非認知能力とは?:大学受験での重要性、鍛え方、おすすめの本は?

 

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非認知能力とは?:大学受験での重要性、鍛え方、おすすめの本は?

 

・非認知能力とは?

・非認知能力の具体例は?

・大学受験における非認知能力の重要性

・非認知能力の鍛えかた

・非認知能力の研究の歴史

・非認知能力のオススメの本

 

「非認知能力」とは?言い換えると?

IQや学力テストで計測される認知能力とは違い、「忍耐力がある」とか「社会性がある」とか「意欲的である」といった、人間の気質や性格的な特徴のようなもの
(『学力の経済学』(ディスカヴァー、中室牧子慶應義塾大学教授)より引用)

塾長による書評

です。

 

非認知能力の具体例は?

・自己認識(自分に対する自信がある、やり抜く力がある)
・意欲(やる気がある、意欲的である)
・忍耐力(忍耐強い、粘り強い、根気がある、気概がある)
・自制心(意志力が強い、精神力が強い、自制心がある)
・メタ認知ストラテジー(理解度を把握する、自分の状況を把握する)
・社会的適性(リーダーシップがある、社会性がある)
・回復力と対処能力(すぐに立ち直る、うまく対応する)
・創造性(創造性に富む、工夫する)
・性格的な特性(神経質、外交的、好奇心が強い、協調性がある、誠実)
(『学力の経済学』(ディスカヴァー、中室牧子慶應義塾大学教授)より引用)
といったものが挙げられます。

 

大学受験における非認知能力の重要性

 ノーベル経済学賞も受賞したヘックマン教授らの研究によると、「非認知能力」は学校卒業後のみならず、「学歴」にも大きく影響を与えることが明らかになっています。

 

自信、自己効力感

 「成功」との相関係数は、「技術的なもの」より「自己効力感」、つまり自信のほうが高いことが大学の研究で明らかになっています。

やる気が上がる8つのスイッチ(ディスカヴァー)

大学受験も、自分に対する自信がある人のほうが、成功しやすい、ということになりそうです。

 

やり抜く力、GRIT

 大学受験は、短距離走ではなく、マラソンのようなものです。「やり抜く力」を持つ受験生は、目標達成のために必要な努力と苦労を惜しまないため、大学入試で成功する可能性が高くなります。また、挫折から立ち直り、困難な状況でも前進し続けることができます。

 

意欲

 意欲がある人のほうが、最高の力を発揮するために、必要な時間と労力を費やす可能性が高くなります。また、課題に直面しても集中力を維持し、努力を続ける可能性が高くなります。
 また、近年の大学入試は、いわゆる2月ごろのペーパーテストの前に、合格が決まることが多いです。このような場合、大学は、意欲があり、大学に貢献する学生を合格させたいと思っています。

 

忍耐力

 大学受験は難しいものであり、学生は諦めたくなるような時が来るでしょう。しかし、忍耐力があれば、目標を達成する可能性が高くなります。
 学生が集中してモチベーションを維持するのに役立ちます。困難な状況に直面しても、それを乗り越える可能性が高くなります。
 学生が課題を克服するのに役立ちます。学生が挫折に直面した場合、忍耐力を使って前進し、最終的には目標を達成することができます。

 

自制心

 自制心は、困難な状況でも集中力とモチベーションを維持するのに役立つため、大学受験の勉強において重要です。また、それは、勉強を妨げるものから離れて、勉強の進捗状況を把握するのにも役立ちます。
 勉強に集中し、気を散らすものを避けることができます。これは、多くの集中力と注意力を必要とする大学入学試験で成功するために不可欠です。
 疲れていても退屈していても勉強を続けるのに役立ちます。これは重要です。なぜなら、大学入学試験は多くの努力と献身を必要とするからです。
 大学入学試験に対するストレスと不安を軽減するのに役立ちます。落ち着いて集中していれば、試験で最高のパフォーマンスを発揮することができます。

 

