府の行動とそれが個人の自由と責任に及ぼす影響についてである。」は、「として」に素直にasを使うと、what is discussed as a solution is government action and its impact on individual freedom and responsibilityくらいになるでしょう。

問10
下線部(8)を和訳する問題です。
3語目のthatは同格that節をまとめています。この文の主語はThe expectationで述語動詞は後ろの方のisです。このくらいの文構造を把握し、単語がわかれば、満点でしょう。

問11
下線部(6)がどのようなことを伝えようとしているのか70字以内で説明する問題です。
直前にWe look back at the way families and communities once dealt with people who were gay, or had children outside marriage, or got divorced, or had the wrong colour skin, or fell in love with the wrong person,とあるので、ここをまとめると正解となります。

問12
下線部(10)を和訳する問題です。
Judging and punishingが動名詞で主語になっています。isが述語動詞です。
the whole point of~が「~の要点」といった意です。まあ、文脈と語感からわかるでしょう。
ofの後に動名詞havingとensuringが等位接続詞andで並列になっています。
このくらいの文構造を理解し、単語がわかれば満点でしょう。

問13
本大問の新聞記事の見出しとして適切なものを選択肢から選ぶ問題です。
(エ)「反社会的行為に取り組むためのより強い規範とコミュニティー」が正解です。他の選択肢は、文全体の趣旨に比べ部分的なので、適切ではありません。

 

大問2

問1
下線部(1)を英訳する問題です。
「先月のある日」は One day last monthくらいでしょう。
「~かどうかのジレンマに陥ったことに気づいた」は found himself in a dilemma about whether~くらいでしょう。
「オンラインデータを購入する」は should buy online dataくらいでしょう。
このくらいの表現をかければ満点でしょう。

問2
空欄(A)~(J)に選択肢から適語を選ぶ問題です。

(A)
少し後ろにhe has been spending more money than usual. ともあるので、The 27-year-old engineering student relies on his parents for(financial)support でいいでしょう。

(B)
classify A as B 「AをBとして分類する」は有名表現だと思います。文脈にも合うので、これでいいでしょう。

(C)
マレンガさんは首都キンシャサに住んでいます。そしてキンシャサから2,000km以上東の話なので On the other(side)of the country が正解です。

(D)
文脈から (enough) money でいいでしょう。

(E)
後ろに but the cybercafé manager had already sold them. とあることから、He(did)try to get his shoes back later と強調の助動詞didを入れれば正解です。

(F)
後ろに大学名が来ますが、地位、役職が同格で使われる場合には無冠詞になるので、a professorは不適切です。やや難しいかもしれませんが、学校採用の文法書には書いてあることが多いと思います。an expert を入れれば正解です。

(G)
「彼らが欲するどんな価格も」という文脈なので、priceにかかるwhateverが正解です。

(H)
直後が 500% なので、差を表すbyを入れれば正解です。

(I)
直前が national, provincial, と並列に来ているので、localを入れれば正解です。

(J)
no one has come up with(concrete)steps to reduce the costs (具体的)とすれば正解です。ここでの come up with は「打ち出す、提案する」くらいでしょう。

問3
下線部(2)を和訳する問題です。
特に難しくないと思います。
that節の主語が動名詞 staying、述語動詞が wouldn’t kill です。

問4
下線部(3)を英訳する問題です。
「その市民の多く」は Many of its citizens でいいでしょう。
「~が困難です」は have difficulty ~ing という表現を使えるようにしましょう。よく出ると思います。
「適切な健康管理、飲料水、電気などの基本的なサービスを利用すること」は accessing basic services such as proper health care, drinking water, and electricity くらいでいいと思います。

問5
下線部(4)を和訳する問題です。
難しくないと思います。
述語動詞は points out です。目的語がa growing digital gender gap not only in DR Congo but across the African continent, です。,where ~は、関係副詞の非制限用法なので、以下、バサッと訳し下します。as compared with は「~と比べて」です。
このくらいを把握して、単語がわかれば、満点だと思います。

問6
内容把握問題です。

(イ)
「なぜBonheur Malengaはインターネットパッケージを買った後、空腹で寝たのか?」
1,2段落を読むと、(C)食べ物とインターネットアクセスの両方を買う余裕がなかったから、とわかります。

(ロ)
the cost of owning a mobile phone – the easiest way to access the internet here – can be as much as 26% of the average monthly income. と The organisation classifies internet access as affordable when it costs 2% or less of a person’s average monthly income. から(A)が正解だとわかります。

(ハ)
For payment, the manager pulled off the new shoes Eric was wearing, forcing him to walk the long distance home barefoot. から(C)が正解だとわかります。

(二)
「コンゴの市民はインターネットアクセスを~とみなしている」
費用はas much as 26% of the average monthly income。使える割合は、only 17% of the population has online accessなので、(D)a luxury が正解です。

(ホ)
「コンゴの通信会社が高価格を課す理由の1つは~」
the government taxes telecommunication companies too heavily と They just pass these costs on to their customers. から、(D)が正解だとわかります。

問7
内容の正誤問題です。ただし、正か誤かを判断できない場合、Cと答えなければならないところが特徴的です。

 

大問3

「あなたが慶應大学医学部に学生として受け入れられるべきとあなたが考える理由を100語程度の英語で説明しなさい」という自由英作文です。まあ、医学部志望者なら、全く書くのに困らないテーマでしょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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医学部受験生の英語力向上の重要性

・英語テストの構成要素
まずなにより、目先に、慶應医学部入試には英語テストがあり、読解力、文法、語彙を測定します。慶應医学部に入学するには、このテストで好成績を収めることが必要です。

・医学のグローバル化
医学のグローバル化が進む中、英語は医学研究、教育、共同研究のための共通言語となっています。強い英語力があれば、国際的な医学界とより効果的に関わることができるようになります。

・研究へのアクセス
英語力があれば、英語で発表されることが多い最新の医学研究にアクセスすることができます。そのため、自分の専門分野の最新情報を得ることができ、世界のトレンドや動向をよりよく理解することができます。

・国際会議とセミナー
医学系の学会やセミナー、ワークショップの多くは、英語で行われます。英語力を高めることで、これらのイベントに積極的かつ自信を持って参加することができます。

・海外留学の機会
慶應義塾大学医学部では、世界の著名な教育機関と提携し、さまざまな留学プログラムやインターンシップを提供しています。これらの機会を活用し、豊かな教育経験を得るためには、高い英語力が不可欠です。

【2023】慶應義塾大学医学部数学 難易度と傾向と参考書:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

東京慈恵会医科大学医学部数学

日本医科大学医学部数学

順天堂大学医学部数学

慶應義塾大学医学部英語

 

【2023】慶應義塾大学医学部数学 難易度と傾向と参考書:教科書+Focus Goldで合格へ

 

慶應医学部入試の数学で悩んでいる人へ

 慶應医学部数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慶應医学部の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、慶應医学部数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

慶應医学部入試における数学の重要性

 慶應医学部の数学の配点は、150/500です。
 大問が4問あります。オール短答型です。短答型の場合、周りが解けている問題が、最初から何も書けない、というリスクは低めかと思います。ただ、最初のほうの小問は、易しめのことが多いので、そこで止まって、その後も芋づる式に正解できないと、他の受験生に差をつけられてしまいます。そのような大問が複数出ると、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 数学でそのような大失点を抑えることの重要性は理解できたかと思います。

 

慶應医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 慶應医学部の数学も大問ごと、または、大問内でも後半になると難度が増すなど、問題の難易度に波があります。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2023年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
三角比の問題です。このような図形で、余弦定理を2回使う問題は、Focus Goldあたりには載っており、解けます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。まず、問題で2解をα、βと置いてくれているのも大ヒントです。教科書通り、2点間の距離を求めに行けば、解と係数の関係を使えばいいと気づくはずです。最後のPQの垂直二等分線の傾きも、図形的に考えれば簡単に解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。
普通に、接線を求め、囲む面積を求めるだけで、理論的には教科書レベルなので解けます。定積分が、入試ではよく出るような形ですが、少しだけ複雑なので、入試問題集やFocus Goldあたりで慣れておきましょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です。

(1)
まだごく簡単で、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
nが入り抽象的になりますが、反復試行を教科書の説明から理解していれば難しくないですし、実際、本文のような、事象が3つの反復試行の問題は、Focus Goldあたりに載っているので、解けます。

(3)
本問もnが入りますが、問題の状況を理解できれば、教科書レベルの反復試行の問題なので、解けます。

(4)
本問もnが入りますが、問題の状況を理解できれば、教科書レベルの反復試行の問題なので、解けます。

(5)
確率の問題では、常に、余事象を取ることは、頭に入れておきます。また、本問のように、a4>b4とa4<b4が対称であることを利用する問題は『合格る確率』(文英堂)あたりには載っており、解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の極限、微積分の問題です。

(1)
愚直に接線の方程式を求め、接点以外の曲線との交点の座標を代入すると漸化式が立つので、解けます。

(2)
数列の一般項と無限級数の和を求める問題です。(1)で公比が求まっているので、簡単に解けます。

(3)
三角形A1A2A3の重心の軌跡を求める問題です。この程度の1文字消去して、x、yだけの式にする問題は、Focus Goldあたりに載っているので、解けます。

(4)
三角形A1A2A3が鋭角三角形になるためのa1の条件を求める問題です。鋭角三角形になるための条件は、教科書だと、三角比の余弦定理あたりに書いてあると思います。愚直にその通りにやれば解けます。

(5)
図形の面積比を求める問題です。
積分も駆使して愚直に求めに行けば解けます。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
極座標、図形、数3の微分あたりの問題です。2022年に引き続き、円と円が接する問題ですが、転がらない分、2023年のほうが、題意は把握しやすかったかもしれません(笑)。

(1)
(あ)(い)は基本的な図形的考察と三角比で解けます。
図形問題は慣れが必要なので、検討する価値が高い問題かと思います。

(2)
三角形の面積の最大値を求める問題です。やや計算が複雑ですが、方針としては、数3の微分に忠実にするだけですので、解けます。

(3)
もう1つ接する円が出てきて、その半径を求める問題です。
平面図形や図形と方程式に出てくる、2円の位置関係を使います。
また、(1)でもそうでしたが、t=tan(θ/2)としたときに、sinθ、cosθ、tanθをtで表す問題は、チャート式やFocus Goldあたりの三角関数や数3の積分に載っています。それを使いこなすとかなり速いです。

(4)
大きい円に内接している3円の周の長さの和の最大値を求める問題です。
本問も、もはや、やや計算が複雑ながら、方針としては、数3の微分に忠実にするだけですので、解けます。
計算はやや大変かもしれませんが、完答も十分可能な大問です。

 

慶應医学部数学の傾向と対策と勉強法 

 試験時間は100分。配点は150点/500点です。大問2は確率が出ることが多いです。ただ、突発的にデータがでたりもするので注意しましょう。数3の微積分はまず出るでしょう。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。慶應医学部は、大問2で確率が出ることが多いです。かつては確率漸化式が続きましたが、近年は漸化式を使わない確率が出ています。余裕があれば『合格る確率』(文英堂)で、上位国立大学で出題される技法もマスターしましょう。他大との併願にも役立つでしょう。

 数3の微分積分は、ある程度までは、取り組みやすいことが多いです。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。Focus Gold数3の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。ただし、積分は、Focus Gold数3には、全国的によく出る技法が、かなりの網羅度で載っていますが、慶應医学部の場合、面積、体積が多く、優先順位をつけたほうがいいと思います。

 2023年は、慶應医学部にしては簡単な出題でした。ある予備校では、1次突破ラインは70~75%程度か、としています。1次合格が260人に対し、入学許可総数168人なので、もう少し取りたいですが、上記の通り、大問1~3は完答が容易、またはやや計算が面倒程度。大問4も、なにか思考力、発想といったものは不要で、計算さえ頑張れば、完答も可能です。Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、80%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

慶應医学部数学オススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの慶應医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、慶應医学部レベルの成績になっているはずです。
 慶應医学部入試対策としては『文系数学良問のプラチカ』、過去問を、上記のように、合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、数3の微積分、特に積分は面積、体積、確率、などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 

 

2022年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
絶対値が2重についている方程式です。
Focus Goldの章末問題あたりにも載っていますし、初見でも、いつも通り場合分けして絶対値を外しに行けば解けます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はA。
因数分解です。がんばれば正解できるでしょう。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
対数の問題です。
前半は、「定義域」を真数条件から考えさせる問題です。慶應医学部は、このような形で、教科書の説明に書いてあるようなことの理解を問うてくることがあるので、注意しましょう。
後半は、結局、対数不等式になります。類題はFocus Goldあたりには載っているので解けます。

(4)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
合成関数と数列の融合問題です。素直に問題文に従えばいいのですが、その過程で、Focus Goldあたりには載っている問題の技法を使うので、よく勉強しておくといいでしょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
確率の問題です。
過去、ずっと確率漸化式が出題されていて、2021年はデータが出題されましたが、2022年は、漸化式を使わない確率となりました。

(1)
玉の個数が具体的な数字であれば、かなり簡単な問題ですが、n、k、iと文字が3つも使われており、かなり抽象性が高い問題です。ただし、抽象性が高い問題も、具体的な問題と同じようにすれば解ける、という姿勢が大切です。特に、C(組み合わせ、コンビネーションの記号)と文字を含む式の変形に慣れておくといいでしょう。

(2)
袋A、Bから玉を取り出して、逆の袋に入れる、というよくある問題です。2022年、2020年に慈恵でも出題されています。丁寧に推移図を書けば簡単なので、解けると思いますが、よく出そうなので、慣れておくといいでしょう。

(3)
(2)に比べて、球の出し入れの回数が増えただけの問題です。推移図と計算が少し面倒くさくなりますが、難しいわけではないので、解けます。

(4)
題意を理解すれば(難しくない)計算も簡単で、あっさり解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
円の中を円が転がる問題です。中学受験で慣れていると、状況を把握しやすかったかもしれません。

(1)
原点以外の点回りの角α回転の問題なので、複素数平面を使うと、教科書レベルなので解けます。

(2)
円の中を円が転がるメカニズムをイメージできていると、中心角、円周角などで、簡単に解けたと思いますが、経験がないと意外と大変かもしれません。

(3)
(1)(2)の誘導に乗れば解けます。
最後、このような軌跡の問題でsin2θ+cos2θ=1に代入するのはよくあるので、心に留めておきましょう。

(4)
(2)、(3)とは逆に、大きい円のほうが移動します。状況さえ把握すれば、(2)(3)と同様にやればいいのですが、状況を把握するのが難しいかもしれません。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
全体として、数3の微積分の問題です。

(あ)
下に凸になる条件なので、2回微分すれば求まります。教科書レベルです。
(い)(う)
変曲点のx座標なので、2回微分したもの=0の方程式を解けば求まります。教科書レベルです。
(え)
関数y=g(x)が極小となるxがただ1つとなる条件を求める問題です。g'(x)の符号が負から正にただ1回変化すればいいのですが、似たような考察をする問題はFocus Goldあたりには載っているので、理論上は解けます。また、4次関数のグラフの種類を一通り書くのは教科書レベルであり、極小となるxがただ1つとなる時のグラフの概形はイメージしやすいでしょう。ただ、計算がきついかもしれません。
(お)
関数y=g(x)を最小にするxの値を求める問題です。結局4次関数であることを考えれば、わかりやすい部分もありますが、計算が意外と大変かもしれません。
(か)
曲線の長さの問題です。
教科書通りにxで積分すると、左端が微分可能ではないので、論理ミスになります。そこに気づくのが難しいかな、と思います。

 

慶應医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2022年は、ある予備校では、1次突破ラインは55%程度か、としています。1次合格が279人に対し、入学許可総数178人なので、もう少し取りたいですが、上記の通り、大問1,2は完答が容易、大問3、4も半ばまでは部分点は取りやすいので、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2021年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)
の難易度はB。
ベクトルの問題です。
本問の、ベクトルの式を少し移項して、大きさを取って、両辺を2乗する技法は、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っていて解けます。
また、むりやりベクトルの内分形を作って、その式を読み取る問題も、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っていて解けます。
三角形の面積は教科書レベルで、最後まで完答できます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
曲線をx軸回りに回転させた回転体の体積の極限の問題です。式はやや複雑な部分もありますが、考え方は教科書レベルの組み合わせで完答できます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
集合の要素の個数、二次方程式の解の配置、整数、あたりの融合問題です。
ただし、1つ1つの技法は、チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っており、それらを使いこなせれば、完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はB。
平均値、分散、共分散、相関係数あたりの問題です。
昨年までは、ここで確率漸化式が出題されていましたが、医師には、データ、統計の素養が必要だということでしょうか。

(1)
平均値と分散を求める教科書レベルの問題で、解けます。

(2)
教科書レベルの共分散と簡単な整数問題の融合で、解けます。

(3)
少しは式は難しいですが、愚直に教科書レベルの相関係数を求めに行けば解けます。

(4)
教科書の相関係数を根本から理解していれば、1分かからずに解けます。
最後まで完答しましょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はC。
座標平面上の2つの塔を見上げる角度が等しくなるという設定の問題です。

(1)
見上げる角度が等しい点Pの軌跡を求める問題です。式を立てて整理すると、軌跡の話になります。本問は円になります。

(2)
点Pはy軸上にただ1つという条件から、塔の1つの位置を求める問題です。
点Pはy軸上にただ1つという条件から重解条件を使うなどすれば解けます。

(3)
点Pはx軸上にただ1つという条件から、塔の1つの位置を求める問題です。
やはり重解条件を使うなどすると、楕円、双曲線になります。
理論上は完答も可能かと思いますが、実戦的には、式がなかなか複雑など、大変かもしれません。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京書籍)の難易度はC。
与式の曲線はカテナリーと言われるもので、また、大学で習う双曲線関数、y=coshx(ハイパボリックコサイン)と同じです。これが円と共通接線を持つという問題です。
問題文にしたがって、愚直に式を立てていくと、ある程度まではいけそうですが、後半は実戦的にはきつそうです。半分くらいでいいのではないでしょうか。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強と傾向と対策

 大問1,2は完答。大問3,4は前半を取る、くらいで、他の受験生に十分に差をつけることができるでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。
受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2020年慶應義塾大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
平面αの法線ベクトルを1つ探すのは簡単なので、αの方程式を求めるのも簡単です。したがってxy平面との交線を求めるのも簡単なので、前半は解けます。αとxy平面のなす角もベクトルのなす角で解けます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3基本レベルの最大値、面積、回転体の体積を求める問題なので、解けます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。
α=a+biと置くと、あとは、ほぼ、教科書レベルの式変形、図形敵考察なので、解けます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です。
(1)~(3)
基本的な確率の問題なので、解けます。
(4)、(5)
考え方は難しくないのですが、Σを使うので、あらかじめ準備しておかないと厳しいでしょう。確率全般に言えることですが、Focus Goldなどの網羅系総合参考書は、確率がやや弱いので、『合格る確率』(文英堂)あたりをこなすことをおすすめしています。このあたりまで準備しておくと、解けます。完答しましょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
素直に代入して与式の形になるように変形していくと、解けます。

(2)
このような小問は、上の問題が誘導なのではないかと考えましょう。
(い)は素直にやるだけで、(う)(え)は(1)と(い)を使うと解けます。
(お)は、与式の漸化式にもっていく方針で、(1)を使いつつ変形をするとできますが、やや難しいかもしれません。
(お)の漸化式は、教科書レベルの2項間漸化式なので、(お)ができれば(か)ができます。
(き)は、1+g(x)=f(x)に気づくかどうかでしょう。似たような公式は、数1の教科書の三角比に載っていますが…。
(く)の極限は、見た感じはさみうちで、形はやや複雑ですが、Focus Goldなどのはさみうちを使う問題と同じような方針でやれば、解けます。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
素直に面積を求めてbについて解くだけなので、解けます。

(2)
曲線上の点と原点との距離を関数として、増減表を書けばいいだけなので、式はやや複雑ですが、理論的には解けます。定義域の中で極値を取るか取らないかで場合分けする問題は、Focus Goldあたりでは、数2の微分で出てきます。

(3)
(お)は(2)の結果を使い、根号内の増減表を書けばいいだけなので、解けます。
(か)のcosθを求める問題は、三角比を使うだけなので解けます。

(4)
大問3(く)と同様に、見た感じはさみうちでしょう。しかも、極限値が問題文で与えられている証明問題です。素直に曲線の長さを求め、極限値ではさむことを目指して、問題文で与えられた式を使って変形すれば解けます。

 

慶應義塾大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 上記のように、確率は『合格る確率』(文英堂)、その他はFocus Goldをマスターし、少し入試問題に慣れれば、大問3(お)以下以外は、解けそうです。他の受験生に十分、差をつけることができるでしょう。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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慶應義塾大学医学部入試数学の特徴

 慶應義塾大学医学部入試数学の特徴は、以下のようになります。

問題文の長さと複雑さ

 慶應医学部数学の問題文は一般的な数学の問題文よりも長く、情報量が多いです。また、文章が複雑な表現や専門用語を含む場合もあります。そのため、問題文を正確に読み解き、必要な情報を取り出す能力が求められます。

