【感想・書評】東大教師が新入生にすすめる本(文春新書):生涯に一度の輝かしい瞬間に送る祝辞

 

東大のこと、教えます(プレジデント社、小宮山宏)

 

【感想・書評】東大教師が新入生にすすめる本(文春新書):生涯に一度の輝かしい瞬間に送る祝辞

 

created by Rinker
¥1,047 (2024/02/22 19:25:17時点 Amazon調べ-詳細)

 

『東大教師が新入生にすすめる本』の感想、書評

 東大の先生による新入生のためのブックガイドとして、雑誌『UP』(東京大学出版会)に掲載されたアンケートを再構成した本です。

1.私の読書からー印象に残っている本
2.これだけは読んでおこうー研究者の立場から
3.私がすすめる東京大学出版会の本

という3問の設問で構成されます。

 平成16年初版のもののまえがきは、ホリエモンこと堀江貴文さんのゼミの教官だった、船曳建夫先生が書かれています。船曳先生は、ベストセラー『知の技法』の編者としても有名です。
 船曳先生は、まえがきを「大学1年生という一瞬」と題しています。生涯に一度しかない輝かしい一瞬。本書は、その大学新入生に対する祝福の言葉だそうです。まあ、そのような、ありがたいものと捉えることもできますし、厳しい洗礼と捉えることもできます(笑)。

 全体的に、ご自分の専門分野の本が多く挙げられています。新入生に、今すぐ読め、ということなのか。今すすめるから後日読め、ということなのか。前者であれば、かなり厳しいものも多いです。本の難しさにも、色々あると思いますが、前提知識がないと理解できない類の本も多いだろうからです。大学受験数学に例えると、教科書レベルを理解していないと、教科書を超える、チャート式やFocus Goldを理解できませんね。そのようなことが、かなり起こりうるのではないかと。

 一方で、塾長が教養課程の時に『物理科学』という授業の担当だった物理の教授が『日本人の英語』(岩波新書、マーク・ピーターセン)を挙げていて「諦めかけていた冠詞に再び挑戦しようかと思わせてくれる本」としています。東大教授も、英語の冠詞には苦労するのだなあと。『日本人の英語』は『続・日本人の英語』とともに、他の工学系の先生も挙げています。
 また、天文学の先生が『法隆寺論』『柿本人麻呂論』『聖徳太子』といった本を挙げていることがあります。不完全な史料から史実を推定する作業は、観測で得られる不完全な少ない情報から天体で何が起こっているかを推定する作業に似ていて、参考になるそうです。東大教授の研究領域にまで達すると、いかなる分野でも、通づるものがあるのだなあ、と思いました。
 三たび物理の先生ですが、『戦争と平和』(トルストイ)、『罪と罰』(ドストエフスキー)を挙げている先生もいます。『戦争と平和』は、複数の物理の先生が挙げています。ある先生は、「要は、ある目的を離れて思考することであ」る、とおっしゃっています。よくわかりませんね(笑)。
 塾長は、司馬遼太郎さんが好きです。ある図学の先生は『竜馬がゆく』(文春文庫)を挙げています。
 小説は、全体として、ドストエフスキー、夏目漱石が挙げられることが多いです。

 2004~2008年版は、急に、『ファインマン物理学』を含め、ファインマン先生の著作が増えるような気がします。

 興味がある人、将来の専攻に考えている人は、ここで挙げられているような本を、早くから手にとってみてはいかがでしょうか。

 

キムタツの東大に入る子が実践する勉強の真実(KADOKAWA)

東大脳の作り方(平凡社新書)

東京大学文系・理系数学 傾向と対策と勉強法

 

この記事を書いた人

大学受験塾チーム番町代表。東大卒。
指導した塾生の進学先は、東大、京大、国立医学部など。
指導した塾生の大学卒業後の進路は、医師、国家公務員総合職(キャリア官僚)、研究者など。学会(日本解剖学会、セラミックス協会など)でアカデミックな賞を受賞した人も複数おります。
40人クラスの33位での入塾から、東大模試全国14位になった塾生もいました。

大学受験塾チーム番町 市ヶ谷駅100m 東大卒の塾長による個別指導

Twitter