【使い方】物理のエッセンス(河合出版) レベルと難易度は?

 

【使い方】物理のエッセンス(河合出版) 個別指導塾で使える?レベルと難易度は?

 

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『物理のエッセンス』の著者の実績と信頼性

 著者は浜島清利先生です。著書は他に、

・物理講義の実況中継(語学春秋社)
・名問の森(河合出版)
・良問の風(河合出版)

があります。
 大学受験の物理の参考書では、特に、『物理のエッセンス』『名問の森』『良問の風』は超定番です。実績と信頼性は抜群と言えます。

 

塾長の実績と経験:『物理のエッセンス』のレベル 東大の偏差値を超えます

 検定教科書を理解し、教科書レベルの問題をスラスラ解ける人(『宇宙一わかりやすい高校物理』(学研)の説明を理解し、付属の別冊問題集を解ける人)なら、独習で使えると思います。
 レベルは、全問解けるようにすれば、河合全統記述模試、進研模試などの標準的な模試では、東大の偏差値を超えます。これらの模試と『物理のエッセンス』を見比べればわかることですし、塾長の生徒は達成しています。そして、東大、京大、医学部あたりに合格するための基本技法をほぼ網羅できます。

 

『物理のエッセンス』の使い方

 『物理のエッセンス』で受験物理の基本解法をほぼ網羅的にマスターできます。問題を全部解けるようにしましょう。

 まえがきにある通り、教科書に書いてある説明は簡潔に、教科書に書いていないが受験で使うことの説明は丁寧にされています。Amazonで低評価をつけている人は、このまえがきを読んでいないのではないでしょうか。つまり、教科書はわかっていることが前提の本です。

 『物理のエッセンス』のたとえば、鉛直面内の円運動(非等速円運動)の所には
1.力学的エネルギー保存則
2.遠心力を考えて、半径方向で力のつり合いの式をつくる
といった、物理の入試問題を解くために必要な抽象的なパターンが、バーンと書いてあります。

 また、たとえば、電磁気のコンデンサーの難しめの回路を解くテクニックに、
(ある極板上の電荷)=C×(自分の電位ー相手の電位)
というものがあります。『重要問題集』(数研出版)などの「問題集」では、説明なしに、解答にいきなりこの話が出てくるので、この話を聞いたことがない人は、わけがわからないと思います。一方で、『物理のエッセンス』では、しっかり原理から解説してくれています。

 『物理のエッセンス』は(教科書レベルのことの多くは省かれているものの、)入試問題を解くために理解しなければならないことは、しっかり解説してくれていて、かつ、入試で合格点を取るために必要な技法をマスターするための問題は、ほぼ網羅されている、という、非常にバランスの良い教材だと思います。

 問題の解説はやや素っ気ないですが、東大、京大、国立医学部あたりを目指すなら、泣き言は言えないでしょう。

 一方、以下のような親切な配慮も見られます。

・難しめの問題には、*、**がついている。得意でない人は、1周目は飛ばしてもいいかもしれない。ただ、『物理のエッセンス』に取り組む人は、最終的にはマスターすべき。

・誤りやすい誤答例を「miss!」として取り上げている。出題者の狙い目になっているので、クリアーを目指しましょう、とのこと。

・よく受ける質問、本質をつく疑問に「Q&A」として答えている。

・覚えなくてもよいが、知っておくと問題を解く上でずっと有利になる事柄を「知っておくとトク」として扱っている。

・物理が得意な人へのメッセージを「High」として扱っている。東大・京大・物理が難しい医学部あたりを受ける人は、理解すべきです。また、上位教材である『名問の森』では、これらを使う問題が出てきます。

 河合全統記述など、標準的な記述模試では、これで東大の偏差値を超えます。学校の定期テストでも、東大合格レベルの順位に入れると思います。

 東大、京大、医学部入試も、この内容が基礎になります。

 『物理のエッセンス』と実際の入試との違いは、『物理のエッセンス』の問題は、入試問題を解くためのバラの技法のマスターに重点が置かれ、解答が長くないのに対し、実際の入試問題は、もう少し複雑で、小問が続く、ということです。
 ただ、それでも、デカルトが「困難は分割せよ」と言ったように、東大や医学部を目指す人でも、「困難を分割し」、『物理のエッセンス』でバラの技法をマスターしたあとに、入試レベルの問題に取り組んだほうが、遅いようで早く、また、到達点も高いと思います。

 

『物理のエッセンス』が合わない、使いにくい、わかりにくい人

 教科書を理解していない人です。また、東大、京大、医学部あたりを目指さず、入試に使う技法に少々抜けが出てもいい人は、もう少し解説の親切な参考書を使ったほうがいいです。おそらく、Amazonで低評価をつけているのは、このような人達だと思います。

 

『物理のエッセンス』は共通テスト対策になる?

 物理のエッセンスが完璧なら、共通テストでも、かなりの高得点を取ることができるはずです。ただし、共通テストは、国立二次、私大とは異なる角度から問うてくる問題や定性的理解(計算で数値を求めるのではなく、性質を理解する)を求めるもあり、医学部などで高得点が必要な場合、共通テスト型の問題で慣れることが大切だと思います。
 一方、共通テストでそこそこの点数でいいという人は、共通テストは共通テスト向けの教材を使い、国立二次、私大も、もう少し解説がわかりやすいものを使ったほうがいいと思います。

 

『物理のエッセンス』は個別指導塾で使える?