応用問題の頻出

 慶應医学部数学の問題では、基礎的な知識だけでなく応用力も問われます。応用問題の割合が多く、実際の医学や科学に関連した問題が出題されることがあります。そのため、数学の知識を実際の問題に応用する能力が必要です。

計算力と論理的思考力の要求

 慶應医学部数学では、正確な計算力と論理的思考力が求められます。計算問題や論理的な解法を考える問題が出題され、素早く正確な計算や論理的な思考を行う能力が必要です。

文章問題の特徴と対策

 慶應医学部の数学問題には文章問題が多く出題されます。これらの問題では数学的思考力や論理的な解釈が求められます。文章の中から必要な情報を見つけ出し、数学的な解法に繋げることが重要です。
 対策としては、問題文をじっくりと読み解く力を養うことが重要です。問題文の中に隠された情報や条件を見落とさずに把握しましょう。また、数式や式変形を駆使して問題を解くために、数学的な表現や関係性に敏感になることも重要です。過去問演習や応用問題への挑戦を通じて、文章問題に慣れることを目指しましょう。

図形問題の特徴と対策

 慶應医学部の数学問題には図形問題もよく出題されます。これらの問題では直感的な判断や図形を活用した解法が求められます。図形の性質や関係性を把握し、適切な図を描くことが重要です。
対策としては、図形の性質や基本的な定理をしっかりと理解することが重要です。図形の特徴や関連する定理を把握し、問題に適した図を描くことで問題解決に役立てましょう。また、図形を活用して数学的な関係性や証明を導き出す能力を養うことも重要です。繰り返しの問題演習や図形を用いた問題の解法に取り組むことで、図形問題への対応力を高めることができます。

 慶應医学部数学の特徴に対応するためには、問題文の読解力や数学的な思考力を養い、図形問題への対応力を高めることが重要です。問題演習や過去問の解析を通じて、特徴的な問題に慣れることで自信をつけましょう。また、教科書や参考書を活用して必要な知識や解法を学び、継続的な学習と演習を行うことが成功への鍵となります。

 

慶應医学部数学の時間配分の例と対策

 慶應義塾大学医学部入試では、数学の時間配分が重要です。ここでは、時間配分の例とそれに対する対策について詳しく解説します。

時間配分の例

 慶應医学部の数学の試験時間は限られています。一次試験の数学科目においては100分の時間が与えられます。この時間内に複数の問題に取り組むためには、効率的な解法やスキルが求められます。

対策としての解法パターンや定石の習得

 時間内に正確に解答するためには、解法パターンや定石を習得することが重要です。解法パターンとは、特定の問題に対して一般的に有効な解法やアプローチのことです。定石とは、よく出題されるパターンやテクニックを活用することで効率的に解答する方法です。
 対策としては、Focus Goldなどを通じて、解法パターンや定石を積極的に学習しましょう。過去問や模擬試験など、実際の試験形式に近い問題に取り組むことで、より実践的に解法や定石を使いこなせるようになります。

時間内に正確に解答するための対策

 時間内に正確に解答するためには、以下の対策を行うことが有効です。

・問題の把握と計画の立て方
 問題文を速読し、問題の要求や条件を把握することが重要です。問題ごとに適切な解法やアプローチを選択するためには、計画的に問題に取り組むことが必要です。時間配分を考慮して、問題ごとに所要時間を見積もりながら解答を進めましょう。

・計算力の向上と正確性の確保
 計算ミスを防ぐために、正確な計算を心掛けましょう。計算のスピードと正確性は両立させることが重要です。計算ミスを減らすためには、丁寧な計算や解答の確認を行うことが大切です。

・問題演習の継続とスピードアップ
 問題演習を通じてスピードアップするためには、反復練習が必要です。時間内に解答できるスピードを身につけるために、定期的な問題演習を行いましょう。繰り返しの演習を通じて問題の構造や解法に慣れ、スピードアップを図りましょう。

・捨て問の見極め
 合格のためには、満点を取らなければいけないわけではありません。むしろ、かなりの失点が許されます。上記のランクづけでBは完答、C、DはBレベルまで部分点、という方針で、合格点を十分に超えます。

 時間配分の例とそれに対する対策として、解法パターンや定石の習得、問題の把握と計画の立て方、計算力の向上と正確性の確保、問題演習の継続とスピードアップ、捨て問の見極めが重要です。これらの対策を意識しながら効率的な解答を目指しましょう。

 

【2023】東京慈恵会医科大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

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東大・医学部受験の数学の勉強法

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【~2019】東京慈恵会医科大学医学部数学

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東京慈恵会医科大学医学部英語

 

【2023】東京慈恵会医科大学 数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

東京慈恵会医科大学入試の数学で悩んでいる人へ

 慈恵数学の難易度、また、どのような参考書をマスターすれば合格点を取れるかがわからずに、悩んでいませんか?
 実は、慈恵の数学は、教科書の理解、基本問題とFocus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで、ほぼ合格点をとれます。(さすがに、少し、補強が必要です。)
 この記事を読むと、慈恵数学の難易度(月刊『大学への数学』誌のものも併記してあります)、どのように勉強すれば合格点を取れるか、どこまで解ければいいのか、を知ることができます。

 

東京慈恵会医科大学入試における数学の重要性

 東京慈恵会医科大学医学部の数学の配点は、100/400です。
 大問が4問あります。短答型もあります。論述式も、小問に細かく分割されている場合もありますし、大問が分割されていない場合もあります。短答型の場合、周りが解けている問題が、最初から何も書けない、その後の問題が芋づる式に解けない、というリスクは低めかと思います。ただ、易しめのことが多いので、正解できないと、他の受験生に差をつけられてしまいます。一方、論述式の場合、小問に分かれていても、教科書やFocus Goldに抜けがあると、小問の最初の方で止まってしまいます。それ以降の問題も芋づる式に解けないので、他の受験生に大きく差をつけられてしまうリスクは変わりません。小問に分かれていないと、なおさら、白紙答案のリスクは高まります。そのような大問が複数出ると、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 数学でそのような大失点を抑えることの重要性は理解できたかと思います。

 

東京慈恵会医科大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 東京慈恵会医科大学医学部の数学も大問ごと、または、大問内でも後半になると難度が増すなど、問題の難易度に波があります。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2023年東京慈恵会医科大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です。近年、ここは確率が出ます。

(ア)
愚直に書き出せば正解できます。確率は、常に、愚直に数え上げるという選択肢を頭に入れておきましょう。

(イ)
整数問題との融合のような問題です。分母を払って、(整数)✕(整数)の形にするのは、Focus Goldあたりには載っているので解けます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
愚直に微分して、積分して、積分定数Cを定めれば解けます。いわゆる「微積分学の基本定理」を使います。似たような処理はFocus Goldあたりには載っているので解けます。

(2)
2接線が直交するので、傾きを掛けて-1に向けて、式を立てていけば解けます。

(3)
愚直に積分してSnを求めて、Σ計算をして、極限を取れば解けます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
線分の長さが無理数になることの証明です。
教科書や、チャート式、Focus Goldあたりの背理法のところに、「ルート2が無理数であることの証明」と言った問題が、まず載っています。したがって、本文も背理法で、途中までは同様の方針で行くことはいいと思います。
その後は本問の独自性です。整数問題で学んだことを書けるだけ書いて、部分点狙いで、合格点に達するでしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
空間ベクトルの問題です。

(1)
2つの空間ベクトルの交点の問題は、チャート式、Focus Goldあたりには載っているので、理論上は解けます。ただ、最後まで答を出すには、計算で詰まってしまう可能性があると思います。

(2)
問題は、内積の最大値を求めるだけなのですが、方針が難しく、並の合格者程度では、完答できた人は少なかったでしょう。難易度Cたるゆえんだと思います。

 

慈恵医学部数学の傾向と対策と勉強法

 試験時間は90分。配点は100点/400点です。近年、大問1は確率が出ます。数3の微積分はまず出るでしょう。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。東京慈恵会医科大学は、近年は、大問1で確率が出るので、あまり難しいものはでないかなと思いますが、油断はできません。余裕があれば『合格る確率』(文英堂)で、上位国立大学で出題される技法もマスターしましょう。他大との併願にも役立つでしょう。

 数3の微分積分は、ある程度までは、取り組みやすいことが多いです。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。Focus Gold数3の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。ただし、積分は、Focus Gold数3には、全国的によく出る技法が、かなりの網羅度で載っていますが、東京慈恵会医科大学の場合、面積、体積が多く、優先順位をつけたほうがいいと思います。

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの東京慈恵会医科大学に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、東京慈恵会医科大学レベルの成績になっているはずです。
 東京慈恵会医科大学入試対策としては『文系数学良問のプラチカ』、過去問を、上記のように、合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、数3の微積分、特に積分は面積、体積、確率、などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 2023年は、ある予備校では、1次突破ラインは55%程度か、としています。2次合格+繰り上げを考えると、もう少し取りたいですが、上記の通り、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、大問1,2は完投でき、大問3,4は半分程度は取れそうなので、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、Focus Goldあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2022年東京慈恵会医科大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
袋A、Bに白玉、赤玉が入っていて、入れ替えるような問題です。このような問題は、慈恵でも2020年にも出ています。また、同じ2022年の慶應医も赤玉、白玉を入れ替えるような問題です。
本問は、丁寧に推移図でも書けば、分数のかけ算とたし算で、完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
数3の微積分の問題です。

(1)
f(x)が微分可能かを調べる問題です。微分可能の話は、受験での頻度はやや低いので、疎かになりがちかもしれませんが、出題されるので注意しましょう。教科書通りに調べるだけなので、正解できます。

(2)
f(x)の最大値がルート2になるように定数aの値を定める問題です。普通に、場合分けして絶対値を外し、増減表でも書けばいいので、正解できます。

(3)
x軸回りの回転体の体積を求める問題です。教科書通りにやるだけなので、正解できます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
整数問題です。

(1)
前半は、kが3または4であることを証明する問題です。似たような証明は、他大でも出ています。kが5以上だと矛盾が生じることを言えばいいです。kが1,2でないことは、問題文から簡単に言えます。後半は簡単でしょう。

(2)
本問は( )の中に2項あり、a2乗されているので、2項定理を使うことを考えます。2項でなくても、n乗されている状況を見たら、無理やり2項定理に持ち込む技法は、わりとよくある話で、Focus Goldあたりにも載っています。2項あるのだから、なおさらです。
難易度はCですが、完答も狙えると思います。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
複素数平面の問題です。

(1)
複素数平面でzの絶対値が1という状況は頻出で、それにどう対応するかは何通りかありますが、本問は、z=cosθ+isinθと置いて進めると、見通しが良さそうです。このあたり、軌跡のような問題で、sin、cosを扱うときに、sin2θ+cos2θ=1に代入するのは、よくある話です。

(2)
直感的には、答はx軸平行の直線です。
このように、円、楕円、放物線と直線の交点が出てくる問題で、解と係数の関係を使うのは、Focus Goldあたりにも載っています。ただ、その後の計算を遂行できるかといえば、なかなか難しく、部分点狙いで十分合格点でしょう。

 

慈恵医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2022年は、ある予備校では、1次突破ラインは55~60%程度か、としています。1次合格が約500人に対し、2次合格+繰り上げが250人ほどなので、もう少し取りたいですが、上記の通り、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2021年東京慈恵会医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
確率の問題です。泥臭く数えあげていくタイプの問題です。
途中、入れ替えを数える時に反復試行を使います。
ただし、それほど難しくはないので、完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数学Ⅲの微積分、接線、回転体の体積、面積、極限の問題です。

(1)
教科書に比べ、関数が少しだけ難しいですが、接線も回転体の体積も、技法は教科書レベルです。

(2)
このような、よくわからない極限は、だいたい、「はさみうち」でいきます。
後半、不等式の評価がやや難しいかもしれませんが、すこし工夫が必要な問題もFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
できれば完答したいですが、途中まででも合格点でしょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

(1)
cos、sinの連立方程式に、aが入って少し抽象的になっただけの問題なので、完答に近いところまで行きたいです。

(2)
難しいと思います。
(1)を完答、またはそれに近い部分点で十分に合格点でしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
似たような問題はチャート式、Focus Gold(啓林館)などに載っている、図形と極限の融合問題です。これらの本に何題かは載っているので、それらを解けるようにすれば、本問も完答できます。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2021年は、大問2後半、大問3後半以外は、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)あたりに似たような話が載っているので、完答することができます。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2020年東京慈恵会医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
確率の問題です。

(ア)
赤玉、白玉を袋から取り出し、入れるだけの、教科書レベルの組み合わせの出題なので、正解できます。

(イ)
2回の操作の後、袋Aが白玉だけになるに至る推移が複数通りあり、その確率を全て足します。このように、複数の推移を考える問題はFocus Goldあたりには載っているので、正解できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。

(1)
(右辺)ー(左辺)≧0を示す、数3の教科書レベルの不等式の証明なので、正解できます。

(2)
このような積を含むものは、対数を取る、という問題はFocus Goldあたりには載っています。そして、その後、Σから区分求積法に持ち込む流れもFocus Goldあたりには載っています。さらに、このような極限は、まあ、はさみうちだろう、というのもFocus Goldあたりには載っていて、いいでしょう。実戦的には、大変な部分もありますが、以上のような考え方で、完答できないこともないでしょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
整数問題です。

(1)
まあ、整数問題なので、文字は惜しまず使い、あとはbの偶奇の場合分けくらいで示せるので、整数問題に慣れていれば、示せるでしょう。

(2)
このような問題は、上の小問が誘導ではないかと疑います。本問もそうです。
問題文は有限小数ですが、整数問題に帰着するため、10n倍するのはいいでしょう。
あとは、「存在することを示せ」という問題なので、1つ存在することを示せばいいわけです。(1)の結論を使い、与式を満たすものを見つければいいので、完答できないこともないでしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
座標空間内の曲線y=x2をy軸周りに回転してできる局面上の3点ABCと原点Oが正四面体を作る問題です。

(1)
正四面体の1辺の長さを求める問題です。
対称性から、一般性を失わないようにABCの座標を設定できるので、あとは、2点間の距離などで出るので、正解できます。

(2)
本問も、平面ベクトルで出てくる、例の「直線上にあるので係数を足すと1」に持ち込むと見通しがいいです。その後、一見、相加相乗平均を使うようには見えませんが、使うと見通しがいい状況になり、それに気づけば、完答も可能でしょう。本問の状況で、相加相乗平均を使う、というのは、1つ、頭に入れておくといいでしょう。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2020年は、Focus Goldあたりに載っていない話を使う流れが大問の後半に多く、したがって、難易度はBCCCとなっています。C問題は、並の合格者は完答できませんから、大問1完答、大問2(2)途中まで、大問3(2)途中まで、大問4(2)途中まで、といった具合で、他の受験生に十分、差をつけることができるでしょう。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、Focus Goldあたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2019年東京慈恵会医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『大学への数学』4月号の難易度はB。
点Pが座標平面状を動いていく確率の問題です。
見た目が似たような問題はFocus Gold(啓林館)あたりにも載っていますが、初見でも問題ないでしょう。
(イ)は丁寧に数え上げましょう。
確率の問題は、常に「数え上げ」を選択肢に入れておきましょう。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
(2)
『大学への数学』4月号の難易度はA。
幾何でいくか、ベクトルでいくか。
いずれにせよ完答すべきです。

 

大問2

『大学への数学』4月号の難易度はB。
数Ⅲの微積分、接線、面積、面積の極限の問題です。
(1)
問題文にしたがって、2回微分して、増減表を書き、漸近線を調べましょう。
(2)
共通接線の話はチャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
それで解けます。
(3)
(1)で凹凸を調べているので、上下関係はわかります。
あとは丁寧に積分計算をして、極限を求めましょう。
完答すべきです。

 

大問3

『大学への数学』4月号の難易度はB。
一文字を固定するなどの解き方もありますが、教科書や学校採用教材の観点からは、図形と方程式に出てくる、領域と最大最小の問題と捉えるのがいいでしょう。
ただ、xとyが自然数なので、領域ではなく格子点を考えることになります。
完答すべきです。

 

大問4

『大学への数学』4月号の難易度はC。
複素数平面の問題です。
(1)
3点O,
P,Qは同一直線上にあるので、ベクトルのような感覚で求めれば解けます。
(2)
複素数平面の軌跡の問題で、最終手段としてx+yiと置いて、数Ⅱの軌跡のように解く問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
軌跡の問題で実部や虚部の数値に注目する問題もFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
それらを駆使すれば完答も狙えるでしょう。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、時間さえ許せば満点も狙えるような出題です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2018年東京慈恵会医科大学数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
カードを並べて○の倍数になる確率、といった問題は、確率の入試問題集ではよくある話です。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
素直に絶対値の中の正負で場合分けして絶対値を外すと、xまたはyが定数になるので、あとは1変数の二次関数の最大最小の問題に帰着されます。
ただ、絶対値つきの方程式、不等式の表す図形について、xに-x、yに-yを代入して対称性を考える技法は知っておいたほうがいいでしょう。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
微積分の問題。
(1)
与式を見て置換したくなり、この手の部分積分は同じ形が出てくるかも、と思っていれば解けるでしょう。
同様の置換は、たとえば、日本医科大学で2016年、2018年に出題されています。

(2)
この手の不等式の証明も『Focus Gold』(啓林館)あたりには数問載っています。
(3)
数学の入試問題の流れとして、(1)ではfn‘(x)を求めさせているのだから、ここではその結果を使って積分して考えろ(いわゆる微積分学の基本定理)ということなのでしょうが、ちょっと発想が難しいと思います。
(2)までできれば万々歳でしょう。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
二次式で割った余りをanx+bnとする問題は『Focus Gold』(啓林館)の数列のところに載っています。(1)
素直にやるだけです。
(2)
余りの問題で商をQ(x)(この問題ではQn(x))とおくのはセオリーです。
bnの漸化式が対数をとって解ける形だと変形に気づくかどうかでしょうか。
漸化式を対数をとって解く類型は、『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っています。

最後、はさみうちに持っていくのも入試標準問題集ではよくある話です。
(2)の途中あたりまで解きたいです。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ベクトルの問題。
θ以外は具体的な数値なので、取り組みやすいのではないでしょうか。
(1)

ゴリゴリやるだけです。
(2)
ゴリゴリやるだけです。
完答したいです。

 

東京慈恵会医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌も「2題はCレベルで完答しにくい」と述べています。上記のようにB問題完答、C問題部分点を取れれば、合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、受験標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2024】日本医科大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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慶應義塾大学医学部数学

東京慈恵会医科大学医学部数学

順天堂大学医学部数学

 

【2024】日本医科大学医学部数学 難易度と傾向と対策:教科書+Focus Goldで合格へ

 

日本医科大学入試における数学の重要性

 日本医科大学医学部の数学の配点は、300/1000です。
 また、大問が4問ありますが、小問に細かく分割されていて、短答型の問題も多く、前半の問題は、易しめのことが多いです。国立医学部の答案用紙が真っ白で、オール論述の形式と異なります。したがって、周りが解けている問題が、最初から何も書けない、というリスクは低めかと思います。一方、教科書やFocus Goldに抜けがあると、小問の最初の方で止まってしまいます。それ以降の問題も芋づる式に解けないので、他の受験生に大きく差をつけられてしまうリスクは変わりません。そのような大問が複数出ると、その失点を他科目で取り返すのは、まず無理といえます。
 数学でそのような大失点を抑えることの重要性は理解できたかと思います。

 

日本医科大学数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 日本医科大学の数学も大問ごと、または、大問内でも後半になると難度が増すなど、問題の難易度に波があります。
 そのような時に、解けなそうな問題をみて、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

2024年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 毎年発売される『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
ベクトルと微分の融合問題です。

(1)
鋭角ではcosが単調減少であることを使うだけなので、解けます。

(2)
三角形の垂心をベクトルで表す問題です。基本形はFocus Goldあたりには載っています。垂心なので、内積0を使えるので、1文字使っても定まります。それで解けます。ただ、最終形が複雑なので、それで難易度Cなのかな、と思います。

(3)
三角形の面積を求める問題です。全体の面積と(2)で求めただろう比を使えばいいので、解けます。

(4)
xが(1)の範囲を動くときの、(3)の三角形の面積の増減を求める問題です。微分するだけなので、理論上は解けます。ただ、やはり、計算が少し複雑、ということなのでしょうか。

 

日本医科大学数学の傾向と対策と勉強法

 日本医科大学の数学は大問4問、試験時間は90分です。ただ、大問は4問ですが、小問に細かく分かれ、短答型も多いです。数3の微分積分、確率がよく出題される傾向にあります。このうち、確率は、特別な対策が必要なことも多いです。
 確率は、同じ「確率」の分野でも、「共通テストや、もう少し入りやすい国立大学で出題されるもの」と「上位国立大学で出題されるもの」は、かなり傾向が異なることが多いです。抽象的な文字nなどが含まれる、漸化式との融合問題になる、Σを使う、などです。日本医科大学は、両方出る可能性があると思います。「上位国立大学で出題されるもの」の技法は、『合格る確率』(文英堂)でマスターすればいいと思います。