理解度を把握する、メタ認知

 自分の理解度を把握していると、最も勉強が必要な分野に勉強を集中させることができます。「知らないことを知らない」場合、すでに知っている内容を勉強することになり、時間の無駄になるかもしれません。または改善する必要がある分野を特定できないかもしれません。
 理解度を評価する方法はいくつかあります。1つは、テストを受けることです。これは、実際の試験でどのような出題がされるかの理解を助け、また、強化する必要がある分野を特定するのにも役立ちます。理解度を評価する別の方法は、個別指導塾の先生に相談することです。先生は、あなたが苦労している分野を特定し、あなたを助けるために必要な支援を提供することができます。
 理解度がわかったら、個人に合わせて作られた学習計画を作成してもらうことができます。これは、あなたの時間を最大限に活用し、試験に備えることを助けます。

 

社会性

 同じ試験勉強をしている他の学生と関係を築くのに役立ちます。これにより、サポートとモチベーションを得られるだけでなく、大学受験に必要な情報を得られる可能性もあります。
 先生と効果的にコミュニケーションするのに役立ちます。これにより、より良い指導とより個別化されたサポートを受けることができます。たとえば、ある概念やスキルに苦労している場合は、先生に伝えることが重要です。これにより、必要な支援を受けることができます。
 大学入学試験の大きな障害となる可能性のあるストレスや不安を管理するのに役立ちます。たとえば、友人や家族に自分の気持ちを伝えることにより、必要な励ましを得られるでしょう。

 

回復力、レジリエンス

 挫折や困難から立ち直る能力です。大学受験では、途中で多くの障害に直面することになります。たとえば、

・教材に圧倒される
・勉強に遅れをとる
・テストの不安に対処する
・病気や家族の問題などの個人的な問題に直面する

回復力は、これらの課題を克服し、勉強を続けるのに役立ちます。

 

創造性、クリエイティビティ

 創造性により、既存の考え方を離れて、問題に対して新しい、革新的な解決策を考え出すのを助けることができます。これは、新しい状況に知識を適用したり、複雑な問題について批判的に考えることを要求する試験において、特に役立ちます。
 たとえば、賛否両論ありそうなトピックについて小論文、英作文を書くように求められた場合、創造性は、独特で説得力のある議論を展開するのに役立ちます。
 勉強にモチベーションを高め、関与させ続けるのに役立ちます。創造的な計画に取り組んでいるとき、勉強に興味を持ち、最善を尽くすために、より努力をする可能性が高くなります。これにより、より良い成績を獲得し、希望の大学に入学する可能性が高くなります。

 

好奇心

 好奇心は、学習に集中しモチベーションを維持するのに役立ちます。何かについて好奇心を抱いている場合、それについてもっと学びたいと思う可能性が高くなります。これは、より深い理解につながり、試験でより良い成績を収めるのに役立ちます。
 より批判的に考えるのにも役立ちます。好奇心を抱いている場合、質問をしたり、提示された情報に疑問を呈したりする可能性が高くなります。これは、より深い理解につながり、試験の準備をよりよくするのに役立ちます。
 より効果的に学ぶのに役立ちます。好奇心を抱いている場合、学んだ情報はより記憶に残る可能性があります。これは、情報に興味を持ち、もっと学びたいと思う可能性が高くなるためです。

 

誠実さ

 学生が有意義な方法で学び成長することができます。学生が誠実に行動すると、自分自身と他人に対して正直になり、自分の学習に責任を持ちます。これは、教材をより深く理解することにつながり、大学受験で成功するために不可欠です。
 受験生が強い学習倫理を身につけるのに役立ちます。学生が自分の能力と弱点について正直に話すと、成功するために必要な努力をする可能性が高くなります。
 誠実さは、学生が批判的思考能力を身につけるのに役立ちます。学生が自分で考え、自分のアイデアを思いつくことができるとき、彼らは大学入学試験で難しい質問に答える準備ができています。
 誠実さは学生に自信を築くのに役立ちます。学生が成功した場合、彼らは自分自身の能力を信じる可能性が高くなります。

 

非認知能力と大学受験についての当サイトのページ

 

与えすぎると教育に失敗する?:個別指導塾と意欲を奪わない教育
意欲、好奇心(非認知能力の一部ですね)といったものが、一番の才能であり、与えすぎると、逆に、これらの最も大切なものを奪ってしまうことになりかねない、という話です。

お子さんが主体的に東大・医学部受験に挑む秘訣:自主性を引き出す方法
主体性や高い目標にチャレンジする、といったことも、非認知能力の一部と言っていいでしょう。

 

非認知能力の鍛えかた:習い事なんていらない!