 東大や医学部に数十人受かるような高校の中位層以上なら、塾長が教科書で基本を解説し、『物理のエッセンス』の例題を解説すると、生徒はスムーズに『物理のエッセンス』の問題に取り組めるようです。かなり効率的に、生徒を東大レベルに連れて行ってあげることができます。このような学校でも、下位層だと、まずは、教科書の解説+『リードLightノート』の問題、あたりがいいのかな、と思います。

 

『物理のエッセンス』をマスターした後は?

 物理は、数学とは異なり、分野横断的な出題は少なく、「力学」の分野では「力学」しか出題されないことも多いです。したがって、『物理のエッセンス』のある分野を終えたら、いきなり大学の過去問のその分野の問題に取り組むことができます。正解できないまでも、解説を読んで理解できる力はついているはずです。

 あるいは、同じ浜島先生の『名問の森』(河合出版)は、『物理のエッセンス』でマスターした技法を難関大レベルの問題で使いこなす学習に最適です。『物理のエッセンス』で少し抜けている、入試に頻出の内容も補うことができます。

 

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名問の森(河合出版) 

 

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『名問の森』のレベル、難易度

検定教科書を理解し、教科書レベルの問題をスラスラ解け
 ↓
『物理のエッセンス』(河合出版)を理解し、問題を全問スラスラ解け、
(ここまでで、河合全統記述模試や進研模試など、標準レベルの記述模試なら東大の偏差値を超えます。)
旧帝大、医学部、東工大、早慶などを目指す人

 

『名問の森』の使い方

 『名問の森』は『物理のエッセンス』(河合出版)と著者が同じ姉妹書です。難関大向けの問題集のわりには、解説が親切です。

 『名問の森』は『物理のエッセンス』でマスターした受験に必要な基本ツールを、東大や医学部で合否を分けるレベルの生の入試問題でどのように使いこなすかの訓練、と考えるといいと思います。
 入試問題について、なにを考えれば解けるかという「着眼点」「目のつけどころ」といったものがあると思います。一度は、わからなかったら答を見て、実際に手を動かして解いてみたほうがいいと思いますが、その後の復習は、「着眼点」がパッと思い浮かんだらOK、ということでいいと思います。
 『名問の森』の全部の問題について「着眼点」がパッと思い浮かんだら、東大や京大や医学部でも合格レベルになります。

 『名問の森』は『物理のエッセンス』に少しだけ抜けている、入試によく出る設定の問題も、適切に補われていると思います。

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他レビューへの疑問

 

『物理のエッセンス』のレベルは基礎固め?最低限の基本問題?

 たしかに、ある程度以上の実際の入試問題は、『物理のエッセンス』よりも設定が複雑で、小問が続きます。
 一方で、『物理のエッセンス』は、見た目は問題が短く終わりますが、たとえば、GMARCHあたりでは出題されない、解けなくても合否を分けないような「バラの技法」が結構たくさん載っています。このような教材を「基礎固め」「最低限の基本問題」と呼ぶのは、おかしいと思います。
 実際、『物理のエッセンス』を全問解けるようにすれば、進研模試や河合全統記述模試などの、物理の問題の設定が複雑でない、標準レベルの記述模試では、東大の偏差値を超えます。また、実際の東大、京大あたりの入試でも、正解に必要な技法は、ほぼ物理のエッセンスに載っています。
 物理で「基礎固め」「最低限の基本問題」と呼ぶのが適切なのは、『宇宙一わかりやすい』シリーズ(学研)や『らくらくマスター』(河合出版)あたりだと思います。『物理のエッセンス』は、これらよりは、かなり高度な技法まで載っています。

 

『物理のエッセンス』は教科書を読んでいない状態からでも取り組むことができます?

 先述のように、『物理のエッセンス』のまえがきでは、著者の浜島先生ご自身が『物理のエッセンス』に書かれているのは「教科書に書かれていないけど大切なこと」、「用語の説明など必要だけれど退屈な所は教科書にまかせ」と書かれています。
 つまり、教科書を読むことは、大前提の本だと、著者の浜島先生ご自身がおっしゃっていると思います。

 

『物理のエッセンス』のレベル 到達偏差値は、河合全統記述記述模試で55前後?

 先述のように、『物理のエッセンス』は実際の難関大入試とは異なり、「バラの技法」を習得するために、問題が短く、設定も複雑ではありません。ただ、河合全統記述模試の物理も、それほど設定は複雑ではありません。また、先述のように、『物理のエッセンス』は、東大入試まで含めて、正解に必要な「バラの技法」は、ほぼ網羅されています。
 実際に、到達偏差値は、低く見ても河合全統記述模試で東大の67.5は行けると思います。

 

『物理のエッセンス』の出版社の信頼性と実績

 『物理のエッセンス』の出版社は、河合出版です。予備校の河合塾の傘下です。河合塾は、模試が学校採用される場合が多く、河合全統記述模試や共通テスト型模試は、数十万人が受験します。
 河合出版の参考書、問題集も『物理のエッセンス』『数学良問のプラチカ』『入試現代文のアクセス』など、受験界で超定番のものが何冊もあります。また、予備校系の参考書としては、ビジュアルの良さに定評があると思います。
 出版社の信頼性、実績は抜群と言えます。
 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅66m 東大卒の塾長による個別指導

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