 数3の微分積分は、ある程度までは、取り組みやすいことが多いです。Focus Gold数3の入試に出る技法の網羅度は、かなりのものです。の技法を完璧にし、まずはFocus Gold数3の本文の問題を全問解けるようにしましょう。ただし、積分は、Focus Gold数3には、全国的によく出る技法が、かなりの網羅度で載っていますが、日本医科大学の場合、面積、体積が多く、優先順位をつけたほうがいいと思います。

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの日本医科大学に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、日本医科大学レベルの成績になっているはずです。
 日本医科大学入試対策としては『合格る確率』、『文系数学良問のプラチカ』、過去問を、上記のように、合否を分けるレベルの問題は全問解けるようにしましょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、数3の微積分、特に積分は面積、体積、確率、などの頻出分野から優先順位をつけて、Focus Goldや過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組むと、本番での対応力が向上するでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2023年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率と二次関数の融合問題です。

(1)
直角三角形になる確率です。
普通、内積0で行くかと思いますが、愚直に三平方の定理でもいけます。解と係数の関係で文字を軽視に行くのもいいと思います。類題が多いわけではないと思いますが、題意を把握すれば、教科書レベルの組み合わせなので、解けます。

(2)
直角二等辺三角形になる確率です。
このような問題は、上の小問は誘導だと考えます。(1)に加えて、二等辺三角形になる条件を考慮するだけですから、これも、部分的には教科書レベルと言え、解けます。

(3)
正三角形になる確率です。
正三角形になるための条件の式を立てるのも、いろいろアプローチがありそうですが、(1)(2)なども参考にして、式を立てれば解けます。

 

 

2022年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
複素数平面の問題です。

ア、イは、式はやや複雑ですが、教科書にも載っている軌跡の問題なので解けます。アポロニウスの円の考え方も教科書に載っており、そうすると速く解けます。
ウ、エ、オ、カは代入して整理するだけなので、解けます。
キ、ク、ケ、コ、サもアポロニウスの円の考え方で円を求め、図を書いて、BPの最大、最小を考えれば解けます。
難易度はCですが、完答は十分可能です。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
確率の問題です

(1)
簡単な条件付き確率なので解けます。条件付き確率は、私大医学部で頻出で、教科書やFocus Goldあたりは少し弱いので(章末にはまずまずの問題が載っている)、しっかり対策をしましょう。まあ、教科書の公式の分母と分子の確率を求めるだけではあるのですが。

(2)
格子点の問題です。Focus Goldあたりには、難しめの格子点の問題も載っていますが、本問は、nの偶奇で場合分けして考えるのが、少し難しいかと思います。ただ、nの偶奇で場合分けするという考え方は、むしろ確率で入試に出題され、『合格る確率』(文英堂)あたりには載っており、似たような考え方で行けます。あるいは、全体から、周囲の直角三角形部分を引く、というほうがわかりやすいかと思います。

(3)
(2)が山場で、(2)ができれば、本問は簡単です。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
楕円の問題です。

(1)
楕円と直線の接点の座標を求める問題です。文字が多いので、見た目複雑ですが、その実は、教科書通り、連立して重解条件を使うだけなので解けます。

(2)
原点と接線の距離を求める問題です。点と直線の距離を使うだけなので教科書レベルで解けます。

(3)
sin∠AOHを求める問題です。cosが三角比から出るので、そこからsinを求めるだけなので、解けます。

(4)
a、bを固定し、(3)のsin∠AOHの最大値を求める問題です。相加相乗平均を使います。私大医学部では、あからさまに相加相乗平均の形ではないものの、相加相乗平均に持ち込むような出題が散見されるので、対策しておきましょう。そのような経験があれば、解けるでしょう。

(5)
a、bをある条件で動かしたときの(4)の最大値を求める問題です。a、bの2変数なので(a/b)=xと置いて、1変数に持ち込む技法は、Focus Goldあたりには載っています。ただ、その後の考え方がやや難しく、1変数に持ちこむあたりまでで、十分、他の受験生に差をつけることができるでしょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
数3の微積分の問題です。

(1)
関数の凹凸を調べ、グラフの概形を書き、変曲点を求める問題です。これだけ見ると教科書レベルですが、関数がやや複雑なので、やや大変です。また、変曲点のx座標を関数に代入して、y座標を求める時、面倒な計算を、簡単にする技法は、似たような考え方がFocus Goldあたりには載っています。理論的には完答できますが、実戦的には、なかなか大変でしょう。

(2)
y軸回りの回転体の体積を求める問題です。教科書通り、x=g(y)の形に解くと、y=tanθと置換すると上手くいく積分になります。ただ、この形をy=tanθと置換するような問題が、がFocus Goldあたりだと、やや弱いかな、と思います。あとはゴリゴリ計算するだけで、理論的には完答できますが、実戦的には大変かもしれません。

 

日本医科大学数学の傾向と対策と勉強法

 2022年は、ある予備校では、1次突破ラインは55%程度か、としています。日本医科大は、1次を突破すれば、かなりの割合で補欠→繰り上げになるようです。
 上記の通り、Focus Gold本文の問題を完璧にマスターし、少し入試問題に慣れれば、60%を超える得点は十分に可能です。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2021年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
コインの表裏によって点が座標空間上を動く、確率の反復試行の問題です。基本的なものは教科書にも載っていますし、やや複雑なものも、Focus Gold(啓林館)などには載っています。このあたりが頭にあれば、落ち着いて全部解けるでしょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
(1)(2)は数行ですむ簡単な小問です。
(3)は、絶対値つきの二次関数と直線の共有点の個数を、文字定数aの値で場合分けして考える問題です。結局は、チャート式やFocus Gold(啓林館)などの二次関数に載っている「二次方程式の解の配置の問題」に帰着させれば、完答できます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
数Ⅲの二次曲線の放物線と、直線、接線などが囲む面積の問題です。

(1)
いわゆる1/6公式と、三角形の面積を足し引きするだけです。「答えのみでよい」問題なので、かなり速く解くこともできます。

(2)
本問の面積が1/6公式の半分の1/12公式で求まることは、チャート式の数Ⅱの積分あたりには載っています。「答えのみでよい」問題なので、(1)のあとならば、1分ほどで解けると思います。

(3)
(1)と(2)の面積が等しいという式を立てて、それなりの式変形をすれば、十分合格点だと思います。最後の最後は、言われれば簡単だと思いますが、意外に難しいと思います。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
接する2曲線と直線が囲む領域のy軸回りの回転体の体積の問題です。

(1)
2曲線が接する問題です。ほぼ同じような設定がチャート式やFocus Gold(啓林館)などには載っており、解けます。

(2)
y軸回りの回転体の体積を求める問題です。いわゆる「バームクーヘン求積」を使うと早いです。「バームクーヘン求積」はチャート式やFocus Gold(啓林館)などには載っており、解けます。

(3)
不等式の証明の問題です。
このような第2次導関数をとって、単調増加、減少を示す問題もFocus Gold(啓林館)などには載っており、解けます。

(4)
極限を求める問題です。
このような変な極限値を求める問題は、まあ、はさみうちですが、それにしても発想がやや難しいと思います。
(3)まで完答できればいいでしょう。

 

日本医科大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 2021年は、大問1、大問2を完答。大問3も最後の最後以外は解く。大問4も(3)までは解く。これで他の受験生に大きく差をつけることができます。

 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2020年日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
前半は、教科書~チャート式、Focus Goldレベルの積分をすれば正解できます。
最後は、やや計算が複雑ですが、2変数関数の最小値の問題に帰着されます。これは、Focus Goldなどの二次関数のところには載っています。したがって完答できます。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。ただし、完答できると思います。

(1)
1点を通り、法線ベクトルに垂直な平面の方程式を求める問題です。内積0を使えばいいので解けます。

(2)
ベクトル(0,0,1)と(1)の法線ベクトルのなす角を求める問題です。教科書レベルなので解けます。

(3)
原点中心半径3の球の上半分を(1)の平面で分割した時の片方の体積を求める問題です。(2)のなす角が誘導で、半球の2/3の体積であることがわかるので、正解できます。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。

(1)
数学2の「軌跡」でFocus Goldあたりに載っている、パラメータtを消去して、xとyの式にする問題と、やっていることは同じです。ただし、tの消去のしかたに少しだけ工夫が必要です。まあ、「t=」にして代入する、という方針を理解していれば、できると思いますが。

(2)
(1)から、問題の与式の図形は円だということがわかります。したがって、円の法線を求める問題です。円の法線なので、中心を通ることがわかれば、非常に簡単に解けます。

(3)
(2)の2法線の交点を求めるだけなので、簡単に解けます。

(4)
(3)の交点の軌跡を求める問題です。これも(1)同様に、パラメータtを消去する問題です。(1)ができれば、本問もできるでしょう。完答しましょう。

 

大問4

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
白玉と黒玉が様々な状況で変化する、確率の問題です。

(1)
まだ、かなり簡単な状況なので、正解できます。

(2)
連立漸化式を立てる問題です。
普段、易しめの確率漸化式の問題に取り組んでいれば、まだ状況が簡単なので、正解できます。

(3)
問題文で与えられた3項間漸化式のα、βを定める問題です。
Focus Goldあたりの連立漸化式には、別解として、代入して数列1つの3項間漸化式に帰着させる解き方が載っています。その方針で解けます。

(4)
つまり、(3)の3項間漸化式を解け、という問題です。したがって、理論的には解けますが、式がかなり複雑なので、実戦的には厳しいかもしれません。

(5)
本問も、rnについては、つまるところ、教科書レベルの特性方程式で解ける2項間漸化式なのですが、式が複雑なので、実戦的には厳しいかもしれません。
(3)まで解ければ、十分、他の受験生に差をつけることができるでしょう。

 

日本医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2020年は、大問4の(4)以降を除けば、Focus Goldあたりをしっかり勉強して、少し入試問題に慣れれば、かなり簡単に正解できる出題でした。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2019年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『大学への数学』3月号の難易度はB。
双曲線と放物線の共有点の問題です。
(1)
連立して共有点を求めるだけです。
(2)
円と放物線についての似たような問題は、Focus Gold(啓林館)の図形と方程式のところに載っています。
同じように判別式を使えば解けます。
(3)
2円の交点を通る図形の方程式については、教科書の図形と方程式のところに載っています。
本問は双曲線と放物線の交点を通る円ですが、同じように解けば大丈夫です。
完答すべきです。

 

大問2

『大学への数学』3月号の難易度はC。
四面体と空間ベクトルの問題です。
(1)
三角形と外接円があるので正弦定理を使うのはよくある話です。
(2)
内積0が2回使えるので、2文字おいても大丈夫、というのはチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりには載っています。
(3)
この程度のベクトルの図形的意味を読み取る問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っているので、完答も狙えるでしょう。

 

大問3

『大学への数学』3月号の難易度はC。
数Ⅲの微分、極限の問題です。
(1)
不等式の証明の基本通り、大きそうな方から小さそうな方を引きます。
不等式の証明で、単調増加、減少を使う問題はFocus Gold(啓林館)あたりには載っています。
(2)
パッと見た感じ、平均値の定理。
平均値の定理は「少なくとも1つ」ですが、その後、単調性を用いて「ただ一つ」を示すのもそこまで難しくはないと思います。
cをdで表すための厳密な議論はちょっと難しいかもしれません。
(3)
難しいと思います。
(2)を完答、または途中まででいいでしょう。

 

大問4

『大学への数学』3月号の難易度はB。
数Ⅲの微分、弧長の問題です。
(1)
ベクトルを大きさで割れば単位ベクトルが求まる問題は教科書には載っていますし、アタリマエです。
(2)
ベクトルのたし算をするだけです。
(3)
ゴリゴリ計算するだけです。
(4)
弧長を式で表してゴリゴリ計算するだけです。
(5)
基本的にはゴリゴリ計算しますが、途中x=tanθと置く置換積分だと気づくかと、最後のほうが少し難しいかもしれません。
完答したいですが、(5)の
途中まででも大丈夫でしょう。

 

日本医科大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大問3の後半、大問4の最後以外は正解できそうです。他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2018年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
『Focus Gold』(啓林館)などの問題集で高次方程式のあたりを勉強すれば、この手の問題で3次方程式の解と係数の関係を使うことは思いつくでしょう。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と三角形の面積の融合問題。
ゴリゴリやるだけです。
完答すべきです。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
置換するとxを∫の前に出せて微積分学の基本定理を使えるようになるタイプの問題です。

同様の置換は日本医科大学では2016年にも、東京慈恵会医科大学では2018年に出題されています。
ただ、その後も2回微分して2回積分するのが、ちょっと思いつくか、というところでしょう。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
複素数平面の軌跡の問題の最終手段としてz=x+yiとおくのは、『Focus Gold』(啓林館)などには載っています。
解きたいところです。
(2)
最初に図形C上のzを図形を読み取って適切に式で表せれば、あとはゴリゴリやるだけで完答も狙えるでしょう。

 

大問5

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
楕円とベクトルの融合問題。
(1)は答のみ書けばいいのでできると思いますが、(2)の図形的考察でつまる人が多いと思います。
ただ、(2)も、θと180°-θでcosの値が同じなので、未知数が2つあっても余弦定理を2回使えば連立して解ける、というのは、ある話なので、使えるようにしましょう。

合格には(1)だけでいいのではないでしょうか。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌も「大問1、大問2を確保し残りの解けそうな部分に手をつけるのが実戦的でしょう」と述べています。上記のようにB問題完答、C問題部分点を取れれば、合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2017年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ですが、(1)の漸化式は『Focus Gold』(啓林館)にはもちろん、白チャートあたりにも載っている類型です。
(2)の分母が3つの積のΣも『Focus Gold』(啓林館)あたりには載っていて、東大にそれなりの人数合格するような進学校の定期テストでは出がちなのではないでしょうか。
(2)ができれば(3)はできます。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
複素数平面の問題。

(2)で使うz7+1の因数分解は、『Focus Gold』(啓林館)あたりの複素数平面のところにはまず載っています。
与式で気づくでしょう。
(3)では、複素数zの実部が(z+zバー)/2であるのは『Focus Gold』(啓林館)などにはよく書いてありますが、本問ではz=cosθ+isinθと極形式で与えられています。
極形式のときにもこの話をできるようにするのは、私大医学部受験では大切でしょう。
以下は複素数を図形的に読み取って、自然にやればできるでしょう。
完答すべきです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
ゴリゴリやるなら、「定積分と極限」と言われる問題が『Focus Gold』(啓林館)には載っていて、参考になるでしょう。

積分の平均値の定理を使うと、もう少し簡単に解けます。

 

大問4

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
平面図形と確率の融合問題です。

(1)
メネラウスがベクトルで出るでしょう。
(2)(3)
2変数を1変数に置き換える(本文ではm/nをxとでもおく)問題は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。
完答すべきです。

 

大問5

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
前半は楕円、後半は微分の問題。

(1)
楕円を理解して、2辺と1角が使えるので余弦定理で出るでしょう。
(2)(3)
文字が多いのですが、cosθ以外は定数なのでなんとか解けるかもしれません。
f’の符号が変わるか変わらないかで極値を持つか持たないかを場合分けで考えるのも数Ⅲではよくある話で、似たような話は『Focus Gold』(啓林館)には載っています。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも、「まずは大問1大問2大問4と大問5(1)の確保を目指し、残りで上積みするところでしょう。」というコメントがあります。B問題完答、C問題部分点の方針で合格点に達すると思います。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1


(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
図形問題。
センター試験の図形問題対策などをしていると、弦の長さが等しければ円周角も等しい、などもスムーズに使えるでしょう。
三角形の面積から内接円の半径を求める話は教科書にも載っています。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
整数と数列の融合問題。
見た目がいかついですが難しくありません。
自然数n、などと問題文にあったら、具体的に1、2、3…とやってみることが大切です。
完答すべきです。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
双曲線と直線が接する問題。
曲線上の点と直線との距離を最小にする点は、同じ傾きの直線との接点、というのも、『Focus Gold』(啓林館)の点と直線の距離のところに載っています。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)

置換すると∫の前にxを出せて微積分学の基本定理を使える類型の問題。
日本医科大学では2018年に、東京慈恵会医科大学でも2018年に出題されています。
(2)
大小を調べるので、普通に差をとって調べればいいでしょう。
(3)
(2)が誘導だと思えれば、左側の不等式は示せると思います。
右側の不等式で問題文のヒントを使うわけですが、題意を把握するのが難しいかもしれません。
(3)でなるべく多く部分点をもらうのがいいのではないでしょうか。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
(1)
直線の方程式を求めるだけです。
(2)
直線群の通過領域の問題。
基本形は『Focus Gold』(啓林館)あたりにはまず載っていますし、文字(本問はt)が動く範囲に限定が出て、2次方程式の解の配置の問題に帰着させる問題は、入試標準問題集には載っています。
ただ、tの範囲にも文字xが入り、場合分けがなかなか大変なので、実戦的には難しいかもしれません。

方針を書いておいて、できるだけ部分点を取りたいところです。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問2大問3は相変わらず重く」というコメントがあります。
B問題を完答し、C問題で部分点、という方針で合格点に達するでしょう。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2015年 日本医科大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
確率と漸化式の易しめの問題。
最後は対数を含む不等式を解きます。
完答すべきです。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
前半は領域と最大最小の問題。
一番の基本形は教科書に線形計画法の問題として載っていますし、図形が円などになる問題も『Focus Gold』などには載っています。
本問は=kとおくと、図形が放物線になります。
類題も見ますし、図形が放物線になる場合が初見でも、上記のような問題に取り組んだことがあれば大丈夫だと思います。
後半は前半を誘導だと考え、k+(1/k)について考えるだけです。
完答すべきです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
見るからに区分求積法の問題。

ただし、区分求積法のメカニズムを根本から理解していないと間違えるでしょう。
(3)は積や指数が複雑なので対数をとります。
区分求積法で対数をとる問題は『Focus Gold』には載っています。
(2)あたりまでは解きたいです。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はD。
回転体の体積の問題。

(1)
まともに計算するととても大変ですが、xに代入する文字を見越して工夫して変形すると、かなり計算量を減らせます。
ただ、そのようにできた人は少ないでしょう。
(2)
直線y=mxまわりの回転体の体積の問題。
取り組んだことがある人もいるかもしれませんし、直線y=xまわりの回転体の体積は数研出版の教科書にも載っている問題なので、応用した人もいるでしょう。
(3)
(1)(2)を正解できれば簡単だったでしょうが、(1)(2)を正解できた人は少ないでしょう。
方針を書いて部分点をもらう、くらいが実戦的だったのではないでしょうか。

 

日本医科大学医学部数学 勉強法と傾向と対策

 数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問2は区分求積法に気付いてできる限り多くの小問を解いていきたい」「大問3(1)は計算力が必要です。時間内に完答するのは厳しいでしょう」というコメントがあります。大問1を完答し、大問2大問3でできるだけ部分点、という方針で合格点に達するでしょう。
 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2023】順天堂大学医学部数学 難易度と傾向と対策:独特の誘導形式に注意

 

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【2023】順天堂大学医学部数学 難易度と傾向と対策:独特の誘導形式に注意

 

順天堂大学医学部入試における数学の重要性

 順天堂大学医学部の数学の配点は、100/500です。まあ、理科1科目ずつと比べてどうかというと、同じ配点ですし、英語は200点なので、英語のほうが重要と言えるかもしれません。
 しかし、ハイレベルな勝負となる医学部入試ですから、取れるところで1点でも多く取りたいです。数学も、有名な本に載っている技法で解ける問題は、ほぼ全問解けることが望ましいです。

 

順天堂大学医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 順天堂大学医学部の数学の入試も、大問ごとに、難易度に波が大きいことも多いです。当サイトでは、それを客観化するために、月刊『大学への数学』誌の難易度のランクづけを付記しています。
 難易度Cの問題は、東大理系の合格者平均あたりの人でも、完答はできないことが多いです。そのような問題で、途中で行き詰まった時に、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。
 また、順天堂大学医学部の数学は、本学独特の、誘導形式の問題が出題されることが多いです。前の問題の結論を使う、前の問題と同じ考え方をするなど、素直に誘導に乗る気持ちが大切です。

 

 

2023年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 月刊『大学への数学』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

(1)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
複素数平面の問題です。

(a)
最初は、数2の軌跡のように考えれば、Focus Goldあたりに載っている、1文字消去する問題なので、解けます。次の、実軸、虚軸との交点は、簡単なので、解けます。

(b)
最初は、計算すればいいだけなので、解けます。次は、やはり、数2の軌跡のように考えれば、Focus Goldあたりに載っている、1文字消去する問題なので、解けます。

(2)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
全体としては、順天堂大学医学部でよく出題される、整関数の独特の誘導形式の問題です。順天堂大学医学部の志望者は、優先して取り組む価値があると思います。
ア~エは、普通に教科書レベルのベクトルの話をすれば解けます。
オ~コは、数2の軌跡で、Focus Goldあたりに載っているので解けます。1文字消去する、易しめの問題です。
サ~ソが先述の、順天堂大学医学部独特の誘導形式の問題です。誘導に乗りましょう。

(3)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
aは数Bレベルの等比数列の和の問題です。途中、対数を取りますが、そこまで含めて教科書に載っているような話で解けます。
bは周期3で場合分けして考えると見通しがいい、無限級数の問題です。似たような話は、Focus Goldあたりには載っているので、解けます。