 

 「非認知能力」は鍛えることができるとされます。
 そもそも、脳が適切なトレーニングにより成長することが科学的に明らかになっているので、「非認知能力」も鍛えることができるでしょう。小学生、中学生、高校生、社会人、いずれも高めることができます。

 

自信、自己効力感の鍛えかた

 上記で、以下の本を紹介しました。

『やる気が上がる8つのスイッチ』(ディスカヴァー)

著者は、コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長のハイディ・グラント・ハルバーソン先生です。大学の研究に基づく、ちゃんとした本です。この中で、自信を高めるには

「成功体験を積むこと。社会人ならば、職場でのオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)で成功体験を積むこと。」

と述べられています。大学受験を目指す高校生ならば、実際に、高校の定期テストや、模擬試験で、いい点数を取る、ということになります。大学受験で良い点数を取るための手段が、テストや模擬試験で良い点数を取る、というのが難しいところですが、少しずつ成績が上がることにより、少しずつ自信、自己効力感も高まり、正のスパイラルが生まれる、ということだと思います。

 

やり抜く力、GRITの鍛えかた

 『GRIT やり抜く力』という有名な本があります。ペンシルベニア大学心理学部のアンジェラ・ダックワース教授の著書です。大学での研究、調査に基く話がたくさん出てくる、ちゃんとした本です。アンジェラ・ダックワース教授の研究は、他の多くの本で引用されています。
 『GRIT やり抜く力』には、「やり抜く力」を鍛えるための、様々な方法が述べられています。一部を挙げると

・最上位の目標を設定する
たとえば、東大、医学部受験であれば、大学合格そのものかもしれませんし、その後の社会貢献かもしれません。

・中、下位の目標を設定する
たとえば、大学受験であれば、1日1日、教材をこなしていく、といったことでしょう。

・さまざまなことに挑戦する
金メダリストなどの「やり抜く力の鉄人」も、意外と、最初から「最上位の目標」が決まっていたわけではないケースが多いようです。さまざまなことに挑戦した上で、自分が「やり抜くこと」がきまった、ということです。まあ、挑戦のうちに、習い事を入れてもいいかもしれません。

・実際にやり抜く
本書では、課外活動を1年以上続けることをオススメしています。実際に何かをやり抜くことにより、他のことをやり抜く力も高まる、ということです。

・人の役に立つと考える
教会を作っているレンガ職人に「何をしているんですか?」と聞くと、「レンガを積んでいるんだよ」と言った人と、「歴史に残る大聖堂を作っているんだ」と言った人がいた、という有名な話があります。後者のほうが、やり抜く力は高そうですよね。

 

また、『やり抜く人の9つの習慣』(ディスカヴァー)という本があります。著者は、上記の『やる気が上がる8つのスイッチ』(ディスカヴァー)と同じ、コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長のハイディ・グラント・ハルバーソン先生です。大学の研究に基づく、ちゃんとした本です。「やり抜く力」の背景よりも、「やり抜く力」を鍛える具体的な方法に、より焦点を当てています。目次を挙げると

・目標に具体性を与える

・目標達成への行動計画をつくる

・目標までの距離を意識する
たとえば、大学受験生なら、模試を受けて、自分なり指導者なりがフィードバックを行う、ということです。

・現実的楽観主義者になる
単なる「ポジティブシンキング」ではなく、目標を達成することは簡単ではないことを自覚した上で、困難に立ち向かう自分をイメージする、ということです。

・「成長すること」に集中する
先述のハイディ・グラント・ハルバーソン先生の著書『やる気が上がる8つのスイッチ』の大テーマである、「自分の能力を証明するため」ではなく「自分を成長させるため」に勉強するということです。

・「やり抜く力」を持つ

・筋肉を鍛えるように意志力を鍛える

・自分を追い込まない

・「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
たとえば、「夜更かししない」ではなく「早く寝る」という表現にする、といったことです。

 