 

大問2

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
アは、2点間の距離を求めるだけなので、教科書レベルと言え、解けます。
イ~キは、ベクトルと平面の交点の話です。似たような話は、Focus Goldあたりには載っているので、経験があると見通しがいいでしょうし、初見でも普通に考えれば解けます。
ク~チは、切り口がドーナツ型になる、体積を求める問題です。類題はFocus Goldあたりには載っているので、解けます。
ツ~ノは三角形OABの外心の座標と半径を求める問題です。外心を求める問題は、教科書の三角比のところに載っていますが、本問では正三角形なので、重心と考えたほうが速いです。

ハは傾きを考えればわかります。
ヒ、フ、ヘは図形的に考えれば、簡単な計算で出ます。
ホ~ヤは2点間の距離の式を立てれば出ます。
ユ、ヨは、切り口の断面積がわかるので、積分すれば体積が求まります。このあたりの体積を求める問題も、部分的にはFocus Goldあたりには載っている技法で行けるので、しっかり勉強しておきたいです。

大問3

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
教科書レベル整式の割り算なので、解けます。

(2)
数学的帰納法と問題文に書いてありますが、意外に難しいと思います。n=0を書いて、n=kと仮定し、何行か書けた、くらいが多くの合格者のレベルだったと思います。

(3)、(4)
難しいと思います。ただ、このような問題は、上の問題の結果を使うのではないか?と考え、(2)の結果からわかることを書き、なるべく部分点を狙いたいです。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 順天堂大学医学部の数学は、大問3問、大問1は小問集。試験時間70分です。

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの順天堂大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ただ、Focus Goldやチャート式のような網羅系参考書は、私大マーク型から国立記述型まで、様々な問題が載っており、順天堂大学医学部のように、両方が出題される場合、また、他大学の医学部と併願する場合、ほぼ全問解けるようにする、ということになるかもしれません。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、順天堂大学医学部レベルの成績になっているはずです。
 順天堂大学医学部対策としては、上記で標準レベルの模試で合格レベルに達していることを前提に、先述のように、独特の誘導形式の問題が出るので、まずは、過去問の月刊『大学への数学』誌のBランク問題に取り組み、誘導に慣れる練習をしたいです。その他、年度別『入試問題集』(数研出版)の*問題で、頻出標準問題に取り組み、Focus Goldでマスターした技法の使いこなし方を学ぶといいでしょう。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。
 そして、くり返しになりますが、本番直前にも、順天堂大学医学部特有の独特の誘導形式に乗る感覚を確認しましょう。

 2023年は上記のように、大問1、2は完答が狙え、大問3は(1)が簡単、(2)で部分点、というところかと思います。ある予備校によると、目標は60~65%か、とのことです。このような方針で、70%ほどになります。

 

 

2022年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

大問1

(1)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はA。
関数f(x)=(ex-e-x)/(ex+e-x)を巡る問題です。
(a)は、f(a)に対し、f(-a)とf(2a)を求めるのは簡単なので解けます。
(b)は、ほぼ微分するだけなので解けます。
(c)は、f(x)についての2次方程式に帰着させるだけなので、解けます。

(2)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はA。
全体として、3枚のコインの表裏についての、条件付き確率の問題です。
教科書の公式通りに求めるだけですが、私大医学部では条件付き確率は頻出で、教科書やFocus Gold(章末にはまずまずの問題が載っている)あたりでは、ちょっと弱い分野なので、対策をしましょう。

(3)
月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
順天堂大学医学部でありがちな整関数、整式の問題です。本年は置き換えて3次方程式に帰着させます。普通に誘導に乗ればいいだけなので、解けます。

 

大問2

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
順天堂大学医学部でありがちな整関数の問題です。大問1(3)と雰囲気は似ています。
(a)は、g(x)が偶関数であることと、「負の面積」という理解と、解と係数の関係を使うことを考えられれば解けます。
(b)は、h(x)のx4とx3の係数から、(x+1)4の展開を考え、問題文の条件Aを使えば解けます。
(c)は、(a)(b)を誘導と見て、同じようにやれば解けます。
ただ、本問は、類題がそのままFocus Goldあたりに載っているわけではないので、順天堂大学医学部にありがちな、素直に誘導に乗る姿勢が大切です。

 

大問3

月刊『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はC。
四面体OABCについての空間ベクトルの問題です。

(1)
点Pが底面ABC上にあるための条件を求める問題です。
教科書に載っている空間ベクトルの共面条件、かつ、三角形の周及び内部にある条件、なので、解けます。

(2)
点Pが四面体の内部にあり、直線OPと面ABCの交点をDとした時に、ODベクトルを求める問題です。OPDが同一直線上にあるのでk倍と置き、DがABC上にあるので係数を足して1なのでkが定まる問題は、Focus Goldあたりの有名問題なので、解けます。

(3)
点Pが四面体の内部にあり、直線APと面OBCの交点をEとした時に、OEベクトルを求める問題です。OPEが同一直線上にあるのでl倍と置き、EがOBC上にあるのでOAベクトル成分が0という問題は、Focus Goldあたりには載っており、解けます。

(4)
点Pが四面体の内接球の中心である時の問題です。
このような問題は、上の小問が誘導であることが多いことに注意しましょう。(2)(3)の結論、考え方を使うと、三角形の相似から内接球の半径が求まり、OPベクトルが求まります。ただ、(4)はできなくても合格点かな、と思います。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 教科書レベルか、チャート式や『Focus Gold』あたりに似たような話が載っているか、問題の誘導に素直に乗ることが求められるだけの問題がほとんどです。特に、2022年は誘導に乗る問題が多く、特に順天堂大学医学部の過去問演習が大切だったと思います。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2021年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はA。
複素数の絶対値、偏角、原点中心回転、原点以外の点中心の回転、軌跡という、ほぼ、教科書レベルの出題で、完答できます。

(2)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
ゴリゴリ定積分の計算や、積分で面積を求めに行くだけの問題で、完答できます。

(3)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。
「データの分析」から、平均値、分散などが出題されました。慶應医学部も2021年、長年の確率漸化式に代わって、「データの分析」が出題されました。もちろん、医師に必要な資質、ということなのでしょう。
全体として、平均値、分散について教科書レベルの式を立て、少しだけ考えたり、問題を読んで式を立てたりする程度の問題なので、完答できます。

(4)
『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
(a)はチャート式やFocus Gold(啓林館)などの2次関数のところに載っている2変数関数の最小値の考え方で完答できます。平方完成しましょう。
(b)は置き換えて、教科書などに載っている線形計画法の話に帰着させたりすると解けますが、実戦的には難しいでしょう。
(a)だけ解ければ合格点だと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はB。

(a)
正五角形で相似や三角比を駆使する問題です。特に私大のマーク型ではよく出ると思います。チャート式やFocus Gold(啓林館)などには似たような話が載っており、解けます。

(b)
(a)の正五角形を底面とする正五角錐の問題です。冷静に三平方の定理や三角比を駆使すれば解けます。

(c)
正二十面体の外接球の半径を求める問題です。これも冷静に三角比を駆使すれば解けます。
完答しましょう。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)の難易度はC。
整数問題で問題文で式が定義される、非定形の問題です。

(1)
問題文で定義される式に対し、具体的な数字が与えられている問題です。問題文に当てはめて、正解したいです。

(2)
証明問題です。言われれば難しくないですが、実戦的には難しいと思います。

(3)
合格者もあまりできていないのではないでしょうか。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 大問1(4)、大問(2)、(3)以外は、教科書やチャート式や『Focus Gold』(啓林館)あたりに似たような話が載っているか、問題文にしたがって具体的数値を当てはめる問題なので、完答することができます。

 そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

 

2020年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
ベクトルで入試でよく使う技法を使う問題です。同一直線上にあるのでk倍と置く。直線上にあるので係数を足すと1になる。などなので完答できます。

(2)
『大学の数学』誌(東京出版)の難易度はC。
展開図を与えられている三角錐の問題です。
おおむね、三角比を使えば解けます。1箇所、頂点から底面への垂線の足が底面の外接円の中心になったいることを使います。しかしこれは、数研出版の教科書の三角比のところには問題が載っています。したがって、十分、完答もできます。

(3)
『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。
円の周りを円が滑らず回転するとき、点が描く曲線についての問題です。似たような問題はFocus Gold(啓林館)の微積分のところに載っています。同じように考えれば完答できます。極座標や曲線の長さについても問われていますが、教科書レベルです。

 

大問2

『大学の数学』誌(東京出版)の難易度はC。

(1)
回転体(円錐)の体積や側面積を求める問題です。問題に、体積をt(最初に求める)で微分すると側面積になることが書かれています。これが(2)の誘導になります。

(2)
(1)の考え方を使い、回転体の体積から表面積を求める問題です。最後の問題で(1)の考え方を使うのですが、これが意外に理解が難しいかもしれません。順天堂大学医学部独特の誘導です。

(3)
xy平面上の円をx軸中心に回転させた円の体積から、(1)の考え方で表面積を求める問題です。体積を求めるには「パップス・ギュルダンの定理」という、有名な裏技があります。ここで表面積を求めるのは、(2)よりはかなり理解しやすいと思います。

 

大問3

『大学への数学』誌(東京出版)の難易度はB。

(1)
ほぼ同じような問題がFocus Gold(啓林館)などには載っており、完答できます。

(2)
点から曲線に引ける接線の本数を求めるという、超有名問題で、当然、Focus Gold(啓林館)などには載っており、完答できます。(1)は、本問でグラフを書く際の誘導です。

 

順天堂大学医学部数学の傾向と対策と勉強法

 上記のように、数研出版の教科書とFocus Gold(啓林館)をマスターし、少し入試標準問題に慣れるくらいで、大問2(2)の最後の問題以外は解けます。ただし、順天堂大学医学部は、独特の誘導が特徴的なので、過去問を多くこなし、誘導に乗る練習をしましょう。
 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2019年 順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『大学への数学』5月号の難易度はB。
複素数平面の問題です。
(a)
複素数Zの大きさが1ならば「Zバー=1/Z」は、Focus Gold(啓林館)では、Focus(解き方のコツの欄)で、複数回強調されています。
z7=1なので、z6+z5+…+1=0といった流れが出てくる問題もFocus Gold(啓林館)には複数あります。
特に私大では、常に頭に入れておきたいです。
wとwバーの和と積を求めさせているので、解と係数の関係を使うのもいいでしょう。
実部どうし、虚部どうしを比べるのも、複素数の基本中の基本です。
(b)
前半はゴリゴリ計算するだけで正解できます。
後半は正三角形なので、±60°回転、というのは、少し複素数平面を勉強していれば解けます。

(2)
『大学への数学』5月号の難易度はB。

場合の数の問題です。
必要条件、十分条件を理解していない人は、教科書を読んで根本から理解しましょう。
少し遡れば、包含関係から解説しています。
○桁の整数を作る、といった問題は、Focus Gold(啓林館)あたりには、やや複雑なものも載っています。
同じようにすれば解けます。
最後は、辞書的配列の問題で、Focus Gold(啓林館)あたりには類題が載っていて解けます。

(3)
『大学への数学』5月号の難易度はB。
媒介変数表示された図形の面積を積分で求める問題です。

基本形は数Ⅲの教科書に載っていますし、類題はFocus Gold(啓林館)あたりに載っていて解けます。

 

大問2

『大学への数学』5月号の難易度はC。
漸化式の問題です。
(1)
特性方程式で解く2項間漸化式で、教科書に載っていて解けます。
(2)
漸化式で実際にn=1,2,3…とやってみるのは教科書にも載っていますし、よくわからない問題で実際にn=1,2,3…とやってみるのは、入試ではよく使う技法です。解けます。
(3)
チャート式やFocus Gold(啓林館)あたりには数値が違うくらいの問題が載っている分数型の漸化式で解けます。
(4)
ちょっと難しいと思います。
ただ、本問も、具体的にやってみて必要性から絞り込む、という技法は大学受験数学では、ある話です。

 

大問3

『大学への数学』5月号の難易度はC。
整数問題です。
(1)
教科書にも載っているレベルのユークリッドの互除法を使って最大公約数を求める問題で解けます。
(2)
ユークリッドの互除法の互除法に関する証明問題です。
整数で「約数」という文言を見たら、a=ca’などと置くのはよくある技法で、教科書にも載っています。
本問もそれで簡単に解けます。
(3)
ちょっと難しいと思います。
ただ、Focus Gold(啓林館)の「コラム」には、ほとんど同じ設定の問題が載っています。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大問2(4)、大問3(4)以外は解くことができ、他の受験生に十分差をつけることができたでしょう。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2018年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はA。
円の問題。普通にやれば完答できます。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
教科書に書いてあるような最小公倍数、最大公約数の問題と合同式を理解して、素直に誘導に乗って前の問題で求めたものを使う姿勢があれば完答できます。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
本問の糸を巻き付けてほどいていくような設定の問題は、『Focus Gold』(啓林館)などの問題集には載っています。
それよりも本問の誘導は親切です。
微積分の弧長の部分は教科書レベルでしょう。完答できます。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
確率の問題。

2連勝すると優勝なので、2回の試行を1セットで考えると良い問題は入試でもよく見ます。
(3)の途中くらいまでは解きたいです。
ただし、先に(4)を見ると、(1)~(3)までも同様に解けば、かなり簡単に解けることに気づくと思います。
先に(4)を見ないといけないとは、ちょっと意地が悪いヒントですね。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、確率は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
三角形の重心、外心をベクトルで考える問題。

(1)
教科書レベルで解けます。
(2)
1つ基準になる点を決めて(終点-始点)で変形すれば解決する問題は、『Focus Gold』(啓林館)あたりには何問も出てきますね。解けます。
(3)
(2)の結果を用いて素直に式を立てれば解けます。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

上記のようにB問題完答、C問題部分点という方針で、合格点を取れると思います。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、受験標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

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2017年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
有名な3項間漸化式に定数項がついて、ひとひねりある形です。
本問のような誘導は入試標準問題集ではよくある話ですし、日頃から、特性方程式を丸覚えするのではなく、なぜそのような特性方程式になるのかの過程を知ろうという姿勢があると、さらにこの誘導にスムーズに乗れ、解けます。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
直線y=x周りの回転体の体積の問題。
数研出版の教科書にも載っている有名な話で、解けます。
一応、公式もあります

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
複素数平面の問題。

複素数のかけ算などを複素数平面上で図形的に読み取ることができると、かなり計算量を減らして、完答も狙えると思います。

(4)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
ベクトルと微分の融合問題。接するときを考えるのは直観的にわかるでしょう。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
題意をつかめなかった人もいたかもしれません。
『入試の軌跡』誌のレポートでは、大問2をほぼできなかった人が正規合格しています。
題意を把握できると、それほど難しくないと思います。

楕円は円を拡大縮小して考えるとうまくいくことが多いですね。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数学的帰納法と積分の問題。
(1)

ふつうにあてはめてやれば解けると思います。
(2)
「kは自然数」という問題文から、帰納法かな、と思いたいです。
仮定するときに一工夫必要かもしれません。
(3)
前問までを誘導と見て、結論を使っても正解できますし、区分求積法でも正解できます。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

大問2の評価が難しいところですが、大問2を除いても、B問題完答、C問題部分点で合格点に達したようです。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

2016年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
場合の数の問題。
立方体に色を塗る問題は、基本形は『Focus Gold』(啓林館)には載っていて、途中までは解けます。
後ろのほうは難しいかもしれません。
論述式の入試では出題されにくいと思いますが、私大医学部など数値だけを答える問題の場合は出題が予想されるので、対策をしておきましょう。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
図形と数列と極限の融合問題。

状況を把握できれば完答できるでしょう。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
数Ⅱの微分積分の問題。

途中、いかにも三次方程式の解と係数の関係の形をした式が出てきます。
その後の絶対値つき定積分は、与式と問題文の誘導の意味を理解できればあっさり出ますが、ゴリゴリ計算しても解けます。
難易度Bですが、完答が楽かというと、微妙なところのような気がします。

(4)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数Ⅱの微分の問題。
与えられた条件から4次関数の係数と最大値をとる区間を定めるわけですが、理解のもとにゴリゴリやれば完答も狙えると思います。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
正二十面体の体積を求める問題。

最初の正五角形の話は教科書準拠問題集などにも載っている有名な話ですが、本問は誘導が親切です。
その後は三角比や三平方の定理をゴリゴリ使うだけです。
B問題ですが、完答は実戦的には大変かもしれません。
大学受験の数学は、入試問題の丸覚えではなく、教科書の理解と『Focus Gold』(啓林館)などの問題集でマスターした技法を入試問題に対して臨機応変に使いこなすことが大切だと思われますが、図形問題は、問題の性質上、実際に入試レベルの問題に多く取り組む優先順位が高い分野だと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
不等式の証明の問題。

(1)
数研出版の教科書には全く同じ問題(文字はabですが)が載っていて解けます。
(2)
ちょっとがんばって証明したいところです。
(3)(4)
実戦的にはちょっと大変かもしれません。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「ボーダーは昨年よりもさらに下がるでしょう」というコメントがあります。
B問題で完答に近い点数を取り、C問題の取り組みやすい問題で部分点を集めれば、十分合格点に達すると思います。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで入試によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

 

2015年順天堂大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

(1)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
2図形の交点を通る図形の方程式の問題。
基本形は教科書にも載っています。
本問は3次曲線も出てきますが、根本から理解していれば解けます。

(2)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
円錐を傾けたときに残る水の量を求める問題。
途中、xyz座標空間上の円錐の方程式を問われます。
問題文でかなりのヒントが与えられています。
『Focus Gold』では、積分の体積のところでxyz座標空間上の図形の方程式を扱います。
結局、方程式が満たすxyzの値を座標空間に点を打ったものが図形、という基本的な理解ができていれば解けます。

(3)
『入試の軌跡』誌の難易度はB。
問題文にしたがってyについて解いてtで微分すれば正解できます。

(4)
『入試の軌跡』誌の難易度はC。
ベクトルの問題。

見た目簡単そうですが、そうでもありません。
内積の式を2つ使えるのでAD=sAB+tACと2文字使っても大丈夫な問題は、『Focus Gold』あたりには載っています。
あとは「ベクトルの大きさは2乗する」でADの長さは正解できます。
sinの値は少し難しいですが、最悪、穴埋めの形で勘で15°かな、と思いたいです。

 

大問2

『入試の軌跡』誌の難易度はC。
数Ⅱの微積分の問題。
ただ、真面目に数Ⅲの教科書の楕円あたりに出てくる(軌跡と同じ話)、xy平面上の図形の拡大縮小の話に持ち込むと、かなり大変ですが、「3次関数は変曲点に関して対称」を使うと、わりと楽に完答できると思います。
最初に変曲点を求めさせ、その後も変曲点を語っていることからも、そのような出題意図ではないかと思います。

 

大問3

『入試の軌跡』誌の難易度はB。
(1)
簡潔に説明すればいいのではないでしょうか。
(2)
大問2で述べたように、xy平面上の図形の拡大縮小の話は数Ⅲの教科書の楕円あたりに出てくるので正解できます。
(3)

前半は連立して解くだけで正解できます。
根号の中の符号で場合分けしましょう。
後半も連立してゴリゴリやってもいいですし、拡大縮小から考察しても正解できます。
(4)
(3)までは誘導なのでしょうが、普通に連立して重解条件から考察して解けます。
途中の処理で、少し現場での思考を必要とすると思いますが、この程度の考察は処理したいところです。
完答に近い点数がほしいです。

 

順天堂大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

理論上は教科書の根本的な理解と『Focus Gold』あたりの演習で、時間さえ許せば満点も取れそうですが、数学マニア向け(?)の『入試の軌跡』誌でも「大問1の穴埋めの一つ一つが重たく」「大問2の問題文が難解で内容も易しくない」というコメントがあります。
B問題で完答に近い点数を取り、C問題の取り組みやすい問題で部分点を集めれば、十分合格点に達すると思います。
そのためには、教科書を理解し、チャート式や『Focus Gold』(啓林館)などで受験によく出る技法をマスターし、入試標準問題演習をすれば、大丈夫です。

受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【2024】近畿大学医学部数学(前期) 難易度と傾向と対策:Focus Gold+私大医学部過去問で合格へ

 

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

東大・医学部受験の数学の勉強法

東京慈恵会医科大学医学部数学

日本医科大学医学部数学

 

【2024】近畿大学医学部数学(前期) 難易度と傾向と対策:Focus Gold+私大医学部過去問で合格へ

 

 

近畿大学医学部入試における数学の重要性

 近畿大学医学部の数学の配点は、100/400です。まあ、英語や理科1科目ずつと比べてどうかというと、同じ配点なので、見た目上は均等と言えるかもしれません。
 しかし、数学の特殊性として、問題数が少なく、1問の配点が高い、ということがあります。他の受験生が解けている問題が、Focus Goldあたりに抜けがあることにより、かなり最初の方で引っかかり、低得点だと、ハイレベルな勝負となる医学部入試ですから、その失点を他科目で取り返すのは、かなり厳しいと言えます。
 以上より、近畿大学医学部入試における数学の重要性がわかると思います。

 

近畿大学医学部数学、入試本番の心構え

 以下のことは、どこの大学の入試の数学でも、このような傾向があります。
 近畿大学医学部の数学の入試も、大問ごとに、難易度に波が大きいことも多いです。当サイトでは、それを客観化するために、月刊『大学への数学』誌の難易度のランクづけを付記しています。
 難易度Cの問題は、東大理系の合格者平均あたりの人でも、完答はできないことが多いです。そのような問題で、途中で行き詰まった時に、戦意を喪失しないことです。人間は、そのような心持ちになるだけで、パフォーマンスが低下することが、大学の研究で明らかになっています。ちゃんと勉強した受験生の場合、解けなそうな問題を見たら「他の受験生も解けないな」と思って、軽く流し、解けそうな問題を確実に解く、部分点を取る、ということを心がければ、合格点を取れます。

 

 

2024年近畿大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

 『合否を分けたこの1題』誌(東京出版)では、難易度をA(易)~D(難)にレベル分けしています。Bが教科書の理解とチャート式、Focus Gold(啓林館)あたりの技法の組み合わせで完答でき、発想力といったものはいらない問題です。東大は成績を開示し、東大新聞は合格者の平均点を調査しています。Bを完答、CもBレベルの部分点で合格者平均を超えます。
 第三者の評価も加え客観性を持たせるために、この評価も併記します。
 大学受験塾チーム番町では、普通の塾、予備校のように、入試問題の解き方を解説しても、あまり意味はないと考えます。どのように勉強すれば、大学入試の数学で合格点を取れるのか。それを、正解に必要な技法が、教科書、チャート式、Focus Gold(啓林館)に載っているか、という独自の観点から分析します。

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
全体として、数2の「図形と方程式」がメインの問題です。

(1)
前半は2点間の距離を求めるだけで、教科書基本レベルと言え、解けます。
後半は直線OAとx軸のなす角を求める問題です。有名角なので、教科書レベルと言え、解けます。

(2)
2つの円周上の点P、Qのy座標p,qについて、q-pのとりうる値の範囲を求める問題です。
y座標だけ考えればいいので、図でも書けば簡単に解けます。

(3)
線分PQの長さのとりうる値の範囲を求める問題です。
円は中心が大切です。球については、Focus Goldあたりにはこのような問題が載っています。中心距離に半径をたしたり、ひいたりすればいいので解けます。

(4)
線分PQが通りうる領域の面積を求める問題です。
領域自体は、図を書けば簡単にわかります。このような図形を分割して扇形が出てくるのは、割とよくある話です。台形部分は、下は求めやすく、上は下と合同です。したがって解けます。

(5)
2ベクトルOAとPQのなす角βのtanのとりうる値の範囲を求める問題です。
図で考えると、PQが2円の共通接線になるときを考察することはわかると思います。このような状況で、中心から接点に半径が引いてある図は、教科書の平面図形のところに載っています。その2つの三角形が相似だということはいいでしょう。この相似は、ごく基本的ですし、近畿大学医学部では平面図形がよく出ています。したがって解けます。

(6)
直線PQの傾きの最大値を求める問題です。
本問もPQが2円の共通接線になるときを考察することはわかると思います。あとは、(1)後半と(5)の誘導、強化書レベルの傾きとtanの関係、を考えると、tanの加法定理に持ち込めば良さそうだということもわかります。したがって解けます。
難易度Cですが、十分、完答も狙えたと思います。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
全体として、数列の問題です。

第n項がルートnにガウス記号がついているという、定型的ではない問題です。

(1)
第何項が何かを求める問題です。具体的にやってみるだけの問題なので、解けます。

(2)
(ⅰ)
この数列の和を考える問題です。
全くわかりませんが、整数や数列のように、とびとびの値しか取らない(離散的といいます)問題の場合、具体的にやってみることが大切です。しかも本問は論述式ではないので、多少、論理的に怪しくても、答さえ出ればいいわけです。そして、具体的にやってみると、法則性が見つかるので、(1)の結論と合わせ、解けます。
(ⅱ)
2024項までの和の最大の素因数を求める問題です。
愚直に求めて素因数分解すれば解けますが、少し工夫すると、計算が楽になります。
(ⅲ)
和が2024を超える最小の自然数nを求める問題です。つまり、第何項までの和で初めて2024を超えるか、ということですね。
Focus Goldあたりの数列で、nは自然数なので、二次不等式を真面目に解かず、だいたいの解のアタリをつける、という考え方があります。本問も同様で、(ⅰ)(ⅱ)を通して、本問の解がどの程度だろう、とアタリをつけることが大切だったかと思います。

(3)
新たに数列{bn}が定義されました。
(ⅰ)
b10とb100を求める問題です。具体的にやってみるだけなので解けます。
(ⅱ)
1≦n≦100においてbn>0を満たす自然数nの個数を求める問題です。
全く難しくないのですが、上記のように、具体的にやってみることが大切です。すると、論理的にはともかく、規則性が見つかるはずです。本問は論述式ではないので、それで解けます。
(ⅲ)
数列{bn}を初項から第100項まで足す問題です。
たとえば(ⅱ)から、簡単な等差数列の和に帰着されることがわかり、また論述式ではないので、解けます。
ややきつい問題もありますが、上記のような考え方で、完答も可能かと思います。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
全体として、対数が題材の問題です。

(1)
log161024を簡単にする問題です。
教科書よりは少しだけ数字が大きいですが、やることは教科書レベルと言え、解けます。

(2)
ごく簡単な対数方程式をの問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(3)
対数と二次関数の融合問題の最小値を求める問題です。
教科書レベルと言え、解けます。

(4)
見た目、複雑そうな対数不等式の問題です。
ただ、やること自体の枠組みはFocus Goldあたりのレベルで、底をそろえると、普通の二次不等式に帰着されるので、解けます。

(5)
前半は、対数を含む関数の最小値を求める問題です。
見た目複雑そうですが、底をそろえて整理すると、ひと目、相加相乗平均を使う形になります。したがって解けます。
後半は、例の、桁数、最高位の数字を求める問題です。
教科書、Focus Goldあたりには載っているので解けます。
完答しましょう。

 

近畿大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 近畿大学医学部の数学は、大問3問、試験時間60分です。医学部としては、数3からの出題がないのが特徴的です。2024年は出なかったと言えますが、平面図形がよく出ている傾向があります。2024年第1問も、「図形と方程式」にふさわしく、図形的考察が要求されました。

 2024年の難易度はCCBでした。ただ、上記のように、理論上は大問2の一部以外は、わりと簡単に解けそうでした。ただ、60分という試験時間がボトルネックになるかもしれないいう傾向があります。
 まあ、時間が十分にあったとして、2024年の出題で上記のような点数を取るには、教科書を理解し、Focus Goldを網羅し、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。近畿大学医学部の場合、マーク式なので、論述式に比べ、ひねったような出題で勝負が分かれる傾向があると思います。それに対応するためには、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問による対策が適切だと考えます。ただし、あくまで、ベースは、教科書、Focus Goldです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

 

近畿大学医学部数学のオススメ参考書

 一番の基礎は教科書です。教科書には定義、問題以前の説明、基本問題が一番しっかり載っています。まずは、教科書を理解し、本文の問題(章末除く)を全問解けるようにしましょう。
 次に、Focus Goldの近畿大学医学部に重要な問題を全問解けるようにします。この時、指導者がいて、適切に問題を選んでくれるといいですね。ここまでで、進研記述模試、河合全統記述模試などの標準的な記述模試では、近畿大学医学部レベルの成績になっているはずです。

 直前期に何をすべきかは人によって違います。記述模試で成績が足りている人は、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなすといいでしょう。
 上記のような教材をきっちりこなしきれた場合、今までこなした教材で、忘れていてできなそうな問題に✓をつけ、ひたすら復習し、弱点をつぶすのがいいと思います。

 現役生で、間に合うか間に合わないかわからない場合、とにかく、復習してマスターすることを重視して、Focus Goldや似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなすといいでしょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2023年近畿大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
袋からサイコロを取り出して投げる確率の問題です。

(1)
得点が0、1、4になる確率の問題です。
大学受験数学の確率の問題では、まず愚直に数え上げることが多いです。
0、1になる確率は、教科書よりやや複雑な程度の状況なので、解けます。
4になる確率も、枠組み自体は教科書~Focus Gold基礎レベルですが、数え上げから、やや複雑なので、少し大変ですが、解きたいです。

(2)
どちらも得点が1、4になる確率は、(1)の考察の過程を使えます。そうすると、まずまず見通しよく解けるでしょう。
最後は、Aの得点が0とわかっている時、Bの得点が0より大きい確率です。問題文だけ読むと、条件つき確率の例の式を使いそうですが、問題と「条件つき確率」を理解していると、実は、例の式は使わないことがわかります。Aの得点が0は当然(1)の考察を使えます。
やや厳しい部分もありますが、全体的に枠組みとしては教科書~Focus Gold基礎レベルなので、理論的には、完答も十分可能です。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
整数とデータの分析の融合問題です。

(1)
aから始まる連続するn個の整数の和が2023になるaとnの組み合わせを考える問題です。
(ⅰ)は全部で何通りあるかの問題です。愚直に等差数列の和の公式を使い、2023を素因数分解すると、整数の標準問題レベルに帰着されるので、解けます。ただし、整数は、Focus Goldあたりがやや弱いので、大学受験塾チーム番町では、整数問題集を配っております。
(ⅱ)はa、nがともに奇数になるのは何通りかの問題です。これも、整数問題に慣れていれば、愚直に書き出して、当てはまるものを解答する、ということで解けます。

(2)
(1)のn個の整数の平均値、分散、標準偏差を考える問題です。
(ⅰ)は平均値を求める問題です。(1)で和を求めているので、教科書通りnで割ればいいので、解けます。
(ⅱ)は分散を求める問題です。これも教科書通りに愚直にやってもいいですが、教科書に書いてある「データの変換」の話を使うと、1~nまでの分散と同じことだということがわかります。そうすると、計算量をかなり減らせます。時間との戦いは本質的なので、大切だったかもしれません。
(ⅲ)は分散の値が自然数になる時のnの値を小さい方から並べると、nが2023になるのは何番目か、という問題です。このあたりから、かなり整数問題に慣れていないと、厳しいかなという気がします。整数問題は、文字をたくさん使っても、うまくいくことが多いです

整数問題攻略の7つのポイント

(ⅳ)は標準偏差が自然数になる時の、小さい方から2つ目を求める問題です。このあたりも、かなり整数問題に慣れていないと、厳しいかなという気がします。
(2)の(ⅱ)あたりまで解きたいです。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
平面図形の問題です。

(1)
(ⅰ)~(ⅳ)は、この問題の四角形が、有名な直角三角形を組み合わせたものであることがわかると、中学生レベルの問題になります。したがって解けます。仮に気づかなくても、高校教科書レベルの余弦定理で解決できます。

(2)
本問四角形の面積の最大値を求め、その時の対角線の長さを求める問題です。
このような四角形の面積は、三角形に分割するのは、教科書の三角比のところに載っています。すると、対角がともに直角のときに最大になるのはいいと思います。以下はごく簡単な計算なので、解けます。
完答しましょう。

 

近畿大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2023年の難易度はBCBでした。上記のように、大問1,3は完答。大問2は(2)の(ⅱ)あたりまでは解けそうです。ただ、60分という試験時間がボトルネックになる可能性は十分にあると思います。
 まあ、時間が十分にあったとして、以上の問題を解くためには、教科書を理解し、Focus Goldを網羅し、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。近畿大学医学部の場合、マーク式なので、論述式に比べ、ひねったような出題で勝負が分かれることが考えられます。それに対応するためには、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問による対策が適切だと考えます。ただし、あくまで、ベースは、教科書、Focus Goldです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

2022年近畿大学医学部数学:難易度、どのくらい解ければ合格点か

 

大問1

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。
近畿大学医学部でよく出ていた平面図形の問題です。

(1)
三平方の定理を使えばいいので、中学生でも解けます。

(2)
辺の長さや辺の比は、相似を使うと出ます。中学受験、高校受験の頃はできたかもしれませんが、大学受験では手薄になりがちかもしれません。近大医学部受験者は、過去問や、旧センター試験の過去問の平面図形セクションなどで、慣れるといいでしょう。最後の外接円の半径も、三平方の定理で出ます。

完答しましょう。

 

大問2

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はC。
感染症の感染モデルという、大学受験数学の参考書には載っていない、非定型的な問題です。

ただ、愚直に表でも書けば、解ける問題ではありました。

 

大問3

『合否を分けたこの1題』誌の難易度はB。

(1)
積分(面積)で、2つの放物線が囲む面積が9になるように、aの値を定める問題です。
いわゆる1/6公式が使える形でもあります。愚直に面積を求めに行って、イコール9とやればいいので、枠組み自体は、教科書~Focus Gold基礎レベルと言え、解けます。

(2)
数2の「図形と方程式」の最後の方に載っている、領域と最大最小の問題です。
ただし、文字aを含むので、場合分けが必要です。この、場合分けが必要な問題が、Focus Goldには載っていません。一方で、入試にはわりと出題されており、入試問題集にも、わりと載っています。したがって、入試問題集で、類題を準備しておくのが望ましいです。ただし、医学部受験者なら、初見でも解けたいところではあります。塾長は、東大入試で、まあ、似たような問題が出て、初見で解きました。
最大、最小を取るときが、交点を通るときか、接するときか、で場合分けして考察することになります。
完答しましょう。

 

近畿大学医学部数学の勉強法と傾向と対策

 2022年の難易度はBCBでした。上記のように、大問1,3は完答できる出題でした。大問2の感染モデルの問題は、非定型的な問題で、どこかの参考書などに載っていたわけではありません。ただ、愚直に表でも書けば正解できる問題でした。
 まあ、時間が十分にあったとして、以上の問題を解くためには、教科書を理解し、Focus Goldを網羅し、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問をこなす、といった対策で十分達成できます。近畿大学医学部の場合、マーク式なので、論述式に比べ、ひねったような出題で勝負が分かれることが考えられます。それに対応するためには、似たようなレベルのマーク式の私大医学部の過去問による対策が適切だと考えます。ただし、あくまで、ベースは、教科書、Focus Goldです。

 受験生の中には、予備校や参考書で、平均的な合格者も解けないような問題に取り組みつつも、『Focus Gold』(啓林館)あたりに抜けが多く、受験に成功しない人も多いので、注意しましょう。

大学受験の数学の勉強法・参考書

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【感想・書評】大学受験生のGRIT、やり抜く力(非認知能力の1つ)を育むオススメの本2選

 

非認知能力とは?

非認知能力についてのポール・タフ氏の本

非認知能力を育むボーク重子さんの本

非認知能力の権威、ヘックマン教授の本

小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て(マガジンハウス)

非認知能力をエビデンスで語る:「学力」の経済学

レジリエンス、回復力を育む本3選

やる気を育むオススメの本2選

 

【感想・書評】大学受験生のGRIT、やり抜く力(非認知能力の1つ)を育むオススメの本2選

 

大学受験生にとってのGRIT、やり抜く力の重要性

 GRIT、やり抜く力とは、逆境や困難に直面しても、長期間にわたって課題や目標に取り組み続けることです。ここでは、大学受験においてGRITが重要である理由を説明します。

 

大学受験は長い戦い

 大学受験の受験勉強には、何ヶ月、何年にもわたる継続的な努力が必要です。GRITは、受験生がこの長期間に渡って集中力を維持し、準備に専念できるようにします。

 

大学受験の挫折の克服

 受験勉強の過程では、難しいテーマ、模擬試験の点数の悪さ、個人的な問題など、さまざまな問題にぶつかる可能性があります。GRITは、大学受験生が意気消沈することなく、このような障害に耐え、乗り越えるのを助けます。

 

大学受験の一貫した努力

 一生懸命勉強するだけでなく、一貫して勉強することが大切です。GRITがあれば、生徒たちは散発的に勉強するのではなく、ずっと努力と勉強を維持することができます。

 

不確実性への対処

 大学入試の傾向や形式が変わることもあります。GRITのある人は、そうした不確定要素にうまく対処し、必要に応じて戦略を変更することができます。

 

大学入試科目の習熟度を高める

 英語や数学といった大学入試科目の習得は一朝一夕にできるものではありません。一貫した努力、反復、継続的な改善が必要です。GRITは、表面的な知識ではなく、習得を目指すよう、生徒を駆り立てます。

 

大学受験生のレジリエンス(精神的回復力)を高める

 レジリエンスとGRITは密接な関係にあります。レジリエンスは大学受験生が挫折から立ち直るのに役立ちます。GRITは、大学受験生が進歩が遅く感じられたり、進歩がないように感じられたりしても、前進し続ける決意を与えてくれます。

 

大学受験生の目標の設定と達成

 GRITは、大学受験生が明確で長期的な目標(入試をクリアすることなど)を設定し、それを堅持するのを助けます。この目標志向の考え方は、厳しい受験勉強で集中力とモチベーションを維持するために極めて重要です。

 

大学受験を超えた人生

 大学受験勉強で培ったGRITは、大学や将来のキャリアにも役立ちます。高等教育や多くの専門分野では、献身的な努力、長期的なコミットメント、困難を克服する能力が求められますが、これらはすべてGRITに関連する資質です。

 

特徴的な要素

 多くの生徒が同じような知能レベルや学習素材へのアクセスを持っているかもしれませんが、GRITは差別化要因となりえます。GRITの高い大学受験生ほど、準備を怠らず、必要な勉強に打ち込む可能性が高く、大学に合格する可能性が高くなります。

 

 まとめると、大学受験で成功するためには、知識、技能、戦略が不可欠ですが、GRITは、それらの資源を効果的に活用し、望ましい結果を得るために必要な粘り強さと決意を提供します。

 

GRIT やり抜く力(ダイヤモンド社)の感想、書評

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 2016年9月8日発売。GRIT、やり抜く力、は非認知能力の1つとして、近年、注目されています。

 

『GRIT やり抜く力』の著者の実績と信頼性

 著者はペンシルベニア大学心理学部のアンジェラ・ダックワース教授です。大学での研究、調査に基く話がたくさん出てくる、ちゃんとした本です。アンジェラ・ダックワース教授の研究は、他の多くの本で引用されています。また、アンジェラ・ダックワース教授はTEDに出演し、YouTubeは1,000万回以上再生されています。
 著者の実績と信頼性は抜群だと思います。

 

やり抜く人はなぜがんばれるのか?

 『GRIT やり抜く力』は、まず、米国陸軍士官学校の話から始まります。
 入学の難しさは、最難関大学にひけを取らない。学業でも体力測定でも高得点が必要。入学を許可される1200名は、ほぼ例外なく、各学校を代表するスポーツ選手で、大半はチームのキャプテンを務めている。
 しかし、5人に1人は中退してしまうそうです。しかも中退者の大半は、入学直後の厳しい基礎訓練に耐えきれずに辞めてしまう。
 では、この基礎訓練に耐えられるのはどんな人か。これが、アンジェラ・ダックワース教授が博士課程の時の研究テーマだったそうです。
 ちなみに、入学試験の成績が最高レベルの人たちは、なぜか、最低レベルの人たちと同じくらい、中退する確率が高かったそうです。
 大切なのは、「絶対にあきらめない」という態度、困難に負けずに立ち向かう姿勢、失敗しても挫けずに努力を続ける、といったことだそうです。GRIT、やり抜く力が高かった。グリットのテストを受けるとスコアが高く、それは、入学試験の成績とは関係がなかった。

 まず感銘を受けたのは、「物事をやり抜く力」が成功に至るための中心的要素であるという考え方です。この本の中でダックワース教授が語る「GRIT」は、課題に直面した時や困難な状況に遭遇した時でも、自分の目標を追求し続けるという強い意志を示しています。 
 この本を読むことで、大学受験生の課題に対する見方が変わりました。小さな成功や短期的な成果を追求するのではなく、長期的な視点を持って取り組むことの重要性を改めて理解しました。大学受験生が目指すべきは、一時的な成功ではなく、持続可能な成功であり、それを達成するためには「GRIT」、つまり「やり抜く力」が必要不可欠であることを痛感しました。

 塾長も、いろんな生徒を見てきましたが、入塾時の成績と、進学する大学は、あまり関係がないなあ、と思っています。全く成績が足りない人でも、絶対に東大、医学部に入りたいと思っている人は入る。一方で、高校の最初は、まずまずの成績でも、保護者が過干渉だったりする場合は、だんだん成績が下がり、その高校としてはどうだろう、といった結果になっていると思います。

 

東大、医学部合格を達成するには?