意欲の鍛えかた

・現実的な目標を設定する
毎日取り組むことができる小さな、達成可能な目標を設定します。

・勉強仲間を見つける
誰かと勉強することで、やる気を維持し、責任を果たすことができます。

・努力に報酬を与える
目標を達成したら、自分自身に小さな報酬を与えましょう。これは、やる気を維持し、軌道に乗るのに役立ちます。

・前向きな勉強環境を作る
集中でき、気を散らすものがない静かな場所を見つけましょう。

・休憩する
休憩せずに何時間も勉強しようとしないでください。燃え尽き症候群を避けるために、20〜30分ごとに立ち上がって動き回ってください。

・自分を信じる
試験で上手にできるということを忘れないでください。やる気を維持し、集中力を維持すれば、目標を達成することができます。

試験に成功することのメリットを考える
どんな大学に入学できますか?どんなキャリアが開かれていますか?

・すでに試験を受けた人に話を聞く
彼らは、あなたにアドバイスを与えることができます。ただし、単なる個人的経験は、普遍的でないことも多いので注意が必要です。

・諦めない
落胆する時があるでしょう。しかし、誰もがどこかで苦労していることを忘れないでください。頑張っていれば、最終的には目標を達成できます。

 

 上記で『やる気が上がる8つのスイッチ』(ディスカヴァー)を紹介しました。やる気、つまり、意欲ですね。自分の能力を証明するのではなく、成長を目指す。自信をつける。自分が獲得型か回避型かを見極め、強みを活かす。ことを意識しましょう。

 下記の原田隆史先生の目標設定用紙には、「自分がなぜその目標を達成しなければならないのか」の理由を「公私」「物心」をxy軸にした平面にたくさん書き上げる欄があります。理由をたくさん上げることで、目標達成への意欲が高まる、ということだと思います。

 

回復力、レジリエンスの鍛えかた

・休憩する
何時間も勉強を続けるのではなく、休憩してください。立ち上がって動き回るか、頭をクリアするために数分間何か別のことをしてください。

・諦めない
誰もが挫折や困難を経験します。立ち上がって続けることが重要です。

・自分を信じる
どんな困難も克服できる自信を持ってください。

・ポジティブに考える
人生の良いことに焦点を当て、ネガティブなことに固執しないでください。

・自分を大事にする
十分な睡眠をとる、健康的な食事を食べる、定期的に運動する。好きなことをしたり、リラックスしたりする時間を取ることも大切です。

・ポジティブな人々に囲まれる
あなたを支え、あなたを気分良くさせてくれる人々と時間を過ごしてください。

・自分の強みに目を向ける
自分の長所や能力を認め、自分を信じるようにしましょう。

・他人の助けを借りる
困難に直面しているときは、他人の助けを借りることを恐れないでください。信頼できる人に相談したり、サポートを求めたりしましょう。

 

創造性の鍛えかた

・既存の考え方を離れて考える
新しい、革新的なアイデアを思いつくことを恐れないでください。創造性が高いほど、群衆から際立つ可能性が高くなります。

・新しい経験にオープンであること
新しいことに挑戦し、あなたの快適ゾーンから出てください。これは、あなたの創造性を開発し、新しい考え方を学ぶのに役立ちます。

・間違いを恐れない
間違いは創造的プロセスの自然な部分です。間違いで落胆しないでください。代わりに、間違いから学び、それらをあなたの仕事に改善するために使用してください。「私は決して失望などしない。なぜなら、どんな失敗も新たな一歩となるからだ。」(エジソン)

・楽しむこと!
学習は楽しいはずです。もしあなたが楽しいと感じているなら、あなたは創造的になり、最高の学習をする可能性が高くなります。

 

好奇心の鍛えかた

・質問する
学習している内容について、先生に質問することを恐れないでください。質問すればするほど、学ぶことができます。

・研究する
何かについて好奇心を抱いている場合は、それについて研究してください。インターネット、書籍、雑誌など、多くのリソースが利用できます。

・人と話す
学んでいることを友達、家族、教師と話してください。これは、学んでいることをより良く理解し、異なる視点を得るのに役立ちます。

・オープンマインドであること
新しいアイデアや視点にオープンであること。これは、より多くのことを学び、より批判的に考えるのに役立ちます。

 