 アンジェラ・ダックワース教授は、競泳選手を対象とした「一流の人達が行っている当たり前のこと」という研究論文を読んだそうです。その内容は以下のようでした。

 最高のパフォーマンスは、無数の小さなスキルや行動を積み重ねた結果として生み出される。それは本人が意識的に習得する数々のスキルや、試行錯誤するなかで見い出した方法などが、周到な訓練により叩き込まれ、習慣となり、やがて一体化したものなのだ。やっていることの一つひとつには、特別なことや超人的なところはなにもないが、それらを継続的に正しく積み重ねていくことで生じる相乗効果によって、卓越したレベルに到達できる。

 この例からは、成功のためには一つ一つの小さなスキルや行動を継続的に正しく積み重ねることが不可欠だと学びました。卓越したパフォーマンスは、日々の練習と挑戦、そして持続的な努力の積み重ねによって生み出されるのだと思いました。

 普通の公立中学の陸上部で7年間に13回の日本一を達成された原田隆史先生も「段差の小さい階段を毎日登る」のが成功のコツだ、とおっしゃいます。そのためのツールが「日誌」です。その日にすべきことを書き、実際にしたかをチェックする。

 東大、医学部受験の数学で考えましょう。部分的に教科書の説明を理解している。部分的に教科書の問題を解ける。部分的にチャート式やFocus Goldの問題を解ける。これらは、大したことではありません。しかし、これらを積み重ね、小学校から高校までのすべての教科書とFocus Goldについて、説明を理解し、問題を解けると、それは東大、医学部合格レベルです。世の中の、その他大勢の人から見ると、すごいことなのだと思います。

 本書には、「やり抜く力」をはかるテストも載っています。

 

やり抜く力を育む

 

最上位の目標は?

 たとえば、アンジェラ・ダックワース教授の最上位の目標は、「子どもたちの『目標達成力』と『しなやかな強さ』を育む」ことだそうです。
 このような、最上位の目標があれば、やり抜く力は高まるでしょう。
 一方で、「医師になりたい」「NBAのバスケットボール選手になりたい」といった高い目標を持ちながら、それを実現するための、中位、下位の目標を設定することができていない人も多いようです。
 東大・医学部受験に例えましょう。最上位の目標は、大学合格かもしれませんし、その後の「医師として社会貢献する」といったものかもしれません。そのような、最上位の目標を熱望している人のほうが、やり抜く力は高いと思います。一方で、東大や医学部に合格するための勉強のしかたを知っていて、1日1日、教材をこなしていく、という中位、下位の目標がしっかりしていれば、やはり、やり抜く力は高まると思います。

 最上位の目標を持つことの重要性には感銘を受けました。自分自身の生涯の目標を明確にすることで、人生の各ステージで直面する困難を乗り越え、成功へと導く「やり抜く力」を強化することが可能になるのだと思います。

 さて、最上位の目標、人生で何を成し遂げたいのか、なんて、そう簡単に見つからないよ、という高校生の方が、多いのかもしれません。
 筆者もそのように述べています。
 そして、金メダリストなどの「やり抜く力」の鉄人たちも、ほとんどのことは「これだ」と思うまでに何年もかかっていて、さまざまなことに挑戦していた、とのことです。興味は外の世界との交流で生まれるので、外の世界と多く交流するのが良い、ということだと思います。

 どうも、近年の気鋭の学者、現場の指導者の一致した意見は、「興味、好奇心を失う原因は、親の過干渉。親のすべきことは、きっかけ、機会を与えること。子供の興味を失わせないこと」といったもののようです。
 塾長も同意見です。進学校の下位層は、学科の理解以前に、保護者の方の過干渉により、好奇心、主体性、自分の人生を生きているという感覚、といった非認知能力を失った結果、成績不振に陥っている、というケースが多いように思います。
 本書では、Amazonの創業者のジェフ・ベゾスと、お母さんのエピソードが語られています。

 

やり抜くことでやり抜く力は高まる

 アンジェラ・ダックワース教授は、『GRIT やり抜く力』で、課外活動を1年以上続けることを奨めています。実際に、何かをやり抜くことで、やり抜く力は高まる。大学受験を戦い抜く力が高まる。
 普通の公立中学の陸上部で7年間に13回の日本一を達成された原田隆史先生は、「1000日間続けることを決めなさい。」と指導するそうです。たとえば、家庭での皿洗い、風呂掃除などです。それにより、原田先生の生徒は、やり抜く力が高まったのかもしれません。
 

 

成功する東大、医学部受験の法則

 『GRIT やり抜く力』の章立てと全く同じ名前の『成功する練習の法則』(日本経済新聞出版社)という名著もあります。

ここではむしろ、『超一流になるのは才能か努力か?』(文藝春秋)

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という本の内容が要約されています。『GRIT やり抜く力』の著者アンジェラ・ダックワース教授と『超一流になるのは才能か努力か?』の著者アンダース・エリクソン教授は共同研究をしており、盗作ではありません(笑)。物事の上達のメカニズムの科学的根拠が述べられています。一言でいうと、「現在の自分を少し越える負荷をかけ続け、脳に神経回路を構築する」というものです。

 

フロー体験とは?

 また、トレーニングをやり抜くために、元シカゴ大学心理学部、教育学部のチクセントミハイ教授が提唱する、物事に没頭し、喜びを感じる「フロー」という概念が紹介されます。

 

フロー体験が起きる条件は?

 チクセントミハイ教授は、著書で以下の条件を挙げています。

1.目標が明確
 チクセントミハイ教授は、最終目標も大切ではあるが、そうではなく、目の前の仕事に夢中になることだ、としています。
 ロッククライマーなら、山頂にたどりつくことではなく、落下しないための次の動作。チェスプレイヤーなら、勝つことではなく、次の一手や、読みによって戦略を立てることです。
 高校生の場合、東大や医学部に合格する、あるいは、さらにその先を見ている人もいるでしょう。それも大切ですが、まずは目の前の問題に没頭することです。

2.迅速なフィードバック
 「自分がしていることをどれくらいうまくやりこなしているかについての情報をすぐに入手できる」ことです。

 大学受験生の勉強の場合、すぐに答え合わせをすることができますね。

3.機会と能力とのバランス
 取り組んでいる物事と自分の能力のバランスがちょうどいい、ということです。
 簡単すぎると「退屈」ですし、難しすぎると「不安」「心配」といった状態になります。大学受験の勉強の場合、難しすぎても、わからなすぎるので「退屈」でしょう。
 ある研究では、85%ほど、すでに理解できている本が最もモチベーションが上がる、とのことです。かつて受験英語の神様と呼ばれた故伊藤和夫先生は「5割は知っている、3割は言われれば思い出す、2割は知らない、忘れていた」程度のレベルのときが最も学習効果が高い、といった趣旨のことをおっしゃっていたと思います。
 フロー体験うんぬんを抜きにしても、大学受験生の場合、多くは、取り組んでいる課題が簡単すぎるのではなく、難しすぎるので失敗していると思います。

4.集中の深化
 物事に没頭して、その中に深くはまり込んでいる状態です。
 たとえば、ロッククライマーが「瞑想や精神集中のようなもの」「考えなくても」「なにもしなくても」「正しいことが行われる」。エリート競輪選手が自己と自転車を「ともに作動している一台の機会のように感じる」。「努力を必要としない」といった状況です。
 東大、医学部受験の勉強も、このようでありたいですね。

5.重要なのは現在
 今、している物事に精神を集中しているので、日常の心配事が心に浮かぶ隙がない状態です。
 チェスプレイヤーなら盤上のみ。作曲家なら紙の上の符号とそれが表す音のみです。
高校生、大学受験生なら、目の前の問題のみでしょう。
 そしてそれは、現実逃避ではなく、現在の事実からの「前向きの」脱出です。

6.自分自身をコントロールしている感覚
 高校生や大学受験生なら、人に課された宿題をこなすのではなく、自分自身で選んだ勉強をする、ということでしょう。
 もちろん、どんな勉強をすればいいのか、というガイドライン、選択肢は、指導者がある程度の幅をもって提示するべきでしょう。

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人の役に立つとやり抜く力が高まる

 上で、人生の目標を見つけることの重要性を述べましたが、そうは言っても、そう簡単に人生の目標は見つからないでしょう。とりあえず、「人の役に立つ」と考えると、「やり抜く力」が強化される、とのことです。
 有名な「レンガ職人の寓話」があります。レンガ職人に「何をしているんですか?」と聞くと、
1人は「レンガを積んでいるんだよ」
1人は「教会を作っているんだよ」
1人は「歴史に残る大聖堂を作っているんだ」
と答えたという話です。
 東大・医学部受験に例えると、ただ、「化学を勉強しているんだよ」と答える人よりも、「1人でも多くの患者の命を救える医師になるために化学を勉強しているんだよ」と答える人のほうが、やり抜く力は強いでしょうね。
 利他の精神、人間教育は、受験に合格するためにも大切なのですね。

 

東大、医学部に合格できるとしなやかに考える

 マインドセットとは、心の持ちよう、といった意味です。本書では、『マインドセット「やればできる! 」の研究』(草思社)の著者、スタンフォード大学心理学教授のキャロル・S・ドゥエック先生の研究も引用しています。
 しなやかマインドセットとは、「知的能力は大きく向上させることができる」という心の持ちようです。しなやかマインドセットの人は、逆境でも粘り強くやり抜くことができる。東大・医学部受験にたとえると、成績が全く足りなくても、「勉強すればできるようになる」と考え、勉強をがんばれる、ということでしょう。大学受験塾チーム番町では、テストや模試の反省を行い、「この教材のこのページに載っているよね」と指摘し、勉強すれば東大、医学部に合格できるという考え方、しなやかマインドセットを育むよう、サポートしております。

 

東大、医学部受験をやり抜く子供を育てる科学的結論

 アンジェラ・ダックワース教授は「さらなる研究が必要だ」としつつも「賢明な子育て」の科学的結論が述べています。
 それは、「要求は厳しいが、暖かく支援し、子供の自主性を尊重する」というものです。
 塾長の経験上も、入塾時は全く成績が足りないのに、東大や医学部に合格するご家庭は、このような傾向があります。そもそも、塾に出てこないので、よくわからないのですが、まあ、そのような感じです。逆に、成績不振で保護者主導で塾の面談に連れてこられるようなご家庭は、本書に書いてあることの逆で、お子さんのほうも、やり抜く気概に欠けている、といった傾向があります。
 「賢明な育て方」診断テストもあるので、お子さんとの接し方のバランス感覚に問題意識を持っている保護者の方は、この部分だけでも、本書の値段の何倍もの価値があると思います。おおむね、上記のように、「興味、好奇心を失う原因は、親の過干渉。親のすべきことは、きっかけ、機会を与えること。子供の興味、主体性、自分の人生を生きているという感覚を失わせないこと。」といったことです。興味、好奇心を失わなければ、やり抜く力は維持されますよね。

 

 この本は、目標を設定し、それを追求するための方法論を示すだけでなく、人生の目的を見つけ、それを達成するための「GRIT」を育む方法についても教えてくれます。私たちが人生の各ステージで遭遇する困難に立ち向かう力を強化し、自分自身の目標を追求する努力を支えることで、達成感と成長の喜びを味わうことができると思います。

 『GRIT やり抜く力』は、困難な状況に直面したときに挫けず、自己の成長と成功を追求する力を高めるための手引きとして、非常に価値ある洞察を提供してくれると思います。これは自己啓発の一冊としてだけではなく、自己成長の道程を進む全ての人々にとっての貴重なガイドブックと言えるでしょう。

 私自身の人生においても、「やり抜く力」をより強化し、自分の最上位の目標を追求するために、ダックワース教授の提唱する方法を活用したいと強く感じました。この本は、自分自身の内面を見つめ直し、挑戦と成長に向けての努力を続ける上で、大いに助けとなるものでした。このような深い洞察と啓示を提供してくれた『GRIT やり抜く力』に、心から感謝します。

 

こういう人は『GRIT やり抜く力』を読むべき

・なんでも、やり抜いて、物事を達成したい人
・お子さんの教育を成功させたい保護者の方々

 

『GRIT やり抜く力』の目次

はじめに-「生まれつきの才能」は重要ではなかった!
1.「やり抜く力」の秘密
 なぜ、彼らはそこまでがんばれるのか?
2.「才能」では成功できない
 「成功する者」と「失敗する者」を分けるもの
3.努力と才能の「達成の方程式」
 一流の人がしている当たり前のこと
4.あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか
 「情熱」と「粘り強さ」がわかるテスト
5.「やり抜く力」は伸ばせる
 自分をつくる「遺伝子と経験のミックス」
6.「興味」を結びつける
 情熱を抱き、没頭する技術
7.成功する「練習」の法則
 やってもムダな方法、やっただけ成果の出る方法
8.「目的」を見出す
 鉄人は必ず「他者」を目的にする
9.この「希望」が」背中を押す
 「もう一度立ち上がれる」考え方をつくる
10.「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法
 科学では「賢明な子育て」の答えは出ている
11.「課外活動」を絶対にすべし
 「1年以上継続」と「進歩経験」の衝撃的な結果
12.まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
 人が大きく変わる「もっとも確実な条件」
13.最後に
 人生のマラソンで真に成功する

 

やり抜く人の9つの習慣(ディスカヴァー)の感想、書評

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 2007年6月25日初版第1刷。

 

『やり抜く人の9つの習慣』の著者の実績と信頼性

 
 著者は、コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長のハイディ・グラント・ハルバーソン先生です。大学の研究に基づく、ちゃんとした本です。
 ハイディ・グラント・ハルバーソン先生は、他の著書には、
・やる気が上がる8つのスイッチ(ディスカヴァー)
・やってのける(大和書房)
があります。いずれも、モチベーション系の、大学の研究に基づく本ですね。
 著者の実績と信頼性は抜群と言えます。

 

『GRIT やり抜く力』と比べると?

 上で『GRIT やり抜く力』を挙げました。2冊を比べた場合、具体的に「やり抜く力」を身につけたい、という場合、『やり抜く人の9つの習慣』のほうが、実戦的でお手軽かもしれません。

 目次がほぼ本書の内容なので、目次を挙げます。

 

『やり抜く人の9つの習慣』の目次

1.目標に具体性を与える
2.目標達成への行動計画をつくる
3.目標までの距離を意識する
4.現実的楽観主義者になる
5.「成長すること」に集中する
6.「やり抜く力」を持つ
7.筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
8.自分を追い込まない
9.「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する

 

1.目標に具体性を与える

 たとえば「テストでいい点を取りたい」ではなく「テストで平均点の20点上を取りたい」といった目標を立てるほうが、やり抜く力が高まる、と思いました。

 

2.目標達成への行動計画をつくる

 そして、すべきことも具体的にする。「◯月◯日に◯◯という教材の△△~▢▢ページをできるようにする」といった計画を立てるよう、指導したほうが、やり抜く力が高まる、と思いました。

 

3.目標までの距離を意識する

 目標に向かって、向上しているのか、していないのか、他人によるか自分がでフィードバックを行う、ということです。
 大学受験塾チーム番町では、模試などで、東大や医学部の志望者に「この参考書のこのページに載っているから勉強すればできるよね」とフィードバックをしています。

 意外なことに、初心者ほど、頻繁にフィードバックすべきだと思いますが、研究によると、そうではないのだそうです。混乱を招き、かえって上達の邪魔になるからだそうです。指導者として、気をつけようと思いました。

 また、フィードバックも、これまで達成したことよりも、これからすべきことに着目したほうが、モチベーションが上がり、やり抜く力が高まる、ということです。今までこなした教材よりも、これからこなさなくてはならない教材に着目するということですね。なるほどなあ、と思いました。

 

4.現実的楽観主義者になる

 目標を達成することは簡単ではないことを自覚した上で、困難に立ち向かう自分をイメージする、ほうが、やり抜く力が高まる、ということです。
 「ポジティブシンキング」「思えば叶う」などと言われることがありますが、そういうものではなく、地に足がついた根拠が必要だということですね。
 ただ、東大や医学部に合格すると念じ続けるのではなく、ゴールから逆算し、こなさなければならない具体的な教材を示す、などの取り組みが大切なのだと思いました。

 

5.「成長すること」に集中する

 これは、やはり、ハイディ・グラント・ハルバーソン先生の著書『やる気が上がる8つのスイッチ』

やる気が上がる8つのスイッチ(ディスカヴァー)

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塾長による書評

の3本の柱の1つになっています。「能力を見せつけよう」と思うのではなく、「自分を成長させよう」と思うのが大切で、やり抜く力が高まる、ということです。「成長型」の人であれば、別に失敗しても前に進んでいればいいわけですし、人と自分を比べる必要もありませんよね。
 したがって、東大を目指す理由も、自分の能力を見せつけるためではなく、自分を成長させるためでなくてはなりません。
 

 

6.「やり抜く力」を持つ

 『やり抜く人の9つの習慣』という題の本で、その手段が「やり抜く力を持つ」とは、どういうことだ(笑)。
 本章では、スタンフォード大学心理学部のキャロル・ドゥエック教授の著書『マインドセット やればできる!の研究』(草思社)を引用しています。

マインドセット「やればできる!」の研究(草思社)

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塾長による書評

 本書では、「こちこちマインドセット」(個々人の知能はもって生まれたものとして固定されている)と「しなやかマインドセット」(能力は経験や努力を重ねることにより高めることができる)が紹介されています。様々な研究から、「しなやかマインドセット」が正しい、と証明されているようです。

 『やり抜く人の9つの習慣』では、「しなやかマインドセット」を持つことが、「やり抜く力」につながる、としています。
 受験であれば「適切な勉強により、成績は伸び、東大や医学部に合格する」と信じる(そして、それは科学的にも正しい)ことが大切なのだろうと思いました。

 

7.筋肉を鍛えるように意志力を鍛える

 意志力、やり抜く力は強くすることができるそうです。大きな挑戦でなくていいので、取り組む価値があると思うことを続けることが勧められています。
 そういえば、普通の公立中学の陸上部で7年間に13回の日本一を達成された原田隆史先生は「まず1000日間続けることを決めなさい」と指導するそうです。たとえば、家庭での皿洗いです。原田先生の生徒は、それにより、意志力が高まったのかもしれませんね。

 

8.自分を追い込まない

 無理をしない、ということが書かれています。
 たとえば、誘惑と出会いやすい時間や場所を把握し、そうした状況を避けるようにする。大きな目標は1つに絞る、などが、やり抜く力を高めるコツだ、ということです。
 受験勉強ならば、自室で勉強するのではなく、外やリビングで勉強する、などがいいのだろうと思いました。

 

9.「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する

 何かをやめたいときにも、そのために具体的にどんな行動をするかに集中する、ほうが、やり抜く力が高まる、ということです。これも、こうしたほうが効果が高いことが、研究で明らかになっているそうです。「夜更かししない」ではなく、「早く寝る」。「ゲームをやりすぎない」ではなく「ゲームは1時間だけする」といったようにするよう指導しようと思いました。

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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【感想・書評】大学受験生のやる気、意欲(非認知能力の1つ)を育むオススメの本2選

 

非認知能力とは?

非認知能力についてのポール・タフ氏の本

非認知能力を育むボーク重子さんの本

非認知能力の権威、ヘックマン教授の本

小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て(マガジンハウス)

非認知能力をエビデンスで語る:「学力」の経済学

レジリエンス、回復力を育む本3選

GRIT、やり抜く力を育むオススメの本2選

 

【感想・書評】大学受験生のやる気、意欲(非認知能力の1つ)を育むオススメの本2選

 

大学受験におけるやる気、意欲の重要性

 

 意欲は人間の行動の原動力であり、学業成績、特に大学入試のような場面で極めて重要な役割を果たします。このような試験における意欲の重要性は、以下のように理解できます。

 ただし、この「意欲」なるものは、本当に現前しているのでしょうか?「意欲の不在」こそが現前するのではないでしょうか?
 以下に紹介する効果は、意欲そのものではなく、意欲の痕跡、意欲の補填物に過ぎません。
 意欲とは、私達が欠如を感じるがゆえに求めるものではないでしょうか?意欲の不在を埋めるために、私たちは意欲を求める。しかし、その求めは決して満たされることはありません。なぜなら、意欲とは常に先延ばしにされ、到来しないものだからです。
 大学受験という制度そのものが、意欲の不在を露呈しているのかもしれません。受験生は、自らの意欲ではなく、大学受験という制度に従属することを求められます。意欲は、制度の中で抑圧され、周縁化されます。意欲の不在は、制度の中心に座しています。
 ですが、意欲の不在は、決して否定的なものではありません。むしろ、意欲の不在こそが、新たな可能性を開くのではないでしょうか。意欲に囚われることなく、意欲の彼方へと歩み出すこと。それこそが、真の意味での学びへの第一歩となるのかもしれません。
 意欲は、確かに重要だと言われます。しかし、私達は意欲の重要性を語る前に、まず意欲の不在に向き合わなければなりません。意欲の不在を見つめ、その意味を問うこと。それこそが、大学受験という制度を乗り越える道であり、学びの本質に迫る道なのではないでしょうか。
 また、以下のような虚構の彼方に、学習の真の意味が待っています。虚構を脱構築し、虚構の彼方へと歩み出すこと。それこそが、真の学習への第一歩と言えるでしょう。

 

持続的な努力

 大学入試では、長時間の学習と準備が必要です。内発的動機づけ(対象や目標に対する純粋な興味や情熱)により、受験生は数ヶ月から数年にわたる努力を持続させることができます。

 しかし、この「持続的な努力」なるものは、本当に可能なのでしょうか?
 努力とは、常に未来へと先延ばしされるものではないでしょうか。「今日は頑張ろう」と思っても、その「頑張る」という行為は、常に明日へ、明後日へと延期されていく。努力の完了は、常に到来しない。努力は、常に不在なのです。
 また、努力は、しばしば外部からの要求や期待に応えるためになされます。受験生は、大学に合格するために努力します。しかし、その努力の目的は、彼ら自身の内部にあるのでしょうか? それとも、社会の要求に応えるためでしょうか?努力の主体は、常に不確かなのです。
 持続的な努力。それは幻想に過ぎないのかもしれません。私達は、努力の不可能性、努力の不在を直視しなければならなりません。努力は、常に先延ばしにされ、常に主体を欠いています。「意欲」を考える時、「持続的な努力」という言葉の背後には、努力の空虚さが潜んでいるのです。

 

先延ばしの克服

 意欲により、学生が直面する一般的な課題である先延ばしに対抗することができます。意欲のある学生は、勉強に優先順位をつけ、時間を効果的に管理することができます。

 しかし、この「先延ばしの克服」という考え方自体が、先延ばしを否定的に捉えているかもしれません。
 先延ばしとは、ある意味で、現在を生きることの肯定と考えることができます。先延ばしをする者は、今この瞬間を、勉強よりも大切なもののために使っているのかもしれません。先延ばしは、勉強という義務に抵抗する、一種の反抗なのです。
 また、先延ばしは、未来を確定することの拒否でもあります。勉強に優先順位をつけ、時間を管理すること。それは、未来を、あらかじめ決定してしまうことでもあります。先延ばしは、未来を開かれたままにしておくための戦略なのかもしれません。
 先延ばしの克服ではなく、先延ばしの肯定。私たちは、先延ばしの持つ肯定的な意味を見出だす必要があります。先延ばしは、現在を生きること、未来を開かれたままにしておくことの実践なのです。「意欲」という名の下に、先延ばしを否定してはなりません。

 

認知プロセスの強化

 意欲のある学生は、情報をより深く処理し、批判的思考に取り組み、新しい知識を過去の知識と結びつける傾向があります。このような深いレベルでの認知的関与は、学習内容のより良い理解と定着に役立ちます。

 しかし、この「知識」なるものは、本当に存在するのでしょうか?
 知識とは、常に言葉を媒介にして伝達され、獲得されるものです。しかし、言葉とは、決して確定した意味を持ちません。言葉は、常に文脈に依存し、解釈に開かれています。つまり、知識もまた、常に不確定であり、不在なのです。
 また、新しい知識と過去の知識を結びつけるという行為は、果たして可能なのでしょうか? 
 新しい知識は、過去の知識の文脈では理解できないかもしれません。過去の知識は、新しい知識を歪めてしまうかもしれません。知識同士の結びつきは、常に不確かなのです。
 認知プロセスの強化という言葉の背後には、知識の実在性への信仰があります。しかし、知識は常に不在であり、知識同士の結びつきも常に不確かなのです。私達は、「意欲」を考える時、知識の不在を認めることから始めなければなりません。

 

課題への対処

 受験勉強の過程で、受験生は難しいトピックや難しい問題にぶつかり、模擬試験で失敗することもあります。高い意欲は、生徒がこれらの課題に正面から立ち向かい、解決策を模索し、失敗から学ぶ原動力となります。

 しかし、この「失敗」は、本当に克服されるべきものなのでしょうか?
 失敗とは、ある意味で、新しい可能性の開始ではないでしょうか。失敗は、私達が予期していなかった方向へ、私たちを導いてくれます。失敗は、私たちの思考の限界を露呈し、新たな思考の可能性を開いてくれるのです。
 また、失敗から学ぶという考え方自体が、失敗を否定的に捉えています。失敗から学ぶためには、まず失敗を受け入れ、失敗と共に生きることが必要です。失敗を克服の対象としてではなく、生の一部として肯定することが重要なのかもしれません。
 課題への対処という言葉の背後には、失敗を否定的に捉える姿勢があります。しかし、失敗は、新たな可能性の始まりであり、生の一部なのです。私たちは、「意欲」を考える時。失敗を克服の対象としてではなく、失敗と共に生きる道を模索しなければならないのだと思います。

 

学習素材の活用

 意欲のある学生は、教科書、オンライン教材、コーチングクラス、勉強グループなど、利用可能な素材を積極的に探して活用する傾向があります。彼らは、成功に必要なものを確実に手に入れようと積極的です。

 しかし、学習素材は、学習者の外部に存在しています。つまり、学習素材そのものは、学習者の理解とは独立して存在しているのです。学習者が学習素材を手に入れたとしても、それだけでは理解には直結しません。
 たとえば、数学の教科書を買ったとします。しかし、教科書を買ったからといって、すぐに数学が理解できるわけではありません。教科書の内容を理解するためには、学習者自身が能動的に考え、問題に取り組む必要があります。
 学習素材を手に入れる努力も大切だけれども、それだけでは不十分です。学習素材の内容を自分のものにするには、学習者自身の主体的な努力が必要不可欠です。
 つまり、「意欲」を考える時、学習素材を手に入れただけでは理解には至らず、学習者は常に学習素材の内容を追いかけ続けなければならない、ということが重要だと思います。

 

目標設定と達成

 意欲はしばしば明確な目標から生まれます。特定の研究分野への情熱、有名大学への進学願望、その他の個人的な目標など、意欲は、具体的で測定可能な成果を設定し、それに向かって努力するよう学生を駆り立てます。

 しかし、この「目標」なるものは、本当に存在するのでしょうか?
 目標とは、常に未来に属するものです。目標は、現在の学習者にとって不在です。学習者は、不在の目標を追い求めて、現在の学習を犠牲にします。目標の追求は、現在の学習の価値を奪ってしまいます。
 また、目標は、他者によって設定される可能性があります。研究分野への情熱も、有名大学への進学願望も、社会や他者からの期待によって形作られるます。目標は、学習者の主体性を奪い、学習者を他者の欲望に従属させる可能性があります。
 目標は、学習者を欺く可能性があります。目標は、学習者に現在の学習を犠牲にさせ、学習者の主体性を奪いかねません。「意欲」を考える時、目標への盲目的な追求は、学習者を目標の虚構に囚われさせてしまう可能性があります。

 

粘り強さを高める

 挫折に直面したときや、成功への道のりが長く険しいと思われるときでも、意欲は粘り強さの燃料となります。あきらめるか前に進むかの違いです。

 しかし、この「粘り強さ」なるものは、本当に必要でしょうか?
 粘り強さとは、挫折を否定し、挫折から目を背ける態度です。粘り強さは、挫折の意味を問うことを拒否します。粘り強さは、挫折の痛みから逃げ、挫折の痛みを忘れようとするものです。
 しかし、挫折とは、学習者に必要不可欠なものではないでしょうか。挫折は、学習者に自らの限界を知らしめ、新たな可能性を開きます。挫折は、学習者を変容させ、成長させるです。
 粘り強さは、挫折の意味を奪ってしまいます。粘り強さは、学習者から成長の機会を奪ってしまうのです
。「意欲」を考える時、粘り強さへの盲目的な信仰は、学習者を粘り強さの虚構に囚われさせてしまうと思います。

 

感情的な幸福

 意欲、特に内発的意欲は、生徒の全般的な情緒的幸福を高めることができます。意欲があれば、学生は勉強に熱意、興味、満足感を抱きやすくなります。

 しかし、この「幸福」なるものは、本当に存在するのでしょうか?
 幸福とは、常に先延ばしにされるものです。学習者は、勉強を頑張れば幸福になれると信じて、勉強に励みます。しかし、勉強が終わっても、幸福は訪れません。幸福は、常に未来に属し、現在の学習者にとって不在なのです。
 また、幸福とは、他者によって定義される可能性があります。熱意、興味、満足感といった感情は、社会や他者から期待される感情である可能性があります。学習者は、自らの感情を他者の期待に合わせようとするかもしれません。幸福は、学習者の主体性を奪い、学習者を他者の欲望に従属させる可能性があります。
 幸福は、学習者を欺きかねません。幸福は、学習者に現在の不幸を忘れさせ、学習者の主体性を奪う可能性があります。「意欲」を考える時、幸福への盲目的な追求は、学習者を幸福の虚構に囚われさせてしまう可能性があります。

 

自己効力感を高める

 意欲は、自己効力感と密接に関連しています。自己効力感とは、特定の状況で成功する自分の能力を信じることです。生徒が目標に向かって努力し、その進歩を目の当たりにすることで、自己効力感と意欲は相互に強化されます

 

ライフスキルの向上

 受験勉強で培われた意欲は、短期的な目的を果たすだけではありません。進学、キャリア、そして個人的な努力に役立つ習慣や考え方を植え付けることができます。

 

 要するに、知識やスキルは極めて重要ですが、意欲は、特に大学入試のような大きな試練において、学生がそれらのスキルや知識を効果的に活用する原動力となるエンジンなのです。十分な意欲がなければ、どんなに才能があり、資源に恵まれた学生でも、受験勉強でつまずくかもしれません。

 

マインドセット「やればできる!」の研究(草思社)の感想・書評

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『マインドセット「やればできる!」の研究』の著者の実績と信頼性

 著者はスタンフォード大学の心理学のキャロル・S・ドゥエック教授です。
 本書は、一個人についての話も多く出てきますが、おそらく、それは話をわかりやすくするためのエピソードトークであり、大学での研究、調査に基づく話もたくさん出てくる、ちゃんとした本です。
 ドゥエック教授の研究は、他の大学教授による書籍でも多く引用されています。
 著者の実績と信頼性は絶大だと思います。

 

『マインドセット「やればできる!」の研究』の概要

 2008年11月1日第1刷。時代の流れを先取りするかのような、革新的な内容が盛り込まれていました。当時は、「非認知能力」という言葉は、あまり使われていなかったと思います。一般の人々にとっては新鮮で未知のこのテーマに、エビデンスを元に紐解いていったのです。私は、この本が非認知能力の研究におけるパイオニア的な役割を果たしたのではないかと感じています。
 本の中で特に印象的だったのは、「こちこちマインドセット」と「しなやかマインドセット」という二つのキーワードでした。これらの言葉を通じて、人々の心の持ちようや、困難な状況に立たされた時の対応の違いが、非常に明確に、そして分かりやすく語られています。これら二つのマインドセットの違いは、まるで鮮やかなコントラストを描くように、私たちの心に響いてくるのです。
 『マインドセット「やればできる!」の研究』を手に取る際、どんな先入観や偏見も持たずに、純粋にそのメッセージを受け取ることが大切だと私は感じました。なぜなら、本の中には自己成長や「やる気」「意欲」を引き出すためのヒントや秘訣がたくさん詰まっているからです。一つ一つの章を読み進めるごとに、その深いメッセージと知識の量に、私は驚かされました。この一冊から、こんなにも多くの価値や教訓を得ることができるとは思っていませんでした。
 

マインドセットとは?:やる気を育むために

 私たち一人ひとりが持つ「マインドセット」。それは思考の基盤となる枠組みや、日々の生活での心の持ちようを意味しています。この言葉は、よく聞くかもしれませんが、実際のところ、具体的にはどういったことを指しているのでしょうか?

 『マインドセット「やればできる!」の研究』は、このマインドセットに焦点を当て、多くの人が「自分の性格や性質」と思い込んでいるものが、実は「心の持ちよう」であり、それによって行動や感じる感情が大きく変わってくると説いています。
 
 この本には、「こちこちマインドセット」と「しなやかマインドセット」という、興味深いキーワードが登場します。この2つの言葉は、訳者が用いており、それぞれの特徴を独自の言葉で伝えています。

 「こちこちマインドセット」とは、自分の能力は固定的で変わらないという心の持ちようです。また、自分の能力を証明せずにはいられないタイプです。自分が他人からどう評価されるかを非常に気にします。
 「しなやかマインドセット」とは、人間の基本的資質は、努力次第で伸ばすことができるという心の持ちようです。自分の成長に関心を向けるタイプです。

 たとえば、中間試験で非常に悪い点を取ってしまった場合を考えましょう。
 「こちこちマインドセット」の人は、「自分はもうダメ、どうにもならない」と考えます。非認知能力の1つである「意欲」を失う、ということですね。レジリエンスの喪失ということもできそうです。
 「しなやかマインドセット」の人は、「もっと身を入れて勉強するように、という警告だろう。でも後半が残っているので、成績を伸ばすチャンスはまだある。」と考えます。「意欲」を失わないということです。
 また、「こちこち」の人は、失敗を自分以外のなにかのせいにしがちです。一方、「しなやか」の人は、自分が間違いを犯したことを認め、そこから教訓を得て成長していくことができます。

 当塾は、進学校の下位層の親子には、上記のようなこと、その他、進学校の下位層に共通する特徴をお伝えし、修正するように指導しています。しかし、下位層から抜け出せない親子は、どうも、自分たちが「しなやか」に変わろうとするのではなく、子供の成績が上がらないのを塾のせいにして、塾を変えて問題を解決しようとする傾向があるように思います。「こちこち」なのですね。それゆえ「やる気」「意欲」に欠ける。

 この「こちこちマインドセット」と「しなやかマインドセット」という考え方は、私たちが日々の生活や仕事をどう捉えるか、そしてそれにどう対処するかに大きな影響を与えることに気づかされました。我々が遭遇する困難や挫折をどのように解釈し、それに対する対策をどう立てるかは、このマインドセットによって大きく左右されるのだと思いました。私もこの考え方を日々の生活に取り入れ、常に成長し続けることを目指しています。

 

「やる気」「意欲」を育むには、証明型か成長型か

 下に『やる気が上がる8つのスイッチ』(ディスカヴァー)という本を挙げています。人を2=8通りにタイプ分けして、それぞれのタイプのやる気の上げ方について、治療法を述べています。
 3つのタイプ分けの1つが「証明型」か「成長型」かです。上記のように、自分の能力を証明せずにはいられないタイプ(こちこち)か、自分の成長に関心を向けるタイプ(しなやか)かです。これは、「成長型」でなくてはならない、としています。
 本書でも、「賢さを証明できたら成功か」「新しいことを学べたら成功か」というパートがあります。やはり、「証明型」(こちこち)は、チャレンジを恐れる、「やる気」「意欲」を失う人が出てくる、などとして、「成長型」(しなやか)が望ましい、としています。
 したがって、東大を志望する理由は、「自分の能力を証明する」ではなく、「成長する」ためでなくてはならないのですね。
 また、『やる気が上がる8つのスイッチ』では、もう1つのタイプ分けが、自信があるかないか、となっていて、自信があったほうがいいとう事になっています。塾長も、テストの点は、技術的なことだけでなく、自信といったよくわからないものも、大きな要素だな、と思っていました。
 しかし、『マインドセット「やればできる!」の研究』では、「マインドセットがしなやかならば、かならずしも自信など必要ない」としています。たしかに、「しなやか」な人は、失敗しようが、ただただ自分の成長に関心を向け、「やる気」「意欲」を持ってやり抜いてしまうので、自信は必要ないな、と。「やり抜く力」も非認知能力の1つとされます。自信喪失が原因で、テストのパフォーマンスが下がっている人には、「しなやか」さを身に着けてもらうよう、指導していこうと思いました。
 大学受験でも、たとえば東大、医学部受験など、高い目標にチャレンジしようとしない人がいます。それは、こちこちマインドセットのせいで「やる気」「意欲」を失っていて、修正しなければいけないのではないか、と疑ってみる必要があると思いました。

 

やる気を育むためには、生まれ持った才能を褒めるか、努力を褒めるか

 『マインドセット「やればできる!」の研究』で、最も衝撃的なのは、この部分だと思います。 
 「頭がいいのね」などと生まれ持った能力を褒められると、「こちこちマインドセット」になる。このようなマインドセットの人は、高い目標や未知の領域にチャレンジするのを避け、その安全圏内で自分の才能や能力を守ろうとする。結果として、新しい挑戦から逃げてしまい、意欲を喪失してしまうことがあるのです。
 「頑張ったのね」などと努力を褒められると、新しい問題にチャレンジするほうを選んだそうです。努力や取り組む態度を褒められることで、人は新しい問題や難易度の高い挑戦に対しても前向きになれるようです。このようなポジティブなフィードバックを受け取ることで、自分の限界を挑戦し続け、さらなる成長を求める姿勢、「やる気」「意欲」が育まれるのです。

 この発見は、私たちが子供たちや生徒たちにどのような言葉をかけるかという観点で、大変示唆に富んでいます。保護者や教育者、そして私たち一人ひとりが、自分の子供や他者を励ます際には、その「努力」や「取り組み」を中心に褒めるように心がけることが、その人の成長を後押しする鍵となるのではないでしょうか。
 生まれつきの才能や資質はもちろん大切ですが、それよりもそれをどのように活用し、どれだけの努力をして発展させるかが重要だと思いました。
 生まれつきの才能よりも、それを活用し発展させる努力を重視するこの視点は、単なる、実験の結果というのみならず、私たちの学びや成長において非常に重要なメッセージを伝えていると感じました。

 

人間関係のマインドセット

 人間関係というのは、やはり複雑でデリケートなものですよね。私もそうですし、多くの人は、たとえば友人や同僚との関係を考えるとき、できればストレスがなく、気を使わず、楽にコミュニケーションをとりたいと強く感じているでしょう。誰もが、関係維持に過度な努力を要しない人と、心地よく時間を過ごしたいと願っているはずです。
 しかし、『マインドセット「やればできる!」の研究』では、私たちの普段の考えとは少し違った視点が示されています。「人間関係は、育む努力をしないかぎり、だめになる一方で、けっして良くなりはしない」としています。つまり「やる気」「意欲」が必要だということです。
 考えてみれば、人間関係もスキルの1つであり、学校のテストとあまり変わらないわけです。それを磨くための「やる気」「意欲」が必要です。日々のコミュニケーションや対人関係にも、向き合う勇気と意識が求められるのです。
 まあ、もちろん、付き合うべきではない人というのも、世の中には多いでしょうし、それはそれでいいとは思います。
 しかし、それと同時に、現在の人間関係を維持し、更に深めるための努力や、新しい人間関係を築くのに必要な努力を怠らず、積極的に取り組むことの大切さを再認識させられるのです。人間関係は、与えられたものではなく、一緒に育てていくものだということを、私たちは常に意識して生きていくべきなのかもしれません。

 人間関係は、大学受験とは直接は関係がないと思うかもしれません。しかし、家庭の人間関係が良好であれば、健全な精神や、必要なサポートを得ることができるでしょう。学校の友人との人間関係が良好ならば、やはり、健全な精神や、受験に大切な情報を得ることができるでしょう。結果、「やる気」「意欲」が高まるのだと思います。

 

 

東大、医学部への意欲を高める建設的な批判

 私たちが目指す目標や夢に向かって進む過程で、必ずと言っていいほど出くわす「失敗」。この失敗をどう受け止め、どう乗り越えるかは、その後の成果や達成感に大きく関わってきます。『マインドセット「やればできる!」の研究』では、子供、生徒が失敗したときには、建設的な批判、つまり、悪い点を改めたり、もっと努力したり、すぐれた成果を出したりするのをうながすような批判をすべきだ、とします。
 大学受験塾チーム番町では、こうした考えを基に、生徒たちの成長をサポートしています。たとえば、東大模試や医学部志望者の模試の反省を通して、できなかった問題について、たとえば、「数学のこの教材の何ページを勉強していたら解けたね」とか、記述型の現代文で「こういうふうに記号をつけて論旨を追っていたら、合格点の答案がかけたね」などと、建設的な批判をするように心がけています。
 このようなアプローチの結果、生徒は「ああ、勉強すれば受かるんだ」と思うようです。東大、医学部受験を含め、大学受験がうまくいかない原因の意外に大きな要因に「どう勉強すればいいかわからなくなって、心が折れる」、つまり「やる気」「意欲」を失う、というものがあるようです。しかし、当塾の生徒たちは、そうした迷いや不安を感じることなく、目標に向かって努力を続けることができます。それが大学受験塾チーム番町の個別指導の強みであり、生徒たちの成功の秘訣なのです。

 

医学部に受からないご家庭のこちこち毒親

 『マインドセット「やればできる!」の研究』には、胸を締め付けられるようなエピソードが載っています。それは、ハーバード大学への入学を最終的な目標とし、そのための成功を娘に強要してきた両親の話です。彼らの心の中では、娘や自らの価値は、ハーバードへの入学という結果にのみ結びついていました。娘や両親自身の優秀さを証明するため、つまり、こちこちマインドセットの両親です。娘がどんな人間か、今、何に関心があるか、学んで成長できるか、将来どんな人間になれるか、なんてどうでもいい。ハーバード大学に入れた場合にだけ、娘を愛し、尊重しよう。

 実際の社会でも、特に医師のご家庭でよく目にする光景があります。それは、お子さんが自分から熱心に医学を志望する場合とは異なり、お子さんの興味や夢を度外視して、絶対に医師になるようにという期待を抱くケースです。このような医学部受験の場合、お子さんが盲目的に従順、と言った特殊な場合を除いて、こじれる、「やる気」「意欲」を失って、うまく行かないことも多いだろうな、と思います。
 まず、本書のように、保護者の方が「こちこちマインドセット」なので、お子さんが十分に能力を発揮できない、という場合も多いと思います。また、本書とはあまり関係ありませんが、世界陸上400mハードルで銅メダル2回の為末大さんなどは、「自分の人生を生きている感覚」「何かを見てわーっと興味、好奇心が湧いてくる」が一番の才能であり、後から最も与えにくい、とおっしゃっています。たとえば、シリコンバレーの親が、子供が幼少の時からプログラミングを学ばせたら、子供は大学で哲学を専攻してしまった、などという話はよくあるようです。これは、子供の興味や関心を無視し、親の期待を一方的に押し付けることの限界を示しています。