誠実さの高め方

・自分の長所と短所を正直に評価する。
・自分のために現実的な目標を設定し、それらを達成するために一生懸命勉強する。
・不正行為や盗用をしない。

 

その他、非認知能力の鍛えかた

 神戸大学の西村教授や山形大学の窪田准教授の研究によると、いわゆる「しつけ」が「勤勉性」という非認知能力に因果関係を持つことが明らかになった、とのことです。(『学力の経済学』(ディスカヴァー)より)。「しつけ」により「忍耐力」「自制心」といったことを司る脳の部位が成長する、のではないか、というのが塾長の私見です。

 「細かく計画を立て、記録し、達成度を自分で管理する」ことが、「自制心」を鍛えるのに有効であるという研究が多数あるそうです(『学力の経済学』(ディスカヴァー)より)。
 普通の公立中学の陸上部で7年間に13回の日本一を達成された、原田隆史先生は、生徒に「日誌」をつけるよう指導していました。つれづれに、思ったことを書く「日記」ではありません。1日のうちに、すべきことをあらかじめ書いておき、実際に実行できたかをチェックし、毎日、段差の小さい階段を登っていく。それを続けると、結局は、とんでもないところに到達できる、というものです。塾長は、「自制心」のみならず、「自分の状況を把握する力」も鍛えられるのではないか、と考えています。

 課外活動の継続を奨める研究者も多いようです(『GRIT やり抜く力』(ダイヤモンド社)、『学力の経済学』(ディスカヴァー))。普通の公立中学の陸上部で7年間に13回の日本一を達成された原田隆史先生は、「1000日間続けることを決めなさい。」と指導するそうです。たとえば、家庭での皿洗い、風呂掃除などです。それにより、原田先生の生徒は、やり抜く力が高まったのかもしれません。上記でも、「やり抜く力」を高めるには、実際に課外活動を1年以上やり抜く、と書きました。

 スタンフォード大学の心理学者、キャロル・S・ドゥエック教授は、「能力は努力によって後天的に伸ばすことができる」という「しなやかマインドセット(心の持ちよう)」を持つことが大切であると著書で述べています(マインドセット「やればできる!」の研究(草思社))。

 

非認知能力を高める指導者は「非認知能力」を語らない?

 下記、ポール・タフさんの著書『成功する子 失敗する子』(英知出版)『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む』(英知出版)では、非認知能力は、教え込まれるものではなく、「子供をとりまく環境の産物」と考えたほうが、より正確であり、有益である、としています。ということは、子供本人よりも、環境に働きかけなければならない。そして、子供にとって、もっとも大きな環境は、家庭、保護者です。ということは、大人が非認知能力を育むことが、最も大切、ということになりそうです。
 また、ポール・タフさんの著書では、「生徒から非認知能力を上手く引き出すことのできる教育者たちは、非認知能力の話を教室ですることはない」と述べられています。たとえば、チェスクラブの顧問であれば、生徒のチェスの対局の検討を通して、
・チームへの帰属意識

・目標を高く持つこと
・自身を持つこと
・粘り強く難題に取り組む
・失敗やストレスに対処するレジリエンス
なども教えていた、と考察しています。彼女は、生徒の対局を生徒と一緒に熱心に分析し、生徒のミスを率直に話し、どうしたら良かったかを理解させることにより、生徒の生活全般の取り組みまでを変えた、と考察しています。

 大学受験塾チーム番町では、生徒の学校のテストや模試の反省を通して、上記のチェスの先生と同じような反省をしています。たとえば、数学なら、どの教材の何ページをマスターできていればこの問題が解けたか。共通テスト型現代文なら、どのように考えれば、正しい選択肢にたどり着けたのか。これにより、生徒の非認知能力をも育むことができているのなら、素晴らしいことだな、と思います。

 