 もし医師のご家庭で、お子さんを医師にしたいと考えているなら、言葉を駆使するよりも、ご自身が日々の仕事でどのように社会に貢献しているのかを、実際の行動で示し続けることが大切だと思います。
 世の中には、東大や他の名門校への受験を強く望むご家庭も少なくありません。中学受験を経験するご家庭も同様に、本書の内容を参考にし、お子様の将来との向き合い方を再考してみてはいかがでしょうか。

 

『マインドセット「やればできる!」の研究』のまとめ

 

 『マインドセット「やればできる!」の研究』というタイトルを初めて手に取ったとき、私はこの本がどれほどの影響を私の考え方や日常にもたらすか、全く予測していませんでした。教育の領域でのマインドセットに関する議論は、ただの教育論ではなく、我々が人生をどのように歩むべきか、という哲学的な問いかけとして感じられました。教育者である方、学ぶ側の学生である方、そして私たち一人一人がどちらの立場にもなり得るこの社会において、この一冊は非常に価値のある洞察を提供してくれました。

 失敗を避けるのではなく、その失敗自体を新たなステップとして受け入れ、さらに前へ進むための糧とする。この考え方の重要性を、私たちは社会全体で共感し、共有する必要があると強く感じました。この哲学的なアプローチは、日常のささいな出来事から大きな人生の選択まで、どんな場面においても応用が効くと確信しています。

 実際にこの本のページをめくりながら、私自身が過去に経験した失敗や挫折を思い返し、それらがどれほどの学びをもたらしてくれたかを振り返ることができました。日々の生活の中で、どれだけ自分を成長させる機会があるか、そしてそれをどのように捉えるか。これらのことを深く考えることで、私たちは前向きなエネルギーをもって人生の舞台に立つことができるのだと感じました。

 最後に、『マインドセット「やればできる!」の研究』は、ただの自己啓発書としてではなく、人生における大切な羅針盤としての役割を果たしてくれる一冊です。人間の持つ無限の可能性を信じ、それを実現するための方法を学ぶすべての方々に、心からこの一冊をおすすめしたいと思います。

 

『マインドセット「やればできる!」の研究』の目次

1.マインドセットとは何か
2.マインドセットが違うとこんなに違う
3.能力と実績のウソホント
4.人間関係のマインドセット
5.親と教師:マインドセットを培う
6.マインドセットをしなやかにしよう

 

やる気が上がる8つのスイッチ(ディスカヴァー)の感想、書評

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 2018年5月24日発売。ただし、アメリカでは、2013年には出版されていたようです。人がやる気を上げる方法は1つではなく、人に合わせて方法を考える、という方針です。成長か証明か、獲得か回避か、自信があるかないかで2=8通りにタイプ分けができます。本書では、その8タイプにつき、治療法が示されます。

 

『やる気が上がる8つのスイッチ』の著者の実績と信頼性

 うさんくさい題名ですが、著者は、コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長のハイディ・グラント・ハルバーソン先生です。大学の研究に基づく、ちゃんとした本です。
 ハイディ・グラント・ハルバーソン先生は、他の著書には、
・やり抜く人の9つの習慣(ディスカヴァー)
・やってのける(大和書房)
があります。いずれも、モチベーション系の、大学の研究に基づく本ですね。
 著者の実績と信頼性は抜群と言えます。

 

やる気を上げるには、証明か成長か

 このテーマに関して、筆者は「成長型のマインドセット」を持つことの重要性を強調しています。
 マインドセット、つまり「心の持ちよう」とは何か。それは、私たちが日々の生活や仕事、学びの中でどのような意識や考えを持ち、それに基づいて行動するかを示しています。ここでは、「証明マインドセット」と「成長マインドセット」の2つに大別しています。

 「証明マインドセット」とは、「人に自分の能力を見せつけ認めさせよう」という心の持ちようです。それに対し、「成長マインドセット」とは、「自分が向上することに焦点を当てる」心の持ちようです。
 まあ、なんとなく証明型の人は、心が貧しい気がしますね。実際に、ミスを恐れ、自分にはできないことを他人に知られることも、自分でわかってしまうことも恐れ、不安に陥り、「やる気」「意欲」を失う、といった傾向が見られるようです。うつにも結びつきやすく、仕事を楽しいと思えない。過程を楽しむ余裕がない。
 証明型の人が「すごい人と思われたい」のに対し、成長型の人は「すごい人になりたい」。他人の目を気にしないし、他人に認められなくても、自分のしたいことをする。主体性がある。「やる気」「意欲」を持ち続ける。

 それは、「成長マインドセット」の人のほうが、困難に直面しても、粘り強く頑張り続け、最終的には成功しそうですよね。非認知能力として挙げられる「やる気」「やり抜く力」「レジリエンス」などが高い。
 つまり、受験勉強など、長丁場の戦いの場合、「自分が優秀であることを証明するために」勉強している人より、「自分を成長させよう」と思って勉強している人のほうが強い、ということになります。

 もしも「証明型」のマインドセットを持っていると感じる方は、意識的に「成長マインドセット」を取り入れるための工夫をしてみると良いでしょう。例えば、毎日の日常の中で「成長マインドセット」と書いたメモを机に貼ってみるなど、日常的にその意識を持つことが大切です。

 

やる気を上げるには、獲得か回避か

 『やる気が上がる8つのスイッチ』では、目標設定や達成のアプローチには「獲得フォーカス」と「回避フォーカス」という2つの大きなカテゴリがあると説明されています。これはどちらでもよく、強みを活かすことが大切だそうです。

 「獲得フォーカス」とは、最大限の利益、最小限の機会損失への心の焦点です。
 「回避フォーカス」とは、安定感、信頼性への心の焦点です。

 「獲得型」の人は、自分の理想とする高いランクの大学を志望し、その目標に向かって全力で取り組むでしょう。このタイプの人は、常に自分の限界を挑戦し、新しい道を切り開くことに「やる気」「意欲」を感じます。
 「回避型」の人は、自分の現在の実力程度に志望校を設定し、成績が上がるにつれて、志望校も少しずつ上げていけば、「やる気」「意欲」を維持できるのではないでしょうか。

 ただ、「回避型」の場合、失敗を恐れ、必要以上に目標を低く設定している可能性があります。世界陸上2001年エドモントン大会、2005年ヘルシンキ大会の400mハードルで銅メダルを獲得された為末大さんがYouTubeチャンネル「為末大学」を開設しています。2020年6月6日に「子供が自ら挑戦するようになる接し方」という動画をアップしています。

お子さんが主体的に東大・医学部受験に挑むためには?

 「回避型」の人がこのような性質を持つ背景には、親や教育者からの過度な期待やプレッシャーが影響していることも考えられます。そのため、自身の子供や生徒を育てる際は、過度なプレッシャーをかけず、自主性や挑戦心を大切にし、「やる気」「意欲」を失わせないことが求められます。

 しかし、この「回避型」には魅力的な長所も多く存在します。失敗を極力避けることで、高い精度や丁寧さを持って取り組むことができるのです。そして、その堅実さは、長期的なプロジェクトやチャレンジにおいて、「やる気」「意欲」を持続し、高い成功率をもたらすことが期待されます。

 

やる気を高めるには自信があった方がいい

 過去の研究や心理学の進化を通じて、成功ややる気に関して一つの事実が明確になってきました。それは、”自信があれば、やる気を高めることができる”ということです。この単純な事実は、『やる気が上がる8つのスイッチ』の中でも触れられており、実際に私たちの日常生活においても、非常に役立つ情報となります。

 塾長の経験上も、自信というよくわからないものが、テストの点数に大きな影響を与えます。テストで良い点を取ることにより、自信がつき、さらに点数が上がるという、正のスパイラルが存在します。ほとんどの人がそうです。塾長の生徒は、受験までダラダラ成績が上がっていく人が多いです。

 何百もの研究によると、技能と成功の相関係数は0.19であるのに対し、自己効力感と成功の相関係数は0.34だそうです。つまり、学術的にも、技術的なものよりも、自己効力感のほうが、成功との関係性が高そうだ、ということが言えます。

 では、この自己効力感をどのように高めていくのでしょうか。一番のキーは、成功体験を積むことです。社会人であれば、職場における具体的な成功や成果を挙げること。学生であれば、テストで高得点を取ることや、課題をクリアすること。また、当塾の生徒なら、授業中に実際に問題を解けるようにする、ことで成功体験を積み、自己効力感を高めるのがいいと思います。

 ただし上でも書きましたが『マインドセット「やればできる!」の研究』という書籍からの示唆も共有したいと思います。この本には、「しなやかマインドセット」の持ち主は、自信の有無にかかわらず、物事を柔軟に取り組み、失敗を成長の一部と捉え、「やる気」「意欲」を失わないことが述べられています。このような考え方を持つことは、我々の人生やキャリアにおいて、非常に価値があるのではないでしょうか。

 

やる気を高めるためのまとめ

 当塾に当てはめると
・机に「成長マインドセット」と書いた紙を貼る
・「獲得」「回避」の強みを活かす
・授業中に解説を受けた上で問題を解き、テストで少しずつ点を上げ、自信をつける
というのが「やる気」「意欲」を高める治療法になると思います。
 テストで点を取れない人の治療法が、テストで点を取って自信をつける、というのが難しいところですね。

 

やる気を高めるタイプ別診断と治療法

 ここまで書いてきたことで解決しますが、本書は、2=8通りのタイプに名前をつけています。たとえば、

・証明+獲得+自信なし=中二病
 自分の能力を証明するために「東大を目指す」などと言い(保護者の場合、自分の自尊心を満たすために強要し)、しかも自信がなく、努力もせず、失敗しても他人のせいにする(保護者の場合、自分の自己修養、子供への人間教育の欠如ではなく、塾のせいにする。自分の教育力のなさを知られたくない。)タイプです。「憂鬱な感じを漂わせている」「わからないのにわからないと言えない傾向」というのも、塾長の経験と一致します。本書では「破滅的」と診断しています。くり返しますと、上記のように「やる気」「意欲」を高める治療は可能なはずです。ただ、保護者が「空虚な自尊心」という、よくわからなないもので、妙にかたくなな場合が多く、治療は困難なケースも多いでしょう。

・成長+獲得+自信あり=新星
 壁にぶつかるほど「やる気」「意欲」が湧き出、革新的であり、最高の仕事人、スターとしています。

・成長+回避+自信あり=熟練の匠
 責任感が強く信頼でき、仕事にミスがなく、「新星」とタイプは違えども、「やる気」「意欲」を持続する、最高の仕事人としています。

 

こんな人は『やる気が上がる8つのスイッチ』を読むべき

・やる気を出したい人
・成長しようと思っているのではなく、自分の能力を見せつけようと思っている人
・最大限の利益を得たいと思っている人
・安定を得たいと思っている人
・自分に自信がない人

 

大学受験生のやる気、意欲を育む本とフーコー

 フーコーの権力と知の関係性の観点からすれば、「やる気」や「意欲」といった概念自体が、特定の歴史的・社会的文脈の中で形成された言説の産物だと言えます。近代以降の教育言説は、個人の内発的な動機づけを重視し、自己実現や成功への意欲を称揚してきました。受験生の「やる気」や「意欲」を育むことは、このような近代的な主体性の構築と密接に関連しているのです。

 受験生の意欲を育む方法を説く書籍は、一種の自己啓発言説として機能しています。それらの書籍は、受験生に特定の規律的実践(例えば、目標設定、時間管理、勉強技術など)を内面化させることで、自己を管理し、最適化するよう促します。フーコーが指摘したように、近代社会における権力は、個人の内面に働きかけ、自発的な服従を生み出すことで機能します。受験生の意欲を育む書籍は、この「生政治」(国家がどのように人々の命や身体を管理し、支配しようとしているのか)の一形態だと言えるでしょう。

 また、これらの書籍が前提とする「意欲的な受験生」像は、規範的な主体モデルとして機能します。受験生は、この理想像に自らを適合させようと努力することで、特定の行動様式や価値観を内面化していきます。しかし、フーコーの視点からすれば、この主体モデルは、特定の社会的・経済的な要請に応じて構築されたものであり、その背後にある権力関係を問い直す必要があります。

 さらに、受験生の意欲を育むことを目的とした書籍は、教育の目的を個人の競争力強化に収斂させる危険性を孕んでいます。これらの書籍は、「やる気」や「意欲」を、受験競争における優位性の獲得と結びつけることで、教育を経済的な利益追求の手段へと還元してしまいます。フーコーが批判したように、このような新自由主義的な教育観は、個人を経済的な主体へと矮小化し、社会的な連帯や批判的思考の可能性を閉ざしてしまうかもしれません。

 ただし、フーコーの思想は、「やる気」や「意欲」といった概念を全面的に否定するものではありません。むしろ、これらの概念が持つ生産的な側面にも注目する必要があるでしょう。受験生の意欲を育むことは、学びへの主体的な関与を促し、知的な探究心を深める契機にもなり得ます。重要なのは、「やる気」や「意欲」を特定の規範的モデルに還元するのではなく、それらの多様な表現や発現の可能性を認めることだと言えます。

 受験生の意欲を育む書籍は、近代的な主体性の構築と密接に関連した言説的実践です。それらは、特定の規律的技術を通して、受験生を自己管理する主体へと導きます。しかし、これらの書籍が前提とする「意欲的な受験生」像は、特定の社会的・経済的要請に基づく規範的モデルであり、批判的に吟味される必要があります。また、教育の目的を個人の競争力強化に収斂させることの問題性にも留意しなければなりません。

 フーコーの思想は、「やる気」や「意欲」といった概念の歴史的・社会的な構築性を明らかにし、それらをめぐる権力関係を可視化します。私たちは、受験生の意欲を育むことの意義を認めつつも、その言説的前提を問い直し、Alternative な教育の可能性を模索していく必要があるのです。受験生一人一人の個性や可能性を尊重し、多様な学びのあり方を認めることが、真に主体的な学習者を育むための鍵となるのかもしれません。

 

大学受験生のやる気、意欲を育む本とハイデガー

 私たちは単に効果的な学習テクニックを求めるのではなく、学ぶことの本質的な意味を問い直す必要があるでしょう。

 ハイデガーにとって、学問とは単に知識を蓄積することではなく、存在そのものを問うことでした。彼は『存在と時間』の中で、人間を「現存在」と呼び、その本質を「世界内存在」として規定しています。つまり、私たちは常にすでに世界の中に存在しており、事物や他者との関わりの中で生きているのです。学ぶということも、こうした世界との関わりの一つの様態だと言えます。

 この観点から見るなら、受験生が学習に意欲を持てないのは、彼らが学ぶことの本来的な意味を見失っているからかもしれません。学習が単なる点数稼ぎや競争に堕してしまっては、そこに世界を開示する喜びは生まれません。彼らは、自分自身の存在を問うことなく、ただ盲目的に知識を詰め込もうとしているのです。

 では、どうすれば受験生のやる気を育むことができるのでしょうか。ハイデガーが示唆するのは、学ぶことの本質を取り戻すことです。それは、事象そのものに向き合い、その意味を問うことから始まります。受験生には、なぜこの科目を学ぶのか、それが自分にとってどんな意味を持つのかを、自問自答することが求められます。

 もちろん、これは容易なことではありません。なぜなら、私たちは日常に埋没し、既成の価値観に囚われがちだからです。ハイデガーはこれを「頽落」と呼び、そこから脱却することの難しさを指摘しました。しかし、だからこそ、学ぶことの意味を問い直す営みには、大きな意義があるのです。

 ここで、書籍の役割が浮かび上がってきます。優れた書物は、私たちを日常の殻から解き放ち、新たな視点を提供してくれます。そこには、先人達の知恵と経験が凝縮されており、私たちはそれを手がかりに、みずからの存在を問い直すことができるのです。受験生が学ぶ意欲を取り戻すためには、こうした書物との出会いが不可欠なのかもしれません。

 ただし、ここで注意しなければならないのは、書物を読むことが自己目的化してはならないということです。ハイデガーは、書物を単に情報の源泉として扱うことを戒めました。大切なのは、書物と真摯に対話し、そこから得た洞察を自分自身の生の課題として引き受けることなのです。

 そのためにも、受験生には能動的な読書の姿勢が求められます。ただ受動的に知識を吸収するのではなく、疑問を持ち、考え、書物の内容を吟味することが大切です。時には、書物の主張に異を唱えることも必要でしょう。こうした批判的な読書を通じて、受験生は自分自身の思考を深め、学ぶことの喜びを体感することができるはずです。

 さらに、書籍を媒介とした他者との対話も重要な意味を持ちます。ハイデガーは、私たちが「共同存在」として、他者とともに生きていることを強調しました。受験生同士が書籍を巡って議論を交わすことは、互いの視野を広げ、学びを深化させる契機となるでしょう。そこには、競争ではなく、共に真理を探究する協働の精神が生まれるはずです。

 以上のように考えるなら、「大学受験生のやる気、意欲を育む本」は、単なる学習テクニックの提供ではなく、学ぶことの本質を問い直す契機となり得ます。そこで提示される方法論は、あくまでも一つの手がかりに過ぎません。重要なのは、受験生自身が書物と対話し、みずからの存在の意味を探究することなのです。

 そのとき、受験勉強は単なる点数稼ぎではなく、自己と世界を問い直す冒険の旅となるでしょう。書物を道標として、受験生は未知なる地平に踏み出していきます。そこには、困難や挫折も待ち受けているかもしれません。しかし、そうした試練を乗り越えることで、彼らは確かな意欲と自信を獲得していくはずです。

 大学受験という営みが、人生の重大な岐路であることは間違いありません。しかし、それは単なる関門ではなく、自己を形成する貴重な機会でもあるのです。受験生には、書物を手がかりに、学ぶことの本来的な意味を見出していってほしいと思います。そのとき、彼らは受験を超えて、生涯にわたって学び続ける力を身につけることができるでしょう。 

 

大学受験生のやる気、意欲を育む本とデリダ

 このテーマは、一見すると実用的で無害なものに見えますが、デリダ的な視点から考察すると、様々な問題を孕んでいることが明らかになります。

 まず、「大学受験生」という主体は、既に社会的に構築されたカテゴリーであると言えます。受験生は、教育制度という権力構造の中で生み出された存在であり、その主体性は制度によって規定されています。しかし、「やる気、意欲を育む」という言説は、あたかも受験生の主体性が自明のものであるかのように前提しています。ここには、主体の自律性を強調する近代的な価値観が潜んでいるのです。

 また、「やる気、意欲」という概念自体も、脱構築の対象となり得ます。これらの概念は、資本主義社会における生産性や効率性の価値観と密接に結びついています。つまり、受験生の「やる気、意欲」とは、競争社会に適応し、良い成績を収めるための心的エネルギーだと考えられているのです。しかし、こうした価値観は、学びの多様性や個人の独自性を抑圧するものでもあります。

 さらに、「育む本」という表現にも注目する必要があります。書籍という媒体は、知識を固定化し、権威化する装置だと言えます。「育む方法」を書物の形で提示するということは、ある特定の方法論を普遍的な真理として提示することでもあるのです。しかし、デリダが指摘したように、書かれたテクストの意味は決して一義的に確定できるものではありません。「育む方法」もまた、解釈の多様性に開かれているはずです。

 ここで、「大学受験生のやる気、意欲を育む本」というテーマが持つ両義性に着目することができます。デリダの「pharmakon」の概念が示すように、書物は毒にも薬にもなり得るのです。「育む方法」を提示する書物は、受験生にとって有益な知見を与える一方で、特定の価値観やイデオロギーを注入する装置にもなり得ます。

 重要なのは、この両義性を認識し、書物に書かれた「育む方法」を絶対化せずに、批判的に吟味することでしょう。受験生は、書物から一方的に知識を受け取るのではなく、自らの解釈を通してテクストと対話する必要があります。そのとき、「やる気、意欲」という概念もまた、脱構築の対象となるでしょう。受験生は、自らの「やる気、意欲」が社会的に構築されたものであることを認識し、その価値観を問い直していくことが求められます。

 そのような脱構築のプロセスを通して、「大学受験生」という主体もまた、解体されていくことになるでしょう。受験生は、教育制度という権力構造に規定されつつも、その構造を乗り越える可能性を秘めた存在でもあるのです。「やる気、意欲を育む方法」を批判的に吟味することは、その可能性を開くための第一歩だと言えます。

 「大学受験生のやる気、意欲を育む本」というテーマは、教育をめぐる権力と知のダイナミズムを浮き彫りにします。私たちは、書物に書かれた方法論を無批判に受け入れるのではなく、そこに潜む権力関係を見抜き、絶えず脱構築のまなざしを向けていく必要があるのです。そのとき、「大学受験生」という主体もまた、固定された存在ではなく、絶えざる生成のプロセスの中で捉え直されていくことになるでしょう。

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

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