好奇心、社会性は「好奇心、社会性の高い人のマネ」で鍛えられる!:大学の研究に基いて

  『運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法』(アスコム)という本があります。著者は、鈴木祐さんという、論文マニアの方です。大学などの研究論文、エビデンスに基づいてパフォーマンスを上げよう、といった趣旨の本を何冊か出しています。
 本書では、ウィスコンシン大学などが行った、約8,000人のデータに基づいたメタ分析によると、「天才と凡人を分けるのは好奇心の有無」としています。そして、南メソジスト大学が開発した、好奇心を高めるためのアクションリストが載っています。アクションリストからいくつか選んで、4ヶ月ほど続けると、好奇心の向上が見られたそうです。おおむね、現在、日常で行っていないような行動をすればいい、つまり、好奇心の高い人の行動のマネをすればいいと思います。
 社会性についても同様で、社会性を高めるためのアクションリストが載っています。

 

創造性を鍛えるには、深い経験と幅広い経験が大切!:大学の研究に基いて

 『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(三笠書房)という本があります。

 著者は、ペンシルベニア大学ウォートン校の心理学者のアダム・グラント教授です。大学の研究に基づいたちゃんとした本です。本書では、ノーベル賞を受賞した科学者と、一般的な科学者を比較した考察があります。両者とも、専門分野の深い専門性を有することについては、共通しています。一方、ノーベル賞受賞者は、芸術に携わる割合が、並外れて高かったとのことです。
 本書では、「深い経験と幅広い経験が独特に組み合わさることで創造性は発揮される」と考察しています。
 「幅広い経験」を芸術に限ると、楽器、バレエなど、習い事が必要のようにも思えますが、それ以外の幅広い経験でもいいかもしれません。

 

非認知能力研究の歴史

 非認知能力は、もともとアメリカの経済学者であるサミュエル・ボウルズとハーバート・ギンタスによって、1976年に「非認知的個人特性」として提唱されたといわれています(岡山大学サイト)

 1962年から1967年にかけてアメリカで「ペリー就学前プロジェクト」が行われました。これを研究したのが、ノーベル経済学賞も受賞した、ジェームズ・J・ヘックマン教授です。非認知能力が、学歴、収入、健康管理、犯罪率などに影響すると結論づけました。ヘックマン教授には『幼児教育の経済学』(東洋経済新報社、アメリカでは2013年出版)という著書があります。本の内容自体が薄く、非認知能力を高めるための具体的なノウハウなどは皆無ですが、この情報が玉石混交の時代に、大学の研究者の本を紹介することは、意義があると考えます。本書は、ヘックマン教授の研究内容に対し、学者や教育関係者が意見を述べ、それに対し、ヘックマン教授が返信する、という内容になっています。

 日本では、2000年前後に、普通の公立中学校の先生である、原田隆史先生が、陸上部の顧問として、7年間で13回の日本一を達成されました。そのエッセンスを著書にしたのが『成功の教科書』(小学館)です。

 原田隆史先生は、「非認知能力」という言葉は使っていません。2000年代に、日本で「非認知能力」という言葉を使っていた人は、ほとんどいなかったでしょう。しかし、原田隆史先生の指導メソッドは、まさに、非認知能力に重きを置いたものと言えます。現在、「非認知能力」とされているものを育むための具体的な方法が語られています。古今東西の成功者を分析して指導に生かされたそうです。
 成功は、人間の生まれ持った質ではなく、つくるものである。
 物事の結果を決める要因は「心・技・体・生活」で、特に「技」の前に「心」が大切だとおっしゃいます。「心」の内容として「やり抜く力」「意欲」「自信」といった「非認知能力」のかなりの部分がカバーされています。日誌(その日すべき事の予定と実績)をつけ、毎日少しづつ、目標への階段を登る、といった目標達成の技法も、「やり抜く力」「自分の現在の状況を把握する力」などを育む方法と言ってもいいでしょう。

 下で紹介している、スタンフォード大学の心理学のキャロル・S・ドゥエック教授の著書『マインドセット「やればできる!」の研究』(草思社)がアメリカで出版されたのが、2006年です。本書でも「非認知能力」という言葉は使われていませんが、内容は、非認知能力を育むための本と言ってよく、大学の研究に基づく書籍ということで歴史的意義があるでしょう。

 アメリカでは、2012年にジャーナリストのポールタフさんの著書で、おおむね、大学の研究やリサーチに基づいた『成功する子 失敗する子』(英知出版)が出版されました。本書の、少なくとも日本語版序章には「非認知スキル」という言葉が使われています。そして、ヘックマン教授の研究についても述べられています。ポールタフさんは2016年に『私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む』(英知出版)を出版しました。

 

 

非認知能力についてのおすすめの本

 

SMARTゴール 「全米最優秀女子高生」と母親が実践した目標達成の方法(祥伝社)

世界最高の子育て 「全米最優秀女子高生」)を育てた教育法(ダイヤモンド社

 娘さんが全米最優秀女子高生に選ばれた、ボーク重子さんの著書です。メディアで「パッション、パッション」言っている人ですね。一見、ちょっと変ですが、非認知能力の面から言うと、パッション(情熱)は非常に大切です。
 大学教授の先生の本ではありませんが、ボーク重子さんは大学の研究などを詳細にリサーチされているそうす。内容は、大学教授の先生が研究に基づいて書いた本や、ビジネスですでに有名な手法などと、かなり重複し、ボーク重子さんの独りよがりというわけではないと思います。
 ボーク重子さんは「非認知能力」を重視しています。
「自分からやる力」「問題解決能力」「自信」「回復力」といった力は、どのようにすれば育むことができるか、親のあり方の科学的結論は「民主型」、といった内容が書かれています。
 親のあり方の科学的結論について、ペンシルベニア大学心理学部教授が書いた『GRIT やり抜く力』(ダイヤモンド社)では、「要求は厳しいが、暖かく支援し、子供の自主性を尊重する」としており、ほぼ一致します。

 

マインドセット「やればできる!」の研究(草思社)

 スタンフォード大学の心理学のキャロル・S・ドゥエック教授の著書です。おおむね、大学での研究、調査に基づく、ちゃんとした本です。
 多くのページが「こちこちマインドセット」と「しなやかマインドセット」について書かれています。
 「こちこちマインドセット」とは、自分の能力は固定的で変わらないという心の持ちようです。また、自分の能力を証明せずにはいられないタイプです。自分が他人からどう評価されるかを非常に気にします。
 「しなやかマインドセット」とは、人間の基本的資質は、努力次第で伸ばすことができるという心の持ちようです。自分の成長に関心を向けるタイプです。
 上に、「自信」は非認知能力の1つだと書きました。一方、本書では、「自信などいらない」とします。なぜなら、「しなやか」な人は、失敗しようが、ただただ自分の成長に関心を向け、やり抜いてしまうからです。このような「しなやかさ」も非認知能力の1つと言うことができるでしょう。

 

スタンフォードのストレスを力に変える教科書(大和書房)

 『スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房)がベストセラーになった、スタンフォード大学の心理学者、ケニー・マクゴニガルさんの著書です。実験や研究の裏づけがある、ちゃんとした本です。
 回復力、レジリエンスも非認知能力の1つと書きました。
 本書は、ストレスは、ストレスは力に変えることができる、役に立つ、ということを、科学的根拠とともに、説明した本です。ストレスは、現代社会では慢性化しがちなので、負の側面が顕在化しているだけで、本来は、人類に必要だから、備わっているのです。

 

小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て(マガジンハウス)

 慶應義塾大学医学部小児科教授の高橋孝雄先生の著書です。
 全体として、「子育てを頑張りすぎるな」という趣旨だと思います。ここで「子育て」とは、表面的なペーパーテストの点数を目指した教育だと思います。
 本書では、「共感力」、「意思決定力」(自分のことは自分で決める)、「自己肯定感」が大事、などと述べられています。つまり、非認知能力ですね。
 医学部教授という責任ある立場の人が、小児科医の目線から述べた、教育への提言、という内容だと思います。

 

職場(大学卒業後)における非認知能力の重要性

 当塾は、大学受験塾なので、大学受験における非認知能力の重要性と鍛え方を解説しました。
 一方、非認知的能力は、社会人が持つ認知能力や技術的スキルを補完するものとして、職場において極めて重要です。非認知能力のうち、コミュニケーション能力、チームワーク、適応力といったものは、大学受験よりも、むしろ、社会に出てから重要になります。
 以下のリンク記事では、これらの非認知能力が職場で重要視される理由と、その非認知能力の鍛え方について解説しています。

職場(大学卒業後)における非認知能力の重要性と鍛えかた

 

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

 

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